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2014栂池ジャパンカップ


レポート 宮田 歩
2014年JPA公式戦はシリーズ、1月PNL朝霧から毎大会ごとに成立し、本当に盛り上がっています。6月毎年よりも早めに梅雨入りした日本列島ですが、驚くことに栂池ジャパンカップ開催週末は前線が南下!みんなの意気込みが好天をもたらしてくれるのでしょうか!?雄大な北アルプスを背後に控えた栂池エリアでビックタスクが期待されます。

6月14日(土)
西から張り出してくる高気圧の動きは予報よりも遅れているのか、北アルプス東側に位置する白馬エリアのみが雲に覆われてしまいました。上空を吹く強い西風は、リーサイドとなる東斜面の対流を活発化させて雲の発達を助長しているようです。


受付後、開会式・ブリーフィングはエデン内で行われ天気の回復を待ちます。ウェイティング中には、初めて栂池エリアを飛ぶ選手対象に攻略法が説明されました。栂池エリアでは日本海側から進入する北風が要注意!サーマル活動の副産物で引き込まれるこの風をどうケアーして飛ぶかがカギです。盛り上がっているPCL選手の皆さん、真剣に聞いていただきました。


11:00雨は上がったものの、北アルプス主稜線上は、強い西風を示す傘雲にスッポリ覆われています。これは時間がかかりそうです。夕方フリーフライトは出来てもタスクは難しい・・・。残念ながらタスクはキャンセルが決定となりました。



選手は生坂エリアへフリーフライト組と栂池でのフリーフライトを待つ組に分かれ解散となりました。夕方にはクラブハウス内で懇親会が盛大に開催されました。選手の皆さんには明日への英気を養っていただきました。



6月15日(日)
朝から気持ちの良い晴れ。朝日を浴びた北アルプスの山は、素晴らしい景色となっています。上空の西風も弱まり、今日は期待できそうです。



9:00に飛び始めたバーズツアーの皆さんは、すでにソアリングを始めています。そして、スタッフ小林宙さんから2300mのクラウドベースをゲットした情報が入ったところでタスク決定。N2Lは小谷エリア⇔岩岳を大きく使う33.9km(シリンダー間距離)PCLは栂池エリア内を周回する19.8km(シリンダー間距離)が発表されました。


10:00PCL選手からウインドオープン。時折テイクオフ前がオーバーキャストするタイミングで風はフォローとなりましたが、選手は次々とテイクオフしていきます。いつもはゴンドラ尾根上でスタート前のガーグルが形成されるのですが、今日は背後で発達した積雲で大きく影・・・。いきなり渋くなってしまいますが、ランディングの周期的に日照が出るタイミングで何とか復活!沖にできたガーグルから選手はスタートしていきます。



N2Lの最初のターンポインとは小谷エリアのアルプス第10リフト山頂駅。小谷エリアの日照は十分。皆さん2500mのクラウドベースまで上げ切り、悠々と栂池エリアへ戻ってきます。しかし、栂池エリアは今だ完全オーバーキャスト・・・。北アルプス雪渓から吹き降ろす西風は強い下降気流を作り出し、あっと今に高度を損失してしまいます。


PCL選手もスタート前にランディング上空で稼いだ高度を、あっと今に使い切ってしまい無念のランディング・・・。オーバーキャストしているところあれば、晴れているところが周辺にあります。生き残った選手は何とか晴れ間にしがみ付き、雲が移動するのを待ち続けます。中には対岸の岩戸山に取り付く選手もいて、普段飛ばないところにパラグライダーが飛んでいるのを見るのも不思議。


13:00を過ぎ、やっとエリア上空の雲がばらけ始めコンディションは好転。リフライトの選手が2700mのクラウドベースをゲットし、さあこれから!!っというところで、心配されていた北風がバレーウインドとして進入してしまいました。冷たい北風がトリガーとなり、一瞬サーマルは活発になるものの、あと続きはせず選手はランディングを余儀なくされていきます。



こんな厳しい状況でゴール者はいませんでしたが、我慢のフライトで距離を伸ばした星田選手が27.3km飛んでN2Lダントツトップ。PCLはスタート前に唯一2500mのクラウドベースをゲットしていた船津選手がトップ!船津選手は八方尾根がホームエリアの若干16歳です。JPA最年少優勝記録となりました。将来が期待されます。ぜひ世界を目指してほしいです。



N2Lは星田真一選手の優勝!続いて準優勝も星田さつき選手!夫婦コンペティターとしてお二人は絶好調です。そして、注目すべきは4位入賞の関口選手。EN-C以下クラス優勝はもちろんですがN2クラスでも素晴らしい成績を残されました。



盛り上がっているPCL、立山の覇者吉田選手は2位。KPS中島さんは3位。今回は船津選手の若手パワーが優っていたようです。女子優勝の関根睦選手はPCL総合でも5位入賞と頭角を見せてきました。今年のPCLはだれが勝つか全くわからなくなりましたね。チャンスは全員にある。後半戦が楽しみです。



来年も、この6月初めに栂池ジャパンカップは開催していただけることとなりました。また皆様の挑戦をお待ちしております。最後に後藤校長をはじめ、栂池クラブ、スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。また来年も楽しい大会をお願いします。ありがとうございました。