しらたか紅花カップ2019

全国的に梅雨真っただ中の7月13日~14日(15日を予備日として設定)日程で、毎年恒例の「しらたか紅花カップ」が開催されました。
梅雨であるから致し方ないとはいえ、目まぐるしく変わる天気予報は参加締め切りの1週間前には雨マークが並ぶ絶望的なものとなっていました。しかし、ふたを開けてみると初日は素晴らしいコンディションに恵まれたレース日和となり、参加した選手は思う存分に競技を楽しんでいただけたのではないか?と思います。
今回の大会は、主催者の気象予測が大きなポイントとなりました。日ごろから現場の気象と数ある気象サイトの信ぴょう性を検証してきた結果ではなかったか?と思います。



大会レポート

実行委員長:植木 亨

競技事業部:藤野光一

1日目

芳しくない天気予報ではありましたが、そんな中でもチャレンジリーグ9名、N2リーグ17名がエリアへ足を運んでくれました。
多数ある気象予報サイトの中から、白鷹エリアに合った物をみつけ一週間予測を続けました。絶望的だった土曜日の天候が金曜日予報では飛べそうな予報に変わり、金曜の夕方予報には土曜の午後には日差しが出る予報に変わりました。
「いける!!」
一週間照らし合せた予報が晴れ予報を出してきたので自信を持って土曜日を迎えることができました。


初日受付



土曜日の朝、エリアは霧の中で全員朝食を食べていました。これも予報どおりで雲量が多い事がそのまま当たっている。午後晴れることをさらに確信しスタッフミーティングをおこないました。そこで午後晴れる14時に最高の天候・日差しになるので、その前に競技を進められるようタイムスケジュールに合わせた動きでおねがいし、選手全員10時山頂集合としました。


開会式


地元白鷹クラブ


競技委員長


10時より開会式を行い、続けて選手ブリーフィング。気象状況について選手に説明し、タスクコミッティーに今日のタスクを決めてもらいます。


タスクコミッティー


私のイメージでのタスク時間12時ゲートオープン、13時スタートと考えていましたが、ダミーの動きから空の状況が良くなっていると判断し、スタートを12時45分に変更し競技を行うこなうことになりました。


タスクブリーフィング


タスクボード


N2リーグタスク1

D61(TO)
B12(作業小屋)800m SSS
B12(作業小屋)400m
A41(メインLD)400m
B02(神社)  800m
B08(豚小屋)2,000m
D61(TO)  400m
B06(一本松) 800m
B10(西黒森山)1,800m
B21(白鷹トンネル)800m
B14(狐越え)1,600m
A43(荒砥橋ゴール)600m ESS
A43(荒砥橋ゴール)400m

最短距離:23.6Km 中心距離:40.9Km


N2リーグTASK1


チャレンジリーグタスク1

D61(TO)
B12(作業小屋)800m SSS
B12(作業小屋)400m
A41(メインLD)400m
B02(神社)  600m
B21(白鷹トンネル)600m
B35(郵便局) 600m
B10(西黒森山)2,000m
A43(荒砥橋ゴール)600m ESS
A43(荒砥橋ゴール)400m

最短距離:17.5Km 中心距離:25.0Km


チャレンジリーグタスク1


コンディションは上々ながら、湿気の影響かテイクオフ前から後方にかけて大きな雲が形成されていました。選手からの無線でも吸い上げが強烈との報告もあったのものの、高度を維持できない選手が雲の下を動き回りながらスタート時間を待つ状況に「雲に入らないように」と無線で指示し、沖にある明るい空域を有効に使うようにアドバイスを行いました。
天候は次第に回復、予定どおり。12時45分にきれいな一斉スタートを見たときにタスクの成立を確信しました。












