とうとう最終日。風も弱く、今日こそ大丈夫そうです。テイクオフに着くと、下層には茶色い空気がたまって見え逆転層がびっしり・・・。なんだか嫌な予感がします。
最終日ということもあり、大きく南に迂回する120kmが決まりました。距離的には簡単そうですが、やはり今日も巨大な山越えが設定されています。しかし、思い切って攻めるのみです。
前半はやっぱり、渋いコンディション。空港高度制限が気になりますが、しっかりあげて一番山の深いところをトップグループは進みます。宮田は先頭のベストポジションを維持。大澤も追走します。
後半の平野部に入り、西風が増してきます。そして逆転層はがっちり壊れそうにありません。風は強いが上がらないという厳しいコンディションに、トップ集団は完全にスタック。最終パイロンの小山に張り付き、リッジソアリングで何とかしのごうと必死。
1時間ほどスタックした後、しびれを切らしたパイロットから、ローターとなる山の裏側にぽろぽろとこぼれていきます。何人かが山の上に降りてしまう中、さすがトップパイロット!リーサイドの強烈なサーマルで抜けていくことに成功!平野部へこぼれていきます。
西風は更に強さを増し、風上へ向けるとバックし始めました。これはまずい!ととにかく安全な平野部へ流していきます。対地速度は80km/hを軽く超え、これはいよいよ危険な状況。対地高度は50mを切っています。
最後のギャンブルは回収道路際の小山のリーサイドへ飛び込みました。淀んだ風は荒れていますが、弱い上昇成分を持った空気の塊を作り出します。+0m/sリフトで手裏剣のようにまわしながら流していきます。どこかで立ち上がることを信じて・・・。
5㎞ほど流したところでサーマルはまとまり始め、+2m/sに、そのうち+5m/s。とうとう+8m/s!?なんだか変ですがゴール方向を見ると他のパイロットが上がりながらグライディングを続けているではないですか。どうやら。本流の西風に、平野部の南風がもぐりこんだ強烈なコンバージェンスラインを形成していたのです。
残り20㎞のファイナルグライドは、対地速度80km/hで上がりっぱなしで進みます。しかし、タスククローズは16:00。ゴールしてみると16:04。4分間に合いませんでしたが、力出し切った感はあり納得のフライトでした。
脱力感と共に崩れるようにハーネスを脱ぐと、周りのパイロットからタスクストップになっていることを聞かされさらに脱力・・・。
どうやら15:45ころにタスクストップが発表されていたようです。成績は更に10分前に遡り計算されてしまいます。もちろんゴールでないし、最後の素晴らしいファイナルグライドはノーカウント・・・。80km/hでぶっとばしていたのはなんだったの!?
いつもタスクストップについては論議がされますが、10分前に戻ることには反対です。がっかりでした。そんな中、あの強風スタックをそのままスルーし、勝負に出た成山さんがタスクトップでダントツのゴールを決めていたのです。もちろんタスクストップ前です。
大きなリスクはありましたが、見事です。日本人トップはすごい!おめでとうございました。
Sunvalleyは素晴らしコンディションになると必ずどこかでレベル3がコールされます。5000mを超えるサーマルトップのコンディション中、フリーフライトには最高ですが、競技会を開催するのはリスクが大きいエリアに感じました。実際、今日は2人のパイロットが行方不明となり、表彰式が始まったのは夜中の0時。行方不明パイロット抜きで行われました。
2本の成立に終わってしまい、大澤11位、宮田14位、正木28位と不完全燃焼な結果となってしまいました。
大会はいまいちでしたが、Sunvallyの強烈なコンディションの中、JPAチームはベストを尽くせたと思います。ご声援ありがとうございました。
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PWC USAも残すところ2日、強すぎるコンディションによりなかなか成立しません。今日も西風が強い予報が出ており、まずはウェイティングとなりました。
残り2日ということもあり、オーガナイザーも今日はじっくり待つ様子です。12:00までウェイティングは続きましたが、何と50km東のKingMountainに移動することになりました。
2時間のドライブ後エリアに到着。やはりテイクオフは強い風が吹いているようで、ふもとで16:00までウェイティング。夕方には風が弱まることを前提に、ついにテイクオフへ移動となりました。
テイクオフへは4WD車でダートロードをのろのろと上がっていきます。到着するとやっぱり強いではありませんか!しかし、さらに待ちます。ミニマムタスクはすでに発表されており、スタート時間は何と18:00!!
