白鷹オープンカップ2014 大会レポート


                           競技事業部 宮田 歩
大会開催に合わせるように、天気が悪く不成立が続いていた白鷹エリアでしたが、今年に入り5月のPNLも米沢ゴールタスクが成立!そして今回も天気の心配をしなくて良いほどの安定した秋晴れとなりました。本来の白鷹コンディションを存分に楽しんでいただこうとスタッフも準備万端です。




20日(土)
快晴の朝!!強烈な放射冷却によって気温は10度を下回っているようです。これは寒い!長井、米沢のある置賜盆地はきれいな雲海に覆われています。そんな寒い朝でしたが、温かい朝食でお出迎えです。地元の新鮮な野菜を使われた朝食は、本当に美味しい!選手は充電完了。





受付が終了したら、さっそくテイクオフへ移動。テイクオフから見える朝日連山は朝日を浴びて神々しい・・・。クリアーな大気のおかげで、いつもより近くに見えます。何だか飛んでいけそうな気にさせてくれます。



白鷹エリアのシンボル、レーダードーム前で、開会式が行われました。実行委員長植木さんから「これがいつもの白鷹です!」とのご挨拶。続いて競技委員長神林さんからジェネラルブリーフィングが説明されました。

10:00までは北寄りの風が続きましたが、太陽の南中に従い南風のブローが第一テイクオフに入ってくるようになりました。今日の風の読みは、山形県全域の風は弱いため、午後には白鷹周辺に北東風と南西風のコンバージェンスが形成されるいつものパターン。

タスクは、N2L、PCLほぼ同一内容とし、後半N2Lは対岸のアンテナ跡地と豚小屋の往復が追加されました。タスクの種類はRaceToGoal。シリンダーハンデのあるN2L選手がPCL選手を牽引するシナリオが組まれたのです。





ダミーの上りが良くなってきたこともあり、いよいよ12:00ウインドオープン!選手は次々とテイクオフしていきます。途中フォローになるタイミングもありましたが、スタート時間にはほぼ全選手が空中に待機。クラウドベースは2000mに達しています!そして、12:45には新山平へ一斉スタート!!

先頭を引っ張るのは絶好調のウイングキッス星田選手と、オープン参加の藤川選手。そして、2014年N2Lチャンピオンの関根選手、立山のリーダーこと中島選手が追走。PCL選手もシリンダーハンデをうまく利用し、同じグループで駒を進めることができます。






タスク前半は白鷹山を中心に3角形を周回するコース。途中、誰が先頭なのか!?わからなくなる展開となってきますが、数名が西側対岸の尾根へトランジットし始めました。N2Lの藤川選手と星田選手です。完全にガチンコ勝負の様相、フルスピードでカッ飛んでいくのが見えます。続いて宇都宮とちおとめチームの呑村選手、吉川選手、関根選手がトランジット開始。予報通り、北東風と下層の南西風が見事にぶつかり、クラウドベースは2100mを超えています。このまま、バンバンのコンディションで順調に進むと思われましたが、ここで運命の分かれ道が・・・。

活発なコンバージェンスは、白鷹山周辺に積雲発達を助長し、すっかりオーバーキャストさせてしまったのです。雲底近くは強い吸い上げリフトがあるのですが、低いところは渋い・・・。そして、東寄りの冷たい空気がエリア内に流れ込み、大きなシンク帯になってしまいました。異変を感じ、晴れ間のある西側平野部へ出た選手は、悠々と雲底まで上げ切っているのですが、白鷹山に執着した選手は、皆さんランディングを・・・。明暗を分けました。









N2Lのトップ選手が次々とファイナルグライドするのを見送りながら、寒風山向田選手、Coo山本選手と八方尾根黒木選手は沖の晴れ間で何とか生き残り、最終レグへ。PCLでは唯一、KPS中島選手が至福のファイナルグライドへ。パレス松風を超えたファイナルグライドは、移動したコンバージェンスで上がり続け、ゴールで500m以上高度が余ったそうです。

最終パイロンを残してゴールできなかった選手も多く、もう少しだったのに!と悔しそうな選手にも笑顔が。ゴールできた選手もできなかった選手も、最高のコンディションに挑戦し、白鷹の空を楽しんでいただけたようです。






やっぱり良いレースができた夜のパーティは盛り上がります。見事ゴールを達成された選手は壇上で一言!特にN2L初ゴールの向田選手、黒木選手、山本選手は本当に嬉しそう。皆さん、おめでとうございました。笑顔の懇親会で、秋の夜長は更けていきます。


21日(日)
今日も快晴の朝です。移動性高気圧はさらに押し進み、昨日よりも安定した大気予報。サーマルトップ予報は1700mと低めながら、昨日の様なオーバーキャストの可能性は低いとの読みです。さあどうなる!?






