さくらんぼカップ


競技事業部:藤野 光一

白鷹エリアで毎年6月に開催されているこの「さくらんぼカップ」ですが、例年はチャレンジリーグ単独での大会となっていましたが、今年は5月の「立山らいちょうバレーカップ」が中止になってしまったことを受け、急遽ナショナルリーグ併催として開催となりました。
山形を含む東北南部も6月7日には梅雨入りし、大会開催の8日・9日は競技を行うには難しい予報となっていました。

1日目

天気予報は雨マーク。それを裏切らない空模様となり、朝から雨がパラつく空模様となった白鷹エリアでしたが、参加選手はしっかりと集合していました。
ここ白鷹の大会ではお馴染みとなった朝食サービスをいただいた後、選手受付が予定通り8時30分から始まりました。


開会式


9時からは開会式が行われましたが、生憎の天候でもあることから、諸注意と本日のスケジュール(夕方からの懇親会)の案内が行われたのち、早々に本日は解散となりました。
選手はそれぞれ思い思いに山形の1日を楽しんだようです。



2日目

早い時間には日差しも見えた2日目でしたが、周囲は低いガスに覆われています。予報によると雨はなさそうなのですが、気になるのは予定通り吹いている東風とこのガス。昼前には雲も取れるはずなのですが、その後は風が強くなるか高層が張ってくるか・・・と言った、とてもコンディションを読むのが難しい1日になりそうでした。


朝食サービス


テイクオフはまだガスの中ですが、ガスが晴れるタイミングを見計らって選手もテイクオフへ移動します。確かに、雲は低いものの懸案の東風はそれ程強くなく、北テイクオフからは十分出られそうな感じでした。


準備中


ダミーが出てみると、山際もそれ程東風の影響を受けてないようです。また、沖では雲が活発に活動しているようで、十分に競技ができそうなコンディションになっていました。どうやら、東ベースの風は天童市方面から進入した北寄りの風と、白鷹エリアの裏から進入した東風がぶつかってコンバージェンスになっているようです。


ブリーフィング1


ブリーフィング2


この状況はそう長くは続かないと考えられることから、タスクコミッティーを含めて全体の動きが一気に慌ただしくなります。少ないチャンスを生かすには、迅速に動くことが求められます。特に選手にはこなすべき仕事が多い中で、ミスなく安全にフライトするために行う準備を怠ることはできません。


タスクコミッティー


タスクボード


タスクコミッティーは今の条件を最大現生かせるようにタスクセットを行いました。ナショナルリーグは日本グランプリ対象ではありますが、グランプリとしてタスクを成立させることは難しいのが現実であり、今できることを優先したタスクとなりました。

ナショナルリーグタスク

TO
B12(作業小屋)SSS 1,000m
B12 400m
A46(中山ゴール)15,500m
B09(電波塔跡) 1,000m
A46(中山ゴール)15,500m
B09(電波塔跡) 1,000m
A46(中山ゴール)15,500m
B09(電波塔跡) 1,000m
A41(メインLD)ESS 1,000m
A41 400m

最短距離:25.7Km 中心距離:125.7Km


ナショナルリーグTASK


チャレンジリーグタスク

TO
B12(作業小屋)SSS 600m
B12 400m
A41(メインLD)400m
B02(白鷹神社)400m
B21(白鷹トンネル)800m
B35(郵便局)1,000m
B14(狐越え)800m
B12(作業小屋)400m
A41(メインLD)ESS 600m
A41 400m

最短距離:11.2Km


チャレンジリーグTASK


競技はチャレンジリーグから先にスタート。時折フォローの東風が強く入り込むメインテイクオフよりも、ややサイドながらも正面に近い角度で風を受けられる北側のテイクオフから選手が次々にテイクオフして行きます。
雲の厚みが増したような、全体的に空が暗くなったような気がしましたが、山際で上がらなかった選手はこぼれるように沖へ向かいますが、低くなりながらもしっかりとしたリフトを掴んで上昇して行きます。





ナショナルリーグの選手もチャレンジリーグの選手が上昇するのをメインテイクオフで観察しており、十分にタスクがこなせると判断した選手は、沈滞ムードを打ち破って素早く準備を済ませてテイクオフして行きます。そして、コンバージェンスが作り出した雲の下で選手が上昇して行きます。





それぞれのリーグがスタートし、微妙ながらも維持しているコンディションの中をゴールまであと少しと言うタイミングまで競技が進んだのですが、残念ながら時間切れとなってしまいます。
先ほどまであったリフトは、山際にも沖にも何もなくなってしまいました。そして選手が次々とランディングしてしまいました。

ナショナルリーグ表彰

ナショナルリーグはあとワンサーマルあればゴール・・・と言うところまで駒を進めた20番伊澤選手がトップでした。

総合


ナショナルリーグ総合


優勝 20 伊澤 光 NIVIUK ICEPEAK EVOX

準優勝 21 藤野 光一 NIVIUK ICEPEAK EVOX

第3位 29 田村 昌久 NIVIUK PEAK4

第4位 66 菊池 浄 NIVIUK ICEPEAK8

第5位 49 小野寺久憲 NIVIUK ICEPEAK7

第6位 8 吉田 和博 NIVIUK ICEPEAK EVOX

第6位 12 竹尾 雅行 OZONE ENZO3

第6位 28 吉原 紀子 OZONE ZENO

第6位 45 関根 睦 OZONE LM6


優勝の伊澤選手


女子


ナショナルリーグ女子


優勝 28 吉原 紀子 OZONE ZENO

準優勝 45 関根 睦 OZONE LM6

第3位 岩崎 聖子 NIVIUK KLIMBER P

チーム戦


ナショナルリーグチーム戦


優勝 TEAM EVOX

(4中島義雅、10正木晋、20伊澤光、21藤野光一)

