2015 Coo Spring Cup


レポート 宮田 歩
2日間良いタスクが成立した3月のXCカップ。まだ余韻が残る茨城県エアパークCooにおいて、春の2戦目となるSpringCupが開催です。筑波エリアはまだXCシーズン真っ盛り。選手の希望は、やはりXCタスク!今回はPNLとN2Lの併催です。



11日の初日は低気圧の通過により朝から雨・・・。午後から急速に回復する予報に期待して、午前中は開会式とセミナーがクラブハウスで行われました。まずは教育事業部岡田さんと扇澤さんからフロントコラップスとパラシュート開傘について、前回に実際に起きたアクシデントを解説していただきました。そして、小野寺会長からもフロントコラップス後の2ライナー機特有の挙動、対応方法など貴重なアドバイスをいただきました。




続いて、タスクコミッティ宮田が予想タスクをガイド。フライト前に先入観を持ちすぎることは危険ですが、パイロットの判断選択肢をどのポイントにしているか!?タスクコミッティの意図を読み取ることで、フライト前のイメージを作ることができます。もちろんシナリオ通りにならないこともありますが、それを空中で補正することが技術の差となってくるのです。パラグライダー競技の本質は判断力を競い合うことにあります。

雨でしたが、午前中は有意義に過ごすことができました。セミナー後も降り続く雨に、本日のタスクは、残念ながらキャンセルとなりました。

13:00ごろからは雨も止み、少し日照も出るようになりました。雲底は低いものの、良い気温減率のおかげで、フリーフライトしたパイロットは楽しめたようです。明日に期待です。




12日は快晴の朝を迎えました。恒例となった暖かい朝食サービスで選手はパワー蓄積!気合も十分でバスに乗り込みテイクオフへGo!テイクオフに着くと、心配されていた東風も弱く、すでにフライトを開始しているスクール生も順調に高度を上げています。筑波山上空には、すでに積雲が形成されるのが見えます。これは良さそうです!







午後になり、張り出してくる高層雲が心配ですが、コミッティは仮発表されていた予想タスクをそのまま決定。前半は筑波山系を往復させ、PNLはスカイパーク宇都宮ゴールの63㎞。N2Lは真岡ゴールの30㎞。筑波山頂3㎞シリンダーを取った後、どの場所から平野部に離脱するかが選択肢となります。燕山、天引鉄塔と筑波山系を大きく迂回する通称「良い子コース」か!?筑波山からダイレクトに西へ行く「漢(おとこ)コース」か!?もちろんリスクがありますが、一気に抜け出すことができます。さあどうなる?








10:15のウインドオープンとともに選手は続々とテイクオフしていきます。やや強めの東風で流されますが、サーマルは1200mまでしっかり立ち上がっています。そして11:15に空中一斉にスタート!抜群のスタート切ったのは藤川選手。続いて他の選手も追従します。サーマル活動は活発となり、春らしい荒れた強烈なサーマルが迎えてくれます。

ここで、エリアを熟知している宮田は強烈な上昇帯を回さず、そのままサル公園へトランジット抜け出します。逆に扇澤選手、喜多選手はリターンした加波山で上げきり、逆転層の上からダイレクトに筑波山をゲット。扇澤選手、一瞬「漢コース」を行きそうになりますが、なんとか踏みとどまり、燕山方向へ。結局、先頭グループは全員が燕山に集合し、仲良く天引鉄塔へ「良い子コース」選択することとなったのです。




PNL12人に加え、N2L富重選手、和田選手も追従。こうなると良い集団にいるとサーマルはよく分かります。抜きつ抜かれつトップは入れ替わりながら、サーマルの強いところを見つけ出します。

N2Lの富重選手は天引鉄塔から北の富谷山の採石場へトランジット。強烈なサーマルをヒットしそのまま単独ファイナルグライドヘ突入!ダントツのトップゴールを決めました。続いて4分遅れで和田選手もフィニッシュ!3位は単独フライトだった河野選手も見事ゴール!もちろん女子優勝です。N2Lは合計6名もの方がゴールを達成しました。おめでとうございます。





さて、一方PNLは12名のトップ集団はそのままゴール手前15㎞まで駒を進めてきました。ほとんど差はなく、あとは誰が最初に10㎞のESS(タイム計測終了)をカットするかの勝負となってきました。生憎、高層雲は厚みを増し、日照はどんどん弱くなってきています。残り5km!勝負に出たいのですが、ここまできてESSカットした後に下りてしまうわけにはいきません。

こんな時、勝負に出たのはやっぱりOgiこと扇澤選手。コース上西側のゴルフ場がある丘陵地に突っ込みます。「緑のBoomerang,Ogiについて行ってはいけない!!」お決まりのパターンに誰も追わず・・・のはずでしたが、唯一追従するオレンジのグライダーがあります。絶好調の矢野チャンプです。それを横目に、他の10人は迷わず東側の太陽光発電所へ!さあどっちに軍配が!?




