CIVILミーティングに対するJPA競技規定の方向性について

2013年2月に行われたCIVIL総会において、PMAからの提案に基づいた新しいEN-Competitionクラスの内容が決定されました。

EN-Compグライダーの概要は以下です。

①EN-Dの認証内容に沿ったフライトテストを行われなくてはならない。ただし、最大荷重 のみテストで良い
②最大速度は65km/hとする
③最大平面アスペクトレシオは7.0以下とされる
④このレギュレーションは2年ごとに改定される
⑤2015年1月1日以降のFAIカテゴリー1大会からこのルールは対象とする

現状EN-Dを取得しているグライダーであっても、このEN-Compクラスのレギュレーションを満たしていないとダメだということになります。例えばBoomerang9、ENZOなどはアスペクト7以上のため使用不可。Icepeak6などは7以下のため使用可能(
最大速度は65km/hであれば)となります。

まだ決定ではありませんが、PWCAはCIVILの決定に追従するとのことですので、PWCも2015年シリーズからはこのグライダーレギュレーションとなる可能性が高まります。

FAI大会は関係ないとしても、PWCに準じたルールとなるJPAとしてどう対応するか。先に発表されていたパラシュート2個携帯義務も含めて、競技事業部の考え方と2014年ルール改正についての決定事項を以下に述べさせていただきます。

①スキューパラシュート2個装備の件
この対策に関しては「科学的根拠が乏しい」こと、対策が「場当たり的」なことにより不要であると考えています。2個持つメリットとして、CIVILの内容(1個目が何らかの理由により投げられなかった)や、1個目を投下し絡んだりした場合に2個目が有効になるなどが考えられますが、では2個目がダメだったら3個持つのか?と言う話になります。しかし、現状ではその疑問に対し明確に説明されておらず、その様な事態が発生する要素についても言及されていないのが現実です。JPAでは、その様な状況に至った要因や起こりうる事象を可能な限り分析・推測した上で選手(パイロット)に広く情報公開し、そうならない為の教育や啓蒙(情報発信と共有)をすることが重要であると考えています。
また、定期的なリパックを義務化し、レスキュー開傘シミュレーションも行っています。その様な機会を有効に活用し、最新の情報も伝達することで選手に対応力を身につけてもらうことで「対処療法」ではなく「予防措置」を取ることが出来ると考えています。
以上の様な理由により、現状ルール「従来どおり1個で良い」との結論に至りました。

②EN-Compeグライダーについて
こちらも、基本的には「FAIカテゴリー1大会」での適用と言うことですし、そもそも認証機と言うルールに至った背景は教育や十分なスキルを持たない選手が2ライナーなどの機体を使って事故を起こしたことが要因です。JPAでは2012年から「認証機」と言うルールに変更した訳ですが、十分なスキルのあるパイロットが選手として「推薦」されるシステムにより使用される機材が「適切か否か」を事前に判定していることから、現状ルールどおり「EN認証機」で十分であると考えています。

よろしくお願いします。
                              JPA競技事業部