しらたか紅花カップ2021

西山から長い方向を望む


レポート 競技事業部:藤野光一

しらたか紅花カップは、例年であればN2とチャレンジの大会であり、日程的には梅雨の末期にあたるため梅雨前線が北上し切らない何とも微妙な天気図の中開催されることが多かったのですが、今年は大会前日の7月16日に東北地方の梅雨明けが発表され、夏本番を通り越して「猛暑日」「熱中症アラート」のワードが聞かれる、これまでにない大会となりました。
タスクの方もナショナルリーグでの開催と言うこともあり、これまでにないチャレンジブルなものになり、白鷹エリアの可能性を大きく広げた大会となったのではないか?と思います。

DAY1

 しらたか紅花カップ初日の朝は、ギラギラ照り付ける太陽の中でスタートしました。天気予報では最高気温が35℃の猛暑日予報であり、しかしながら対流は十分に活発でタスクを行うには何の問題もない状況で、選手もスタッフも安心した?面持ちで受付に姿を見せました。


ギラギラの太陽


QRコードによる受付


紅花


配給品


受付中


受付後はテイクオフへ移動して開会式が行われました。
大会実行委員長の植木校長からの挨拶では「これまでの紅花カップには経験のない暑さの中での開催になりました。熱中症には十分に注意してください」と言う注意喚起が行われました。しかし、やはり植木校長にも晴れて飛べることが確実な中での安堵感が感じられました。
神林競技委員長からもローカルルールの説明や、レーダードームに関するいつもの注意事項が説明されました。


司会


大会実行委員長


競技委員長







コミッティー


今回のタスクコミッティーは、前日にフライトした状況を踏まえてナショナルリーグ及びN2リーグ(タスク共通)に対し、これまでにないチャレンジブルなタスクを提示しました。それは、長井盆地をグルっと周回して白鷹に戻ってくるというものです。


ナショナル&N2 タスク1



これまで使いたくてもチャンスのなかった西山を使い、ダイナミックに周回するという試みは少々リスクのあるタスクに違いありません。秋と違って田んぼは耕作中でありエスケープが限られる状況下ですが、コロナ禍により比較的少人数であることと、選手のレベルが向上していること、最上川周囲にも休耕田や空き地などのスペースもあること、地元フライヤーからもアドバイスをいただき、白鷹の歴史に新しいページを刻むタスクを行うことになりました。


チャレンジ タスク1



チャレンジリーグは、前回のさくらんぼカップでゴール者が少なかったことからリベンジタスク。荒砥ゴールを目指す18.6Kmのゴールレースです。



ナショナル&N2からレースがスタート。12時にテイクオフの3KmシリンダーをExitスタートし、一路11.7Km先のB32の5Kmシリンダーを目指します。コースは山の西側を飛ぶ集団と、山の中央を飛ぶ集団の二手に分かれて進みます。雲はあるもののいまいち上がりきらない状況の中、山の西側を進むグループが先行。その中でもNo.11関根選手、208田邊選手がグイグイ先に進んで行きます。それとは対照的に山の東側を進むNo.6正木選手、中央を進むNo.20藤野選手は序盤コンディションが整うまでスローペースで先行組を伺いながらのレース展開。山の西側を進んだ選手の中には、長井までたどり着く前に低くこぼれてしまいランディングする者もチラホラ。西側の集団も徐々に山側にコースをシフトし、B32手前で合流します。この頃には対流も活発になっており、雲低は1600mに達していました。


B32方向の雲


正木選手とNo.13吉川選手がB32シリンダーをカット、そのまま南進してサーマルをヒットし上げ始めます。高く進む藤野選手、No.19吉原選手等後続組はシリンダーをカットして長井の市街地側にある積雲めがけて移動し、丁度下から上げてきた関根、田邊両選手のサーマルに合流して上げ始めます。
次のレグは西山のBX1。TP間の距離は10Kmほどですが、平野部は約7Kmの距離があります。ここから先は未知の領域。東風であるとはいえ、高さを持って集団で移動したい局面です。最初に藤野選手がBX1に向けて移動を開始し、それと同時に集団が移動を始めます。


