PWCアメリカ エピローグ

連日100kmを超えるタスクで、伝説になるほどの素晴らしい大会となったPWCChelanでしたが、総合優勝はJoshCorn、2位はUSAの若手Greece。3位は2010PWC アジアチャンピオンの小林Taro。宮田は僅差で4位。表彰台は逃しましたが、今回のテーマだった先行するフライトはSuperFinalへの手ごたえを掴むことができました。


詳しい結果はこちらから


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9月のトルコが決勝戦です。ご期待ください。


世界中のBestエリアで開催されるワールドカップですが、今回のChelanも間違いなく世界有数のフラットランドフライトが可能なエリアでした。サーマルトップは4000m。タスク距離も平均100kmを軽く凌駕しており、しかもトライアングルタスクです。ヨーロッパラウンドに出てきませんが、アメリカエリアのトップ選手も参加した今大会のパイロットクオリティは非常に高いものに感じました。


参加するためのセレクションの厳しいヨーロッパラウンド比べ、参加しやすいアメリカラウンドは、日本人パイロットには最高にトレーニングになるステージでしょう。広大なアメリカ大陸にはまだまだ我々の知らない、素晴らしいエリアが多くあると聞きます。アメリカはでっかい!


8月末にはオクラホマ州のサンバレーでプレPWCが開催されます。雲底高度5000mを超えるスーパーコンディションのエリアです。若手選手には是非、チャレンジしていただきたいものです。


皆様ご声援ありがとうございました


PWCアメリカ Task7

ついに最終日です。もちろん快晴の朝です。昨日のミスで総合6位へ順位を落としてしまいましたが、まだ表彰台圏内です。あまり順位を気にせず思い切ってアタックします。


タスクは北東へ37kmのターンポイントを往復する77kmタスクです。コロンビア川を境に山岳と平野部にコースが分かれるますが、さてどちらが速いのか?選択肢のある面白いタスクです。強い勢力の高気圧圏に入り、コンディションは渋め、サーマルトップも2800mと低めでしかも荒れています。


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トリッキーなコンディションを予想し、小林、宮田グループは平野部からのスタートを選択します。最初のターンポイントまでは追い風です。雲もなく渋めとはいえ平野部にはいつものダストデビルが確認できます。いつものペースで確実にサーマルをヒット!あっという間にターンポイントに到着!と思っていたら、何と山回りの大集団20機がすでにターンポイントを折り返しているではありませんか!


しかし、この後はゴールまで強い向かい風レグが待っています。ここは焦らず、高さを取って上空から一気にまくります。やっぱり最終日は勝負にでるしかない選手は果敢に低く攻めますが、ことごとく撃沈していくのが見えます。


宮田、Len(USA)、Ogden (UK)、Frank(Brazil)、Nate(USA)は集団から大きく抜きでることに成功!最終ターンポイントのテイクオフを目指します。今日の勝者はこの5人の中から決まりそうです!強いヘッドウインドの中、歯を食いしばってハイスピードをキープします。残り10kmで最後の勝負所がやってきました。


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高度のやや高かったLen、宮田はコロンビア川西斜面コース。Ogden,Farnk,Nateは川の東側Chelan町の上を風下側から。強い南風で両者どんどん高度をロスしていきます。どちらが先に最後のリフトを掴めるか!横目にお互いを見ながら祈るようにグライディング。


西斜面コースはやや先行して行くLenが全くヒットしません。どうする!?宮田最短距離を諦め平野部へ後退・・・。Frank、Ogdenも低くなるもののスーパーマーケット駐車場で起死回生のサーマルをヒット!勝負ありました・・・。


最終パイロンをギリギリの高度でクリアーしたOgdenがトップゴール。2位はFrank。宮田は平野部を何とか上げ直したころには、TaskDeadlineの18:00となりゴールできず。3kmのショート。あと10分あれば・・・。最終日なので早め終了の時間設定でした。


ゴールに降り、装備を外した時には、さすがに倒れこんでしまいました。5時間半のフライトでゴールできなかった悔しさと素晴らしいコンディションだった今大会で燃え尽きた充実感とで変な感じでした。真っ白い灰になった気分です。


PWCアメリカ Task6

昨日の休養で体調もばっちりです。このまま攻め続け順位を上げたいところです。悔いなく思い切って飛ぶのみです。


今日はちょっと変わったタスクとなりました。スタートはテイクオフから4kmのシリンダー、そして次のターンポイントもテイクオフ!?しかし50kmのシリンダーでからでなくてはなりません。つまり、まずテイクオフから西へ50km先まで行って帰ってきます。そして再度テイクオフを取った後、東へ25kmのピークを折り返しいつものメインランゴールです。なんだか変なタスクでしたが、よく見ると東西に150kmのアウトアンドリターンタスクということになります。今日も長い一日になりそうです。