準優勝 とちおとめ

(25竹田明彦、28吉原紀子、29田村昌久)

第3位 チーム Yoridorigreen

(8吉田和博、37岩崎聖子)

チャレンジリーグ表彰

総合

チャレンジリーグはただ一人狐越えをクリアした521番阿部選手が優勝です。


写真:オープン・チャレンジ混在


優勝 521 阿部 耕治 NOVA SECTOR

準優勝 522 西野光太郎 ADVANVCE IOTA2

第3位 525 八巻 淳 ADVANCE IOTA

第4位 506 小田部淳徳 NOVA MENTOR5


優勝の阿部選手


女子


チャレンジリーグ女子


優勝 529 菊田 久美 ADVANCE IOTA

優勝 530 奥埜 裕子 ADVANCE IOTA

チーム戦


チャレンジリーグチーム戦


優勝 チーム今井浜2019

(522西野光太郎、525八巻淳、530奥埜裕子、532堀井重雄)

準優勝 チームOT-ABE オターベ

(506小田部淳徳、521阿部耕治)

第3位 楽天スーパーカラーズ

(529菊田久美、533岡崎藤夫)

オープン

優勝 313 谷藤 公明 BGD CURE

準優勝 314 齋藤 光秋 GINGLIDERS BONANZA2

第3位 329 江連 伸一 NIVIUK ARTIK5

※写真はありません

入賞された選手のみなさん、おめでとうございます。
とても厳しい気象条件の中、みなさんのおかげで無事に競技が成立したことは本当に良かったと思います。また、大会を運営いただきました白鷹エリアの皆さまにも、この場を借りて御礼申し上げます。

次回は7月にふたたびここ白鷹でN2リーグ、チャレンジリーグの紅花カップが開催されます。ここ最近の白鷹は、厳しい気象予報でも競技が成立していますので、より多くの選手のみなさんにお越しいただけたらと思います。


集合写真


第16回JPAパラグライダーカップ in 富士山


競技委員長:藤野 光一

平成から令和へと時代の移り変わった2019年のゴールデンウィークでしたが、その令和になってすぐに開催されたのが今回の「第16回パラグライダーカップin富士山」です。
従来は1月のいわゆる「朝霧シーズン」である冬に開催されていましたが、昨年から5月に開催されるようになりました。5月と言えば、春から初夏へと移り変わる季節です。ここ朝霧高原も暖かな春の風と日差しの中で、ヒートグローブの不要な(高度によっては必要かも)空が私たち選手を迎えてくれます。
今年は、ナショナルリーグとN2リーグの併催により、5月11日・12日に開催されました。

5月11日(大会1日目)

つい1週間前くらいまでは、大会予定の2日間はおよそ芳しくない天気予報だったのですが、直前になってから劇的な変化を見せ、大会初日は高層雲が空を覆うものの概ね晴天の朝を迎えました。


日の出前の富士山


今回はナショナルリーグが40名、N2リーグが16名の56名。N2リーグはグランプリ大会でもあり、この朝霧で2019年の、そして令和最初のN2グランプリチャンピオンが決定されます。受付に先立って猪頭ルールの受講や更新のために、選手は6時から大会本部に訪れます。そして、7時から選手受付、テイクオフへの選手送迎と本日のスケジュールが着々と進行して行くのです。


選手受付


PNLタスクコミッティー


テイクオフで準備中


テイクオフの周囲をウェイティングゾーンとして、選手に準備してもらいます。テイクオフは基本フリーテイクオフですが、集中した場合は優先順位によって順序が決められます。
9時からは開会式が行われ、田中美由喜大会実行委員長による挨拶のあとで競技委員長によるジェネラルブリーフィングに入ります。


大会実行委員長


大会競技委員長


初日の天候はまずまずながら、気象データによっては降水の可能性もゼロではないため、あくまで最悪の状況を想定し、安全最優先で大会が運営されました。
そのため、タスクは遅くとも15時30分には終了することとし、それから逆算して全てのスケジュールが組み立てられました。


開会式・ジェネラルブリーフィング


N2Lタスクコミッティー


夢のタスク

ナショナルリーグのタスクは、タスクコミッティーの星田選手が強い拘りを持って組んでくれた42.1Km。使われているTPに注目して欲しいのですが、

  • A54 芝川
  • C81 富士山
  • B22 毛無山
  • C86 大石寺
  • A56 世界地図

など、朝霧エリアを飛んだことのある方ならば、一度は目標として目指したことのあるところばかりです。実際には大きめのシリンダーを採用しているので、現地まで行くことはありませんが、朝霧らしいTPを使った大きなタスクとなりました。


ナショナルリーグTASK1


N2リーグは日本グランプリを決めるための大事な1本目ともなります。こちらもタスクコミッティーの谷藤選手が中心になり、競い合うに丁度良いサイズの空域をチョイスした30.2Kmとなりました。


N2リーグTASK1


タスクボード


両リーグとも、Window Openは10時20分、一斉スタートが12時。




風が不安定な時間帯もありましたが、11時30分には全ての選手が空中に飛び出してスタートを待つだけの状態になっていました。中には3000m付近まで上昇し、秘策を練っていた選手もいたようですが、概ね2000mを超える高度で待機していました。

