| 大会レポート
奥越高原スプリングカップ2022
レポート 大会実行委員長:堀幸雄
競技内容補足 競技事業部:藤野光一
今年で開催2回目となる「奥越高原スプリングカップ」。毎年、田には水が入り、麦の刈り取りは直前、という競技をするにはなかなか難しい時期での開催ですが、このタイミングをすぎると梅雨入りとのせめぎあいになることもありギリギリの日程だろうと考えていました。
5月に入ると全国的に梅雨入りが早まるとの声もちらほら。1週間前の予報では週末だけが雨模様となんとも微妙でしたが、開催日が近づくにつれ徐々に予報も好転。
大会前日、朝まで降った雨も昼頃にはすっかり上がり、前入りした選手たちは良い条件で練習フライトを楽しんでいました。
DAY1
大会1日目は強風予報。ちょうど競技に適している午後~夕方くらいは条件もMAXにキツそうなので競技キャンセルも考えられましたが、地の利を活かしこのエリアならではの夕方から1タスクで競技を行うことになりました。
※この判断は長年ジャムエリアを見続けてきた堀校長の経験がなせることです
まだ風が強くなりきる前の午前中はフリーフライト。11時頃を目処に皆さんちゃんとランディング。素晴らしい!
午後3時半に設定されたウィンドオープン時間にはまだまだ強かった風も、選手たちがタスクを回るに連れ穏やかになって、早めに動いた選手たちは1時間を切るタイムでのゴールとなりました。
TASK1補足
気象条件を読み切って初日の競技は午後遅くの15時30分からスタートすることになりました。ジャムのエリアは午後からと言っても、15時以降からの競技開始はあまり記憶にありません。タスクコミッティーは予め予定タスクを発表し、選手にはじっくり準備をしてもらいました。
※一時、ゴール予定地点の六呂師スキー場が強風吹き降しとの情報があり、ゴール変更のためTPを新規に設定したりと慌ただしくさせてしまい申し訳ございませんでした(タスクコミッティー・藤野)
タスクは時間を考慮しても長いものは無理。ある意味ジャム勝らしい東西に往復して六呂師にゴールする27Kmを設定。エラップスレースでリードアウトポイントもない、純粋なスピード勝負。
15時30分のウィンドウオープンと同時にNo.7伊澤選手、No.103窪田選手がテイクオフ。他の選手が続きます。風は若干強めのままではあるものの、対流は活発でこの時間でも2000mくらいまで上昇したそうです。短いタスクと言っても、そこそこ時間がかかるので先に出た選手は高度を稼ぐとすぐに動き出します。No.3正木選手を先頭に、No.2藤野選手、No.7伊澤選手が競技を開始。その後をNo.103窪田選手が続きます。
恐竜博物館B32の3KmシリンダーとファンタジーB98の1Km、越前大仏B41の2.5Kmとの交互往復は、高度を落とさないように注意すればさほど難しいことはありません。ただ、時間も時間なので先を急ぎたくなるのが人情。中にはエラップスなので良い条件の中を飛ぼうとスタートタイミングに拘って、サーマルタイムが終わってしまった方もいたようです。
TASK1で最初にゴールに現れたのはジャム勝をよく知る昨年の覇者、No.2藤野選手。その後やや遅れてNo.3正木選手、No.7伊澤選手、No.40大澤選手がゴール。誰が勝ったかは集計してみないとわかりませんが、みなさん1時間を切るタイムだったようです。
終わってみればゴール者は12名。トップはNo.2藤野選手でした。また、認証機クラスの窪田選手が8位と健闘しました。
TASK1リザルト ALL ALL女子 チーム戦 認証機クラス 認証機クラス女子
DAY2
2日目は天気も風も良いものの逆転層をどう攻略するかが勝負の分かれ目。初日より長いタスクを初日より上げきれない条件での移動を強いられます。
どこで上げ直すのか?どのタイミングで動くのか?一進一退の攻防。
レベルの高い戦いに一般の方や学生たちも興奮気味。エリア上空とPCの画面にかぶりついていました。
Task2補足
数値予報では風も弱く対流も活発な29日は、昨年並みの大きな空域を使ったタスクを設定することに決めていました。ダミーの上りは今一つで逆転層も絶妙な高さにある微妙な感じではありましたが、これまでの経験から十分タスクができると信じ、時間も12時ウィンドウオープン、13時スタートの決め打ちで臨みました。
※12時前には数名アーリーバードでテイクオフ。他の選手はウィンドウオープンを待ってのテイクオフとなりましたが、出てみれば1500mくらいまでは十分上がります。また、法恩寺山まで行けば2000m近くまで高度を取ることができるので、タスク成立を確信しました(藤野談)
13時スタートと同時にトップ集団がスタートします。今日は時間もたっぷりあったので、みなさん一斉スタートできたようです。
山に戻って上げ直してからのコースがいくつか考えられますが、B98を取って南側の尾根を使ってB31へ向かうルート、山で上げてから台地のリフトを使ってからダムを渡るコース。トップ集団は前者のコースを選択。ここにはNo.2藤野選手、No.7伊澤選手、No.34福田選手、No.3正木選手、No.10関根選手らが続きます。
序盤のターニングポイントは、B31をリターン後に再びB98を取ってからの上げ直しでした。No.2藤野選手、No.3正木選手、No.11田邊選手が法恩寺山に戻ってきたものの、それぞれのリフトチョイスが命運を分けました。No.2藤野選手の選んだリフトは法恩寺山南斜面を駆け上がり、1900mまで上昇することに成功し単独トップに!!