太陽光発電所は期待通りにサーマルあり、思わず回してしまいます。扇澤選手はどうなの?気にはなりますが、見るとESSをカットした扇澤選手は、その後どんどん下がっていきます。そして矢野選手はさらに低い!やっぱりOgiの必殺技「誘い落とし」だったか・・・。と思ったところで何と矢野チャンプが低いところで回し始めたのです!!それを見た太陽光組10名は慌ててESSへなだれ込みますが、時すでに遅し・・・。

結局、矢野チャンプがひっかけたサーマルにみんな潜り込み、全員が何とか復活。至福のファイナルグライドとなったのです。ところが、鹿沼市街上空は良かったのですが、サーマルが活発な古賀志山エリア手前は、反面強いシンク帯となっており数名はぎりぎりの高度でゴール。さらにセカンド集団に至っては9名がESSをカットした後、ゴール直前に無念のランディグとなったのです。それでも15名がこの難タスクをコンプリート!






スカイパーク宇都宮では、谷田校長はじめクラブ員の皆さんLivetrack24でこのレースを観戦していました。地元喜多選手の活躍はもちろんですが、呑村選手のゴールと吉川選手の痛恨の500mショートには大興奮だったそうです。このお二人、筑波山後は「漢コース」単身突き進みことを選択していたようです。Teamトチオトメ恐るべし・・・。レースに参加できなかった皆さんもLivetarckingで観戦、応援できるこのシステムは本当に素晴らしいですね。





筑波エリア内の東風は海風の侵入が加わり、さらに強さを増したようです。しかし、平野部の風の流れは、ほぼ予想通り。珍しく、タスクコミッティのシナリオ通りとなったようです。

PNLは文句なく扇澤選手が1000点を叩き出し優勝!2位はリーディンポイントのおかげで、辛うじて宮田。3位は最後に漢を見せた矢野チャンプ。矢野選手は初のPNL表彰台でしたが、今回ついにブレークの兆しを見せています。恐ろしい存在になりそう!?女子優勝はゴール手前500mに痛恨のショートだった吉川朋子選手。ホームエリアへの凱旋ゴールは次回持越しとなりましたが、今回も大健闘です。





N2Lは総合優勝の冨重選手、女子優勝の河野選手はお二人とも初戦富士山に続き2連覇!!そして、PNLは久しぶりの扇澤選手の優勝。女子優勝はもちろん吉川朋子選手!みなさんおめでとうございました。






Coo春のXC勝負は2戦ともに素晴らしいタスクが成立する結果となりました。春の気まぐれな天候の中、よいコンディションに恵まれたのは、万全の態勢で準備していただいたスタッフの皆様のご尽力につきます。ありがとうございました。

次は立山で勝負!楽しみですね。



2015CooXCカップ



                         レポート 宮田 歩
北関東平野、筑波エリアは春のXCシーズンは真っ盛り!「CooXCカップ」が茨城県エアパークCooで開催されました。

春の恒例となっているこの大会の魅力は、なんといってもシンプルなXCタスク!思い切りXCを楽しんでいただくために、主催者も万全の態勢で選手を迎えてくれました。これは選手もビックフライトで答えるしかありません!!まずは、おいしい朝食サービスでパワーを蓄積です。スタッフの皆さん、いつも早朝からありがとうございます。






初日21日。
早朝のテイクオフは強めの東風のため、受付後じっくり本部でブリーフィングを行いました。予報では南東風にシフトするに従い、風量は収まるだろう。そして、北上し栃木県に入るとさらに南風に・・・。これは典型的な筑波でのXCコンディションとなりそうです。

全員がテイクオフへ上がったころには風は収まり、上空の高層雲も薄くなってきました。順調に上昇するダミーパイロットを見て、コミッティはタスクを決定。PCLは東側エリア内、足尾山頂を起点に3周する14.5㎞(シリンダー間距離)。PNLはシンプルに北へ67㎞の黒羽ゴールが発表されました。










ウインドオープンとともにコンディションはさらに好転。テイクオフしていく選手から、もれなく上昇していきます。エラップスタイムレースとなったPCLは、地元Coo林選手がトップスタート!他のPCL選手を牽引していきます。そして、PNL選手はほぼ全員が12:30に一斉に空中スタート!