タスクミッティは、両リーグ昨日とほぼ同じのリベンジタスクを設定。PCLは全員に9kmのファイナルグライドを経験してただこうと、周回数を減らしたショートタスクとされました。もちろん、今日もRaceToGoalです!




昨日よりも早くブローは上がり始め、11:20にウインドオープン。途中北風が入るタイミングはありましたが、第3テイクオフもオープンしていただき、選手はスムーズに空中へ!12:00のエアスタートには、昨日以上に選手が集まりました。慣れている選手はシリンダー風上の北側からアプローチ。一斉に新山平へGO!PCL選手も多くいます。いつもRaceのスタートはエキサイティングです。





今日もN2L選手がレースを牽引していきます。今日も白鷹山周辺は積雲がたっぷり・・・。雲底下は強い吸い上げリフトで回さなくてもドンドン上がっていくのですが、低いところはちょっと渋め・・・。これは低く走っては昨日と同じパターンになりそう。そんな心配も何のその、選手は前半のガンガンモードで低く突っ込んでタスクをクリアーしていきます。そして、PCLのトップ選手は、至福のファイナルグライドヘと突入。はるか荒砥ゴール方向へ消えていきます。






このまま順調に終わるかと思われましたが、13:00ごろから恐れていたオーバーキャスト発生。エリア周辺はやっぱり渋いコンディションに・・・。次々とランディングしていく選手を横目に、昨日の教訓どおり、沖出しをして生き残る選手もいました。N2Lの黒木選手とPCL地元白鷹の松田選手です。なんと松田選手は、日照を求め、はるか北西の豚小屋パイロン近くの雲底でコンディションの好転を待ちます。そして、再度エリア内が晴れてきたころに無事帰還。ゴールはできなかったものの、驚異の粘りを見せ健闘しました。低く突っ込んだN2L選手はほぼ撃沈・・・。生き残った黒木選手がしっかり距離を延ばし本日のN2Lトップとなったのです。

今日もエリア周辺のオーバーキャストに翻弄されたタスクとなりましたが、PCLで4名の方が見事ゴールを決めました。今回初PCL参戦である宇都宮の田村選手は初ゴール!おめでとうございます。





総合成績は、N2Lはウイングキッス星田選手が貫録の優勝!そして、PCLは2日間ともにトップゴールだったKPS中島さんの完全優勝となりました。2日間大きなトラブルもなく、ガッチリ飛べた白鷹エリアでしたが、これが本当の白鷹のポテンシャルなのです。参加していただいた選手の皆さんは、白鷹の良いイメージを持っていただけたことでしょう。












地元白鷹クラブ、そして大会ごとに駆けつけていただいたスタッフの皆さんへの恩返しも、良いタスクが成立し、満足していただいた選手の笑顔が一番だと感じました。PNLは置賜盆地を最大限に使ったビックタスク。そしてN2L,PCLはみんながゴールできる達成感のある荒砥ゴールタスク。また来年も白鷹でお会いしましょう。



第33回デサントバードマンカップ獅子吼2014

第33回デサントバードマンカップ獅子吼2014 競技委員長 扇澤 郁


 デサントバードマンカップは株式会社デサントの創業者故石本他家男様の郷里が、旧鶴来町だったご縁で、同社のスポンサードのお陰をもち33回の開催を重ね現在に至っております。現在は大阪と東京を本社とし、ゴルフ・スキー・野球・陸上・水泳などスポーツウェア全般の製造・販売会社として業績を伸ばし、オリンピック選手のサポートも行っています。毎年本社各部署より鶴来へ観戦においでいただき、鶴来のまちやスカイスポーツ関係者と交流を深めています。今大会もデサント社のスポーツウェアなどを多数ご提供頂きました。長年のご支援に心より感謝申し上げます。