雲低は1500mまで達するようになり、同時に吸い上げの威力も激しいコンディションとなり、雲を縫いながら、雲に入らないように注意をしながらのレースとなりました。
N2リーグはスタート直後から308岩野選手と313谷藤選手がレースを引く展開となり、B08豚小屋までは上げることなく直線的に高速移動でこなします。が、ここからの戻りでレースが動きます。テイクオフより低く着けたグループと、高めに帰ったグループとで上げ直しに差が出てしまい、トップを走る308岩野選手とそれを追う324西川選手らはB06一本松へ。しかし、この後先頭を走っていた308岩野選手はダイレクトにB10西黒森を奪取するものの高度を下げすぎて無念のランディング。西川選手ら後続組は、しっかりと山に帰って上げ直し余裕のトップでタスクをこなし、ファイナルグライドへ入ります。
終わってみればN2リーグは324西川選手が56分とただ一人1時間を切り余裕のトップゴール。2番手は305田邊選手、3番手は314斎藤選手と続き、ナショナルクラスも合わせて10名がゴール。

チャレンジリーグも雲と格闘しながらも、おのおののペースでタスクをこなし、終始スピードを意識して飛んだ525八巻選手が51分とダントツのトップでゴール。それに続いたのが529菊田久美選手。ゴールまであと一歩まで迫っていた503井出選手は、パレス松風を越えた平野部で高度を稼ぐべく頑張っていたものの、強くなった南風に阻まれてゴールは叶わなかった。
チャレンジリーグのゴールは2名でしたが、みなさんあと少しのところまで来ていたのが残念でした。


写真提供:西川選手


夜は恒例のパーティーが行われ、今日のレースを振り返りながらみなさん楽しい時間を過ごされたようです。

2日目

大会2日目は朝から小雨もちらつく空模様でしたが、予備日の15日が昨日と同じような気象状況になる可能性が高いというデータが示され、予備日を使うかどうかをタスクコミッティーで協議しました。
その結果、飛べる可能性に賭けて予備日を使用することに決定し、2日目は競技キャンセルとなりました。

3日目


3日目受付


雲は低いものの、時折日差しも見える朝。土曜日のようなレースコンディションを期待して選手は準備を行います。
予想では、昼から13時くらいに雲も取れて競技が可能なコンディションになる・・・とのこと。それに合わせて動きます。


テイクオフより


今日は一段と雲が低く、テイクオフ周辺は完全に雲の中。ですが、山形市方向や寒河江方向などは日差しもあって明るく見えます。周囲の空気が温まり、次第に雲を押し上げてくれることを願うばかりです。


ブリーフィング



それでも、今日の一番良いと思われるタイミングに合わせてタスクコミッティーがタスクを考えます。とても難しい判断を求められますが、これもまた競技者としての経験です。みなさんそれぞれにコンディションを予測し、それに合致したタスクをセッティングします。


タスクコミッティー


タスクボード


そうして決まったのがゴールレースではなくエラップスレース。
タイミングに左右されることは間違いなく、レースによって空中で待つ時間も惜しいという判断で、各自のタイミングでレースを行えるエラップスを選択しました。

N2リーグタスク3

D61(TO)
B12(作業小屋)800m SSS
B12(作業小屋)400m
B03(ショップ)400m
B02(神社)  600m
B21(白鷹トンネル)600m
B03(ショップ)400m
B02(神社)  600m
B21(白鷹トンネル)800m
B14(狐越え)400m
B02(神社)  600m
B05(小学校)1,700m
D61(TO)400m
B06(一本松)800m
A41(メインLDゴール)600m ESS
A41(メインLDゴール)400m

最短距離:20.0Km 中心距離:33.9Km


N2リーグタスク3


チャレンジリーグタスク3

D61(TO)
B12(作業小屋)800m SSS
B12(作業小屋)400m
A41(メインLD)400m
B02(神社)  600m
B35(郵便局) 1,000m
B10(西黒森山)2,000m
B02(神社)  600m
B05(小学校)2,000m
A41(メインLDゴール)600m ESS
A41(メインLDゴール)400m

