| 大会レポート
四国三郎ジャパンカップ2021
レポート:競技委員長
只野正一郎
紅葉の綺麗な季節に徳島県美馬市三頭山で「四国三郎ジャパンカップ」を開催いたしました。
元々ハンググライディングサイトとして30年以上の歴史を持つ三頭山。ローカルエリアですが、1996年ごろからパラグライダーの大会が行われています。東西に延びる山並みはヨーロッパのエリアのように壮大なスケール感がありナショナルリーグのファイナルイベントとして締めくくるに相応しい熱いレースが行われています。
2021年ナショナルリーグランキングは、首位に扇澤選手、2位(同率)に藤野選手、正木選手になっています。1本いいタスクができればランキングが変わるので今大会の注目ポイントでもありました。
Day1
大会前日はこの時期には珍しい寒気の影響で1000m以上の山は冠雪していました。早朝まで時雨で雨が降ったりやんだりで天気予報より悪い見込みがありましたが、西の空がやや青空が見えてきたのでテイクオフに上がることにしました。
10時に開会式を行い、いつもの指差し安全点呼で気を引き締めます。
今回からトラッカーの電源は選手自身で入れるようになったので、トラッカーの使い方をみんなで確認したりしながら風の様子をうかがいました。
12時前まで待ちましたが、マックスブローが強いので競技の方はキャンセルにしました。
明日に期待です。
Day2
昨日より少しだけ希望のある天気予報になりましたが、西風は強めです。おまけに、高層雲があるので条件としては厳しい感じでしたが、11時ごろから高層雲の切れ目が出てきて、ウィンドダミーがソアリングできているのでタスク発表しました。
クロカンタスクで約30Kmの四国中央大橋の先がゴール。エラップスタイムレースでリードアウトポイントは無し。単純に速い人が勝つというシンプルなものです。晴れていて積雲がある条件なら難しくないですが、強めの風に高層雲なので30Km先は遠く感じます。
テイクオフゲートオープンで最初に飛び出したのは松岡選手。順調に高度を稼いでいきます。その後、トップ選手も飛び始めテイクオフがにぎやかになってきました。強めの風とリードアウトポイントがないエラップスタイムレースなので若干様子を見ている選手もいましたが、先に飛んだ人たちはソアリングしながらスタートのタイミングを計っています。
単独でスタートをかけたのは松岡選手。勇気のある先行ですが、この英断でレースが動き始めました。稲見選手、青木選手が追いかける形で続々とスタートし始めます。エラップスタイムレースは、スタート時間を自分の好きなタイミングで切ることができます。後ろから追いかけて、先行している人を追い越してゴールできれば勝てるので先行逃げ切りするよりは楽にレースを展開できるので、あとからあとからになっていくのです。ゴールまで残り15Kmを切ったあたりで先行の松岡選手に稲見選手が追いつき、そのまま高度を維持したまま一気にゴールまで突っ走っていきました。後続を3分以上引き離してトップゴールでした!
その後、正木選手、小野寺選手と続きました。独走していた松岡選手もゴールです。
しかし、エラップスタイムレースなのでこのままの順位ではないのです。この日1位だったのは、ランキング1位の扇澤選手でした。飛行ログをみると、レースの3分の2はまっすぐ飛んで回すことはなかったようです。32kmの距離を36分09秒と驚異的な速さです。
2位はトップゴールだった稲見選手。扇澤選手との差は30秒ほど。どこかで1周センタリングが少なかったら稲見選手が勝ったかもしれないですね。それだけ熱い戦いだったわけです。
結果は20名ゴールでした。
トップ集団から遅れること1時間後にスタートした岩崎選手と三浦選手ですが、高層雲が張り出してきて風も冷たいからゴールは厳しいかなと思いながら見ていましたが、丁寧に上げて進んでを繰り返しゴールできました。先行している選手もいない中、ほんとよく頑張ったと思います。
大会表彰
ナショナルリーグ
ナショナルリーグ最終戦は、最速タイムでゴールメイクした扇澤選手が優勝を飾りました。準優勝はトップゴールを決めた稲見選手、3位は正木選手でした。
優勝 No.48 扇澤 郁 GINGLIDERS LEOPARD
準優勝 No.9 稲見 祐二 OZONE ENZO3
第3位 No.6 正木 晋 NIVIUK ICEPEAK X-ONE
第4位 No.34 小野寺久憲 GINGLIDERS BOOMERANG11
第5位 No.11 関根 順 OZONE ENZO3
第6位 No.13 吉川 朋子 OZONE ENZO3
ナショナルリーグ女子
優勝 No.13 吉川 朋子 OZONE ENZO3
準優勝 No.19 吉原 紀子 OZONE ZENO
第3位 No.27 岩崎 聖子 NIVIUK KLIMBER2P
ナショナルリーグ チーム戦
優勝 Team EVOX(正木、伊澤、藤野、平松)
準優勝 瀬戸内少年飛行団(稲見、山本、山田、吉田)
優勝 とちおとめ(吉川、吉原、田村)
N2リーグ総合
N2リーグでは、ただ一人ゴールを決めた窪田選手が優勝を飾りました。
優勝 No.325 窪田 雅彦 GINGLIDERS BONANZA2
準優勝 No.333 平田 満則 GINGLIDERS BONANZA2
第3位 No.306 渡邊 悦雄 GINGLIDERS CARRERA+
ナショナルリーグ年間表彰
閉会式では、今年のナショナルリーグランキングの表彰式も行われました。
上位の順位に大きな変動はなく、扇澤選手が総合優勝しました。おめでとうございます!
1位 No.48 扇澤 郁 GINGLIDERS LEOPARD
2位 No.20 藤野 光一 NIVIUK ICEPEAK X-ONE
2位 No.6 正木 晋 NIVIUK ICEPEAK X-ONE
4位 No.4 中村 浩希 OZONE ENZO3
5位 No.13 吉川 朋子 OZONE ENZO3
6位 No.34 小野寺久憲 GINGLIDERS BOOMERANG 11
7位 No.7 伊澤 光 NIVIUK ICEPEAK EVOX
8位 No.9 稲見 祐二 OZONE ENZO3
9位 No.23 田村 昌久 NIVIUK ICEPEAK EVOX
10位 No.11 関根 順 OZONE ENZO3
ナショナルリーグ年間 女子
女子の方もシーズンを安定して上位入賞を続けてきた吉川選手が優勝となりました。おめでとうございます。
女子優勝 No.13 吉川 朋子 OZONE ENZO3
2位 No.19 吉原 紀子 OZONE ZENO
3位 No.37 三浦亜津子 NIVIUK PEAK5
ナショナルリーグ年間 チーム戦
優勝 Team EVOX(正木、伊澤、藤野、平松)
優勝 とちおとめ(吉川、吉原、田村)
3位 チーム カンフー(小野寺、籾山、田邊)
最後になりますが、この四国三郎ジャパンカップは、美馬市と美馬スポーツ協会のご協力、各地から大会スタッフが集まり運営しています。コロナ禍の中、これだけの方たちに支えてもらい感謝しています。ありがとうございました。