BX1方向


正木選手


それにしても飛んだことのない空域を飛ぶのは本当にワクワクします。そして、多くの仲間と一緒に新たな道を切り開くのは何とも言えない気持ちです。長い平野のレグを終え、何とか西山のBX1に到達。しかし、予想に反してサーマルは不活発で苦しい展開となってしまいます。それでも、東向きですそ野の長い山容に果敢に飛び込み前進する選手の頑張りには本当に敬服します。
西山のレグでは、高さを生かしてリードしたNo.11関根選手が一歩抜け出した形となり、それを追うのがN2のNo.313岩野選手、NO.6正木選手、No.208田邊選手、No.13吉川選手、19吉原選手、23田村選手。西山からB19へ向けて移動を開始した関根選手は、誰の目にもダントツでのゴールであるかと思われましたが、やはりレースは最後までわからないものです。思いのほか東風の強いヘッドウィンドのレグとなったB19からゴールまでのコースで、予想以上に高度を落としてしまった関根選手はゴール手前1Km、ESSの直前にランディングしてしまったのです。この様子を見ていた正木選手はしっかり高度を取ってのトップゴール。とは言っても、正木選手も楽に勝った訳ではなく、西山で高度を取り常に高さを持って最終レグに入ってきたN2リーグのNo.313岩野選手とのアクセル勝負。どちらが勝ってもおかしくない程の緊迫した競り合いの中、やはりCクラス機とCCCクラス機との差が出たのだろうと思います。
その後も吉川選手、吉原選手、田村選手と続き、遅れて藤野選手、伊澤選手がゴールメイク。そして、最後の最後にみんなを沸かせたのが、やはりN2で参戦のNo.301千葉恵選手。Bクラス機で堂々のゴールメイク。終始ひとり旅だったそうですが、それが逆に良かったとのコメントでした。ナショナルリーガーでも難しい、しかも白鷹エリアでの初のタスクでのゴールは素晴らしいの一言に尽きます。岩野選手にせよ、千葉選手にせよ、N2の選手たちもレベルが上がってきているのは間違いないでしょう。

ナショナルリーグ TASK1 リザルト
N2リーグ TASK1 リザルト


No.301千葉選手ゴール


チャレンジリーグの方でも過酷な状況に見舞われていました。
ナショナルよりも15分遅い12時15分スタートで開始したレースでしたが、ナショナル、N2の選手たちがスタートした後から白鷹エリア全体のサーマル活動が停滞し、タイミング勝負のトリッキーな状況になっていました。何とか頑張るチャレンジの選手たちでしたが、一人また一人とランディングしてしまいリフライトに上がるサイクルになってしまいました。3回飛んだ選手もいたそうです。

そのような中でも、前回のさくらんぼカップWINNERであるNo.516大久保選手とNO.521天野選手が着実に丁寧にフライトしてゴールを決めました。

チャレンジリーグ TASK1 リザルト

DAY2

大会2日目の天気予報では、山形で最高気温37℃予報。今日も暑さとの闘いになりそうですね。


今日もギラギラ


昨日のタスクではナショナル、N2合わせて7名がゴール。歴史の1ページを刻んだタスクとなりました。朝のブリーフィングでは、トップの正木選手を始めN2の岩野選手、千葉選手へ称賛の拍手が贈られました。


ブリーフィング



正木選手


岩野選手


この日のブリーフィングでは、極力日陰に居て熱中症や脱水にならないように行動に気を付けてもらうように周知されました。アウトランディングした際も、炎天下にいることは避け、影になる場所を探してケアするように注意がなされました。






ナショナル、N2リーグのTASK2は、クラシックスタイルの湾内ベースタスクとなりました。


ナショナル N2 TASK2



湾内と言っても、昨日のタスクで使ったB19や、B07パレス松風、荒砥ゴールのA43からのリターンなどテクニカルな設定です。


チャレンジ TASK2



チャレンジリーグも湾内設定でメインランディングゴールの13.7Kmタスクが組まれました。昨日ゴール者が2名だったので、今日は距離も短いためたくさんの選手がゴールしてほしいものです。



今日のテイクオフはかなりの確率で後ろ(東)から風が吹き込んできます。予想と若干違う様相ですが、全リーグともに12時スタートでレースを行い、最終日ですのでタスククローズは早めの15時30分となりました。

メインの第1テイクオフはフォローが断続的に入る為、北風が吹きこんでいる第3テイクオフに移動してテイクオフする選手が多くみられました。白鷹エリア全体も北風に支配されており、サーマルがわかりにくい状況となっています。




レースが始まる頃にはさらにパワーアップした北風により、ナショナルではB10西黒森の400mが鬼門に思えます。チャレンジでも同じく北にあるB14狐越えがタスクの難易度を上げてしまいました。



それでも、ナショナル、N2のレースでは昨日のトップNo.6正木選手が順調に駒を進め、北風をものともせずに今日もトップゴールを決め完全優勝。2番手は昨日惜しくもゴール手前で降りてしまったNo.208田邊選手。3番手は今年からレース復帰で徐々に調子を上げてきているNo.206藤川選手。そして最後のゴールは、昨日の悔しさをバネにじっくり着実にタスクを回ったNo.11関根選手でした。



今日もトップゴールの正木選手


2番手の田邊選手


ナショナルTOP3


N2リーグでは、リフライトでありながら丁寧な飛びで距離を伸ばしたのがNo.318庄子笑梨選手。強い北風の中をタスク序盤は沖のサーマルをじっくり拾って高さを稼ぎ、低くならないように慎重なコース取りで駒を進め、後半は発達した雲のリフトを利用しながらタスクをこなしクローズ時間の15時30分を気にしながらのフライトでした。最後は行けるところまでとはせず、メインランディングに帰ってくるところが状況判断と周囲への気配りを感じました。庄子選手、ありがとうございます。

