2012四国三郎 Japan Cup 3日目

10月26日(日)
移動性高気圧に覆われ絶好のコンディションが期待されます。早朝、昨晩の放射冷却により、吉野川には冷たい空気による低い雲海に覆われていましたが、徐々にクリアーになってきました。やっとの青空に選手も期待大!気合を入れてテイクオフへGO!


早速、ウインドテクニシャンはテイクオフ前で+100mでソアリングを始めました。予想サーマルトップは1300m。しかし、吉野川バレーにたまった湿った空気は強い逆転層となり、なかなかブレークしません。


完全にブレークすることを待つと、サーマルタイムは短くなるばかり・・・。タスクコミティはこのエリアとしてはミニマムタスクとなる52.6kmのエラップスレースを設定。


コンディションがピークとなる前にウィンドウオープンとし、空中でコンディションの好天を待つことに!11:30のウインドウオープンと共に、渋い中選手は次々とテイクオフ。


渋いながら、12:30のデパーチャーオープン時間にはほとんどの選手がファーストパイロンの紅葉温泉に向かって一斉にスタート。レーススタートです。


前半に集団を抜け出た、宮田、竹尾、稲見の3選手を1サーマル遅れセカンド集団が追走する形でレースは進みます。

トップ3名の抜きつ抜かれつのレースは、さらに加速。リーグ最終タスクに相応しいスピードレースが展開されました。サーマルトップは1300mまで押し上げられたものの、高気圧の動きは予想より遅れ、沈降性逆転層のせいかサーマル活動は中々活発化しません。


終盤に向かうにつれ、コンディションは風下側の西斜面しかサーマルは働かなくなり、サバイバルレースの展開。低く勝負に出た、稲見選手は最終パイロンで無念のランディング。年間チャンピオンの逃します。

15:00になり、吉野川に沿った海風成分を持つ東風が流入、下層は風が強まり厳しいコンディションとなります。そして、最終レグまで勝負はもつれました。下層の東風に逆らうように真っ直ぐ三頭山に戻った竹尾選手。低い高度の東風を避けるため、高く山回りでテイクオフへ周りこんだ宮田選手。さあ最後の勝負!

最終パイロンを先に取ったのは、テイクオフ前にギリギリ回り込んだ宮田選手。低く真っ直ぐ突っ込んだ竹尾選手は、強い風に阻まれています。勝利を確信した宮田選手でしたが、ギリギリの高度で下から最終パイロンをゲットした竹尾選手は、すかさずフルスピードでファイナルグライドに入っていたのです。


宮田選手もすかさずフルスピードで追いかけますが、竹尾選手は低い高度の強い東風バレーウインドに乗って対地スピードは70km/hを超えています。その差は縮まらず、ファーストゴールは竹尾選手。宮田選手は10秒遅れの2位。低く突っ込んだ竹尾選手の気迫に軍配が上がったのでした。


15:00を過ぎるとサーマルコンディションは終了。セカンド集団はタイムアップ。強い東風により、最終パイロンにたどり着くことはできませんでした。女子優勝は水沼選手。総合でも6位と素晴らしいフライトです。


2012年年間リーグランキングも決定。2012年総合優勝は広島県の高杉選手。女子は水沼選手が貫録の1位。おめでとうございました。


2012年リーグ戦もこれで無事終了となりました。選手の皆様、大会スタッフの皆様お疲れ様でした。ありがとうございます。


2013年もJPAリーグ戦も盛り上げていきましょう!皆さんの挑戦をお待ちしております。


2012 四国三郎 JapanCup 2日目

10月24日(土)
昨夜まで降り続いた雨は止みましたが、ドンよりと曇りの朝です。天気予報では午後に日差しが出る予報もあります。10時までウェイティングし、テイクオフの風状況を確認しながら送迎スタートのタイミングを待ちます。


