PWC イタリア レポート

レポート:村上恭子


<練習日>

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 ローマから南に車で2時間のところにあるサンポティートという小さな街に来ています。
 金曜日、土曜日両日とも絶好のコンディションのもとフライトでき、全部ではありませんがエリアを確認することができました。
初めてのヨーロッパでのフライトで、テイクオフでは口数少なく緊張気味ですが、扇澤さん、水沼さん、大澤さんという心強いメンバーのおかげで、また、あまり高い山もなく、海も近いこともあって穏やかなサーマルの中楽しくフライトできています。
 宿泊場所もランディングのすぐ近くのアグリツーリズモという農家が経営している宿で、毎日とても新鮮な食材を使ったとってもおいしいイタリアンを頂いています。
 良く食べ良く寝て、明日以降の大会は楽しめたらと思っています。


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<7月4日 大会初日>


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 今日は北風なので、メインランディングがある山の南側ではなく、北側のテイクオフを使いました。大型バス3台、2時間かけての移動です。そしてバスを降りるとテイクオフまで100mの高低差で15分の登りが待っています。日ごろの不摂生が身にしみます。
 今日のタスクは山脈の北側の往復の後、山を越えて南側を往復する79kmのタスクが組まれました。スタートしてから1時間をちょっと過ぎたあたりで、積乱雲が発達し雲底も低く山を越えられないということでタスクストップになってしまいました。
 明日以降天気が一日持つことを期待します。


http://www.fastretrieve.com/PWCA/2010/5.html



<7月5日 大会2日目>


 毎朝9時にテイクオフへのバスが出発しますが、8個あるテイクオフのうち、どこのテイクオフに連れて行かれるかは行ってみるまでわかりません。今日は昨日とは違う方向にバスはスタートしました。1時間ほどで山の上の湖のほとりにおろされ、小さい車に乗り換えて15分ほど、今日は歩かなくてすむのかなあ、なんて思っていたら大間違い、そこからさらに40~50分歩いてようやくたどり着いたテイクオフはガスの中でした。


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 今日は南南西の風ということで、昨日とは逆向きのテイクオフになったようです。しばらく待ち、平野をジグザクに飛ぶ62kmのタスクが発表されたのですが、雲底も低く、今日も積乱雲が発達する可能性があるということで安全を考え1時過ぎにはタスクキャンセルとなってしまいました。
 その後フリーフライトになりましたが今日も15時過ぎに積乱雲が発達してしまい、長く飛んでいた選手も急いでランディングしていました。
 ここサンポティートの住人は本当にフレンドリーで、今日は空き地におろすとすぐに駆けつけてくれ、家の綺麗なお庭でパッキングしろと連れて行かれ、パッキングが終わるとサンドイッチやお茶やコーヒーなど出してくれ、さらには宿まで送ってくれました。
 地元の人との交流も楽しいですが、やっぱりサーマルいっぱいの中、長く飛んでゴールしたいです。




<7月6日 大会3日目>


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 今朝起きると山はどんよりした雲に覆われていましたが、テイクオフに上がるころには雲はなくなり、飛べそうな雰囲気になってきました。今日も新しい南東向きのテイクオフへ移動しましたが、次第に出来てくる雲の雲長は高く、今日も不安定な大気なのがわかります。
 本日のタスクは昨日と似た平野をジグザクに飛ぶ52kmのタスクが組まれましたが、サンダーストームの発達が早いことが予測されており、なるべく早い展開を期待して、ウインドウオープンから+30分のエラップスタイムとなりました。11時55分にウインドウオープンしましたが、10分もしないうちにタスクストップになってしまいました。その後14時を過ぎた頃には雷が光り、どしゃぶりの雨となりました。
 サンポティートの街に帰って来てから、まだ見ていないメインテイクオフを見に行きましたが、今日も道がわからず迷っていたら、おじさんがテイクオフまで先導してくれました。本当にいい人たちです。
 明日もまた不安定な予報なようですが、タスクが出来ることを期待したいと思います。




<7月7日 大会4日目>


 今日は、積乱雲の発達が午後の早いうちから予測され、テイクオフにあがることなく、タスクキャンセルとなりました。その後、近くのテイクオフにあがりフリーフライトしましたが、14時前には雷がゴロゴロいい始め、雨も降ってきました。積乱雲は今日までで、明日は北風が強い予報です。タスクが出来るといいのですが・・・。
 イタリアのレポートではないですが、来年のPWCをスーパーファイナルシステムか、以前のようなワールドカップツアーのどちらにするかもうすぐ投票を実施するそうです。デリゲートのグザビエさんが「日本人のパイロットのみなさん投票してね」って言っていました。メールが来た方は、是非投票を!