ナショナルリーグTASK1

ナショナルリーグは12時のスタート5分前あたりから、今回は沖に設定されたB33ドコモアンテナの1000mへ向けてグライドを開始。目視でも2500mはありそうな高さで、悠々とスタートを切って芝川TPへと向かって行きました。レースはスタートを上手く切った先頭集団のNo.1高杉選手、No.3中村選手、No.5星田選手、No.12竹尾選手、No.13隅選手、が終始レースを引き、その後方からNo.2稲見選手やNo.4中島選手、No.15関根選手らが追随する展開となりました。先頭を入れ替わりながらも、やや強めの南風をものともせずに朝霧エリア一杯を使ったコースを着々と駒を進めます。
まったく危なげない飛びでタスクをこなす先頭グループの中からNo.1高杉選手とNo.3中村選手が天子からYMCAへ低くグライドする上を、高い高度でフルスピードで抜いていったのがタスク考案者のNo.5星田選手。そのままトップゴールを決めたのでした。

トップグループがゴールを決めた頃から、猪頭付近上空は西側から立ち上がってきた大きな積雲に日射を奪われ、一時対流が停滞する厳しい局面となりました。この時間帯に高度が低くなってしまった選手の中には、力尽きてWingkissメインランディングに降りてしまいます。

その後、日射も回復したものの、やはり大きく好転するようなことにはならず、何とかサーマルを拾い集めて稼いだ高度で沖のTPをクリアしたものの、テイクオフ付近で上げるのに苦労しながら時間を使ってしまった選手も見受けられました。そして何とかゴールしようと粘る選手に無情にもタスククローズ時間が・・・。最後まで頑張っていたのはNo.41伊藤選手。お疲れ様でした。

N2リーグTASK1

N2リーグは長者岳トップ1000mがスタート。こちらも高く稜線上を移動して行き、やがて3機が他を引き離してトップグループを形成します。No.308岩野選手、No.313谷藤公明選手、No.317谷藤幸子選手の今井浜チーム。No.308岩野選手が終始レースの先頭を走りその後方をNo.313谷藤公明選手、No.317谷藤幸子選手がやや高く追随する展開がレース終盤まで続きます。このタスクの山場である富士山TP15Kmを取ってやや低く戻ってきた岩野選手が西富士斜面で高度を上げている上空を谷藤夫妻がパスしてB48熊森山TPをクリア。そのまま高度を上げ始めてファイナルグライドに備えます。下から上がってきた岩野選手もB48をクリアしたタイミングで3機はほぼ同時にファイナルグライドに入り、Bクラス機の岩野選手をCクラスの機の谷藤幸子選手が抜き去ってトップゴールを決めました。

こちらも高度をあまり上げなかった選手や、低く戻ってしまった選手がテイクオフ前で粘りますが、強まった南風で前に進むこともままならず、ほぼ全員がWingkissのランディングへと向かって行きました。

TASK1成立

終わってみれば、ナショナルリーグは28名がゴール。N2リーグも13名がゴールし、選手は大満足のレースだったのではないか?と思います。
ただ、ゴールとなったYMCAではサーマルの発生源になっていたことと、折からの南風が強めに入っていたこともあり、降ろすのに苦労している様子ではありました。

ゴールに無事降り立った選手は、みな満面の笑みでお互いの健闘を讃えあっていました。

懇親会


N2グランプリ


夜の懇親会では、みなさん今日のフライトについて楽しく語らう時間となったのではないでしょうか?

そんな時間を利用させていただき、2018年のN2リーグ日本グランプリチャンピオンに、チャンピオンカップの返還式とレプリカの贈呈を行いました。

昨年のチャンピオン田村選手、田前選手、おめでとうございます。


2018年N2リーグ日本グランプリチャンピオン(写真:吉田和博氏)


5月12日(大会2日目)

今日は機能と違って朝からクリアな空です。しかし、大気の不安定さは昨日以上になっており、午後には高確率で雨の予報となっています。


2日目の富士山


選手受付は7時から。そしてテイクオフへの送迎は7時30分からと、早め早めの進行となりました。



8時30分には全ての選手がテイクオフに集合していたのではないか?と思います。
競技委員長も今日は巻きの動きで行きたい様子。準備する選手にその意思を伝え、選手にも協力を求めます。


準備中


タスクコミッティーと今日の条件を共有します。どの気象データからも、午後に降水があるのは間違いないようなので、最も早い予想データを参考にタスクは14時にクローズすることとします。また、万一、途中で状況に変化があれば「タスクストップ」も視野に入れての競技を行うことも考慮しました。


タスクコミッティー


ナショナルリーグは今日も朝霧エリアを大きく使った46.3Kmとなりました。


ナショナルリーグTASK2


N2リーグは昨日のタスクで日本グランプリが成立していますが、今日の1本で逆転劇もあることからエリア内を大きく使ったトライアングルタスクとなりました。


N2リーグTASK2


昨日は11時には十分なコンディションになっていたこともあり、今日は全てを前倒しで行います。
両リーグともにWindow Openは9時30分。スタート時間は11時とし、午後に悪化することが予想されるコンディションの良い部分を可能な限り使いきることを念頭に置いてスケジュールが組まれました。