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前半の西へ50kmの往復は、やっぱり強い北西風に阻まれることとなりました。それでも宮田・小林はよいポジッションキープ。セカンド集団を引っ張ります。先頭集団とは大きく分かれて、全く見えません。とにかくこの集団のトップ狙いで攻めます。


何とかテイクオフまで戻ってきたのは18:00を回っていました。そして東へ最後のレグ勝負です。


セカンド集団を引っ張るのは好調の小林TARO。ジョシュコーン、宮田と続きます。最終パイロンを回った後思わぬ落とし穴が!!低い丘が続く最終レグでしたが、Task3同じイメージでガンガン突っ込っこんでしまいました。やや低かった宮田は、最終パイロン周辺のサーマルをパス。次のリッジに張り付いたのですが、全く上がりません。ここで完全に舞い上がってします。強いサーマルを求めて丘の西面を流しますが、上昇できるようなリフトには当たりません。いろいろ足掻いてみましたが、コロンビア川沿いに無念のランディング。


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見上げると後発グループが悠々とファイナルグライドへ入っていました。6時間を越えるフライトと反省で頭は真っ白。やってしまった・・・。


小林はよい順位でゴールしているはずです。明日は最終日。悔いなく攻め続けます。


PWCアメリカ Task5

昨日の158kmのビックタスクはさすがに広い範囲に選手は散らばり降りる結果となりました。最後の選手が帰ってきたのは22:00を超えていたようです。スタッフも選手も疲労もピークに達してきました。


今朝も快晴!やっぱり今日もやるのか!と思われましたが、天気予報は午後から強風予報が出ていて、朝のブリーフィングでキャンセルが発表されました。


選手、スタッフともに貴重な休養日になりました。ゆっくり休んで明日に備えます。


PWCアメリカ Task4

やっぱり今日も快晴の朝です。体も乾燥した気候に慣れてきたのか、調子が出てきました。


今日のタスクは何と158kmのビックトライアングル!毎日タスクが大きくなっています。しかも今日は思いっきり向かい風を飛ぶ、難易度を高めたコースとなりました。


今日の宮田はとにかく先行することを意識したアタッカーに徹してみました。集団を最初に離脱し、+5m/s以下のサーマルは無視!ひたすら強いサーマルにあたるまで攻めます。


コースは大きく2手に分かれました。宮田組は風上側、その他大勢は高く風下側から。雲ができなかった風上組はかなり苦戦しますが、風上のアドバンテージを生かし、2ndターンポイントはさきにゲット!しかし3rdターンポイントまではやはり、北風強風に阻まれます。上げては流されを繰り返し、何とか3rdターンポイントまで駒を進めますが、周辺は大きく影に覆われサーマルの気配はなさそう・・・。突撃パイロットが距離伸ばしで突っ込んでいるのを見て、宮田は大きく平野部へ後退。晴れているところで雲底から仕掛ける作戦に変更。数名のパイロットと大きく迂回して何とか3rdターンポイントをゲットしたのはすでに19:00を回ったところでした。すでに7時間近くフライトしておりサーマル活動もほぼ終了。さあどうする!?ゴールまではまだ35kmもあります。とにかくゴールに向けて距離を伸ばそう!そんな時、奇跡が起こったのです。


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夕方の発達しきった積雲が、ポツポツと雨を降らし始めたました。雨は同時に冷たい気流を地表に落とします。この冷たい気流がガストフロントとなり本流の風とぶつかり、新たな上昇気流が生みだしたのです。宮田はこの奇跡の上昇風で一気に雲底まで達し、さあファイナルグライドへ突入です。


時間は19:30。20:00のゴールクローズまで残り30分と距離は30kmです。頭の中でざっと計算すると対地速度60km/hで飛べれば30分でぎりぎりゴールできるはず!とにかくフルアクセルでグライド開始です。ファイナルグライドのコースはコロンビア川が作り出した大きな渓谷の上です。夕方はこう言った谷の上空で安定した上昇気流を作り出しますが、まさに教科書通り!弱い向かい風でしたが、素晴らしく穏やかなリフト帯を60km/hで至福のグライディングです。時計を見ると、うーんギリギリ!とにかく時間との闘いです。2kmのタイムシリンダーをカットしたのは19:57:30。のこり2kmを2分で飛ばなくては!さらに踏み続けます。さあどうだ!


ゴールカットしたのは20:00:15!ちょっと間に合わず、結果380mのショートと判定されてしまいました。


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それでも今日は2位です。奇跡にも助けられました。総合4位へ浮上です。