17:00を過ぎやっと風は弱まってきました。待ってましたとウインドオープン後すぐにテイクオフ。テイクオフ周辺は荒れたサーマルでしたが、宮田、大澤は一気に4000mまで上昇!ベストポジションでスタートを待ちます。
しかし、半分のパイロットがテイクオフした時点でまたもや西風強風が入ってきたようです。テイクオフはクローズ!レベル3がコールされ、残念タスクキャンセルが発表されてしまいました。
4000m上空は風も弱く、素晴らしい景色で最高なのに・・・。本当に残念です。夕暮れの中、のんびりフライダウン。ギリギリの可能性まで試してくれたオーガナイザーに感謝でした。
明日はとうとう最終日です。悔いなく攻めます。
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今日も朝から西風が強く、9:00までウェイティング。テイクオフでは20㎞/hの強風がすでに吹いているとのこと・・・。昨日のこともあり、オーガナイザーは無理をせず、早々にキャンセルを発表。
JPAチームはせっかく空いた時間なので、有名なイエローストーン国立公園を見学に行くことにしました。
5時間のドライブ後、ひとたびその中に入ると、そこはまるでジェラシックパーク!広大な自然が手つかずのまま保護されていて、貴重な野生動物も観察することができます。
初めて見たバッファローは大きく、間欠泉も大迫力でした。自然の素晴らしさを再認識させてくれる素晴らしい場所でした。アメリカはでっかい!
ここイエローストーンも山火事です。しかし、ここは山火事が生態系を維持するために必要だとか・・・。うまくできていますね。とても勉強になりました。
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昨日の前線通過後、風向きは西風。山火事方向の風となり、ちょっと視界は悪いですが、気温減率は良くサーマルトップは5000mを越えそうです。
テイクオフレベルの西風が強まる予報から、風下へL字に飛ぶ113kmのショートタスク!?が決まりました。
ウインドオープンの11:00になってもテイクオフは西風のフォロー。時たまサーマルブローと共にダストデビルが発生する、リーサイドコンディションの中、テイクオフできるチャンスを伺います。僅かな向かい風を狙いローターへ飛び込むようにテイクオフしていきます。
テイクオフ後は強いシンクが続いたかと思うと、荒れた強烈なサーマルで一気に4800m上空までロケットのように上がっていきます。JPA選手は早めにテイクオフ完了。上げきったころ、テイクオフ前はさらにフォローは強まり、非常に荒れたコンディションとなってしまいました。4000mを超えている我々はすでに逆転層の上、安定した空域で飛んでいるというのに、テイクオフ前は大荒れで、レベル3をコールする選手が続出!
50%の選手がテイクオフした時点で、やはりタスクキャンセルがコールされてしまいました。4800mも上空の選手は安全な上空から、荒れたSunVallyの谷底へ高度を下さなくてはならず、これが大変。安定して下がる空域が見つかると選手は集まってきて、下降気流の中でスパイラルのガーグルが形成されます。高度を下げるガーグルは初めてです。
谷底のランディングは、強烈なタービュランスコンディションとなっていましたが、さすがPWCパイロット!バラバラになりましたが、最終的には安全にランディングとなりました。
かつて経験したことのない強烈なリーサイドでのフライトはちょっと怖かったですが、良い経験となりました。素晴らしいコンディションも強すぎるとリスクが伴います。なかなかうまくいかないものです。
夕方には、近くの川で湧き出る温泉に浸かり、体をほぐしました。イエローストーンにも近いロッキー山脈南では、いたるところで温泉が湧き出していて、そのまま自然の状態で入浴することができます。124℃と高温の熱気が川の水を温め、お湯の温度は最高!温泉が好きなのは日本人と北欧人だけみたいです。もちろん水着着用ですよ。
今晩の夕食は秘密兵器のカレーライス!明日に備えました。
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昨晩の帰宅は何と朝の2:30。それでも8:30のブリーフィングには集合です。さすがのスタッフもお疲れ顔でした。ありがとうございました。
さて、晴れてはいるのですが、上空には湿った空気の進入を示す、乱層雲が・・・。今日はサンダーストームが50%の確率で発生する予報。昨日の疲れもあり、9:00にはタスクキャンセルが発表されました。
レストデイとなった今日、我々JPAチーム最初の仕事はパンク修理です。廣川さんはガソリンスタンドでのバイト経験を生かし、手際よくパンクを修理していきます。隠れた才能にびっくり!
午後からは近くの温泉にゆっくり浸かり、昨日の疲れを癒すことができました。夕食は趣向を変えて、魚介メニュー。サーモンとムール貝でパワーを蓄えました。皆さん料理上手です。合宿生活も手際よくチームワークバッチリです。
明日から天候は回復。体力勝負は続きます。
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