今日も昨日ほどではないにせよ、選手は高い位置でスタートまで待機しています。2000m越えの好条件でスピードレースが期待されます。

ナショナルリーグTASK2

本日のトップグループはNo.3中村選手、No.5星田選手でしたが、それに加えてNo.11山本選手が気をはいています。中盤のほとんどでトップを引いたのがNo.11山本選手でした。
この日は高く移動しながらも、南風が強くなりはじめたこともありテンポはやや遅め。特に南への移動が長いレグでは、さすがのCCC機でも動きはスローにならざるを得なかった様子で、おそらく選手は歯を食いしばってアクセルバーを踏んでいたのではないか?と思います。
そして12時を回った頃にトップグループがB06もち屋TPをクリアして2度目のB26大倉ダムへ向かって行ったあとに、エリア全体に強い南風が吹き込んでしまい、N2リーグの最終TP付近が特に危険な状況であったことから12時29分タスクストップとなりました。

N2リーグTASK2

N2リーグの2日目はNo.313谷藤公明選手。タスクのほぼ全てのレグに置いてトップを独走します。それを追うのが昨日先頭を飛びながらも最後に捲られてしまったNo.308岩野選手。そしてNo.324西川選手。自分のペースでわき目も降らずに駒を進める谷藤選手。そのペースは最後まで変わらず、最後の沖だしであるA59木島牧場TPを高く取りに行き、事実上のファイナルグライドを切った後で勝負の難しさと言うべきか、コンディションが大きく変わってしまいます。
谷藤選手の後方数百メートルを岩野選手と西川選手が追随します。最終TPであるB23長者岳1000mに入るために陣馬の南側に進入した谷藤選手を待っていたのは強い風と荒れた空域でした。ゴールは当然で、おそらくトップゴールを確信していた谷藤選手に突き付けられたのは、ゴールを諦めて安全にランディングすると言う厳しいものではなかったか?と想像します。
その様子を冷静に見ていたのが岩野選手。沖からのコースを長者ダイレクトではなく、一旦陣馬尾根から攻めると言う方法に変え、厳しい空域を避けたのは好判断だったと思います。そのまま安全な高度を保って長者をクリアして見事ゴール。それから遅れること15分後にNo.324西川選手、No.309貝田選手、No.312岸選手がゴールしました。が、この後長者付近の空域が非常に危険な状況となり、12時29分にタスクストップとなりました。

TASK2成立

タスクストップとなったものの、ナショナル、N2両リーグともに選手は安全にランディング。怪我人もなく無事TASK2が成立しました。

しかし、いつもながら自然相手の競技であるパラグライダーの怖さを感じます。僅かな判断の遅れやミスによって、自身を簡単に危険な状況に追い込むことになってしまう可能性があるのです。大会を運営するオフィシャルはもちろんですが、参加される選手自身も常に状況を把握し、自分の安全を確保するだけの対応策を複数用意できるように日頃から訓練しておくことが重要だと思います。やはり、わたしたちにもKY(危険予知)力が求められます。パラグライダーの操縦技術や気象、フライト知識などと並び、KY力も重要なスキルとして身に着け、向上させる必要があるでしょう。

ナショナルリーグ表彰

ナショナルリーグの入賞者のみなさま、おめでとうございます。

総合


ナショナルリーグ総合


優勝 5 星田 真一 OZONE ENZO3

準優勝 3 中村 浩希 OZONE ENZO3

第3位 12 竹尾 雅行 OZONE ENZO3

第4位 1 高杉 慎吾 OZONE ENZO3

第5位 13 隅 秀敏 OZONE ENZO3

第6位 2 稲見 祐二 GIN GLIDERS BOOMERANG11


総合優勝 星田真一


女子


ナショナルリーグ女子


優勝 14 小森さちよ OZONE ZENO

準優勝 16 星田 苗月 OZONE ZENO

第3位 17 天野 月子 NIVIUK PEAK4

第4位 19 吉川 朋子 OZONE ZENO

第5位 37 岩崎 聡子 NIVIUK KLIMBER P

第6位 39 三浦亜津子 NIVIUK KLIMBER P


女子優勝 小森さちよ


チーム


ナショナルリーグチーム


優勝 瀬戸内少年飛行団

(2稲見祐二、11山本雅史、24田前英代、35田前敏、40山田俊介)

準優勝 夫婦善哉

(5星田真一、15関根順、16星田苗月、38食堂信昭、45関根睦)

第3位 Z3

(1高杉慎吾、13隅秀敏、63竹内直之)

N2リーグ表彰

N2リーグの入賞者のみなさま、おめでとうございます。

総合


N2リーグ総合


優勝 308 岩野おさむ ADVANCE IOTA2

準優勝 313 谷藤 公明 BGD CURE 

第3位 312 岸 幸民 ADVANCE SIGMA9

第4位 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10 

第5位 309 貝田 仁 NIVIUK ARTIK5 

第6位 303 松岡 茂 NOVA MENTOR5


総合優勝 岩野おさむ


女子


N2リーグ女子


優勝 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

準優勝 301 千葉 恵 GIN GLIDERS BONANZA2


女子優勝 谷藤幸子


チーム


N2リーグチーム


優勝 今井浜

(308岩野おさむ、313谷藤公明、314斎藤光秋、317谷藤幸子)

準優勝 西日本連合

(312岸幸民、310藤原雅宏)

第3位 とちおとこ

(323園部和夫、324西川鎮治)

