PNL第7戦 四国三郎ジャパンカップ レポート

開催地:徳島県美馬市美馬町 三頭山エリア
主催:四国三郎ジャパンカップ実行委員
レポート:只野正一郎


<プロローグ>
 今年で13年目になるのかな?日本国内では歴史のある大会地でフライトすると眼下に吉野川が徳島までズドーンと流れていて1000mを超えると北側に瀬戸内海や瀬戸大橋が見えてきます。山並みは東西に広がっていて、南向きの斜面はサーマル活動を活発にさせます。そこに冷たい北風が吹く条件になると荒く気性の激しいサーマルが発生しますが11月の日照ではちょうどいい感じになります。ヨーロッパのアルプスを思わせるような、そんなエリアの大会が四国三郎なんです。大会本部は四国三郎の郷にあって、ログハウスやキャンプ場も利用できていい環境です。四国といえばなんといってもうどんということで大会の期間中や帰り道には必ず食べてかえりたいですね。
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<大会初日TASK1>
 朝から少しもやのかかる接地逆転層が発生していたものの空は快晴でサーマルトップは1200mという予報でした。風は南~南東の予報で強さもちょうどいい感じです。タスクコミッティーではジャパンカップらしいレースをすることと、40%の選手がゴールできるようなタスクを考えて発表しました。タスク距離43km
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 レース展開は、デパーチャーオープン時間にスタートした組と後から追いかける組、テイクオフに時間がかかって遅れた組にわかれました。最初にスタートした組では扇澤、小幡、只野の3名でスピーディーなレースを展開していきました。中盤までは3人で抜きつ抜かれつだったのですが扇澤がワンレグ抜け出すような形になり只野、小幡が必死に差をつめる形でゴールまでいきました。今年のリーグチャンピオンの大澤はスタートを遅らしてトップを追いかける形をとりましたがトップ逃げ切りでした。結果的には、ゴール者23名で参加選手の3分の1がゴールできました。
 トップだった扇澤は1時間35分のタイムでフィニッシュしました。コンディションは予報どおりだったので高くても1200mと例年の北風リーサイドの条件の1500m↑と比べると渋い条件だったですね。
 フライト後は芋汁の炊き出しがあってほっこりぬくもることができました。
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<大会最終日TASK2>
 天気の予想と裏腹にコンディションはいまいちになってしまいました。接地逆転層がときより上空をカバーする層積雲に邪魔されてなかなかブレークせず、おまけに鉛直P速度も良くなくサーマルの見込みが薄い状態で12時過ぎまで待ちました。
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 ジャパンカップ、リーグの最終日、最後の最後まで戦う姿勢は崩せません。わずかな可能性を期待してショートタスクを組んでやってみました。タスク距離35km
 しかしながら、スタートからファーストパイロンまで飛んでいくのが精一杯で結果的にはわずかな点しか残らないものになってしまいました。
 閉会式は予定通り行われ、ジャパンカップの表彰とリーグの表彰が行われました。立派なトロフィーはそれぞれの選手に手渡されました。
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 今回もいろいろな方に支えられて大会を運営できました。これまでに大きなアクシデントはなくやっていけたのはたくさんの人の力添えあってのものだと感じています。


ありがとうございました。


四国三郎大会速報2日目

予想に反し逆転層つよくウェイティングが午後まで続きました。13:15に35キロをウインドウオープンするもの多くの選手があえなく降っていきます。それでも数名のバイロットがミニマム距離をこえて成立は成立といった結果でした。


