2013 オールジャパンin白鷹


                           レポート   植木 享
初日
朝から強風および降雨の為、受付は通常どうり行いましたが、開会式とミーティングはスキーセンター本部で行い初日のタスクキャンセル、夕方の交流会を発表し解散しました。


PCL選手を対象に宮田氏・鈴村氏からセミナーを開催していただき好評でした。



夕方からの交流会は皆さん時間厳守で集り、夜遅くまで盛りあがりました。


今回は、ビール、ジュース、トン汁、オードブル、漬物、おにぎり、サラダ、ピザ、手打ちそば、アイスクリームです。毎年たくさんの方からの差し入れや、御協力頂いています。



2日目
残念ながら、朝から強風のため受付後すぐにキャンセル。選手の皆さんはそれぞれ山形・東北の観光に出かけられました。


3日目
早朝少しの間風が弱い時間帯が予測でき希望者による早朝フライトをおこないました。およそ30名の選手が参加白鷹エリアをフライトしていただきました。


朝の受付後、わずかな望みを掛けてテイクオフに上がりましたが、既に6m以上の強風が入っており、キャンセル。


今年はこどもの日にちなんで、賞品をゲーム勝者に分配をしますが、まずは子供さんに挑戦していただきました。その後は希望者に挑戦していただき時間の短い順に分配しました。
(今年も用意した商品は地元さくらんぼ、佐藤錦10キロです。)



記念写真を本部位前で撮影し解散しました。カレーライスを用意し時間のある方には食べていただきました。



昨年から毎朝の朝食は誰でも無料で食べていただくように準備しました、また次回も暖かいご飯を食べて米沢まで飛んでいただきたいと思います。



2013PNL第3戦、PCL第2戦CooSpringCup

レポート 宮田 歩
先月の「CooXCカップ」に引き続き、XCベストシーズン中の筑波エアパークCOOで第2弾となる「Cooスプリングカップ」開催です。

この季節、周期的にやってくる移動性高気圧にぴったり出会えるのか!?大会の成功は天気次第となりますが、やっぱりそれは運なのでしょうか。今回も前日の練習日が素晴らしいコンディションとなってしまいました。サーマルトップは何と2500mを凌駕!!これをすこしでも明日にも残して欲しい・・・。そんな空を見上げながらスタッフは大会準備を行うことになりました。

13日(土)
初日の朝は快晴!上空の寒気も抜けたようで風も弱そうです。絶好のXCコンディションとなりました。早朝から集まった選手のみなさんも気象予報を見て興奮気味です。まずは選手の皆さんに、暖かい朝食サービスで気持ちをホッと落ち着かせていただき受付開始。


前回で時間がかかってしまった受付とGPSアップロード時間でしたが、「GPS楽々レジストレーション」システムを利用していただいた選手皆さんのおかげでスムーズ。大きく短縮することができました。ご協力ありがとうございました。



さて、受付後の動きがスムーズになったことで、全選手がテイクオフに集合したのは9:20。既に形成された積雲の高度は1200m。ダミーパイロットも順調にソアリングを開始しています。タスクコミッティのコンセプトはXCタスク!前回不完全燃焼だったパイロットにも思いっきりXCフライトを楽しんでいただくべく、ターンポイントなしの83km横岡ストレートゴールが決定!PCLもエリア内を周回した後、15km北の平沢ゴールへミニXCタスクとなりました。


まずはPCLからウインドオープン!数名の選手が離陸後、テイクオフには西風が・・・。東斜面のサーマルが活発化するに従い、引っ張られるように稜線上は西風が強くなってしまったのです。強いリーサイドとなった東斜面は荒れたコンディションとなり、競技委員長の辻さんは、チャレンジタスク続行は危険と判断。PCLはタスクキャンセル。時間も早いため、西テイクオフに移動し、西側エリアで仕切り直しのタスクを行うこととなりました。



PNL選手は西テイクオフへ移動し、続々とテイクオフ。サーマルトップは1800mまで押し上がりましたが、上空の風向きは北西風…。向かい風のXCフライトも珍しいものですが、選手は南風の進入を信じて、ジリジリと北進を始めます。



先頭を進むのは、昨年のチャンピオン高杉選手と稲見選手。2人をセカンドグループが追う形となります。上空の北西風は徐々に弱まってきましたが、はっきりとした南風を感じることはできず、集団はゆっくりとしたペースで進みます。そんな中、真っ直ぐ最短コースを突き進むパイロットがいました。


第1戦朝霧の優勝者只野選手です。中間地点となる茂木町上空ではトップ集団を捉え、そして烏山上空で2000mのクラウドベースをキャッチした後は、那珂川東側を単独フライトし、15時19分にはゴールへ到達!高杉選手は那珂川上空コースをとり46分遅れゴール。さらに西側を攻めた稲見選手は15km手前に無念のランディング…。今日は西の平野部は良くなかったようです。