N2リーグ日本グランプリチャンピオン


N2L2019日本グランプリチャンピオン


308 岩野おさむ ADVANCE IOTA2

317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

5月の朝霧高原で開催されたPGカップin富士山でしたが、これで2年連続で好天に恵まれ成立いたしました。参加された選手のみなさまはもちろんですが、Wingkissの中川様はじめエリアの方々、大会開催と運営にご協力いただいたスタッフのみなさまに、この場をお借りして感謝申し上げます。

来年も新緑まぶしい朝霧高原で、朝霧らしいタスクを用意してみなさまをおまちしております。ぜひ、来年もPGカップin富士山をよろしくお願いいたします。


集合写真


2019 COOスプリングカップ


レポート:競技事業部・藤野 光一

2019年シーズン第1戦の「COOクロカンカップ」では、天候に恵まれずタスクは成立しなかったのですが、その2週間後に再びCOOで開催されるスプリングカップは、事前の気象予報もまずまずの晴れベースがぶれることなく固定され、久しぶりに「BigDayになるかもしれない」と言う、何とも言えない予感が選手たちにあったのではないか?と思います。

その予想は期待を裏切らない形で現実のものとなりました。なかなかマッチしない大会でのコンディションですが、今回は本当にタイミングが合った素晴らしい大会となったのです。

4月13日(大会1日目)

天気予報は文句のつけようがない晴れ予報。移動性高気圧が張り出し、キッチリと関東平野を、本州を覆う位置取りで、風も弱く絶好の大会日和、クロカン日和であることを感じさせるものでした。




COOの大会では、毎回朝食サービスが行われます。選手としては非常にありがたいサービスで、主催者と早朝から準備に勤しむスタッフのみなさまには本当に感謝です。朝食を頬張る選手たちは一様に笑顔で、これから始まる大会にワクワクしている様子が見て取れました。


朝食サービス



クロカンタスク

選手は朝食を済ませた後で受付、そしてテイクオフへ移動。一連の流れはとてもスムーズに行われ、テイクオフの優先順位のおかげもあってか、送迎車争奪戦のような殺気立ったムードは微塵もなく、終始和やかなムードで進んで行きました。

テイクオフでは9時30分から開会式が行われ、その後競技委員長によるジェネラルブリーフィングへと移行します。今回の大会はナショナルリーグ第2戦とN2リーグのシーズン初戦。特にN2リーグは、今年からルール変更があったことで300番台選手がその実力を競うリーグになりました。昨年チャレンジリーグを賑わせたツワモノたちがステップアップして参戦しているので、今シーズン注目のリーグと言えるでしょう。


競技委員長


ブリーフィング


両リーグのタスクコミッティーが招集され、本日のタスクを協議します。そして、選手に提示されたタスクは予想どおりのクロカンタスク。そして、ここ数年は設定していなかった北上タスクとなりました。

ナショナルリーグは横岡ゴールの82.2Km。N2リーグも予想されるBigコンディションを生かした黒羽ゴールの67.3Km。
クロカン慣れしていないN2リーグの選手をリードすることも考え、スタートするTPもスタート時間もシリンダーサイズもすべてナショナルリーグと同じ設定。違うのはゴールだけとなりました。


タスクコミッティー


タスクボード


10時30分にWindow Open。スタートは12時30分なので2時間の余裕があります。ナショナルリーグ55名、N2リーグ23名、合計78名の選手も十分スタートに間に合う予定でしたが、結果的にはスタート時間になってもテイクオフできずにいた選手が見られました。2時間の空中待機は長いかもしれませんが、条件は常に変化して行きます。テイクオフも風も一定ではなく、特にCOOのような平野に位置するエリアでは、対流によって風向きが簡単に変わります。ナショナルリーグのトップ選手たちは、淡々と準備をして早々にテイクオフして行きます。彼らにとってもスタートまでの2時間は長いはず。ですが、やはり空中に身を置くことが何よりも優先されるのです。
今回、早く出るのを嫌って後半に出る選択をした選手たちにとっては、高い授業料になってしまったかもしれません。空中に居なければレースに参加することはできません。その点も踏まえ、自分の行動を決める必要があるのではないでしょうか?









気温差の大きかったこの日のサーマルは力強く、そして時に暴力的な激しいものでした。ひとたび上昇の良いサーマルにヒットすると、まさに高速エレベーターのごとく2000mオーバーの世界へ連れて行ってくれます。しかし、同時にそこは寒さとの戦いの場でもありました。気を抜く暇もないほどの荒れた空域で手の冷たさに耐えながら、選手たちは良い位置取りをとスタートに備えるのです。


ナショナルリーグTASK1


N2リーグTASK1


ナショナルリーグの攻防

スタート時刻の12時30分きっかりに、B05のSSS2000mをカットし上空2000m以上に位置する大集団はゆっくりと北を目指して動き始めます。通常の場合、まずは高峰を目指して上げ直すレグとなる訳ですが、この日は十分な高さがあるため先頭集団は高峰をパスして茂木方面へダイレクトに駒を進めていきます。
この日は、東側を通るルートで集団を形成する大きなトップグループと、西側を直線的に北上した小集団の2つのトップグループがレースをリードしました。低く先行する37番只野選手や、高さを維持しながら着実に進む202番青木選手らのグループ。そしてそれを追う2nd以降のグループです。先行するグループはコンディションの整う前に進むことが多く、慎重にならざるを得ない場面も多々見られます。コースを右に左に変えながら、最も効率の良いルートを探りながら進みます。


ゴールはまだ先(中村選手撮影)