一番飛んだ3名の得点で25点。初日の順位をかえることは出来ず、扇澤選手が優勝し日本グランプリ覇者となりました。


リザルトはJPA速報を御覧ください。


PCL第8戦 宇都宮オープンカップレポート

開催地 : 栃木県宇都宮市 スカイパーク宇都宮
主催:スカイパーク宇都宮パラグライダースクール
レポート:藤川 稔


<プロローグ>
 今回で、3回目のとなったスカイパーク宇都宮でのチャレンジリーグファイナルイベント。高気圧に覆われ、好天の中、大会当日を迎えることが出来ました。今大会には、2010PWCスーパーファイナルで4位入賞したAljaz VALIC氏がゲストとして参加です。世界最速と名高いトップパイロットの飛びを垣間見ようと多くの選手たちが宇都宮に集結しました。各クラスの年間チャンピオン争いも最終戦の今大会までもつれこみ、選手たちも気合が入っています。そんな中、宇都宮ファイナルイベントスタートです!
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<11月6日>
 大会初日、雲ひとつない快晴です。しかし、高気圧どっぷりの気圧配置となり、宇都宮エリアとしては、渋めのコンディションが予想されます。今大会、タスク設定のコンセプトは、80%の選手がゴールでき、かつ、飛びがいのあるタスクを設定すること。どこまでのパイロンを使えるか?タスクコミッティは大いに頭を悩ませます。結果、オープンクラス33キロ、チャレンジクラス20キロのタスクに決定。ウインドウオープンとともに次々と選手たちはテイクオフしていき、上空でスタート時間を待ちます。
 デパーチャーオープンとともに、Aljaz VALIC氏が異様な速さでレースを引っ張ります。選手たちは、ハイペースで周回を重ねていきますが、時とともにサーマルトップは低くなり、コンディションは渋くなっていきます。オープンクラスの鬼門となったのは、B04パイロン。渋いコンディションに加え、強い向かい風。上位で周回していた選手たちもリターンできず、次々とランディングしていきます。そんな中ゴール間際まで、距離を伸ばしたのが、松原正幸選手籾山孝一選手、みごとな粘りのフライトです。
 チャレンジクラスでは、多くの選手がランディング後、急いでリフライトに望みます。トリッキーなコンディションの中、ゴールまでたどり着いたのは、土屋真樹選手、志水克行選手、渡辺美希選手、宇野登茂子選手、伊藤まり子選手の6名、ナイスゴールです。
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 夜は、毎年恒例ニューサンピアでの豪華なパーティです。競技事業部、鈴村氏による年間を振り返っての「なんちゃら王」の表彰やAljaz VALIC氏のスピーチ、3年連続でファイナルイベントを開催していただいたスカイパーク宇都宮谷田校長の表彰など、大いに盛り上がりました。
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<11月7日>
 大会2日目、予報に反して、朝から高層雲が張り、コンディションは中々サーマルコンディションへ移行していきません。お昼には、晴れるという予報を信じて、タスクコミッティは、オープンクラス24.3キロ、チャレンジクラス15.5キロのやや短めのタスクを発表します。
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 ダミーが上がると同時にウインドウオープン。急激にコンディションは好転し、絶好の条件となっていきます。初日同様、先頭を引っ張るのは、Aljaz VALIC氏、2日目は、2ラインのプロト機でのフライトということで、その異様な速さは、さらに極みを増します。上位を争ったナショナル選手たちに15分以上の差をつける脅威のタイム(33分)でゴール。世界のトップ、恐るべしです。
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 レースの展開はというと、オープンクラスでは、終盤までもつれたデッドヒートの末、ファイナルグライドで一歩抜け出した藤川稔選手がトップでゴールメイク、続いて正木選手が、10秒の僅差で2番手ゴール。3番手には、シリアル機ながら見事なフライトで窪島選手が入ります。女子では、村上恭子選手、高橋苗月選手が好タイムでゴール。この後も次々と選手たちがゴールに流れ込み、ゴール者は総勢30名。ゴールとなったサブランディングは、ファイナルイベントにふさわしい盛り上がりとなりました。
 チャレンジクラスの選手たちもがんばります。なんと総勢17名がゴール。トップを取ったのは、志水克行選手、約26分という圧倒的な速さでゴールを決めます。2番手は、初日トップの土屋真樹選手、3位には、最近成長著しい宇野登茂子選手が入ります。ここに来て、チャレンジクラスでは、新しい選手たちの台頭が目立つようになってきました。ぜひ、上のリーグにステップアップしてもらって、日本のパラグライダー競技を盛り上げてもらいたいものです。チャレンジリーグは、競技初心者のためのエントリーリーグである同時に、ステップアップしていけば、ワールドカップにもつながるステップアップリーグでもあります。ぜひ、世界を目指してがんばりましょう!
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 大会総合では、2日とも安定したフライトで結果を出した廣川靖晃選手がシリアル機ながらオープン総合優勝です!
単身プレワールドカップアメリカに出場して以来、急激な成長で、ナショナル勢を脅かす存在となりました。来年度、ナショナルリーグやワールドカップでの活躍が期待されます。2位3位には、2日目トップ争いをした藤川、正木のナショナル勢が入り、続いたのが、シリアル勢の窪島選手、星田選手。総合優勝の廣川選手は、年間シリアルクラスのチャンピオンにも輝きました。おめでとうございます。女子の部では、年間チャンピオン争いもかかった熾烈な戦いの中、2日間丁寧なフライトで成績を揃えた清水貴代子選手が大会総合優勝、そして、年間ランキングでも一気にジャンプアップして女子の部チャンピオンを勝ち取りました。おめでとうございます。2位、3位には、原良江選手、高橋苗月選手が入りました。2選手ともここ最近の大会では、表彰台常連です。今後の活躍に期待です。
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 チャレンジクラス総合では、先頭をきってテイクオフしていく積極的なスタイルが功を奏した土屋真樹選手が優勝。2位には、表彰台常連の志水克行選手、3位には今大会初ゴールを決めた宇野登茂子選手と新鋭たちの活躍が光りました。年間ランキングでも土屋選手が総合優勝、志水選手が準優勝に輝きました。女子の部では、年間を通じて安定した成績を残した伊藤まり子選手が優勝、2位に大熊和恵選手、3位に渡辺美希選手となりました。入賞した選手のみなさんおめでとうございます。
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 2日間好天に恵まれ、ファイナルイベントを飾るにふさわしい大会となりました。主催していただいたスカイパーク宇都宮の谷田校長始めスタッフのみなさん大変お疲れ様でした。


 来年度、スカイパーク宇都宮では、2月にナショナルリーグ第2戦を開催していただきます。条件が整えば、フラットランドを使った大きなクロカンタスクが設定される予定です。チャレンジリーグで活躍しナショナルリーグへのステップアップを目指す選手たちもぜひふるってエントリーしていただければと思います。


 多くの選手がゴールを決め、選手たちにとって大変満足の行くフライトが出来た大会だったかと思います。スタッフの皆様、本当にありがとうございました。