白馬八方尾根JAPAN CUP大会レポート(二日目)

■二日目(10月9日)
翌10月9日、昨日の興奮も覚めやらずで6:30には選手達が受付前に列をつくる。受付開始は7:30だというのに。
「サーマル条件は昨日よりやや落ちるかも。1800mの予測凝結高度がブレイクするかどうかは五分五分といったところ。基本、南風なので今日は北方向のターンポイントも使えそう。」清水競技委員長のコメント。
うけつけ スタッフmtg

今日は77機のグライダーがゲレンデに並んだ。ウインドダミーの上がりも渋く、やや待ちの状態となる。タスクは岩岳、栂池を越え白馬乗鞍のリフト降り場から佐野坂アンテナ跡まで移動し八方に戻る50kmゴールレース。佐野坂ゴールに向かうファイナルグライドセクションは昨日と同じ。「ウインドオープンまで時間がなさ過ぎ。」「全員が空中待機できるデパーチャーオープン時刻にして欲しい。」選手からの声をもとに10:30のブリーフィング終了後から10:45にウインドオープン、11:25にデパーチャーオープンとなった。
結局、11時10分にはテイクにはグライダーがなくなっていた。テイク上空での待機となる八方尾根エリアでは40分は長過ぎたか?
決して活発とは言えないリフト条件の中、77機が空中待機を続ける。お互いに避けながらも隙あらば抜けだそうと駆け引きに忙しい様は観光客の皆さんには伝わっていないであろう。きっと優雅に飛んでいるように見えるんだろうなぁ。
がーグル スタート

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さて今日のレースは序盤に選手の判断が分かれた。三角パイロンをダイレクトに回る決断をした選手と安全に山に戻ってV字コースを選らんだ選手に分かれたのだ。ダイレクト組は尾根のかなり下段に取り付き粘りの飛びで上昇してくる。この上げ直し時間を含めるとV字コースにさほど差をつけることは出来なかったようだ。この日のトップとなる扇澤選手はV字コースを選択している。岩岳で上げ、栂池で上げ、白馬乗鞍へ。競技フライトでは定番のコース設定だ。ルーティンワークのように経験値に基づくサーマルポイントを使ってタスクはこなされて行く。佐野坂に向かうリターン路も沖側が渋く、山側しか選択出来ない。
渋めの条件からやや生き残りレースの様相も見え始める。リフライトにチャレンジした選手も少なからずいたようだ。
それでも佐野坂アンテナ跡からのリターンを終え、峰方、佐野坂ゴールのファイナルグライドを始めるグライダーが現れ始める。時間差はあるものの、その数15機、しかしゴールに辿りつけたのは3機のみだった。
「南風が強いのは計算の上だったんだけど。」とは1km手前に降りた稲見選手。昨日の北風と真逆の条件にトップコンペティターの判断もくるいが発生したようだ。
レースは15:00前には終了している。強まった南風と弱まった日射からリフト条件がほぼ無くなってしまったのだ。もう15分早くデパーチャーオープンしてたならゴール出来たかも。タラレバは尽きない。
本レポート筆者も八方に戻る途中の五竜ランディングの36km地点で競技を終了した。自転車モードのまま使ったGPSの実移動距離は125kmを示す3時間半オーバーのフライト。疲れるはずだ。
八方TASK2リザルト付
今日はうどんが振る舞われた。昨日のカレーでカレーうどんの選択も可。全くありがたい話だ。ひたすら感謝である。選手へのサービスだけではない、安全監視体制、回収体制、連絡網、しっかりしたマネジメントで大会は運営されている。なにしろPWCが開催出来る技量を持つエリアである。
本日トップの扇澤選手の得点は993点、小幡選手も3位で989点を獲得したため小幡選手のトップに変動なし。シリアルクラスは10位に入って802点を獲得した小林選手が昨日トップの高杉選手を逆転した。女子もゴール手前500mまで迫って総合8位となった水沼選手が増子選手を逆転した。果たして明日は、といったところである。