PNLトップグループを牽引するのは扇澤選手。最初の難関、高峰エリアを東側コースで単独突き進みます。やや後方の宮田、大澤選手は積雲ができ始めた西側コースを選択。







ぽつぽつとできる積雲を追いかけるように西側集団は北上しますが、積雲の下についたころには消滅・・・。なかなか雲底に抜けるような良いサーマルをつかむことができません。1200mの逆転層下を我慢のフライトつづけながら、ジリジリと北上していくしかありません。東側コースを単独突き進んだ扇澤選手は、茂木町手前に撃沈・・・。やはり単独は厳しかったようです。

ドラマがあったのは40㎞付近。稲見選手率いる烏山町西側ゴルフ場コース、高杉選手、大澤選手は那珂川東側の河岸段丘に集団は分かれます。最初にヒットしたのは東側!採石場で高杉選手が強烈なサーマルをヒット!すかさず大澤選手、中村選手が追従します。

一方、西側コースは周期的に形成される積雲下に渡来しますが、すべてスカ・・・。ジリ貧の高度で那珂川上空へこぼれ、弱いサーマルにしがみ付きます。地を這うように回し続けることで那珂川東側の河岸段丘へたどり流れ着き、やっとサーマルは立ち上がり復活。







残り15km、最初に1300mの逆転層を超えるサーマルをゲットしたのは高杉選手。一気にファイナルグライドヘ突入。下層の南風に上空の西風が乗り上がっていたようで、ほとんど高度ロスなく至福のグライディングです。そして、2位以下に6分もの差をつけてタスクを制止ました。2位は絶妙なファイナルグライドへの離脱を決めたTAK中村選手。3位は上げすぎてしまった宮田。その後、次々と15名の選手がなだれ込むようにゴール!女子トップは絶好調の吉川朋子選手!PNL初ゴールとなったKPS中島選手、寒風山向田選手おめでとうございます。

さて、渋かったPNL栃木県エリアでしたが、筑波エリアの好条件は続いた様です。トップスタートの林選手はそのまま先頭を守りきり、他の選手よりも1時間も先にトップゴール!50分のもちろん最速タイムを叩き出し貫録のトップ!スタートを遅らせた地元Coo北島選手は56分で2位。3位は宇都宮の田村選手です。オープンクラスも含め、8名の方がゴールを達成しました!






22日
快晴の朝。午後の前線接近に伴い寒気が流入、サーマルトップは1800mまで押しあがる予報となりました。こうなれば、PNLはやはり北上タスク!PCLも平沢ゴールが狙えそうです。

南西風が強まる前に、タスクは早めに決定、テイクオフでコンディションの好転を待ちます。西テイクオフからは、茶色い2層の逆転層がはっきりと見えます。予想以上に高気圧の動きが遅いのでしょうか。これは渋そうです・・・。








それでも、好転する予報にPCLは西側を周回した後北へ15㎞の平沢ゴール。PNLは82㎞の横岡ゴールが設定されました。10:30にPCLからウインドオープン。ダミーも上がらない渋いコンディションに、誰しもが待つ雰囲気でしたが・・。最初にテイクオフゾーンに入ってきたのはKPS清水選手。ファーストサーマルを確信しているかのように颯爽とテイクオフし見事ヒット!トップアウトしていく姿はまさに漢!かっこよかったです。それを見たPCL選手も続々とテイクオフしていきます。






11:30続いてPNL選手も次々とテイクオフしていきます。渋い西側で上げた選手は、すかさず東へこぼれます。弱いリーサイドとなった盆地内は、荒れたサーマルでしたが1000mまで押しあがり、何とかステイできます。ほとんどの選手が東側へシフトしてPNLは12:00に一斉スタート!