さて、16時を過ぎ、サーマルも弱まってくる状況でもまだ多くの選手は諦めずフライトを続けていました。ゴール10km手前に多くの選手が降りていく中、東の八溝山麓をグライディングしていく2機がいました。正木選手と植田選手です。ゴール手前には北風と南西風コンバージェンスが作り出す雲が続いているのが見えます。これにたどりつけば何とかなる!!僅かに高かった植田選手はリフト帯に引っかかり、悠々とファイナルグライドへ!先急いだ正木選手はゴール地点を見誤り、最後の尾根を越せず、痛恨のショート…。最後のドラマでした。


順風の南風とは言えない難しいコンディションの中、83kmのゴールを決めた選手たちは本当に凄い!そして、多くの選手が60kmを超える素晴らしいフライトを見せてくれました。難しかったけど、ナショナルリーグにふさわしいタスクだったと言えます。

PNL選手上位者のトラックログはこちらからご覧下さい。
(TAK只野正一郎さん作成)
http://www.tak.ne.jp/cooxc2.html

一方、西テイクオフにて仕切り直しとなったチャレンジリーグですが、西斜面を回る15kmのタスクが設定されました。強かった南風も14時頃から収まり、コンディションは好転することに。そして、31分13秒の最速タイムを叩き出したのは、立山のホープ越坂選手。続いてTAKの杉岡選手が36分7秒。そして3位は女子トップでもある山岸里子選手!40分21秒。続いて4位、5位も女子パイロットです。寒風山の籾山久美子選手(43分45秒)とバーズの河野美樹選手(1時間7分48秒)。そして最後のゴールとなった6位はTAKの横田選手(1時間14分17秒)が粘りのフライトを見せてくれました。見事ゴールされた皆さん、おめでとうございました。

フライト後はチャンチャン焼きと炊き込みご飯、スープとサラダ!フルコースのお食事が選手を待ってくれていました。今日のフライトを振り返りながら、皆さん明日への鋭気を養います。遅く帰って来たナショナル選手にも、ちゃんと用意していただきました。スタッフの皆様、遅くまで本当にありがとうございました。



14日(日)
気圧の移り変わりは早く、もう次の寒冷前線が北日本に接近してきました。前線に吹き込む南風は朝から強く、朝の時点でテイクオフには7m/sを超える強風が吹いています。日中さらに強まる予報に、大会主催者は残念ながらキャンセルを発表せざるを得ませんでした。


結局、TASK1がそのまま大会総合成績となりました。
PNL優勝は只野選手。朝霧に続き今年2勝目で、夏のX-alpsに向けて調子を上げてます。こちらも楽しみですね。準優勝は昨年のチャンピオン高杉選手。本当に強い!。3位はCooが得意な植田選手。女子優勝は宇都宮の吉原紀子選手。72kmはもちろん自己ベスト記録だそうです。2位は71kmを飛んだ岡本洋子選手。3位は小森さちよ選手。12名の選手が70kmを超えた素晴らしいフライトでした。



PCL優勝は立山の越坂選手。昨年の虎井選手に続き、今年もPCLで立山旋風が吹き荒れそうです。2位はTAKの杉岡選手。1位、2位は何とEN-Bクラスパイロットでもあります。そして3位は山岸里子選手。もちろん女子優勝!入賞された皆さんおめでとうございました。



毎年Coo大会においてXCタスクを重ねるたびに、グライダー性能の進化を本当に感じることができます。昔は夢の80kmタスクでしたが、今回のような難しいコンディションでも必ずゴールする選手が数名いるのです。それでは、ノーマルな南風コンディションではもっと多くの選手がゴールしたことでしょう。天気次第のXCタスクですが、来年こそ国見ゴール190kmタスクが成立することになるかもしれません。これだから筑波のXCタスクは面白い。来年もみなさんの自己ベスト挑戦お待ちしております。


最後に、大会動画を作成しました。お楽しみください。


COOクロカンカップ

レポート 藤野光一(競技委員)

黄砂、花粉、PM2.5などで何やら騒がしいこの頃ではあるものの、それらの言葉が春を告げるキーワードでもあります。今年は桜(ソメイヨシノ)の開花も例年より早まっており、関東近辺では花見で賑わう週末になったことでしょう。 そんな春の訪れを告げる大会の一つとして定着したのが「COOクロカンカップ」。PNL第2戦、PCL第1戦となる大会で、チャレンジリーグに参加する選手にとっては大事な初戦。事前の天気予報では競技が出来そうなのは初日の23日のみで、24日は雨マークも入っているものの、両リーグ併せて86名の選手が「クロカン」に期待を膨らませて集まりました。


PWC SuperFinal Day11

いよいよ今日は最終日。昨日に引き続きコンディションは最高です。

昨日から続く、野焼きサーマルに入ったかどうかについてのコンプレインは結論が出ず、テイクオフ前に発表されたリストには宮田、シーゲルを含む15名まで膨れ上がりました。最終判断はタスクが終了してからとのことでしたが、テイクオフ前の発表に選手は動揺していました。