烏山を越え黒羽を視界にとらえる頃には、ばらけていた集団も徐々にコースが集約されて行きます。そして、トップを狙える位置にいるのは1番高杉選手、2番稲見選手、36番只野選手、202番青木選手の4名。ここから先は誰が先に仕掛けてゴールシリンダーをカットするのか?にかかっています。ファイナルグライド勝負を制したのは202番青木選手。2時間24分12秒でフィニッシュ。遅れること13秒で1番高杉選手、さらにその25秒後には3番中村選手がフィニッシュでした。
その後も続々と選手がゴールに現れ、リフライトで粘りのゴールを決めた39番三浦選手がゴールした16時43分までに、実に44名の選手がゴールメイクする好レースとなりました。


ゴール




ゴール上空(三浦選手撮影)



N2リーグの攻防

N2リーグの方も様々なドラマを生みながらレースが進められたようです。ナショナルリーグ同様、スタート前には2000mを超える位置で待機し、一斉に北上を開始します。中にはB05の1Kmシリンダーに入るために大回りしてしまった選手もいたようです。
N2リーグの選手は、高さをキープしながら慎重に大事に進んでいきます。レースは313番谷藤選手、328番松本選手が先頭を走ってリードします。後続は集団を維持しながら比較的スローペースでの展開となりますが、先頭の2人も烏山付近でペースダウンし後続集団に飲み込まれます。そしてトップは328番松本選手と330番工藤選手に変わり、さらに318番飯塚選手も加わるなどめまぐるしく変化して行きます。
最終的に328番松本選手が集団を引き離して2時間11分04秒でトップゴールを決めました。終始トップを守った攻めの飛びが勝利を引き込んだのかもしれません。続いてゴールに飛び込んだのは昨年のチャレンジリーグ女子チャンピオンの317番谷藤幸子選手で2時間34分38秒でした。3番手は324番西川選手で2時間38分36秒。その後もゴール者は続き、16時3分にゴールを決めた304番北島選手まで10名の選手がゴールを決めました。

昨年来、なかなかレースが成立しなかったN2リーグですが、2019年の第1戦は幸先の良いスタートを切ったのではないでしょうか?


ゴールバス(正木選手撮影)


ナショナルリーグもN2リーグも大勢の選手がゴールし、ゴールにはたくさんの笑顔がありました。久しぶりのクロカンタスクで、最高の条件で、自分の力を出し切って掴んだゴールは本当に素晴らしいフライトだったと思います!!おめでとうございます。

ゴールからエリアへ帰るバスの中は大いに盛り上がったのでした。



エリアへ戻れば選手にはハンバーガーが振る舞われました。とても美味しかったですね。ありがとうございました。

4月14日(大会2日目)



大会2日目は曇りがちな、それでも予想よりも日差しが多く暖かな朝を迎えました。初日同様に7時30分から朝食サービス、選手受付、そしてテイクオフへの移動となりました。


ブリーフィング


今日は南西の風が強まる予報もあり、選手は西テイクオフで準備です。まだ穏やかですが、この後徐々に風が強まる予想だけに、しばらくは様子を見てウェイティングとなりました。


タスクコミッティー


タスクコミッティーが招集され、タスクの可能性を探ります。風が強くなる前にレースを終えるためには、早めの展開が必要です。しかし、西テイクオフの場合はサーマルが活発になるまでに時間がかかります。レースが開始された後に風が強まった場合のエスケープなども考えると、やはりリスクが高いと言わざるを得ません。タスクは難しいとの結論で様子を見ていると、やはり強い風が徐々に入り込んできました。この段階で競技委員長はタスクキャンセルを宣言し、選手が下山することになりました。
そして、これをCOOスプリングカップの競技は終了しました。

N2リーグ表彰

N2リーグの入賞者のみなさま、おめでとうございます。

総合



優勝 328 松本 健吾 BGD CURE

準優勝 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

第3位 324 西川 慎治 GIN GLIDERS EXPLORER

第4位 310 藤原 雅宏 ADVANCE IOTA

第5位 312 岸 幸民 ADVANCE SIGMA9

第6位 302 中川 俊治 NOVA SECTOR

女子



優勝 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

準優勝 307 中久喜千代 GIN GLIDERS EXPLORER

第3位 332 山岸 里子 GIN GLIDERS BONANZA2

チーム



優勝 西日本連合

(312岸幸民、310藤原雅宏)

準優勝 PinCOO

(302中川俊治、307中久喜千代、311横堀紀子、318飯塚宏祐、330工藤成史)

第3位 今井浜

(308岩野おさむ、313谷藤公明、314斎藤光秋、317谷藤幸子)

ナショナルリーグ表彰

ナショナルリーグの入賞者のみなさま、おめでとうございます。

総合



優勝 202 青木 和広 OZONE ENZO3

準優勝 36 只野正一郎 GIN GLIDERS BOOMERANG11

第3位 1 高杉 慎吾 OZONE ENZO3

第4位 10 正木 晋 GIN GLIDERS BOOMERANG11

第4位 中村 浩希 OZONE ENZO3

第6位 竹尾 雅行 OZONE ENZO3

女子



優勝 19 吉川 朋子 OZONE ZENO

準優勝 17 片貝 月子 NIVIUK PEAK4

第3位 24 田前 英代 NIVIUK ICEPEAK7

第4位 28 吉原 紀子 OZONE ZENO

第5位 37 岩崎 聡子 NIVIUK KLIMBER P

第6位 45 関根 睦 OZONE LM6

チーム



優勝 瀬戸内少年飛行団

(2稲見祐二、11山本雅史、24田前英代、35田前敏、40山田俊介)

