COOクロカンカップ

レポート 藤野光一(競技委員)

黄砂、花粉、PM2.5などで何やら騒がしいこの頃ではあるものの、それらの言葉が春を告げるキーワードでもあります。今年は桜(ソメイヨシノ)の開花も例年より早まっており、関東近辺では花見で賑わう週末になったことでしょう。 そんな春の訪れを告げる大会の一つとして定着したのが「COOクロカンカップ」。PNL第2戦、PCL第1戦となる大会で、チャレンジリーグに参加する選手にとっては大事な初戦。事前の天気予報では競技が出来そうなのは初日の23日のみで、24日は雨マークも入っているものの、両リーグ併せて86名の選手が「クロカン」に期待を膨らませて集まりました。


GPSアップロード対象機に関するお願い

【GPSアップロード対象機に関するお願い】

2013シーズンより使用開始したフライトログの判定ソフトで、大会運営に支障を来す状況があることが判明しました。それは、ガーミン社製GPSで入出力がシリアルポートでのみ行うことが出来る比較的古い型の機種で、GPSへのデータアップロードに長い時間が必要であるということです。この機種のものはアップロードに数分を必要とします。仮に80名の大会でアップロード時間を1時間で完了する場合、選手1人当たり40~50秒程度で作業を終えなければなりません。アップロード時間の長時間化は、最終的に選手の皆さんが使えるサーマルタイムを短くして競技を不自由にしてしまうことにつながります。

そこで、2つのお願いです。

(1)シリアルポート入出力GPS機は出来るだけGPSアップロードを行わないように協力をおねがいします。(もちろん、自分はその機種しか持っていないのでそれが出来ないなら競技の参加できないという方には当然GPSアップロードさせて頂きます。その様な方は、ぜひ「楽々レジストレーション」を利用いただき、事前にアップロードをしておくことをお薦めいたします。また、GPSアップロードしていていない個体でも、アップロード対象機がフライトログチェックでエラーをおこした時の提出は可能です。)

問題のあるシリアルポートGPSを以下に挙げます。ご参考ください。

Garmin 76 丸コネクタ
Garmin 72 丸コネクタ
eTrex Legend 平コネクタ
eTrex Vista 平コネクタ
eTrex Venture 平コネクタ
eTrex Mariner 平コネクタ
Garmin Foretrex 201 ピンコネクタ
Garmin Foretrex 101 ピンコネクタ

(2)将来的には、競技専用機への移行をお願いします。グライダー進化はまだまだ続いており、性能向上は競技フライトの可能性をさらに拡大して行くものと思われます。ゴール時点やタスクストップ時のその選手のグライダー高度のフライト得点への加算など、競技フライトには、それに対応したGPSバリオ連動機でないと非常に不利になって行く兆候が見られます。

選手の皆さんの競技フライトに置ける可能性の拡大にも繋がる専用機への切り替えをご一考下さい。


楽々レジストレーションの案内

【楽々レジストレーション】
初日のGPSアップロードを事前に行うシステムです。

大会開催初日の2日前まで(土曜日が初日なら木曜日中)に御自分のGPSをその大会主催者まで送付して頂ければ、初日の受付でのGPSアップロードは不要となります。

もちろん、入山チェックは必要ですが、それさえ済めばあとは入山準備に直ぐに入れます。

このシステムは、大会運営時のGPSアップロードにかかる時間を短縮し、時間の短いとされる日本のサーマルタイムを十全に競技フライトの活かそうとする目的のものです。

GPS輸送のリスクは選手の皆さんで担保して頂くことになりますが、試してみては
如何でしょうか。


PWC SuperFinal Day11

いよいよ今日は最終日。昨日に引き続きコンディションは最高です。

昨日から続く、野焼きサーマルに入ったかどうかについてのコンプレインは結論が出ず、テイクオフ前に発表されたリストには宮田、シーゲルを含む15名まで膨れ上がりました。最終判断はタスクが終了してからとのことでしたが、テイクオフ前の発表に選手は動揺していました。

タスク距離は83km。宮田の作戦はシンプル。思いっきり行くのみです。


雲底2800mをガンガンのスピードレースとなりました。最後まで続いた強いコンディションは、波乱なしで展開。ファイナルも決まり、宮田は10位でゴール!!燃え尽きました。ほぼ全員がゴールすることとなり、最終日を飾るに理想的なタスクとなりました。