最短距離:10.9Km 中心距離:23.4Km


チャレンジリーグタスク3


12時を過ぎても雲低は上がらず、風も時折後ろから吹いてきます。とにかくこのような場合は飛ぶしかありません。リフライトOKなので、なるべく多くの選手に飛んでもらい、わずかなチャンスを掴んでもらいたいものです。








時間は刻一刻と過ぎていくものの、私たちが待ち望んだ光景になることはなく、選手は果敢にテイクオフして行くもののスタートを切って一筆書きでランディングへ向かうコースをトレースするのみとなっていました。時折わずかながらのリフトもあるようですが、それは回して上昇するほどのものでもなく、無情にもタイムリミットが訪れてしまい、N2リーグ、チャレンジリーグともに本日のタスクは不成立となりました。

終わってみれば、大会は初日の結果が最終結果となりました。

N2リーグ表彰

N2リーグは初日ダントツのトップゴールを決めた西川選手が優勝です。

N2クラス


N2クラス入賞者


優勝 324 西川 慎治 GINGLIDERS EXPLORER

準優勝 305 田邊 万作 GINGLIDERS BONANZA2

第3位 314 斎藤 光秋 GINGLIDERS BONANZA2

第4位 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

第5位 313 谷藤 公明 BGD CURE

第6位 309 貝田 仁 NIVIUK ARTIK5


優勝の西川選手


N2クラス女子


N2クラス女子


優勝 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

準優勝 332 山岸 里子 GINGLIDERS BONANZA2

第3位 301 千葉 恵 GINGLIDERS BONANZA2


N2女子優勝 谷藤幸子選手


ナショナルクラス


N2ナショナルクラス


優勝 21 藤野 光一 PHI MAESTRO

準優勝 68 松田 京子 GINGLIDERS EXPLORER

第3位 38 食堂 信昭 NOVA PHANTOM

第4位 208 阿部 浩昭 NIVIUK PEAK3

第5位 70 渡辺 美希 ADVANCE IOTA

N2チーム戦


N2チーム戦

優勝 今井浜

(308岩野おさむ、313谷藤公明、314斎藤光明、317谷藤幸子)

準優勝 寒風山姫が岳チーム

(305田邊万作、309貝田仁)

第3位 PinCOO

(302中川俊治、318飯塚宏祐)

チャレンジリーグ表彰

チャレンジリーグ総合


チャレンジリーグ総合


優勝 525 八巻 淳 ADVANCE IOTA

準優勝 529 菊田 久美 ADVANCE IOTA

第3位 503 井出 大貴 GINGLIDERS CARRERA+

第4位 532 堀井 重雄 OZONE RUSH4

第5位 521 阿部 耕司 NOVA SECTOR

第6位 504 庄司 笑梨 ADVANCE EPSILON7 


チャレンジリーグ優勝 八巻選手


チャレンジリーグ女子


チャレンジリーグ女子


優勝 529 菊田 久美 ADVANCE IOTA

準優勝 504 庄司 笑梨 ADVANCE EPSILON7 

第3位 530 奥埜 裕子 ADVANCE IOTA

チャレンジリーグチーム戦


チャレンジリーグチーム戦


優勝 チーム今井浜2019

(525八巻淳、530奥埜裕子、532堀井重雄)

準優勝 Let's中村門下生+α

(503井出大貴、504庄司笑梨)

第3位 オクムラ組

(508奥村邦明、521阿部耕治)

入賞された選手のみなさま、おめでとうございます。今回は、本当に来てみないとわからない状況でしたので、改めてパラグライダーの大会は現地に行ってナンボということが感じられた大会でした。また、主催者の日ごろからの努力によって、より精密な気象予測が可能であることも実証されたのではないか?と思います。植木校長には心から感謝申し上げます。そして、その状況をしっかりと受け入れ、速やかに対応したスタッフと選手のみなさまにも感謝申し上げます。これらの動きがマッチしたことによって、素晴らしい競技が成立したのだと思います。

今年のN2リーグは持っていると私(藤野)は感じております。次回は獅子吼での開催となります。こちらの方も、多くの選手に参加いただけるようお待ちしております。


集合写真