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<7月8日 大会5日目>


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 今日は早朝から予報どおり強い北風が吹いていました。いつも9時にテイクオフに向けてスタートするバスは、なかなかスタートせず、結局テイクオフにあがることなく今日もタスクキャンセルとなりました。
 今日はバスで2時間のところにある世界遺産のポンペイ遺跡にツアーが組まれ、行ってきましたが、18時ごろサンポティートに戻ってきても、まだ北風が強く吹き込んでいました。
明日は、昨年スーパーファイナルが行われたノルマでタスクをする可能性もあり、いつもより1時間早く集合してテイクオフに向かうことになりました。後二日、なんとかタスクができること願っています。


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<7月9日 大会6日目>


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 今日は結局ノルマへは移動することなく、初日に利用した北側のテイクオフ(高さ1700m) に移動になりました。今日は2000m付近の風が非常に強く、また2000m~3000mに強い逆転層があるという予報でしたが14時スタートの78kmの山沿いを往復するタスクが組まれました。渋い上に風も強く高度もあまり取れないため、みんな牽制しあいながらのスローペースで、先にどんどん進んだ選手は降りてしまったりしていましたが、しり上がりにコンディションは良くなり大量ゴールとなりました。
 扇沢さんは4番目にゴールメイクし、大澤さん、水沼さんも手堅くゴールしましたが、強い風に慣れていない村上は2つ目のパイロンを取った後で降りてしまいました。
 明日はそれぞれ悔いの残らないように頑張りたいと思います。


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<7月10日 大会7日目>


 今日も快晴の空で雲ひとつなく、昨日と似たコンディションで、2000m付近に強い逆転層があり、昨日よりやや風が強い予報でした。昨日と同じ北側のテイクオフにあがり、山沿いを往復する72kmのタスクも組まれ、ゲートオープン時間には皆スタンバイしておりましたが、オープン時間になってもテイクオフの風が強く、しばらくウェイティングが続いた後14時前にキャンセルとなってしまいました。20時から閉会式が行われ、イタリアでのワールドカップは幕を閉じました。
 すでにスーパーファイナルにセレクションされているJPAメンバーは、ヨーロッパラウンドで良いシミュレーションが出来たようで、本番に向けそれぞれがトレーニングの課題をみつけました。


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PWCギリシア参戦!

ご報告が遅れましたが、6月19日~29日にて、
PWCギリシアにJPAから中井正人選手が参戦しました。
結果は、...だったようですが、がんばって飛んでこられました。
中井選手の参戦レポートはこちらからどうぞ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/nakaigin


また、7月17日~24日にて実施される
PWCアメリカには、JPAより宮田歩選手、中井正人選手、小林泰選手が参戦します。
大会の模様は、随時、競技事業部ブログにて、ご報告いたします。
応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。


村上恭子選手 ワールドカップ イタリア参戦!

7月3日~10にて、実施されるワールドカップ イタリアラウンドに、
村上恭子選手(エアパークCoo所属)が参加します。
競技事業部にて協議の上、選手育成基金を適用し、渡航費等を援助させていただくこととなりました。
村上選手の活躍に乞うご期待です!
この他、JPAからは、扇澤郁選手、大澤行英選手、水沼典子選手が同大会に参戦します。
応援のほど、よろしくお願いします。


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          村上恭子選手


<戦歴>
2006年 JPAナショナルリーグ年間ランキング:総合35位 女子1位
2007年 PWC茨城:女子3位
2009年 JPA日本グランプリ(白鷹):総合12位、女子1位
2009年 JPAナショナルリーグ年間ランキング:総合26位、女子2位


<大会参加への意気込み>
JPA選手育成基金を利用させて頂き、イタリアワールドカップに参戦してきます。昨年は、同世代のパイロットたちが育成基金を利用して中国のプレワールドカップに参戦していましたが、彼らの帰国後の楽しそうな顔やモチベーションの高さに、すごくいい影響を受けました。特にタローこと小林泰選手のその後の活躍には、ビリビリと良い刺激を受けます。彼らの後に続けるように、また、海外だけでなく国内の大会も盛り上げられるような選手になれるように、成長するきっかけをつかんできたいと思います。そして、今後ますますこの選手育成基金のシステムが、若くてやる気のある選手のチャレンジを後押しするようなシステムになることを期待しています。いってきます!


PCL第3戦 デサントバードマンカップ獅子吼2010 レポート

開催地 : 石川県白山市 獅子吼高原
主催:第29回デサントバードマンカップ獅子吼2010実行委員会
協賛:株式会社デサント キリンビール株式会社 日本施設株式会社(パーク獅子吼・スカイ獅子吼)
後援:白山市・獅子吼高原スカイレジャーエリア運営協議会 北陸中日新聞社
レポート:前堀 善斗