昨日以上に厳しいコンディションの中、レースは続きます。先頭集団は、難関の高峰エリア西側コースを選択し、単独先行していたリジットハングを追いかけます。そして、30㎞の茂木町にたどり着いたころには、やっと積雲が東の空に・・・。

高層雲はどんどん厚く、そして日照が弱くなるのですが、サーマルトップは1300mを超えるようになってきました。どうやら、上空に冷たい空気が入ってきたようです。順調に烏山を越えたころには、1000mの高度もしっかりとした南風に変わってきました。これはゴールできそうな雰囲気になってきました。

しかし、15時を過ぎたころ高層雲はさらに厚くなり、コース上はすっかりオーキャスト・・・。次々とランディングしていく選手の中、青木の吉田選手、立山のリーダー、扇澤選手、宮田が最後まで生き残り、何とか距離を伸ばしていきます。

残り10㎞でサーマル活動は完全に終息。残った高度を距離に伸ばすファイナルグライドとなりました。最後に弱いサーマルをひっかけ、手裏剣のように距離を伸ばした宮田でしたが、それも手前6㎞で終了し無念のランディング。横岡ゴールはかないませんでしたが、15名の選手が40㎞を越え、厳しかったXCタスクを楽しむことができました。



さて、PCLの戦いは!?午後になり、Coo西エリアは一瞬コンディションが好転!!サーマルトップは1900mまで押し上げられました。粘り切ったPCL選手はあっという間にエリア内を周回し、平沢ゴールへ!トップゴールを決めたのは地元Coo平松選手。勝負に出た宇都宮田村さんは痛恨の600mショート・・・熱いバトルだったようです。バーズ芦田選手は1900mテイクオフ上空から余裕のファイナルグライド。リフライトしたパイロットに幸運が残っていたようです。そして、初のPCL参戦となったエアロクルーズ小田選手は見事初ゴール!!と思われましたが痛恨のタスクミス。シリンダー順が間違っていたようです。それでも大健闘です。




PNL総合優勝は宮田選手が逆転優勝。初戦朝霧に続き2連勝となりました。2位は立山の中島選手。3位は青木の吉田選手。PNL女子優勝は宇都宮の吉川選手。吉川選手は総合でも5位に入賞されました。ここ数年の吉川選手の急成長ぶりは凄い!男性選手も負けてはいられませんね。

PCLは2日目トップゴールのCoo平松選手の初優勝。2位は八方尾根岡野選手。3位は宇都宮の田村選手。女子優勝は寒風山の籾山選手でした。みなさんおめでとうございました。











2日間XCカップにふさわしいタスクが成立することができました。次回は、4月11,12日に「CooSpringCUP」が開催されます。まだまだXCシーズンは続きます。安定しない春の天気ですが、良いコンディションが当たれば福島県国見ゴールにチャレンジしてみたいものですね。その時は、スタッフの皆さん回収がとっても大変かと思われます。よろしくお願いします!!



第12回 JPAパラグライダーカップ in 富士山


レポート 宮田 歩
2015年JPA競技会は朝霧から「第12回JPAパラグライダーカップ in 富士山」開催で幕を開けました。







前線通過後の17日は、朝霧エリアに強い北風が吹き込みエリア内は強いタービュランスコンディションとなりました。GinTeamテストパイロットのイドリスがダミーフライトしますが、とっても荒れてそう・・・。昼前には下層にも冷たい北風が吹き込み、残念ながらキャンセルとなりました。



午後からはYMCAにて、現在安全管理ツールとして進められているLivetrack24の講習会が行われました。藤野さんからは設定における注意点、WEB上での観戦方法がわかり易く説明されました。初めて設定される方もいましたが、無事にインストール完了。実際に通信テストまで行われ明日に向けて準備完了。安全管理に非常に有効となるLivetarckingに選手の皆様、ご協力ください。





2日目18日は、冬型気圧配置が徐々に緩む朝霧のベストコンディションとなりました。PNLはレース途中に、富士山頂から大きなシリンダーが設定されました。南北の花鳥山脈を往復する途中、平野部にあるこの大きなシリンダーをカットします。どの場所から、どの高さから狙うかが選択肢となりタスクのポイントとなります。N2Lは主稜線と陣馬尾根を周回するオーソドックスなタスクが決定しました。






難しい北寄りの風のため、テイクオフに苦戦された選手もいましたが全員が空中へ!そして、N2L選手はほぼ全員が西富士トップから一斉スタート!続いてPNLも長者トップ周辺からレーススタートです。




