2014 CooSpringCup


レポート 宮田 歩
3月のCooXCカップに続き、XCシーズン真っ盛りの茨城県エアパークCooにおいてN2L初戦、PCL第2戦となるCooSpringCupが開催されました。2週間前には120kmのXC女子記録も更新され、選手の皆さんも大きな期待をもってエントリーです。さあビックタスクなるか!?

4月12日(土)
この時期には珍しく、上空に強い寒気を伴った前線が通過。高気圧に覆われているものの、上空の北西風が強い予報です。それでも、宇都宮から筑波エリアにかけては、日光連山にブロックされた風の弱いエリアが、いつもの様に午前中は居座ってくれそうです。


選手の皆さんには、Coo特製の朝食でお出迎えです。はるばる遠方から訪問の選手には本当にありがたいサービスです。朝からパワー充電完了!受付が終了したら、気合を入れてテイクオフへGO!


タスクコミッティは、これしかないというショートタスクを決定!N2Lは北へ5kmの燕山を取った後、思い切って八郷盆地内へこぼれ、真家と難台山を往復。そして新しいゴールとなる井上ゴールへ!28.6km。PCLは西テイクオフ前を前後に往復する18.3km。


上空の寒気のおかげか10:00には西斜面でもソアリングが可能。ダミーがテイクオフレベルでステイしていることが確認されたところでN2Lからウンドオープン!選手は次々にテイクオフしていきます。続いてPCLもオープン!


春特有のサーマルブローの合間を縫ってテイクオフしていきますが、皆さん苦労しています。テイクオフディレクターの岡田さんが千手観音のように鮮やかな手さばきで選手を送り出します。しかし、選手の皆さん岡田さんの手を借りなくても出られるように練習しましょうね。


N2Lレースを引っ張るのは地元Coo宮内選手と立山の中島選手!上がらない燕山に見切りをつけ、風の淀んでいる八郷盆地側へこぼれ、難台山南斜面で何とか上げ始めました。それを確認した選手はすかさず追走します。



真家⇔難台山の往復は、やはり鬼門!上げると上空の北西風に阻まれ、なかなか難台山が取れません。中には逆転層を突き抜け2500mまで上げた選手もいましたが、上げれば上がるほど北西は強くこれは大変です。何とか難台山をクリアーした選手は、八郷盆地東側の採石場へ!荒れた強いサーマルでしたが、しっかり上がり、平野部へGO! ゴール手前友部町からは素晴らしいサーマルが上がっていて、ファイナルグライドは上がりながらゴール。中盤厳しいコンディションでしたが、12名の選手が見事ゴールを決めました!ゴールではCooクラブ員の井上さんがお手製の肉まんを振舞っていただきました。うれしー!美味しーい!井上さんありがとうございました。



PCLはやや強めの西風で、サーマルは崩れ難しいコンディションとなってしまいました。そんな中、KPS中島選手と八方尾根岡野選手が13kmを飛んで1,2位。西側でのタスクは難しいですね。



帰着された選手には、Cooキッチン部のお手製中華でパーティ!巨大鉄板で焼かれた餃子は大好評でした。いつもおいしい手料理ありがとうございます。明日へのパワー蓄積です。


4月13日(日)
完全に高気圧圏となり、今日は風も弱く南風。絶好のXC気象予報が出ました!N2Lは北へ82kmの横岡へストレートゴール!PCLもエリア内を回って、北へ13kmの平沢ゴールのミニXCタスク。そうはいってもPCLとしては27kmのビックタスクです。予報は十分良いのですが、ビックタスクだけに選手はドキドキワクワク。しっかりと注意点が確認され、さあウインドオープン!



まずはPCL選手からテイクオフです。東斜面は10:00すでにコンディションは整っており、テイクオフした選手から次々と上昇。順調にパイロンを回っていきます。続いてN2L選手もテイクオフ。今日はストレートゴールなので慌てず、スタートです。



エリアから離脱する燕山上空において、既にサーマルトップが2500mを超えています!しかも上空も風は弱く、北に向けても40㎞/hは出ます。これは順調です。本来最初の鬼門となる高峰周辺においては、さらにサーマルトップは2800mへ。あげきって横岡ゴール方向を見ると、さらに高い積雲がランダムに形成されています。これは凄い!