準優勝 Team EVOX

(4中島義雅、10正木晋、20伊澤光、21藤野光一、201平松久)

第3位 Z3(ゼットスリー)

(1高杉慎吾、13隅秀敏、63竹内直之)

X-ALPS日本チーム

最後に、間もなく始まるRedBull X-Alpsに日本から参戦する扇澤郁選手とサポートを含めた日本チームが紹介されました。2013年以来の出場となる扇澤選手は今年還暦を迎える最高齢での挑戦です。
各地のパイロットが寄せ書きした日の丸を手渡して、健闘を祈りました。
レースは6月16日スタートです。日本チームはゴールデンウィーク明けから現地でトレーニングを開始します。


扇澤郁選手


左からサポーターの渡部と小熊


寄せ書きされた日の丸


2019年シーズンのナショナルリーグ第2戦、N2リーグ第1戦のCOOスプリングカップは、素晴らしいクロカンタスクが成立し幕を下ろしました。選手の頑張りはもちろんですが、いつも大会を支えてくれるスタッフのみなさまに心から感謝申し上げます。
これで今シーズンのJPA競技会も弾みがつくことと思います。まだまだ始まったばかりです。選手のみなさま、今シーズンも一緒にJPAの競技会を盛り上げて行きましょう!!



2019 COOクロカンカップ


レポート:競技委員長・辻 強

2019年。今年もJPAのパラグライダー競技が開幕です。

北関東は3月上旬、天候・気象条件が良く、クロカンに行けた週末が多くありましたが、下旬になると真冬並みの寒気が南下して、せっかく咲いた桜も風邪を引きそうなぐらい寒くなりました。

30日・1日目

曇りの天気。風は弱い予報ですが、早朝には小雨がありました。それも選手が集まる頃には止みました。選手には朝食サービスがあります。朝からしっかり食べて飛んでもらうために、COOキッチンスタッフが暖かい朝食を準備しました。





朝は山頂の風がまだ強く、本部前にて開会式とブリーフィングが行いました。


司会


JPA会長



競技委員長


11時には山頂の風も弱くなり、フライトが出来そうになったので山頂までの送迎を開始。

お昼にはチャレンジリーグの今年最初のタスクを発表しました。
タスク距離は最短で10Km、エリア内で少しでもサーマル、リッジが在れば飛べるタスクを組みましたが、天候は無情にも雲が厚くリッジも取れないぐらい弱い風になり、ゲートオープンしましたがほとんどの選手がぶっ飛びでした。

そのような厳しい条件の中、1名だけミニマム距離をクリアしてくれたものの、トップ1点でその他全員の選手は2位0点となり、これは幻のタスクになってしまいました。









ナショナルリーグの方はそのようなコンデションなので競技はキャンセルとし、フリーフライトになりました。

フライト終了帰着が済むと、手作りコロッケとハムカツ、イカリングの定食でした。
とても美味しかったです。



31日・2日目

昨晩低気圧と前線が通過、結構雨が降りました。朝からどんよりして雲で山も見えません。






11時まで本部で待ちました。その間、暖かい甘酒で体を温めてもらいました。が、天候の回復が無く残念ながら競技はキャンセル。そのまま閉会式になりました。





閉会式では、幻のタスクとなったもののただ一人ミニマムをクリアした谷藤選手に賞品が贈られました。



また、他の賞品はくじ引きとなり、引きの強い選手たちの手に渡りました。



大会実行委員長


閉会式後は暖かいカレーうどん・蕎麦を食べて選手は帰路に付きました。

今回の大会は、天候不良のため競技は出来ませんでしたが、2週間後には再びCOOスプリングカップが開催されます。思い切り飛べるように準備しておりますので、たくさんの選手のご参加お待ちしております。



四国三郎ジャパンカップ2018

レポート:競技委員長・扇澤 郁

毎年恒例となっているJPAナショナルリーグ最終戦・四国三郎ジャパンカップは、紅葉が深まる四国三郎流域の絶景の中、好天に恵まれ開催されました。

ここまで天候不順に悩まされた今シーズンのナショナルリーグでしたが、来シーズンのシード権を狙う選手たちが実力を発揮するためのファイナルレースの舞台は、地元関係者、近隣パラグライダースクール等、大会関係者全員の熱意で整い、熱い戦いが始まりました。

1日目

大会初日、寒冷前線通過後の四国三郎流域には北風が流れ込む予報となり、水の丸テイクオフから組まれたタスクは、吉野川の右岸にいても左岸にいてもコンプリート出来るフレキシブルなコース取りができる54Km。レース序盤の見どころは、北風の具合により、サーマルのラインが対岸なのか、川の真ん中なのか、手前なのかを読み、スタートをどこのラインで切るかでした。




レース序盤スタート時刻12:30頃、対岸ではリーサイドサーマルに苦戦し、高度を稼げずスタートを切れない選手が多い中、川の真ん中で高度を保ちスタートした選手が少しずつ距離を伸ばしていきます。そのなか、川を渡らず、手前のリッジで距離を伸ばしていたNo.8の吉川選手が順調に距離を伸ばしT2へリターンしたころで、競技委員長からは風が強くなりつつあるとの判断でタスクストップのコール。

