PNL第1戦 第8回JPAパラグライダーカップ in 富士山 レポート

開催地:静岡県富士宮市猪之頭フライトエリア及び朝霧高原
主催:WING KISS朝霧

レポート:宮田 歩

<プロローグ>
 2011年初戦は、今年も朝霧高原で開催されます。シーズンスタートとなる大事な一戦に、83名の選手がエントリーし、韓国からもGinglidersチームもスペシャルゲストとして参戦となりました。今回も西富士友の会のご理解、ご協力によりテイクオフを使用させていただきました。この時期最高のコンディションでフライトが可能な朝霧高原で戦える環境を与えてくださった皆様に、本当に感謝です。
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<1月15日(土)>
 日本海に発生した低気圧の接近により、一時的に冬型気圧配置は緩むことに。しかし、朝霧エリアにはこの冬型気圧配置が必要なのです。朝から高層雲が張り出してしまい気温の上昇を抑え込んでしまいました。それでも選手は7:30の受付には長蛇の列となってやる気モードです。
受付 スタッフミーティング
「上空に寒気が流れ込めば曇りでも上がる!」朝霧マジックを信じて西富士テイクオフへ移動。到着時の西富士テイクオフの気温は何と-3℃!気温減率は悪くありません。日照を期待しながら、テイクオフ下の道路で開会式とジェネラルブリーフィングを行われました。テイクオフからは、平野部を覆った逆転層が富士山をバックにびっしりと張り付いているのが見えます。むーん渋そう・・・。
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 タスクコミッティは主稜線を南北に往復する43㎞のタスクを決定。いつもの朝霧では簡単すぎるタスクですが、今日のコンディションでは難易度は非常に高くなります。あとはコンディションの好転を待ち、ウインドウオープンタイムを待つのみ。選手はいつでもテイクオフ状態で待機します。11時になると一時的に高層雲が薄くなるタイミングが出てきました。そしてウインドダミーもトップアウトするタイミングもでてきました。しかし、まだタスクには不十分・・。
タスクボード ウェイティング2
我慢のウェイティングが続きます。12時になると高層雲はますます厚みを増します・・・。低気圧の接近により、天気の好転はこれ以上見込めず、残念ながらタスクはキャンセルとなり、フリーフライトで下山となりました。
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本部のYMCAに帰った選手を迎えてくれたのは暖かいカレーうどんです。冷え切った体をと気持ちも温めてくれます。とっても美味しかったです。
 17:00からはフルーツパーティーの懇談会が開かれました。Ginさんへのグライダー開発ストーリーには熱心に耳を傾けていましたね。話題の2ライナーの話も聞け勉強になりました。
パーティ2 パーティ

明日は天候は回復しますが、上空にはこの冬一番の寒気の流入が予報されています。朝霧マジックとなるか!?

<1月16日(日)>
 YMCAは朝霧らしい快晴の朝です。しかし北風強風・・・。早朝富士宮の平野部はこのように北風が吹き下ろすことが多く、井之頭エリアに行ってみなくては分かりません。先行してスタッフはテイクオフへ風のチェックへ出発。選手は予定通り、受付し本部で待機し報告を待ちます。
 テイクオフスタッフが西富士テイクオフへ着くと、やはり猪之頭周辺は風が淀んでいるようです。もしかしたら・・・。競技ができる可能性はあります。選手はテイクオフへ移動となりました。テイクオフに着くと、GinTestTeamは競技前に、テストフライトを始めていました。北風特有の強烈なサーマルで、ロケットのように上がっていきます。ところが1500mほど上げきった空域から強烈な北風につかまり、グライダーは激しい乱気流を示し始めます。
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それでもランディングまで降りてくる様はさすがテストパイロット。パイロットの技術もすごいけれども、あんな状況でもグライダーが潰れないとは・・・。2ライングライダーの進歩もすごいものです。
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 さすがにこの状況では競技どころかフライトも不可能・・・。今日もキャンセルが決定し、残念ながら大会は終了となってしまいました。
 本部に戻ると今日は暖かいトン汁が振る舞われました。温まりました。
 閉会式では主催者の中川さんから、来年も大会開催を約束していただきました。大会を続けていただける主催者にもほんとうに感謝です。来年もよろしくお願いします。

 1月に入り、大会前日まで抜群のコンディションが続いていただけに、運が悪いとしか言いようがありません。来年は2月に予定されていますが、ぜひ好天の中朝霧らしいレースが行われることが期待されます。そして、第2戦となる宇都宮では頑張りましょう!