N2L最終組が高峰へ到達するころには、早いPCL選手が次々と平沢ゴールに到達していくのが見えます。トップゴールしたのは地元Coo北島選手!続いて第1戦のチャンプ池内選手。同じ青キノコチームの林選手と桜井選手も続いてゴール!絶好調山岸選手、そしてJPA最年少選手16歳の船津選手も見事ゴール!ビックタスクを9名もの方がゴールされました。


さて、ほっと一安心しながら、N2L選手はさらに駒を進めます。N2Lをリードしたのは今日も立山リーダーこと中島選手とダブル吉田選手。続いてTask1女子トップの岡本ヒロコ選手。素晴らしいコンディションでしたが、あんまりとばすと筑波XCでは禁物です。そしてやはり南風を追い越してしまいトップ集団は50kmの馬頭町周辺へ撃沈・・・。


烏山を超えると、予想通り那珂川に沿って進入した南東風と栃木県平野部をふく南風が作り出すコンバージェンスラインが南北に形成されていました。クラウドベースはすでに3000mを凌駕しています!!2つあった雲の列は那珂川東側の山岳コースと西側平野部コース。正木選手は西の平野、藤川選手は山コース。オープンクラスの2人がレースをけん引します。今日はハンググライダーのオープンディスタンス大会も開催されていて、どんどん先行してくれるため良くリフト帯がわかります。

過去、経験したことのないようなスーパーコンディションを楽しみながら、レースは続きます。そんな中、最後尾から低い高度を直線的に攻めるグライダーがありました。宇都宮の吉川朋子選手です。先行している選手がコースを迂回しながら雲まで上げているのは気にせず、まっすぐフルスピード!中盤グループはあっといまに追い抜かれ、そして、見えなくなっていきました。



横岡ゴール周辺は14:30ごろから南東風が到達。地表に吹いていた北西風とぶつかり素晴らしい上昇風帯となっていました。クラウドベースは3500mを超えています!!トップゴールした正木選手、続いて藤川選手も楽々ゴール。ゴールライン上空で高度は何と2700m。ところが、ほぼ同時間、はるか低くゴールカットする青いグライダーがいます!!最終スタートの吉川選手は驚異の追い上げを見せていたのです。本人は体調が悪く早く降りたかったそうですが、とにかく凄い!3時間23分のぶっちぎりのタイムでタスクトップを飾りました。


16:00のタスクストップまでスーパーコンディションは続き、後発グループも続々と横岡へ到達です。みなさん高すぎてゴールスタッフからゼッケンが見えないほど・・。筑波XCは初めてだった、立山関口選手、バーズ河野選手、SSA松尾選手もゴール手前まで飛べて大満足。4時間を超えるフライトにみなさんよく頑張りました。


82kmのビックタスクでしたが、20名もの大量ゴール!ほとんどの方がXC自己最高記録だったそうです。ゴール車のマイクロバスは選手で満杯。みなさんの笑顔も満杯です。おめでとうございました。



遠いゴールのため20:30から閉会式スタート。PCL選手の皆様、本当にお待たせしました。N2L総合優勝は2日間見事ゴールを決めたウイングキッス朝霧の大塚選手!女子優勝はTask2総合トップの吉川選手が逆転!PCL総合優勝は池内選手が初戦に続き2連覇!女子優勝はこちらも絶好調山岸里子選手です。入賞された皆様、おめでとうございました。


伝説のスーパーコンディションで幕を閉じたCooSpringカップでしたが、選手の皆さんには大満足いただけたことでしょう。朝早く朝食サービスから、ツリーラン回収、そして遅くまでの運転。スタッフの皆さん本当にと疲れ様でした。こんな素晴らしい大会となったことを本当に感謝です。

次回の大会は5月3日から山形県白鷹エリアで開催です。春の素晴らしいコンディションでお会いしましょう。目指せ米沢ゴール!        レポート 宮田 歩



CooXCカップのPCLポイント修正のお知らせ

PCL第1戦CooXCカップにおいてチャレンジリーグのポイント表示に誤りがありました。
システムへ手入力を行った際の誤りでした。

各選手のポイントは正しいものへ訂正させていただきました。
修正したポイントはこちらから確認できます。
http://jpa.sakura.ne.jp/rank_cl_all.htm

申し訳ございませんでした。今後は確認作業を徹底させていただきます。
JPA競技事業部


クロカン記録を狙える!?COOスプリングカップ


4月2日、女子クロカンフライト日本国内女子記録更新!120km!