タスク1はTask Validity:0.05でポイントの低いレースとなってしまいましたが、北風ベース時の吉野川流域の風の流れとサーマル活動の関係の典型的なコンディションを体感でき、明日につながる良いチャレンジだったと思います。



2日目

大会2日目。決戦の時の朝サーマルトップは1400m~1500mで終日晴れ予報ですが、コミッティーは渋めのコンディションを観天望気し、タスクコミッティーの稲見選手(リーグ戦総合2位)からは、同じくタスクコミッティーの高杉選手(リーグ戦総合1位)を最終タスクで抜き去るためのタスクが提案され、双方合意の上発表されました。
タスクは、四国三郎エリアを東西に3往復する50Km弱ですが、安全圏の山コースだと実走距離がかなり長くなることから、沖コースを狙う一発逆転組と、上位をキープしたい安全圏組に分かれることが予想される興味深いものです。


スタート後レース序盤は、沖を通る選手と山を通る選手に分かれはしたものの、TP2をクリアーしたのちは三頭山のハウスサーマルで上げなおすことになる、集団からなかなか抜け出せない渋めのコンディションが続きました。


レースが動いたのはTP3リターンの時で、真っ先にサーマルトップに到達した只野選手が、ワールドクラスの読みで一気に先行をする展開に。高杉選手を含むトップ集団が只野を追いかける中、一人逆転を狙える位置にいる稲見選手は勝負をかけ大奥の竜王コースを選択。
トップでTP4を折り返した只野選手は高度が低く、平野部で何とか渋いサーマルを育て始める。追いかけたトップ集団の中でも高度を保てた中村選手が、そのサーマルの上にかぶさり高度を稼ぎ始める。ここで、トップに躍り出たのが高度を保ちながらテイクオフレベルの山へ戻った竹尾選手。一気に高度を獲得し水の丸TO8Kmのシリンダーへ向かい始めます。一人旅で竜王コースを選択した稲見選手は大正解で高度ロスなくTP4をリターンし、モトクロス場上空まで戻り戦況を観察しながら余裕のセンタリング開始。



三頭山テイクオフで観戦していた大会スタッフは全体を監視しながらも、この面白い戦況を楽しませていただきました。

トップ2選手の心境を解析すると・・・

只野選手と一緒に低くなってしまった高杉選手は、稲見選手の断然リードと判断。高杉選手は稲見選手が900点代後半の良い位置でゴールした場合、最終タスク前の4本成立の得点計上では断然有利の高杉選手のアドバンテージがたったの8点しかない状況が読めていた。高杉選手は只野選手とは違い遅いゴールは必要なく稲見選手と同等なタイムでゴールラインを切る必要があり、当然のごとく只野と離れギャンブルに出たことで戦線離脱。



稲見選手は、集団から抜け出してきた選手の中に高杉選手の機影がないことを確信し、900点台後半でゴールすることで、リーグ戦トップは確定との判断。集団の中から抜け出してきた中村選手と一緒に余裕のファイナルグライドへ入るつもりで高度を稼ぎまくる作戦。この時、四国三郎の郷上空でシリンダーをカットし山に戻って上げなおしている竹尾選手を確認したが、有利な山コースでゴールを目指しても950点後半は取れるだろうと判断。

・・・等など(扇澤の勝手な推測です)


レース終盤は、コンディションが好転し沖周りの竹尾選手が余裕の単独ゴール。逆に、確実な山周りでゴールを目指した稲見選手を含むセカンド集団は若干スタックすることになり、トップから大きく後れを取った形でゴール。小森選手は集団と一緒にゴールし、女子では断トツのゴール。
その後も、4時間のフライトでESSをカットした吉川選手まで16名のパイロットがゴールを決め、選手全員が笑顔で帰着申告を目指した最終タスクにふさわしい終演となりました。

大会結果

本大会総合順位は竹尾選手が堂々の優勝。女子優勝は小森選手でした。
チーム戦は1本目の順位が加味され珍しく瀬戸内少年飛行団、チームX2、チームドラゴン、チームバーズ!の4チームが優勝。皆様、おめでとうございました。


ナショナルリーグ総合


ナショナルリーグ女子


ナショナルリーグチーム戦

年間表彰

興味深かったリーグ戦の順位は、975点でトップに並べた稲見選手が919点と振るわず、高杉選手のリーグトップで確定。2位に稲見選手。そして、3位はこの大会でもポイントをゲットした中村選手が初のポディウムを決めました。おめでとうございます。


年間総合TOP10


2018NLチャンピオン


女子は、小森選手が星田選手を逆転し優勝。2位に星田選手。そして、3位にこちらも初ポディウムの片貝選手が入りました。おめでとうございます。


年間女子TOP6


2018NL女子チャンピオン


チーム戦は全9タスクでポイントを重ねた三浦選手代表のConta会が優勝に輝きました。
2位は星田選手率いるチームドラゴン。3位は、隅選手がリーダーのチームZ2となりました。皆様、ナショナルリーグ戦にご参加いただきありがとうございました。


年間チーム戦TOP3

今回競技委員長をやらせていただきましたが、競技会は

・よいエリアで
・よい風が吹き
・よいパイロットが集う

ことで素晴らしいレースができるのだと確信できました。もちろん、出張エリアでの大会開催は準備が大切で、大会運営を陰で支えていたスタッフの皆様、素晴らしいエリアを管理されている皆様に感謝申し上げます。
そして、安全に楽しく笑顔で帰着申告していただける参加選手の皆様にも、この場を借りで心から感謝申し上げます。