タスク距離は83km。宮田の作戦はシンプル。思いっきり行くのみです。


雲底2800mをガンガンのスピードレースとなりました。最後まで続いた強いコンディションは、波乱なしで展開。ファイナルも決まり、宮田は10位でゴール!!燃え尽きました。ほぼ全員がゴールすることとなり、最終日を飾るに理想的なタスクとなりました。


素晴らしいコンディションで、毎日飛べた最高の大会に、参加選手は満足したことでしょう。しかし、これから宮田にはTask9の疑惑を晴らす戦いが待っているのです。

閉会式は前には、コンプレインされた選手全員がそれぞれコンプレインシートを提出。そして、宮田、シーゲルと数名は60ユーロを添えた正式なプロテストを行いました。

プロテストの内容はというと、大会途中に発生した、野焼きサーマルでのソアリングについてです。

たしかに、「危険なため、野焼き(煙)のサーマルには入いってはいけない」「入った場合は0スコアー」この2点がブリーフィングで説明されました。しかし、何をもってして野焼きサーマルとするかの詳しい定義は何もなく、タスクボードにも何も記載されませんでした。

PWCのルールブックには、大会中追加されたルールはタスクボードに詳しく明記しなくてはならないとの表記があります。これは、野焼きサーマルについて明確な定義を提示していないミートディレクターの明らかなミスです。
選手は、Task4であった凶暴な上昇風を、危険な野焼きサーマルと理解していました。近くを通ったが、その周辺の弱いノーマルなサーマルしか使っていないことについて問題はないはずです。

PWCA,ミートディレクターのNickyMosでの話し合いは続けられ、ペナルティパイロットは4名までパイロットは絞られました。その中にまだ、宮田、シーゲルの名前はありました・・・。

OKとみなされたパイロットと、ペナルティパイロットの違いの説明はなく、その成績のまま、なし崩しに表彰式は始まりました。ペナルティーを受けたパイロットにとって、まったく不可解であり、不公平です。

宮田、シーゲルはこのタスク成績次第で、総合トップ10に入る可能性が高く、後味の悪い終わり方となってしまいました。非常に残念です。


今回の大会は、1本ゴール手前でミスしてしまいましたが、納得のいく攻めからの結果で、自分では納得できるものでした。JPA選手全員が燃え尽きたつもりです。

皆様 最後までご声援いただき、本当にありがとうございました。


PWC SuperFinal Day10

今日はこちらに来て初めての快晴のテイクオフとなりました。テイクオフへはグライダー満載のトラックとパイロットは観光バスで1時間かけて移動します。朝早いためか宮田を含め、ほとんどの選手はバスで寝ています。

バスを降りると、まずはテイクオフまでの200mの歩きと約50mの登りが待っています。登り場に着くと、いらっしゃいませとばかりに、馬ポーターのおじさんが笑顔でやってきます。体調が本調子でないので、今日もお願いしてしまいました。


今日のタスクは73km。ただし、40㎞先のゴールまで行き、そしてそのゴールに対し15km半径シリンダー外へ一度出ます。そして再度ゴールに戻ってくるという面白いタスク。15kmのシリンダーはどちらの方向にも出ることができ、最も効率が良い方向へ選手は出ていく選択肢が勝負の分かれ目となります。

スタート前、テイクオフ周辺は強いリーサイド(裏風)となりかなり荒れていて大変。選手はレベル2を連呼。時にはレベル3も・・・。このままではタスクキャンセルになってしまう。まずいと思いながらも何とか雲底で耐え抜き、無事スタート。


前半は山沿いに発生した積雲下をフルスピードで南下。こんな強い上昇風帯をアクセルを100%踏み切った状態で飛ぶことができるとは・・・。昨今のグライダーは凄い!

あっという間にレースは展開し、勝負はやはり、ファイナルグライド手前のサーマル探しです。宮田、ミハエルシーゲルのBoom9コンビは、弱い煙が上がっている雲底へ勝負。
クリーゲル、マイケルのマウラー兄弟とステファンバーガーは低くさらに奥へ突っ込みます。

やや同時にサーマルヒット!+2m/sと弱いですが確実に雲まで続きそうです。先に上げきったのはマウラー兄弟組、宮田シーゲル組もすかさず追いかけます。11㎞のファイナルグライドでその差は詰まらず、宮田5位でフィニッシュ!


本部で結果が発表された後、フランスチームがもう抗議!ファイナルグライド手前のサーマルがファイアーソアリング(タスク4で問題になった)ではないかとのこと。宮田は高度も高く、全く身に覚えがないので相手にしていませんでしたが、突然結果が変更!なんとファイヤーから一番遠くて、最も高度が高かった宮田、ミハエルシーゲルがペナルティで0スコアーになっているではありませんか!!

確かに10数機は低くファイヤーに飛び込み、潰れながら上がっているグライダーもいましたが・・・。最も遠く全く問題ない我々がペナルティとはどういうこと!?

早速、文書で抗議書を作り、ディレクターに提出。明日の朝までには、間違いは正されるでしょう。

明日はいよいよ最終日。同じく悔いなく攻めます。