そんなこともあり、N2のタスク2はその庄子選手がトップとなりました。

ナショナルリーグ TASK2 リザルト

N2リーグ TASK2 リザルト

今日もチャレンジリーグは試練のタスクとなりました。昨日よりも距離が短いものの、やはり北風は容赦なくチャレンジの選手たちを引きずり降ろします。今日もランディングではリフライトを申告する選手が相次ぎ、暑さの中を汗まみれになりながらパッキングする姿が印象的でした。

そしてチャレンジもリフライトの選手が頑張りました。No.528里見選手がリフライトでゴール。里見選手も上手く沖のサーマルを利用してじっくり攻めていました。

チャレンジリーグ TASK1 リザルト

表彰

ナショナルリーグ総合

ナショナルリーグは2日間ともトップゴールを決めた正木選手が完全優勝です。おめでとうございます。


優勝 No.6 正木選手


入賞者


優勝 No.6 正木 晋 NIVIUK ICEPEAK X-ONE

準優勝 No.208 田邊 万作 NIVIUK ICEPEAK X-ONE

第3位 No.11 関根 順 OZONE ENZO3

第4位 No.13 吉川 朋子 OZONE ENZO3

第5位 No.19 吉原 紀子 OZONE ZENO

第6位 No.23 田村 昌久 NIVIUK ICEPEAK X-ONE

ナショナルリーグ総合リザルト

ナショナルリーグ女子


女子優勝 No.13 吉川選手


女子入賞者


優勝 No.13 吉川 朋子 OZONE ENZO3

準優勝 No.19 吉原 紀子 OZONE ZENO

第3位 No.64 松田 京子 GINGLIDERS EXPLORER

ナショナルリーグ女子リザルト

ナショナルリーグ チーム戦


チーム戦入賞者


優勝 とちおとめ(吉川、吉原、田村)

準優勝 Team EVOX(正木、伊澤、藤野、平松)

準優勝 コルドンブルー(関根順、関根睦)

 

ナショナルリーグ チーム戦リザルト

N2リーグ総合

N2リーグは、初日ナショナルに肉薄するフライトを見せた岩野選手が優勝となりました。


優勝 No.313 岩野選手


入賞者


優勝 No.313 岩野おさむ ADVANCE SIGMA11

準優勝 No.329 江草 幸子 ADVANCE SIGMA10

第3位 No.301 千葉 恵 NIVIUK IKUMA2

第4位 No.314 斎藤 光秋 GINGLIDERS BONANZA2

第5位 No.325 窪田 雄彦 GINGLIDERS BONANZA2

第6位 No.318 庄子 笑梨  AIRDESIGN RISE3

N2リーグ総合リザルト

N2リーグ女子


女子優勝 No.329 江草選手


女子入賞者


優勝 No.329 江草 幸子 ADVANCE SIGMA10

準優勝 No.301 千葉 恵 NIVIUK IKUMA2

第3位 No.318 庄子 笑梨 AIRDESIGN RISE3

N2リーグ女子リザルト

チャレンジリーグ総合

チャレンジリーグは初日トップゴールを決めたNo.516大久保選手が、さくらんぼカップに引き続き2連勝となりました。


優勝 No.516 大久保選手


入賞者


優勝 No.516 大久保忠和 ADVANCE SIGMA10

準優勝 No.521 天野 年雄 OZONE RUSH5

第3位 No.528 里見 憲一 NOVA ION6

第4位 No.502 大久保昌俊 GINGLIDERS CARRERA+

第5位 No.524 吉田 正行 NIVIUK HOOK5

第6位 No.507 堀井 重雄 OZONE SWIFT5

チャレンジリーグ総合リザルト

チャレンジリーグ チーム戦


チーム戦入賞者


優勝 チーム今井浜(堀井、大久保忠)

準優勝 TEAM HAPPY LANDING 星組メンバー2021(菊池、吉田、里見)

第3位 TEAM HAPPY LANDING 花組メンバー2021(笹栗、高橋)

チャレンジリーグ チーム戦リザルト

梅雨明け宣言から一気に夏本番に突入したしらたか紅花カップは、両日とも炎天下の中、地上でも空中でも熱い戦いを繰り広げて幕を閉じました。参加いただいた選手のみなさま、ありがとうございました。また、暑い中サポートして頂いた地元クラブのみなさま、エリアのみなさまには感謝申し上げます。

白鷹エリアの空域が一気に広がった大会となった今回を機に、次回もさらに研究を重ねてよりチャレンジブルでテクニカルなタスクを実施できるように準備を進めたいと思います。次回は9月のラ・フランスカップです。みなさまの参加をお待ちしております。


集合写真