<プロローグ>
今年で29回目を迎える歴史ある大会「デサントバードマンカップ獅子吼」
参加者は90名を越える盛況ぶりで、初日から天候に恵まれました。
獅子吼エリアからの景色は素晴らしく、日本海に流れ込む手取川や金沢平野をのぞむことが出来ます。獅子吼高原からの夜景は「夜景百選」にも選ばれているほどです。
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<6月5日>
西向きのエリアなので比較的ゆったりとした朝。開会式はテイクオフ付近で行われ、そのままジェネラルブリーフィングに移行。チャレンジクラスには今回が大会初参戦という選手も数名いたので、無線機の使い方や取り付け方もしっかりと説明されました。
チャレンジリーグの空域は、南北にそれぞれある高圧線は越えないということで幅4kmほどの空域でのレースとなりました。
オープンクラスはテイクオフから北側の三角を2周した後に距離をのばすために最北端と最南端付近のターンポイントを往復するというタスクで37.2km。チャレンジクラスは、ゴンドラ架線より南側はランディングできる場所が少ないので、リスクを軽減するためにゴンドラ架線より北側のみでのレースとなりました。テイクオフ周辺での三角を2周した後に最北端のターンポイントを2回とりに行くというタスクで19.3km
ゲートオープンは11:15でしたが、状況は遅い時間帯に好転してくると読んだ選手が多くゆっくりとしたスムーズなテイクオフになりました。
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そしてやはり後半に吸い上げの雲によりレースは加速。やはりPWCを経験し、ナショナルリーグで活躍する選手たちはその読みとスピードを見せ付けていました。スタートを1時間ほど遅らせた選手たちが上位のほとんどを占める結果に。1位は植田真吾選手、続いて僅差で小幡洋三選手。そんな中、オープンクラスで稲見祐二選手は11:22という早いスタートを切り、見事初日3位に入りました。
チャレンジクラスも次々と15名もの選手たちがゴールすることができました。上位は僅差で、土屋真樹選手河原司選手志水克行選手です。さぁチャレンジクラスを制するのは誰でしょうか?
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<6月6日>
くっきりと2層に分かれてきれいなツートンカラーの西の空。
この逆転層がようやくくずれ、トップアウトできるようになったのはお昼前。その後も雲低はほとんど上がらないまま12:00にオープンクラスゲートオープン。テイクオフ前の混雑を軽減するためにもチャレンジクラスは12:45ゲートオープン。オープンクラスは最北端と最南端の往復に沖のターンポイントが組み合わされ、少し戦略が必要なタスクで32.9km
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高層雲が南西から広がってきていて、ゴールするのは少し難しいと思われる状況。途中渋いコンディションとなり多くの選手がゴール目前にランディングしてしまいましたが、やはりナショナルリーガーは安定したフライトでゴールしていきます。上位3名は初日と同様で、小幡洋三選手、稲見祐二選手、植田真吾選手の順。続いて藤川稔選手、そして前堀善斗選手が粘りの飛びで最後にゴール、と5名のゴール者が出ました。
チャレンジクラスはTask1とほぼ同様のタスクで、ゴンドラ架線より北側の三角を約4周で19.2km14名もの選手が次々とゴール達成。上位選手は初日とは大きく入れ替わる中、河原司選手は安定したフライトで初日同様2位でのゴール。
2日間とも競技は成立。
オープンクラス総合の上位はナショナルリーグでも活躍中の選手で争われ、優勝は小幡洋三選手、2位は稲見祐二選手、3位は植田真吾選手。やはり、この選手たちはレベルの違いを見せつけ、ナショナルリーグ・PWCを目指す選手たちの目標となるフライトをしてくれました。
シリアルクラスでは廣川靖晃選手連続優勝。2位はクラス2機で窪島和明選手が、3位は女子優勝の田前英代選手でした。女子選手の入賞、素晴らしいですね。
女子の部は優勝田前英代選手、2位は平間利栄選手、3位は小森さちよ選手でした。
チャレンジクラスは河原司選手が2日間とも安定したフライトで見事初優勝。2位は志水克行選手、3位は西原康晴選手でした。
女子の部は優勝伊藤まり子選手、2位は大熊和恵選手、3位は大賀靖子選手でした。
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オープンクラスでは特に女性の活躍が目立っていました。入賞された選手のみなさん、ゴール達成できたみなさんおめでとうございました。
次回は開催第30回、さらなる盛り上がりを見せてくれそうな雰囲気の残る素晴らしい大会でした。
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<タスクログ>
オープンクラスTask1
オープンクラスTask2
総合1~3位、シリアルクラス1~3位、女子の部1~3位


チャレンジクラスTask1
チャレンジクラスTask2
総合1~5位、女子の部1~5位


チャレンジリーグ第4戦安比高原オープンカップ受付延長

チャレンジリーグ第4戦 安比高原オープンカップの選手受付を延長しています。
東北随一のビッグエリア安比高原。
確かに少し遠いですが、エリアの規模は日本有数です。
標高1200mからの眺めは、日本とは思えないヨーロッパのような美しい景観です。


新幹線で東京から2時間半ほどです
盛岡駅からの送迎もありますので、ぜひご利用ください。


ぜひこの機会に安比高原でフライトしましょう!


選手の皆様のエントリーを心よりお待ちしています。
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