今週、移動性高気圧は中心が関東平野を通過。典型的な関東平野のXCビックデイが訪れました。
扇澤と宮田、スカイパーク宇都宮の水沼さん3名で4月2日、エアパークCOOから飛んで福島県郡山市までクロスカントリーフライトが出来ました。宮田は白河市西側にランディング(105km)。少し高かった2人はさらにコマを進め郡山市まで距離を伸ばしました。扇澤は125km。水沼さんは120km(日本国内女子記録)。


朝から良好な積雲がポコポコ形成!

この日は、エアパークCooのある筑波山系は朝から良好な積雲がポコポコと形成され、11時の出発時は筑波エリア周辺周辺の東風は強めでしたが、難関の高峰を越えると、順調に南風が吹き始めます。1800mの雲底から北へのトランジット対地スピードは約50km/h。
これはちょうど良い感じです。烏山周辺からは、那珂川に沿って吹き込む東風と本流南風のコンバージェンスラインが南北に形成されました。雲はまっすぐ白河方向へ続いています。あとは確実に雲に沿って飛べば良いだけ!この時も、白河での選択を間違えて降りてしまったそうです。もしうまくあたっていれば、国内記録の更新も夢ではないでしょう。






COOスプリングカップではクロカンタスクを組む予定、国内記録更新を狙える!

来週末4月12日13日は、N2リーグ第1戦、チャレンジリーグ第2戦COOスプリングカップが開催されます。コンデションが揃えば、クロカンタスクを組む予定で準備を進めております。N2リーグのパイロット達で飛べば、国内記録更新が出来るかも!

年に1度のクロカンチャンスを見逃すな!大会のご参加お待ちしております。

チャレンジリーグについても、クロカンフライトの登竜門である高峰の平沢ランディングのゴールを予定しています。フライトが終わってスクールに戻ったら、地元のパイロットとスクール生で作った暖かい食事も準備しており、宿泊も素泊まりですが格安で泊まれる青峰館も有りますよ。(青峰館の詳細は大会要項をご覧ください)

まだまだ、パイロットの募集していますのでご参加お待ちしております。

■チャレンジリーグ第2戦、N2リーグ第1戦 COOスプリングカップ【大会要項】
■チャレンジリーグ第2戦 COOスプリングカップ【申し込みフォーム】
■N2リーグ第1戦 COOスプリングカップ【申し込みフォーム】



2014PNL第2戦 CooXCカップ

春の北関東平野でのクロスカントリータスクが期待されるCOOクロカンカップは、春分の日を含む3連休に3名の海外招待選手が出場する中盛況に開催されました。 2014シーズンのJPAナショナルリーグ第2戦(グランプリ対象大会)、チャレンジリーグ第1戦が併催されたこの大会には全国各地から大勢のパイロットが集まり、ビッグタスクの期待感がうかがえます。しかし季節外れの強い寒気が上空に停滞し風が強くなる予報の中、タスクコミッティーは2日目に絶妙なタスクを設定し、両リーグともにデイクオリティーの高い、成績優秀選手にとって満足のいくレース展開ができたようです。それでは両リーグともに、いろいろなドラマが繰り広げられたようですので、簡単にレポートさせていただきます。 レポート(扇澤 郁)



(大会初日)
 全国各地から集まってきたパイロットたちは、朝早くから準備をしてくれたキッチンスタッフからの暖かい朝食サービスで、長旅の疲れをいやしました。野外は冷たい風が吹き、ショップ内で行われた開会式では昨年のグランプリチャンピオン藤川稔選手、小森さちよ選手から優勝カップの返還式が行われグランプリ大会の雰囲気が盛り上がります。その後、競技委員長の辻強からタスクキャンセルが発表され、予定されていた招待選手からのセミナーが開催されました。


