第13回JPAパラグライダーカップ in 富士山


写真提供 藤川稔選手                 レポート 宮田 歩



JPAナショナルリーグ第1戦となる「第13回 PG Cup in 富士山」が朝霧高原で開催されました。今回は2016年PNLグランプリ対象大会でもあります。

今年も、「西富士友の会」のご協力を得てハンググライダーテイクオフを使用させていただきました。通常のPGテイクオフエリアがある前山よりも、200mほど高い位置にあるため、離陸後すぐにサーマルに入ることができ、安全に選手を上空に連れて行ってくれます。本当に助かります。ありがとうございました。





大会初日。
朝霧のベストコンディションとなりました。上空の北西風も弱く、サーマルトップは2300m。タスクコミッティはPNLに花鳥山脈を南北最大限に使った56㎞のタスクを。N2LはPNLタスクをもう少し小さくしたサイズ35㎞。両リーグともに富士山山頂から大きなシリンダーが設定。起点となる尾根、そしてどの尾根にもどるのかが選手の選択ポイントになります。






テイクオフは間欠的なサーマルブローで、難しかったようですが、11時のスタートにはほとんどの選手が空中一斉にスタートを切ります。PNLは宮田選手、高杉選手、藤川選手がトップグループを牽引します。そして、最初のポイント毛無山からの富士山13㎞シリンダーで明暗が分かれます。




真っ直ぐ富士山に向かった宮田選手は、井之頭前山TOへ戻り、セカンドグループは陣馬尾根に戻りました。しかし、エリア内は発達した積雲により、エリアは大きくオーバーキャスト。コンディションは一時的に渋くなりみんなスタック。いち早く抜け出したのは、井之頭前山組。そして、花鳥山脈の主稜線に上がってしまうと、朝霧ハイウェイに乗って一気に南下。PNLは宮田選手、只野正一郎選手が抜け出し一騎打ちとなりました。

そして、2回目の毛無山で先行していた宮田選手は、富士山14㎞を取った後、手堅く毛無山に戻るルートを選択。追い上げる只野正一郎選手は、そのままダイレクトに養毛東尾根に低く入り込みます。そして、見事リフト帯へ滑り込み、トップに躍り出ます。そのまま、ファイナルグライドまで逃げ切り、2位宮田選手に1分の差をつけ独走のトップゴールを決めました。





N2Lも抜群のコンディションの中、朝霧を知り尽くした天野選手、飯塚選手に宇都宮の田村選手を加えた、熾烈なトップ争いが繰り広げられました。陣馬尾根でのスタックを掻いくぐった天野選手が2位に7分もの差をつけトップ。さすがです。







朝霧らしいハードなコンディションでしたが、PNL38名。N2L15名がタスクをコンプリート!3時間以上ものフライトで見事ゴールを達成した選手も多かったようです。最長フライトは3時間21分でN2L初ゴールのCoo横堀選手。がんばりました!ハードだったタスクを称え合い、ゴールはたくさんの選手の笑顔で溢れていました。タスク1の詳しい結果はこちらから、PNLN2L.



夜は、まかいの牧場でのウェルカムパーティが盛大に開催されました。たっぷり飛べた後のパーティは盛り上がります。テイクオフでの珍プレイ映像も盛り上がりました。皆さんテイクオフをもっと練習しましょうね。







パーティでは鈴村さんの2015年PNL総括発表。何とか王表彰も行われ盛り上げていただきました。鈴村さんいつもありがとうございます。





今回、テイクオフをご協力いただいた「西富士HG友の会」の皆様もこのパーティに駆けつけてくれました。ありがとうございました。

また、スポンサー参加いただいた「テクニカジャパン」の土屋様、「パタゴニア」八木様、「ニューハレックス」芥田様、そしてGinglidersのMrGinからもユニークなプレゼンテーションをしていただきパーティに花を添えていただきました。







