競技委員:藤野 光一
今年から5月開催となった「立山らいちょうバレーカップ」ですが、過去を紐解くと5月の大型連休中に開催されていたのです。立山エリアでは1989年から大会が開催されており、スキー場の名称が変わるまでは「立山ゴンドラカップ」として開催されていました。また、それ以外にも「立山マスターズカップ」、「立山ロッジカップ」、「立山オータムカップ」などと年に数回開催されていた時期もあり、実行委員長である関沢校長が発した「伝統の一戦」と言う表現も、あながち間違いではないと言えるでしょう。
今年はナショナルリーグ41名、チャレンジリーグ31名、総勢72名の選手が春の立山に集っての大会開催となりました。
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レポート 競技委員 藤野 光一
大会前になると天気予報が気になって、それがあまり良い予報ではない場合は祈りや神頼みで大会期間中の好天と好条件を願いながら日々過ごすのが、大会主催者や関係者の偽らざる気持ちでしょう。しかし、今回に限ってはおそらくですが、非常に穏やかな気持ちで準備を進めることが出来た(少なくとも“天候”と言う点に関しては)と言えるでしょう。なぜならば、日本各地に被害をもたらした台風が過ぎ去ってからと言うもの晴れマーク続きの予報。週間予想天気図を見ても、3連休は晴れベースで推移する可能性がかなり高いことを示唆していました。結果から言ってしまうと22日のみ曇りベース(若干降水の予想があったもののエリアでの降水はなし)でしたが、初日と最終日は良い天候に恵まれて競技が出来たのでした。
大会初日
西に勢力を残す移動性高気圧、北から南下する高気圧に覆われて「日本晴れ」と言える天候に恵まれた初日。「競技が出来る!!」と言う安心感と期待感からか、各地から集まったナショナルリーグ52名、チャレンジリーグ26名、総勢78名の選手には笑顔がこぼれ、受付を終えた選手は足早に極楽坂テイクオフへ移動して行きました。
9時30分からはテイクオフにおいて開会式。実行委員長のJMB立山パラグライダースクール関沢校長から開会の挨拶とローカルルールの説明。地元電力会社から送電線に関する注意事項説明。今大会の競技委員長である扇澤氏からはジェネラルブリーフィングと続き、ナショナルリーグは「日本グランプリ」大会でもあることから、それにふさわしいタスクを設定するためにタスクコミッティーが協議に入りました。
昨年のナショナルリーグタスク2をベースとした対岸のターンポイントを三角パイロンに含めた序盤戦と、美女平-対岸の往復を絡めた実距離46Kmのタスク。
D32-B04-B05-A55-B04-B05-B16-B12-B13-B16-B13-B04-B13-A52 46.1Km
今回は、過去に使っていないB12(小見小学校)を使った設定となりました。
一方、チャレンジリーグでは湾内の三角パイロンを周回して最終パイロンで美女平を使う実距離23Kmの設定。
D32-B04-B27-B04-D31-B02--B04-D31-B02-B04-B13-A52 23.1Km
ナショナルリーグは11時10分ウィンドウオープン、11時40分デパーチャーオープンのRace to Goal。選手が飛び出すとサーマルトップ1800mのガーグルが立山エリアに出現、スタート時間には列をなした選手がB04へ向けて移動する様が美しく見えたに違いないでしょう。レースはまさにスピード勝負。序盤の三角パイロンは危なげなくこなし、勝負の分かれ目は美女平から対岸のレグへ。高く上昇出来たエリア側とは対照的に、後半のレグでキーポイントとなる美女平ではトップ集団が差し掛かった時間帯に良いリフトが育っておらず、対岸の往復をこなしてB04へ向かうべく上げ始めたトップ集団を迷わせた。エリア側の活発な対流に賭けた集団が微妙な高度と知りつつもらいちょうバレー方向へグライドを開始。遅れることを承知でリスクを避けた数名は対岸へ進む。勝負は厳しく戦う者と地上で見上げる者に終盤と言えども容赦なく振り分けられることとなり、エリア側へ戻った選手は数名を残して殆どがランディングしてしまいました。
結果、対岸を使った稲見選手がトップでゴールし、エリア側で辛くも復活した隅選手が続きました。稲見選手を追走した正木選手が3位、藤川選手は4位でゴール。その後もゴール者が続き、20名の選手がゴールメイクとなりました。
チャレンジリーグも12時00分ウィンドウオープン、12時30分デパーチャーオープンのエラップスレース。こちらもスピードレースであることに変わりなく、立山をホームとする関口選手が終始リフト帯を上手く使った回さない飛びを実行。圧倒的な41分と言う好タイム、更にはファーストスタート・ファーストゴールを決めて完璧と言える飛びで1000点を獲得。そして、26名中24名がゴールメイクすると言う素晴らしいレースとなりました。
初日に良いレースが出来ると選手だけでなくスタッフも満足です。夕方から行われたBBQは大いに盛り上がりました。選手の顔は満足感に溢れ、フライトの話で大会でしか会えない選手たちの交流がいつまでも続いていました。その表情を見るだけでスタッフは疲れが癒されたに違いありません。
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