| 大会レポート
四国三郎ジャパンカップ2019
レポート:競技委員長・扇澤 郁
2019年のJPAナショナルリーグ戦は天候に恵まれずグランプリ大会の順延も続き、グランプリチャンピオンと年間リーグチャンピオンがこの大会の成績で決まってしまう可能性の高い四国三郎ジャパンカップ2019は、真のチャンピオンを選ぶのにふさわしいコンディションに恵まれ、紅葉真っ盛りの秋晴れの中決戦の火ぶたを切って落とされました。
1日目
大会初日、北西風予報のこの地域では東へ距離を延ばせるコンディションとなるであろうという、経験豊かなタスクコミッティーから提示されたタスクは、通常エリアを一往復したのち、阿波中央橋東ゴールを目指す65Kmのシンプルなもの。
気温減率の良い抜群のサーマルコンディションの中、勢いよくスタートを切っていった選手でしたが、水の丸エリアを3角に回るコースの序盤戦ですでに、リーグ戦トップを狙う中村選手がランディングしてしまう波乱の始まりとなりました。
レース中盤ゼッケン1番の高杉選手をはじめ数名のパイロットがレースを引っ張るものの、厳しい紅葉おろしの洗礼を受けなかなか駒を進められず、選手たちにとってはハラハラドキドキのレースとなっていたようです。
その中、小熊選手が吉野川上空を通るコースを選択しグループから抜け出し、終盤のファイナルグライドまで単独でトップを守り、高杉選手、星田選手の猛追を振り切り堂々のトップゴールで1000点をゲット。女子では吉原選手は惜しくもゴールに届きませんでしたが、小森選手がゴールを決め、延べ10名が阿波中央橋を超えてゴールラインをカットするビッグラスクの成立となりました。
2日目
大会2日目、北東風予報の三頭山エリアでは南斜面を使ったスタンダードなアウト&リターンが良いということで、全員がゴールラインを切ってほしいという希望を込めた40Kmのファイナルタスクが発表されました。
四国三郎の郷のゴールを中心にエリアを3往復するレースは、選手たちにとっても順位争いが手に取るようにわかるレースとなるはずで、トップシードを狙っている選手、トップ10の安い選手たちを狙う選手、リーグ戦トップの称号と賞金を狙う選手、グランプリ杯を狙う選手たちが、おのおののタクティクスでレースが進行していったように見受けられました。
スタートする前は雲の発達が早く、日差しがさえぎられる心配がありましたが、スタートと同時にコンディションは好転し、レース序盤最初のアウト&リターンを引っ張るトップ選手たちは、集団を形成することなく独自の判断で、山コース、中間コース、沖コースに分かれる展開となりました。その中、星田選手が沖のコース取りでスタックすることなく三頭山まで戻り、高度を稼ぎレースをリードする展開となりました。
中盤戦は、紅葉温泉帰りで若干スタックした星田選手に高杉選手が追いつき、2選手白熱したトップ争いが繰り広げられたようです。
そして終盤、三頭山奥のラストサーマルポイントをいち早く離脱した星田選手がターンポイントを2か所取りながらのファイナルグライドに入り、昨日までリーグ戦総合1位の高杉選手を振り切り会心のトップゴールで1000点獲得。女子ではトップ10に絡む飛びでゴールを決めた吉川選手が800点台の好成績。そして、最後に四国三郎の郷ゴールへ現れた天野月子選手は、渋くなってきた大塚製薬上空をご夫妻でトップアウトし、2人揃ってファイナルグライドに入り至福のゴールを決められました。
大会結果
2日間、水の丸エリア、三頭山エリアを使わせていただき、日本グランプリチャンピオン、JPAナショナルリーグチャンピオンを決めるのにふさわしいテクニカルな大会になりました。
そして四国三郎ジャパンカップを制したのはエントリーNo.5、昨年念願のリーグ戦入賞を果たした星田選手でした。おめでとうございます。ラストタスクをトップゴール、しかも常時先行する文句なしの飛びで勝利を収められました。さらに、ナショナルリーグの争いも高杉選手を4点差の僅差で抑えリーグチャンピオンとなり2冠達成おめでとうございます。気合の入った飛びを見させていただきありがとうございました。
女子優勝は吉川選手が初日ゴールを決めた小森選手に競り勝ちこちらもナショナルリーグ女子チャンピオンと合わせての2冠達成おめでとうございます。
優勝 5 星田 真一 OZONE ENZO3
準優勝 1 高杉 慎吾 OZONE ENZO3
3位 12 竹尾 雅行 OZONE ENZO3
4位 23 大澤 行英 NIVIUK ICEPEAK EVOX
5位 10 正木 晋 NIVIUK ICEPEAK EVOX
6位 20 伊澤 光 NIVIUK ICEPEAK EVOX
優勝 19 吉川 朋子 OZONE ENZO3
準優勝 14 小森さちよ OZONE ZENO
3位 17 天野 月子 NIVIUK PEAK4
4位 28 吉原 紀子 OZONE ZENO
5位 37 岩崎 聖子 NIVIUK KLIMBER P
6位 30 河野 美樹 NIVIUK PEAK4
優勝 Bad Bull
(12竹尾雅之、22小林宙、31小森淳也)
準優勝 Z3
(1高杉慎吾、13隅秀敏、63竹内直之)
第3位 Team EVOX
(4、中島義雅、10正木晋、20伊澤光、21藤野光一)
グランプリ
年間表彰
優勝 5 星田 真一 OZONE ENZO3
準優勝 1 高杉 慎吾 OZONE ENZO3
3位 12 竹尾 雅行 OZONE ENZO3
4位 3 中村 浩希 OZONE ENZO3
5位 13 隅 秀敏 OZONE ENZO3
6位 10 正木 晋 NIVIUK ICEPEAK EVOX
7位 20 伊澤 光 NIVIUK ICEPEAK EVOX
8位 23 大澤 行英 NIVIUK ICEPEAK EVOX
9位 2 稲見 祐二 GINGLIDERS BOOMERANG11
10位 11 山本 雅史 OZONE ZENO
優勝 19 吉川 朋子 OZONE ENZO3
準優勝 14 小森さちよ OZONE ZENO
3位 17 天野 月子 NIVIUK PEAK4
優勝 Z3
(1高杉慎吾、13隅秀敏、63竹内直之)
準優勝 Team EVOX
(4、中島義雅、10正木晋、20伊澤光、21藤野光一、201平松久)
第3位 夫婦善哉
(5星田真一、15関根順、16星田苗月、38食堂信昭、45関根睦)
最後になりますが、エリアの利用を快く受け入れていただいています、美馬スポーツ協会の皆様、VANスカイスポーツの皆様へ感謝申し上げます。今後もこの素晴らしいエリアで四国三郎ジャパンカップの開催を続けていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。