 獅子吼高原山頂テイクオフは2013年7月末の豪雨により、斜面の土砂崩れの為一部が埋まってしまいました。今年は白山市による整備工事が進み、現在テイクオフは芝生の養生中です。今回の大会ではその芝生を選手のウエイティングゾーンとして一時使用を認めていただいたことで、テイクオフの運営、進行をスムーズに行うことができました。大変暑い時期の開催ですが、パラグライダーのクロスカントリーレースに必要となる上昇気流が豊富なこの時期に行うことにより、多くのゴール者を出すことができます。このたびの大会開催にこぎつけたことは、地元関係者のご尽力のたまものと心より感謝申し上げます。

大会一日目 8月2日(土)

 北は秋田、南は九州から集まった73名の選手が朝早くからランディング場横のスクール事務所に集合しました。
N2リーグはこの大会がグランプリ対象大会ということで、内容の濃いタスクを選手たちがこなし真の日本チャンピオンを決めるレースが期待されます。また、チャレンジリーグはこの時点でリーグ戦をリードしている池内選手が不参加ということもあり、リーグ戦上位を占める選手たちが後半戦に備えて得点を稼いでおきたいところです。





 選手たちは何時ものようにGPSにアップロードなど競技前のルーティーン業務を滞りなく行いました。選手全員にはデサントの大会オリジナルTシャツと北陸中日新聞社様・北陸電力様より記念品が参加賞として配布されました。

 9:30 獅子吼高原山頂広場で行った開会式は、スカイ獅子吼パラグライダースクール初瀬宗子実行委員長の開会宣言で定刻通り始まりました。そして地元白山市を代表して、白山市観光文化部観光課長 米林歩より歓迎のあいさつ、ご来賓のスカイ獅子吼支配人紺清美千子様より祝辞をいただき、獅子吼高原スカイレジャーエリア運営協議会副会長 車幸弘様、キリンビールマーケティング株式会社 営業部 浅見政和様のご紹介をしました。また北陸電力送電部 中川仁様からは、獅子吼周辺の送電線に関する注意のお知らせがありました。最後に参加選手を代表し、昨年度のチャレンジリーグチャンピオンの和田教義選手(京都)が元気に獅子吼の空を安全に楽しむ事を選手宣誓し、いよいよ2日間にわたるデサントバードマンカップが開幕しました。




 九州、四国地方に大きな被害をもたらしている季節外れの台風12号の影響で、梅雨明け3日の好天が期待され、夏に強い獅子吼高原なのですが、高層雲で空がおおわれた朝を迎えました。しかし、タスクコミッティーからは訪れるであろう晴天域を最大限に利用し、N2リーグにはグランプリ大会にふさわしくリフライトなしのスピードランタスクを、チャレンジリーグには今年から新設されたバーチャルポイントを使ったテクニカルなタスクが発表されました。
 高層雲で太陽の日差しが遮られ、上昇気流の乏しいコンディションでしたが予想通り午後1時に高層雲の切れ間が獅子吼高原上空に差し掛かり、N2クラスの選手から競技を開始。45名の選手が次々と獅子吼の空に舞い上がりました。1時30分チャレンジクラスのスタート時間が迫ってきましたが、再び獅子吼の空は高層雲に覆われ滞空するために必要な上昇気流の発生が十分とは言えません。N2クラスの選手たちは空中で何とか着陸しないように持ちこたえます。しかし、高度を落とし着陸を余儀なくされ戦線離脱する選手が現れた午後2時頃になって、ようやく2度目の高層雲の切れ間が鶴来上空にやってきました。この渋い時間帯をしのいだN2クラスの選手の一部は再びゴールを目指し始めます。そして、27名のチャレンジクラスの選手は、次々と獅子吼高原の空へ飛び出しました。
 タスク1は日照が少なくテクニカルなコンディションの中、両リーグともに風を読み、正確な判断を空中で下すことができたパイロットのみがゴールラインを切ることができる質の高い競技内容となりました。参加選手たちは、オープン参加のトップ選手たちと一緒に飛ぶことで技術を学びながら、この日のタスクをこなしていきました。そして、途中で着陸してしまい悔しい思いをする選手を横目に、感動のゴールを数名のパイロットが決め、この日の競技は無事成立することになりました。