完全に一人旅となったNo.2藤野選手は、昨年の経験を活かしながらB55荒島の8Kmをリターン。途中で後続機とすれ違います。
しかし、出遅れていたNo.3正木選手はその後十分な高度を獲得して追撃開始。
それ程高くは上げないまでも、リフトを繋いでエリア内に戻った藤野選手の頭上には、正木選手の姿がありました。残すはB30アンテナを取ってB55のESSをカットし、六呂師へゴールするだけです。簡単には高度を取らせてくれないが、それ程下がらないコンディションを活かして最後のレグを走ります。B30からダイレクトに南側の尾根にわたり高度を取ると、奥越高原牧場の低い斜面で粘るNo.37田前選手をめがけてグライドを開始。
山に着くとリッジが効いているので、そのままインベタでファイナルグライドを敢行。正木選手もピッタリ追随。この位置関係が変わらないまま、2機はほぼ同時にESSをカット。
しかし、ここからゴールするために上げ直すのに少々苦労する羽目になりました。時間は関係ないので、じっくり上げて何とかゴール。
やや難しい条件ながらも、2日目も14名の選手がゴールメイクでした。
認証機クラスではNo.23中田選手はもちろんですが、今年からナショナルリーグに参戦しているNo.213西脇選手、No.103窪田選手、No.116大澤彩花選手も見事にゴール。中田選手と窪田選手は2日間ともゴールで安定した強さを発揮。西脇選手、大澤彩花選手はナショナル初ゴールですね。おめでとうございます。
TASK2リザルト ALL ALL女子 チーム戦 認証機クラス 認証機クラス女子
今年も、エントリーされた半数近くの選手がゴールを達成する事ができた絶妙な競技が両日ともに成立。
一晩ビバークしヘリで帰着した人も1名いましたが、翌日の朝には元気でお帰りになられました。
両日とも気象条件によりまったく違う技術を要求された上、長時間のフライトでかなり皆さん疲れたと思います。それでも選手の皆さんが笑顔で帰られたことを大変嬉しく思います。
そして大会を支えてくれた当エリアの会員様や学生のみんなにも改めて感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
次は9月3日(土)〜4日(日)開催予定の「ジャム勝・サマーカップ2022」でまたお会いできることを楽しみにしております!
表彰
ナショナルリーグ総合
優勝 No.2 藤野 光一 NIVIUK ICEPEAK X-ONE
準優勝 No.3 正木 晋 NIVIUK ICEPEAK X-ONE
第3位 No.40 大澤 行英 NIVIUK ICEPEAK X-ONE
第4位 No.33 吉田 和博 NIVIUK ICEPEAK EVOX
第5位 No.27 山田 俊介 OZONE ZENO
第6位 No.5 吉川 朋子 OZONE ENZO3
ナショナルリーグ女子
優勝 No.5 吉川 朋子 OZONE ENZO3
準優勝 No.37 田前 英代 NIVIUK ICEPEAK EVOX
第3位 No.116 大澤 彩花 GINGLIDERS CAMINO
ナショナルリーグ チーム戦
優勝 瀬戸内少年飛行団(山田、吉田、山本)
準優勝 Coops(正木、伊澤)
第3位 スカイダンシング(中田、窪田)
ナショナルリーグ認証機
優勝 No.103 窪田 雄彦 GINGLIDERS BONANZA2
準優勝 No.23 中田 靖之 NIVIUK ARTIK5
第3位 No.116 大澤 彩花 GINGLIDERS CAMINO
ナショナルリーグ認証機女子
優勝 No.116 大澤 彩花 GINGLIDERS CAMINO
準優勝 No.106 千葉 恵 NIVIUK IKUMA2
第3位 No.117 山岸 里子 GINGLIDERS BONANZA2