PNL序盤は、扇澤、宮田がそのスピードを生かしトップグループを牽引します。最北のさんじゅうTO周辺は北風が残り荒れていて、レベル2がコールされましたが、高さがあれば問題はありません。トップ集団は1回目の富士山15kmシリンダーも同時にゲット!一気に大倉ダムまで南下します。富士山からの15kmシリンダーを手前で取った選手は遅れてしまったようです。




やや低かった扇澤選手は長者尾根で低くスタック。その後、スローダウンして宮田、隅選手、大澤選手が先行。藤川選手、青木選手が追走します。そして、難関の2回目の富士山14kmシリンダーとなりました。

宮田は天子トップからコンバージェンス頼みの田貫湖上空へ!隅選手は長者トップから勝負に出ます。宮田、白糸の滝からは弱いリフト帯にヒット!そのまま流して14kmをゲットし、狙い通り陣馬へ突っ込みます。高圧線手前の南西面ではドンピシャりと荒れたサーマルをヒット!+7m/sのサーマルにしがみ付き1800mに達したところで勝負あり!そのままファイナルグライドに突入です。

宮田のログはLivetrak24から確認できます。http://www.livetrack24.com/track/430233
他の選手も同じページでSaerchしてみてください。トラックログはIGCファイルとしてダウンロードできます。これは便利!!





YMCAゴールには、すでに多くのN2Lゴールを決めたパイロットが見えます。N2Lトップゴールは九州エアハートの富重選手!2位は長野の林選手3位以下に10分以上差をつけダントツの速さだったようです。林選手は痛恨のスタートシリンダーミスをここまで挽回してのこのタイムは凄い!






その後、両リーグ選手は次々とYMCAゴールへなだれ込んできました。最終的にゴール者は、PNL25名。N2L17名。ゴールは笑顔で溢れ、ハードだったタスクをクリアーした喜びに沸きました。









詳しい結果はこちらから
PNL
http://jpa-pg.jp/11event/2015compe/pnl01fuji/report/result/pnl/pnl01_2.htm
N2L
http://jpa-pg.jp/11event/2015compe/pnl01fuji/report/result/n2l/n2l01_2.htm











2015年初戦は素晴らしいコンディションと難易度の高いタスクで、参加した選手の皆さんには満足いただけたことでしょう。そして、いつものようにスタッフの皆様ありがとうございました。次は3月のCooですが、XCタスクの中に、新しい試みのタスクを用意してお待ちしております。



宇都宮 Open Cup 2014


レポート 水沼典子
11月8日
 宇都宮の大会成立記録をまた今年から更新し続けるぞ~、と準備をしてきた今大会。週間天気予報は例によって刻々と変わっていくので気をもみます。そして迎えた初日は、青空の朝!

しかし、選手全員がテイクオフに上がった頃から南の方から徐々に雲の列が近づいてくるのがはっきりと見て取れます。それが来てしまったらサーマルはあまり期待できそうにありません。何とかみんながゴールするまで陽射しが持ってくれないかな。と、早め早めの展開で開会式もそこそこに、タスクはN2・チャレンジともエリア内は同じパイロンを周回し、チャレンジはメインランディングゴールの20.3km、 N2はその後今年から新設した北の大桑ゴールまでの34.3kmに決定し、10時15分ゲートオープン。




ゲートオープンと同時に次々と選手はテイクオフしていきます。しかし、時間も早いのでスティはできても獲得高度はせいぜい200m前後。しかもそれだけ上がれば良い方で、リフトは間欠的。




少し移動したり、沖のパイロンを取りに行ったりしたらあっという間に高度はなくなりランディングへ吸い込まれていきます。そうこうしているうちにすぐそこまで雲の列が迫ってきてリフトも弱弱しくなってきている…。




で、ゲートオープンから1時間くらいで一度全員が降りてしまい、半分以上の選手がリフライトに上がって行きましたが、12時前には無情にもあたり一面を雲が覆ってしまい、その後コンディションが回復することはありませんでした。


そして、ほとんどの選手が周回できずにランディングしてしまいましたので、気になるのは大会として成立するかどうか、というところ。この1本のフライトが成立することによってN2リーグは年間ランキングに計上される本数が3本から4本に変わり、順位もシャッフルされることになるようですが、はたして、結果は…?