 初日の結果が発表されるまで、大会本部前に設けられた特設テントでは、協賛をいただいたキリンビールの飲み物、地元の野菜やところてん、獅子高原名物の牛カレーなどが選手や関係者にふるまわれ、大会の余韻に浸りました。このレースはN2クラスのJPA日本グランプリ対象大会となっており、昨年のチャンピオン矢野選手からは、グランプリ杯の返還がありました。そして、今年のグランプリチャンピオンに一番近いのは本日ただ一人ゴールまで到達した亀山選手です。チャレンジリーグの結果は船津選手が16歳という若さで最速ゴールを決めこの日を1位で終了。船津選手は明日のレースでチャレンジリーグ2連覇がかかります。







大会二日目 8月3日(日)


 この日の天気予報は台風12号の影響で、北陸地方全体が強い南風に支配されるとのことでした。獅子吼高原に吹く風の特徴は、北陸地方がフェーン現象の時でも日本海から海風の侵入があり、エリア内では快適にソアリングできるところにあります。海風の侵入には日照が不可欠ですが、空は昨日に引き続き高層雲が広がっていました。
 大会実行委員会は、高層雲が晴れてくることにかけ選手をテイクオフへ集めました。今大会はJPAグランプリ大会に指定されており、チャンピオンを決めるためにはどうしてもこの日2本目タスクを成立させる必要があります。チャレンジクラスはリーグ戦2連覇のかかっている船津選手がリードを守りきれるか、それとも他の上位の選手が船津選手の2連覇を阻止することができるかどうか、選手からはタスク成立に期待がかかります。
11時過ぎ希望の太陽が顔を出し始めたタイミングで、両クラスともに昨日と同等のタスクが発表されました。
 競技委員長は、福井、富山の天気情報などを集め、何とか天気の好転を期待します。しかし、お昼を過ぎても競技の成立に必要不可欠な海風の侵入が認められず、タスクの成立は不可能と判断し、この時点でキャンセルを発表し、選手はフリーフライトとなってランディング場へとフライダウンしました。





 表彰式、閉会式は予定を早めて午後2時より、スクール前の大会本部テントにおいて、和やかな雰囲気の中開催しました。
伝統の獅子頭杯にはN2クラスの亀山選手(福岡)の名前が、歴代優勝者の一人として刻まれます。
 各クラス総合及び女子、団体の上位入賞者には、デサント社のウェアーの数々、キリンビール株式会社からビール、地元鶴来の特産品詰め合わせや地酒、北陸中日新聞社より優勝盾などが贈られました。
 チャレンジクラスでは、若干16歳の船津選手(東京)が優勝し、次は憧れの獅子吼杯奪取を狙っています。
 初瀬実行委員長より、歴史のあるデサントバードマンカップを長年ご支援いただいたデサント社はじめ白山市、地元関係各社の皆様と大会運営をささえてくれたスタッフの皆様に感謝し、第33回デサントバードマンカップは滞りなく終了しました。

実行委員長

初瀬宗子



競技委員長

扇澤 郁






成績

 

N2クラス入賞者   写真左上から

3位 陳永豊(石川県)   優勝 亀山正雄(福岡県)  準優勝 鈴村恵司(愛知県)

5位 小森さちよ(石川県)  5位 中井正人(愛知府) 4位 赤尾浩太郎(福岡県)



N2 EN/C以下クラス

優勝  陳永豊(石川県)

準優勝 赤尾浩太郎(福岡県)

3位   黒木紀章(長野県) 


N2クラス 女子

優勝 小森さちよ(石川県)

準優勝 星田苗月(静岡県)

3位 吉川朋子 (栃木県)


N2クラス チーム戦

優勝 あいちのひと

準優勝 とりあえずとちおとめ

準優勝 朝霧ともの会









チャレンジクラス入賞者 写真左上から

3位  吉田勝一(富山県)  優勝  船津俊貴(東京都)  準優勝 河井友児(長野県)

6位 中島義雅(神奈川県)  5位 中村裕昭(愛知県)  4位 須合嘉尚(埼玉県)


チャレンジクラス 女子

優勝   関根睦  (群馬県)
準優勝  八子文恵 (愛知県)
3位   高瀬美代子(石川県)

チャレンジチーム戦

優勝   獅子吼レッズチームA
準優勝  CKファイブ
3位   Team-C jr



オープンクラス

優勝 高杉慎吾 (広島県)
準優勝 大澤行英 (京都府)