デニスコルテラ(フランスチャンピオン3回、コルテラデザインのオーナー)からは、パラグライダーでのスピードTOフライ(マクレディーリング理論)理論を、セールプレーンやハンググライダーとの性能差を踏まえながら、大変わかりやすい図解と例題で紹介されました。シモン(フランスチャンピオン3回、ニビウクのテストパイロット)からは、若くしてフランスチャンピオンにるまでの過程で何が大切だったかなど非常に興味深い内容の話が聞けました。さたに、シモンからはパラグライダーを安定して飛ばせる方法、デニスからは実際にシミュレーターに乗った状態でパラグライダーを安定して飛ばせるための実践練習が行われ、選手の皆様は今まで考えてもみなかった積極的な飛び方をイメージして明日予想されるタスクに備えることになりました。



(大会2日目)
 朝から快晴。風予報は徐々に西風が強くなるとのことで選手は8時のシャトルに乗り込み西テイクオフへ移動しました。サーマル予報は南西風と北西風のコンバージェンスが常陸太田方向に伸びるとのことでナショナルリーグはターンポイントが2つのエラップスタイムレース、チャレンジリーグは湾内を回るスタンダードなタスクが組まれました。
 10時20分にナショナルリーグのゲートが開き、選手は次々と快晴の空に舞い上がっていきます。10時50分のデパーチャーオープン時間には10名ほどの先頭集団が、少し遅れてさらに10名ほどの集団がスタートを切ったようです。先行組はコンバージェンスが形成されるのをじっくり待ちながらゆっくりコマを進めます。後発組の選手は先行した選手の動きを観察しながら最速タイム狙いの速度重視のフライト。お昼過ぎにはしっかりとしたコンバージェンスラインが掲載され、昨日のセミナーで学習した通りにアクセルを踏みながら翼を安定させゴールを目指します。アップダウンの厳しいコンディションの中、ゴール手前のシンクにはまり残念ながらゴールラインを切ることができなかった選手も含めてこの日は少しでも速くゴールラインをカットするために頑張ったレースとなりました。総勢40名に上るゴール者を出したファーストタスクはクロカンタスクではありましたがしっかりとしたスピードレースでグランプリ大会にふさわしいものとなりました。ゴールに真っ先に到達したのは先頭集団から抜け出した京都バーズパラグライダースクールの校長大沢選手と浜名湖パラグライダースクールの校長青木選手。若き校長たちが頑張ったレースとなりました。
 チャレンジリーグは湾内で行われ、風が強くなりタスクストップとなるまで6名の選手がゴールする良いレースとなったようです。トップゴールは昨年大会初参戦で初優勝かと思われた(GPSのトラッグログが取れていなかった)池内選手がリベンジ達成です。





夕方には、ポーランドからの招待選手フィリップが行っているアドベンチャーフライトの紹介があり、パキスタンカラコルムで取られた絶景ムービーを見ながらゆっくり夜が更けていきました。


(大会3日目)
 天気予報では1500mの風が強く吹きタスクを行うには難しいコンディションでしたが、観天望気でのかすかな望みにかけてタスクが発表されました。昨日同様久慈川方面へのクロカンタスクでしたが早めのゲートオープン。しかし、数名が上空へ飛び立ったところで強いガストがテイクオフへ吹き込むようになり、競技委員長からは安全策を取りタスクキャンセルのコール。残念ながら今年のCOOクロカンカップはこの時点で終了となりました。




4月12,13日はN2L1戦、PCL第2戦となるCooスプリングカップが開催されます。N2L,PCLですが、南風となると、それぞれXCタスクを用意しております。

ぜひ春のXCフライトを楽しんでください。スタッフ一同お待ちしております!


CooXCカップにX-alpsパイロットFilipが参加決定

2009X-Alpsに参戦し17位の成績を残したFilip JagleがCooXCカップへの参戦が決まりました。

Filipはポーランドのトップコンペティションパイロットですが、山岳フライトのエキスパートでもあります。ヒマラヤ、カラコロムをはじめ世界中のエキストリームフライトしたことのある経験があります。凄い経験談を聞きたいですね。

パキスタンでの映像はこちら
http://youtu.be/t-03n-BMMp0

山岳だけでなく、平野の多い東欧ポーランドではフラットランドXCが基本。筑波でのXCフライトは彼の十八番ステージともいえます。

先に出場が決まった、フランスチャンピオン2人に戦いを挑みます。お楽しみに!