なんと、N2はオープンクラス№7隅選手のみが6.5km(シリンダー間の実質フライト距離)をフライトしミニマムクリアーで成立、チャレンジは№517関根睦選手が唯一7.8km(GPSの距離)のフライトでダントツトップ、こちらもミニマムクリアー、成立です!今日は両リーグ合わせてミニマムをクリアーしたのはこのお二人だけでした。




ランディング場ではちょっとフライトに物足りなさを感じている選手のために、猪の丸焼き(今年は80㎏の巨体でした)や熊鍋、水餃子、石焼いもなどなどがふるまわれ、曇ってきて少し肌寒くなった体を温めていただきました。


そして18時からのウェルカムパーティではファイナル恒例、競技事業部鈴村氏による今年のリーグ戦を振り返っての総括や、ユニークな「○○王」の表彰が行われ、たくさんの方に表彰状が贈られ楽しい時間を過ごしました。鈴村さん、いつもありがとうございます!





11月9日
昨夜までもしかしたらフライトの可能性があるかも?と期待しておりましたが、朝起きてみるとやっぱり曇り空。そして時間とともに雨雲も接近してくる予報のため早々に本日のタスクはキャンセル決定、9時から閉会式&表彰式を行いました。

N2は隅選手がミニマムをクリアーしたものの点数は全員2点になってしまい順位がついておりませんでしたが、フライト距離で順位をつけ、宇都宮OPEN CUPとして表彰させていただきました。チャレンジは睦選手が文句なし総合&女子優勝です。皆様おめでとうございます!






その後、年間のリーグ表彰が行われ2014年のN2・チャレンジリーグは無事終了となりました。







大会開催にあたり、快くご協力いただきましたスタッフの皆様、JPA役員の皆様、エリアの皆様、いつも本当にどうもありがとうございます。
来年はチャレンジクラスの楽しい大会を開催する予定です。皆様のご参加をお待ちしております!



高嶺カップ 2014

レポート:鈴村 恵司(競技委員長)
フォトアルバムはこちら
【初日】

結果的には全員がゴール出来るようなコンディションにはならなかった。ゆえに15:00ごろのランディングは悔しそうな顔をしている選手の方が多い。でも多く選手の会話に中の「でも紅葉がきれいだったね。」という言葉は単に自分を慰めているだけというわけではなさそうだった。
地元のフライヤーですら「高嶺(たかね)の紅葉ってこんなにきれいだったっけ」というぐらいに、この日の高嶺山近辺の山々が紅葉により例年よりずっと鮮やかな赤色を湛えていたのは事実だ。




そんな紅葉の上を飛ぶタスクの設定は、N2リーグが44km、チャレンジリーグは28km、ちょっと長めの距離だ。(但しN2タスクのWP、B12の平谷ゴルフ場は800mシリンダーで実フライト距離36kmほどである。)どちらも高嶺山頂側の三角パイロンを周回した後に国道を西から東に横切り、ランディング側の三角パイロンを周回する設定である。

【N2リーグ】
D21→B25→B04→B03→B12→B04→B03→B12 →B04→B03→B12→B04→B03→B09→B18→B05→B09→B18→A42
【チャレンジリーグ】
D21→B25→B04→B28→B25→B04→B28→B09→B18→B05→B09→B18→A42

(快晴、風も強くない。サーマルトップも2000mを越える予報。1500m以上の減率がそんなに高くないことは判っていたけど、ちょっと無理してみたくなるじゃないか。)




11:30、N2リーグのウインドゥオープン直後の高嶺側のコンディションは“ややシブ”、強いサーマルを探してさまよう選手からはため息が聞こえそうだ。とは言え、探せばどこかにはリフトがあり、時に高層雲に弱められるとはいえ我慢していればじわじわと高度を稼ぐことも出来る。
そうして、まずはチャレンジリーグの選手達が高嶺側三角パイロン2周を終えランディング側へ移動し始める。(チャレンジ選手の80%以上が山側2周回をクリアしていた。)N2選手も時間はかけながらも高嶺側の4周(ゴルフ場3回!)をこなしランディング側へ随時移動し始める。(N2も半分以上が山側3周をクリア。)








そしてランディング周りが生き残りレースとなった。通常はむしろ高嶺側より安定しているランディング側がおそらくは風向き違いなどでリフトの発生時間帯が大幅に遅れてしまったのだ。
デパーチャーオープンが30分遅いとはいえ、短く周回数も少ないチャレンジリーグ選手は12時40分過ぎには早めにランディング向かっている。ゆえに、その殆どがランディング側三角を周回できずに終わる。唯一、地元の利を活かした(のかどうか?)河井選手だけが24kmまで距離を伸ばした。とは言えゴール者なし。タスクセッターは(筆者です。)大反省すべきだ。すいません。
N2リーグはゴール者が8名出た。メンター3の黒木選手もゴールしている。ランディング脇にある東方子(トーホーシって呼んでます)という小山からのサーマルは1時半近くになってやっと本来の調子が出てきた。その時点で空中にいた選手、或いは遅れて入ってきた選手はゴール出来たようだ。