大会2日目。
朝から曇りベースですが、気温減率が良く曇っていてもタスクができそうです。早い時間、テイクオフは小雪がちらつく寒ーい状況でしたが、タスクコミッティはPNL28㎞。N2L25㎞のミニマムタスクを設定。準備万端で、南から接近する晴れ間を待ちます。ブリーフィングにおいて岡田競技委員長からの「周辺は晴れ間もあり、好転するチャンスは必ずある!」力強いお言葉!集中力が切れないように選手はウェイティング・・・。






そして、テイクオフに南風が入り始め、狙い通りコンディションは劇的に好転!慌ただしくウインドオープンとなりました。両リーグともにエラップタイムレース。スタートラインはテイクオフ目前。早めにテイクオフできた選手は11:20のデパーチャーオープンまで、東と西風のコンバージェンスラインで、主稜線上に形成されたで「西富士グローリー」の雲の上で待機します。絶景です!







午後から弱まる日照予報に、とにかく時間との勝負!11:20からのデパーチャーオープンで、間に合ったグループから、きっちりスタート!しかし、前半は未だ雲量が多く、先頭グループはスピードよりも高度維持で駒を進める、ゆっくりな展開となります。

ファーストグループの思惑に反し、上空の高層雲の張り出しは予想より遅れた結果に。おかげで、コンディションは尻上がりに良くなっていきます。こうなると主稜線には1700mの朝霧ハイウェイが!スピードはどんどん速くなっていきます。



PNLトップグループは前半、宮田選手、藤川選手の一騎打ち。その後、遅いスタートからショートカットに成功し、沖から現れた扇澤選手を交え三つ巴のバトルとなります。そして、勝負は、天子からのファイナル勝負までもつれました。常に高いポジションを維持していた宮田選手は、最終パイロン長者トップ手前からスパート!やや低く扇澤選手が・・・。YMCAまでのフルスピードガチンコ勝負となりましたが、4秒差で扇澤選手がファーストゴール!2番手宮田選手。3番手藤川選手と続きます。その後も続々と選手はYMCAゴールなだれ込んできました。




そんなPNL選手に交じり、N2Lぶっちぎりタイムでゴールに飛び込んできたのは九州の富重選手。最初にスタートし、最速タイムで、最初にゴール!3冠王達成。1000点が難しいと言われるエラップスタイムレースで満点を叩き出しました!続いて天野選手。平松選手。

心配されていた日照は14時近くまで続き、コンディションは予想に反し好転!アッというまに終わってしまったタスクですが、おかげで今日もPNL,N2L多くの選手がタスクをコンプリート!変化のある 大逆転な展開に、ショートタスクでしたが盛り上がったタスクとなったのです。何とPNL44名、N2L12名もの選手がタスクをコンプリート!
タスク2の詳しい結果はこちらから。PNL.N2L



2日間のレース展開はLivetrack24のイベントページからリプレイできます。
自分のフライトログだけでなく、他の選手がどのようなコースを選択したのか良くわかります。解析することで、次回に生かしてみてください。

PNLは2日間安定した成績で宮田選手が総合優勝!昨年の四国三郎に引き続き、PNLグランプリ連覇となりました。2位は2日目トップの扇澤選手。3位は地元藤川選手。女子優勝は小森さちよ選手。小森選手は2013年女子チャンピオンですが、再び返り咲きました!PNL総合成績はこちらから







N2L優勝はぶっちぎりで地元の天野選手。2位は浜名湖のホープ飯塚選手。そして、3位は宇都宮の田村選手。今年のN2Lは、この3名の熱い戦いとなりそうです。女子優勝はバーズ河野選手!N2L総合成績はこちらから





2日間、朝霧らしい素晴らしいコンディションが続き、2本成立する結果となりました。PNLグランプリチャンピオンを決定するには、ふさわしい大会だったと思われます。今シーズンも始まったばかり、この調子で全大会が成立することを願いたいですね。



スタッフの皆様、お疲れ様でした。また来年もよろしくお願いします。ありがとうございました。