2013 四国三郎ジャパンカップ レポート

2013四国三郎ジャパンカップ
                      レポート 大会実行委員長 宮田 歩

2013年PNL最終戦となる四国三郎ジャパンカップが徳島県美馬市三頭山エリアで開催です。11月という1年で最もサーマル活動が弱くなるこの時期ですが、ここ三頭山エリアは、紅葉した落ち葉が巻き上がり強烈なサーマルが発生することで知られています。


大会前までのPNLランキングは藤川選手、高杉選手、只野選手の上位3名の点差は僅差!!この大会で2013年チャンピオンが決定することになります。今回は移動性高気圧に覆われ、安定した天候が期待できるだけに主催者も安心。さて、果たして栄冠は誰の手に!?


11月23日 Day1
上空には寒気を伴った北西風が残り、下層のエリア内は風が弱い!と三頭山ではベストコンディションが期待できます。快晴の朝!受付前から選手のみなさんは気合十分です。


今回は、周辺スクールからバーズ,TAKJMBコスモス。そして遠く山形から植木校長率いるとんとんトンビPGSが応援に駆け付けていただきました。スタッフも混成チームですが、チームワーク良く選手の皆様を受け入れる体制を整えます。


開会式には、四国電力から注意喚起の説明をいただきました。パラグライダー競技会も地元の理解と協力なしには成功しません。本当に感謝です。ありがとうございます。


上空に広がった、寒気の雲の影響もあり、ダミーも順調に上昇。タスクコミッティは吉野川南斜面を大きく往復し、四国三郎の里ゴールの49㎞(実距離)のレースを決定しました。

ウインドオープンとともに選手は次々とテイクオフしていきますが、コンディションの好転とともに、テイクオフの風は不安定に。時折フォローになる風の中、何とか選手全員無事テイクオフ。



スタートから先頭グループを引っ張るのは、X-alpsパイロット只野選手とPrePWCインドネシアチャンピオンの廣川選手。集団が2人を追いかける形でレースは進みます。


予想外に強かった上空の西風は選手の西進を阻みますが、しっかりあげ切り北側の山を回った選手は確実にタスクをクリアーしていきます。そして最終パイロンのB19鶏舎でトップ集団は一度リセットされたように見えました。残り、四国三郎の里へのファイナルグライドは、力いっぱい西風のアゲンストです!さあどうなる!?


サーマルが上がりきる前に、離脱!真っ直ぐゴールに向かったのは廣川選手。やはり向かい風に阻まれどんどん高度を損失していきます。これは厳しそう・・・。その後方から只野選手が追いかけますが、北寄りの風に変化した風向きを感じ、すかさずコースをさらに平野部に変更します。北寄りの風は山際では吹き降ろしますが、平野部で再び上昇風帯を作り出します。その上昇帯に乗り上げサーフィンのようにグライドさせた只野選手は見事ファーストゴール!後続の選手も同じく平野部コースで次々とゴールしていきます。この日のゴールは6名!廣川選手は無念の500mショート・・・。でも素晴らしいアタックでした。

11月24日 Day2
今日も快晴の朝です。昨晩の放射冷却から吉野川にはしっかり逆転層が形成され、ブレークするには時間がかかりそうです。

短いサーマルタイムを考慮し、33㎞のミニマムタスクが設定されました。今日のゴールは三頭山から西へ12㎞に位置する三三エリアランディングです。コンディションが整う前にウインドオープンとなるため、エラップスタイムレースが選択されました。


ダミーもギリギリステイのコンディションに皆さんテイクオフを躊躇していましたが、廣川選手、小森選手が上げ始めたのを見て、選手は一斉にゲートへ押し寄せます!安定した東風のため今日のテイクオフはスムーズに。


デパーチャーオープンとともにスタートしたのは、TASK1の覇者只野選手。その後を廣川選手、中村選手、長島選手が追う形。下層の東風を如何に攻略し、東にあるB21三角点をクリアーするかがポイントとなりました。


テイクオフよりも高い高度でのサーマルは活発。一方低いところは東風バレーウインドが強いと三頭山らしいコンディション。西方向の風下レグは真っ直ぐ行った方が早そうですが、一発低くなるとバレーウインドにつかまってしまいます。


只野選手は率いるトップ集団は、セオリー通りしっかり高度を稼ぎ山回りと迂回コース。時折、直線的にターンポイントを狙うグライダーも見えますが、果たして・・・。

終始リードした只野選手は、あっという間にさんさんゴールへ!そして後続グループも次々とゴールへファイナルグライドしていきます。最後まで粘りのとびで生き残った亀山選手も見事ゴール!総勢22名の大量ゴールで2013年PNLは締めくくられました。


タスク距離以上に難易度が高かったタスクでした。結果は只野選手1000点かと思われましたが、922点。これは、浜名湖の青木選手が1時間19分とトップより5分も速いタイムだったからです。青木選手の攻撃的なフライトはお見事!ブラジルでのPWCスーパーファイナルもこの調子で頑張ってください。3位はセカンドゴールと決めたTAK中村選手!水沼選手は女子唯一のゴールでした。ゴールした選手のみなさんおめでとうございます。


総合優勝は2日間ともにタスクトップ完全優勝となった只野選手。2位には藤川選手。3位は正木選手。女子は水沼が優勝!2位は吉川選手。3位は小森選手でした。そして、2013PNL 年間ランキングも決定。大接戦を制したのは今大会の覇者、只野選手。惜しくも2位は藤川選手。3位は高杉選手でした。女子は小森選手がうれしい初優勝!2位は水沼選手。3位は吉川選手です。入賞された皆さんおめでとうございました。


2013年四国三郎ジャパンカップは2日間成立し、2013最終戦にふさわしい素晴らしい大会となりました。大会を支えていただいたスタッフの皆さん、お疲れ様でした。来年も四国三郎ジャパンカップは続きます。選手の皆さん、また三頭山でお会いしましょう。

ありがとうございました。