北東風が弱まったとの情報から、選手はテイクオフへ移動開始!日差しが出るのをひたすら待ちます。

タスクコミティはミニマムタスクを用意。北の瀬戸内側から晴れてくる予報を信じて、高松市のライブカメラを常時チェック。晴間を信じてひたすら待ちます。


13時になっても好転する気配はなく、競技委員長はキャンセルを決定。フリーフライトとなり、選手は本部の四国三郎までフライダウンとなりました。約5.5kmのぶっ飛びですが、高度差700mは飛びごたえがあります。しかし、昨今のグライダーは良く飛びます。10年前だと届かなかったのに・・・。グライダーの進歩は凄い。皆さん100m以上の高度を余して余裕で届いていました。

さあこれで、明日のファイナルグライドのシュミレーションは完璧です。最終日の好天が期待されます。

ランディング後、大会本部では温かい郷土料理「蕎麦米雑炊」が振る舞われました。冷え切った選手の体を心から温めてくれました。素朴な味に感動です。ごちそう様でした。美味しかったです。


2012 四国三郎JapanCup 初日

2012年PNL最終戦が恒例となっている徳島県三頭山エリアでJMB四国パラグライダースクール主催により開催されました。秋も深まり、年間を通じもっともサーマル活動が弱くなるこの季節に、三頭山エリアは飛びやすい素晴らしいコンディションになります。毎年ですが、最終戦にはドラマがあります。

2012年間ランキングリーディングパイロットは広島県の高杉選手。それを追うのが同じく岡山県植田選手と地元愛媛県稲見選手。この大会の結果次第ではまだだれが勝ってもおかしくはない状況です。PNL年間チャンピオンは誰の手に!?


低気圧の通過により、残念ながら朝から雨・・・。開会式では、ゆっくりとジェネラルブリーフィング行われ、ローカルルール、エリアの注意点などがしっかり説明されました。


地元四国電力の担当者の方から高圧線についての説明がされました。この吉野川沿いには多くの高圧線がありますが、スカイスポーツを理解していただき、いつも協力していただけることに感謝です。


ブリーフィング終了後は、北風で使用される水の丸エリアへの見学ツアーが持たれました。高度差1000mあるビックエリアですが、谷深いところにあり初めてテイクオフを訪れた選手はその景色にビックリ(感動)!テイクオフから途中の高圧線、エスケープランディングなどが確認することができ有意義な時間となりました。明日の北風で使うかも!?これでもう大丈夫です。


宇都宮OpenCup 2012 大会レポート 11月11日

朝の受付開始頃までは青空が見えていたものの、夕方は雨になる予報。受付終了後テイクオフに上がってウェイティングしましたが時間とともに雲が張り出し、その後タスクを行えるほどのコンディションが整わない為、12:00にはタスクキャンセルとなり、選手の皆さんは穏やかな空をフライダウンしていきました。

そして、昨日の結果がそのまま大会結果となり、各クラス優勝はオープンクラスは藤川選手、N2クラスは隅選手、N2女子は小森選手、EN-Cクラス鈴村選手。チャレンジクラスは関口選手(EN-Bクラスでも優勝)、女子は中村選手でした。皆様おめでとうございます。


表彰式では、大会入賞者に続き、2012年のN2リーグ・チャレンジリーグの年間優勝者の表彰が行われました。表彰式では皆さんの笑顔を見ることができ、大変嬉しく、疲れも吹き飛びました。


表彰式が終わっていろいろな備品の撤収が完了したころに雨がぽつり。で、実は翌日もまた大会備品の最終撤収を行っている間は雨がやんでいてくれて、終了したころにまた雨が降り出す、というタイミングで、今回の大会はホントに天候に恵まれ「奇跡の成立」と実感した瞬間でした。

天候・選手・スタッフとすべてがそろわないと大会成立はありえません。参加された選手の皆様、大会運営にご協力いただきましたスタッフの皆様、地元関係者の皆様、JPA競技事業部の皆様、本当にどうもありがとうございました。おかげで宇都宮の大会成立記録がさらにのびてしまいました。
また来年もよろしくお願いいたします!
実行委員長 水沼 典子