リザルトはこちら


リードアウトポイントがついた選手をリードアウトポイント順に並べかえると上の表になる。
ゴールレースだから、この順番がおそらくランディング方面に移動した順に近いと想像できる。
星田選手、薬師寺選手は早めにランディング方面に入ってもなんとか粘ってタスクをコンプリート。それ以外の早めの移動の選手はランディング。リフトが盛り返し始めた当たりで田前(英)選手や麻生選手らが入ってきたのではないか。黒木選手はゆっくり確実の移動が、ランディング周りのコンディション好転とタイミングが合ったのではないか。
N2リーグは、呑村選手がトップ。おそらくランディング側でまくってフライト時間を短縮したことが効いている。ゴール順は薬師寺選手に次ぐ2番目のほぼ2時ジャスト。オープン参加の薬師寺選手はそれより3分早くゴールして全体でのトップになっている。

薬師寺選手はゴール後に高嶺側に戻りテイクオフのスタッフに手を振っていた。北東方向に南アルプスの向こうに富士山を見た人もいる。また、そこで起きた悲劇に哀悼の意を持ちつつも、見つけられたことのうれしさから複雑な気持ちで御嶽山の噴煙を見た選手もいる。そして、すべての選手が紅葉を楽しんだ。飛びガイがあったと何名かの選手の言葉が聞けた。タスク設定をしくじった競技委員長としては救われる言葉だ。

平谷村が誇る(?)温泉「ひまわりの湯」を味わってから集まった選手交流会の開始は18:00。鍋を囲んで、今日のフライト談議が始まる。
今日の成績上位者を讃えたあとは、「空ともパラグライダースクール」と「浜名湖パラグライダースクール」混成メンバーでのパフォーマンス。交流会は最大の盛り上がりを見せる。明日の予報は、曇りだったり、一時雨だったりとあまり芳しくはない。まぁ明日は明日。今日は楽しかった。今も楽しい。それで良いといったところだ。
交流会の様子はこちらから








【二日目】

となり村の浪合村は、全国で一番「星空の観測に適した場所」だそうな。当然、平谷村の星空もきれいだ。この夜、午前3時過ぎまではきれいな星空が続いていたそうだ。
しかし、朝起きた選手達を待っていたのは曇天の空。ここから先、レポートすべき内容はあまりない。もしかしたらの可能性を探して定刻通りにテイクオフに移動、どちらかといえばフライダウンの為のダミーを出した時点で霧雨のカーテンが平谷村を通り抜け、下山決定。




その時点では雨が上がっていて表彰式が屋外で開催出来たのは救いだった。表彰台に登れることを素直に喜ぶ選手達の中で、チャレンジリーグ総合優勝の河井選手のいかにも不慣れで落ち着かない様子が印象的だった。
これで宇都宮ファイナルへの招待選手や優待選手も決定した。年間チャンピオン争いも大詰めである。

「来年も開催することが出来たら、ぜひ参加お願いします。」主催者、実行委員長の片桐さんのしめの挨拶。ちょっと中途半端な案内だったがきっと来年も開催される。
来年はもう噴煙を吐かなくなった御嶽山が見られるだろう。当然、富士山は健在だろうし、高嶺山の紅葉もきっときれいに違いない。村全体がフライトエリアといったコンパクトな環境の中に大きな温泉施設もある。空ともPGSのパフォーマンスも恒例となっているかも知れない。
TO1570mhの日本屈指の山岳フライトエリア。競技フライトに最適とは言いにくい環境ではあるが飛び応えは保証出来ます。おそらく普段のフライトとは違う世界を味わうことが出来ます。皆様、来年、ぜひご参加を。

大会運営をサポートして頂いた開催エリアの「JMB中部パラグライダースクールとんびいず」の皆さん、愛知県から駆け付けてくれた「空ともパラグライダースクール」の皆さん、「浜名湖パラグライダースクール」の方もサポートしてくれました。ありがとうございました。