素晴らしいコンディションで、毎日飛べた最高の大会に、参加選手は満足したことでしょう。しかし、これから宮田にはTask9の疑惑を晴らす戦いが待っているのです。

閉会式は前には、コンプレインされた選手全員がそれぞれコンプレインシートを提出。そして、宮田、シーゲルと数名は60ユーロを添えた正式なプロテストを行いました。

プロテストの内容はというと、大会途中に発生した、野焼きサーマルでのソアリングについてです。

たしかに、「危険なため、野焼き(煙)のサーマルには入いってはいけない」「入った場合は0スコアー」この2点がブリーフィングで説明されました。しかし、何をもってして野焼きサーマルとするかの詳しい定義は何もなく、タスクボードにも何も記載されませんでした。

PWCのルールブックには、大会中追加されたルールはタスクボードに詳しく明記しなくてはならないとの表記があります。これは、野焼きサーマルについて明確な定義を提示していないミートディレクターの明らかなミスです。
選手は、Task4であった凶暴な上昇風を、危険な野焼きサーマルと理解していました。近くを通ったが、その周辺の弱いノーマルなサーマルしか使っていないことについて問題はないはずです。

PWCA,ミートディレクターのNickyMosでの話し合いは続けられ、ペナルティパイロットは4名までパイロットは絞られました。その中にまだ、宮田、シーゲルの名前はありました・・・。

OKとみなされたパイロットと、ペナルティパイロットの違いの説明はなく、その成績のまま、なし崩しに表彰式は始まりました。ペナルティーを受けたパイロットにとって、まったく不可解であり、不公平です。

宮田、シーゲルはこのタスク成績次第で、総合トップ10に入る可能性が高く、後味の悪い終わり方となってしまいました。非常に残念です。


今回の大会は、1本ゴール手前でミスしてしまいましたが、納得のいく攻めからの結果で、自分では納得できるものでした。JPA選手全員が燃え尽きたつもりです。

皆様 最後までご声援いただき、本当にありがとうございました。


PWC SuperFinal Day10

今日はこちらに来て初めての快晴のテイクオフとなりました。テイクオフへはグライダー満載のトラックとパイロットは観光バスで1時間かけて移動します。朝早いためか宮田を含め、ほとんどの選手はバスで寝ています。

バスを降りると、まずはテイクオフまでの200mの歩きと約50mの登りが待っています。登り場に着くと、いらっしゃいませとばかりに、馬ポーターのおじさんが笑顔でやってきます。体調が本調子でないので、今日もお願いしてしまいました。


今日のタスクは73km。ただし、40㎞先のゴールまで行き、そしてそのゴールに対し15km半径シリンダー外へ一度出ます。そして再度ゴールに戻ってくるという面白いタスク。15kmのシリンダーはどちらの方向にも出ることができ、最も効率が良い方向へ選手は出ていく選択肢が勝負の分かれ目となります。

スタート前、テイクオフ周辺は強いリーサイド(裏風)となりかなり荒れていて大変。選手はレベル2を連呼。時にはレベル3も・・・。このままではタスクキャンセルになってしまう。まずいと思いながらも何とか雲底で耐え抜き、無事スタート。


前半は山沿いに発生した積雲下をフルスピードで南下。こんな強い上昇風帯をアクセルを100%踏み切った状態で飛ぶことができるとは・・・。昨今のグライダーは凄い!

あっという間にレースは展開し、勝負はやはり、ファイナルグライド手前のサーマル探しです。宮田、ミハエルシーゲルのBoom9コンビは、弱い煙が上がっている雲底へ勝負。
クリーゲル、マイケルのマウラー兄弟とステファンバーガーは低くさらに奥へ突っ込みます。

やや同時にサーマルヒット!+2m/sと弱いですが確実に雲まで続きそうです。先に上げきったのはマウラー兄弟組、宮田シーゲル組もすかさず追いかけます。11㎞のファイナルグライドでその差は詰まらず、宮田5位でフィニッシュ!


本部で結果が発表された後、フランスチームがもう抗議!ファイナルグライド手前のサーマルがファイアーソアリング(タスク4で問題になった)ではないかとのこと。宮田は高度も高く、全く身に覚えがないので相手にしていませんでしたが、突然結果が変更!なんとファイヤーから一番遠くて、最も高度が高かった宮田、ミハエルシーゲルがペナルティで0スコアーになっているではありませんか!!

確かに10数機は低くファイヤーに飛び込み、潰れながら上がっているグライダーもいましたが・・・。最も遠く全く問題ない我々がペナルティとはどういうこと!?

早速、文書で抗議書を作り、ディレクターに提出。明日の朝までには、間違いは正されるでしょう。

明日はいよいよ最終日。同じく悔いなく攻めます。