宇都宮OpenCup 2012 大会レポート 11月10日

11月10日
大会当日が近づいてくると天気予報とにらめっこしながら一喜一憂するのは毎年のことながら、今年ばかりは宇都宮の連続大会成立記録がストップしてしまうかも…、と前日はちょっと弱気な運営サイド。


しかし、当日朝の天気図を見ると等圧線が縦にすっぱりまっすぐ伸びています。こんな日は意外と良いコンディションで飛べてしまうこともあるのでちょっと期待がでてきました。選手の皆さんも天気予報はすべて「北風、北風、北風…」(宇都宮は南風で飛ぶエリアです)を確認し微妙な空気が流れていたようですが、どんどんテイクオフに上がってもらい予定通り開会式~ブリーフィングへ。

その間もコンディションは若干怪しさがあるもののテイクオフ・ランディングとも南~南西風で飛べる風が吹いておりますので、フリーフライトの方はフライト開始。ここ宇都宮エリアは冬型の気圧配置の日は、上空は北西の風でも逆転層がしっかりある間は南風の対流で飛べるのですが、いったんそれがブレイクすると本流の風が地上にまで入ってきますので北西の強風に激変します。もし、今日レースを行うとすればその南風の対流が続いている間に行いたいところです。


ウィンドテクニシャンの方々にもフライトしていただき、情報を集め観察していると、しばらくはこの安定した風が続きタスクができそうな雰囲気になってきました。そして、いろいろな条件を考慮し組んだタスクはN2は約24km、チャレンジは約15㎞、と、ともに1時間くらいで回れるショートタスク、しかも2012年の最終戦ですので全員がゴールで終わってほしい、という願いから基本的な周回タスクを設定しました。

チャレンジクラスは11:40ゲートオープン、デパーチャーオープンは12:00。N2クラスは12:00ゲートオープン、デパーチャーオープンは12:30でともにエラップスタイムでウィンドウオープン。


オープンと同時に次々と選手がテイクオフしていきます。宮田競技事業部長には一緒にフライトしていただきながら、セイフティコミッティを兼ねて風の状況や選手の様子など逐次報告していただきました。


はじめはあまり高度が取れませんでしたが徐々に1200~1300mまで上がるようになってきて、N2クラスの先頭集団がスタートに向かおうという頃、すでにチャレンジクラスではゴール者が出始め、最初にゴールをきったのはゼッケン544関口選手、時間も最短で25分。その後も続々とゴール者が出て総勢13名の選手がゴールしました。


N2クラスは、ナショナルにも参加している選手が多く、スタート時間に合わせて待機、デパーチャーオープンと同時に多くの選手がスタートへ向かいます。一斉に向かうさまは大会ならではで見ている者も楽しめます。その後の周回は抜きつ抜かれつのレース展開となっていき、最初のゴールはオープンクラスのゼッケン8藤川選手。時間は45分で本日のTOP。最短時間でゴールしたのはゼッケン22隅選手。39分52秒で本日2位、N2クラスのTOPとなりました。


レース開始1時間後にはN2クラスのゴール者もたくさん出てきて、ほとんどの選手がランディングしてきた頃、逆転層がブレイク。強い上昇とともに雲底2000m以上との情報が入り始めました。これは北西風にエリア全体が変わる予兆ですので14:08にタスクストップをアナウンス。その時点でフライトしていた選手には安全に降りてもらいました。
 終わってみれば、今日一番の飛べる時間帯と飛べる空域を利用できたレースだったのかな、とほっとしました。


18時からはニューサンピア栃木にてウェルカムパーティが開催され、ファイナル恒例、競技事業部鈴村氏の力作、総移動距離王、総エントリー数王、などなどユニークな「なんとか王」の表彰が行われ、たくさんの方に表彰状が贈られました。