 第33回目のデサントバードマンカップは、季節外れの台風が日本に接近する微妙なコンディションの中、選手の方々が普段の練習の成果を発揮され、難しいコンディションの中ゴールまで到達できた選手が表彰台の真ん中に立つレースとなりました。パラグライダーのレースは目に見えない風を読み目的地までいかに早く到達するかです。参加選手は、オープン参加のトップ選手たちのアドバイスを受け、実際のフライトを見ながら一緒に飛ぶことができました。デサントバードマンカップでは世界に通用するオブザーバー選手と、初めて競技会に参加するルーキーたちが一緒に空を共有しながら学ぶことのできる大会です。これから選手たちはリーグ戦を通じて日本各地のフライトエリアで活躍し、そしていつか世界の空に羽ばたいていく選手が出てくることでしょう。将来多くの日本人選手が世界で活躍することを、獅子吼からも応援していきたいと思います。



 夏の開催が恒例となったデサントバードマンカップ、おかげさまでタスクが1本成立し、無事全日程を終えることができました。長年地元鶴来のスカイスポーツ活動にご支援をいただいている株式会社デサント様、キリンビールマーケティング株式会社様、北陸中日新聞社様、北陸電力様、スカイ獅子吼・パーク獅子吼の皆様、白山市観光課の皆様、地元協賛企業各社様、そして全国からお集まりいただいた選手の皆様や、スタッフとして奔走したスカイ獅子吼パラグライダースクールと獅子吼レッズの皆様には心より感謝申し上げます。猛暑の中での開催となりましたが選手・スタッフとも元気に、無事大会を終了できましたことを心よりうれしく思います。
33回目となったデサントバードマンカップの長い歴史とご支援に改めて感謝し、デサント社のますますのご発展を心からお祈り申し上げます。選手の皆様、34回目の獅子吼へ、来年もまたぜひお越しください。ありがとうございました。

STAFF

初瀬宗子・扇澤 郁・岡田直久・日下部はく・森田 孝・竹田 亨・応矢政直・北口 勉

泉屋陽子・小森さちよ・高瀬美代子・橋場 優・鍜治口誠・渡辺俊一・越井秀夫・南 佳織

金子晴美・中村裕昭・辻 強・黒川 洋一・陳 永豊・金子外幸・吉田豊彦・中西伸一

スカイ獅子吼パラグライダースクール・獅子吼レッズ


2014栂池ジャパンカップ


レポート 宮田 歩
2014年JPA公式戦はシリーズ、1月PNL朝霧から毎大会ごとに成立し、本当に盛り上がっています。6月毎年よりも早めに梅雨入りした日本列島ですが、驚くことに栂池ジャパンカップ開催週末は前線が南下!みんなの意気込みが好天をもたらしてくれるのでしょうか!?雄大な北アルプスを背後に控えた栂池エリアでビックタスクが期待されます。

6月14日(土)
西から張り出してくる高気圧の動きは予報よりも遅れているのか、北アルプス東側に位置する白馬エリアのみが雲に覆われてしまいました。上空を吹く強い西風は、リーサイドとなる東斜面の対流を活発化させて雲の発達を助長しているようです。


受付後、開会式・ブリーフィングはエデン内で行われ天気の回復を待ちます。ウェイティング中には、初めて栂池エリアを飛ぶ選手対象に攻略法が説明されました。栂池エリアでは日本海側から進入する北風が要注意!サーマル活動の副産物で引き込まれるこの風をどうケアーして飛ぶかがカギです。盛り上がっているPCL選手の皆さん、真剣に聞いていただきました。


11:00雨は上がったものの、北アルプス主稜線上は、強い西風を示す傘雲にスッポリ覆われています。これは時間がかかりそうです。夕方フリーフライトは出来てもタスクは難しい・・・。残念ながらタスクはキャンセルが決定となりました。



選手は生坂エリアへフリーフライト組と栂池でのフリーフライトを待つ組に分かれ解散となりました。夕方にはクラブハウス内で懇親会が盛大に開催されました。選手の皆さんには明日への英気を養っていただきました。



6月15日(日)
朝から気持ちの良い晴れ。朝日を浴びた北アルプスの山は、素晴らしい景色となっています。上空の西風も弱まり、今日は期待できそうです。



9:00に飛び始めたバーズツアーの皆さんは、すでにソアリングを始めています。そして、スタッフ小林宙さんから2300mのクラウドベースをゲットした情報が入ったところでタスク決定。N2Lは小谷エリア⇔岩岳を大きく使う33.9km(シリンダー間距離)PCLは栂池エリア内を周回する19.8km(シリンダー間距離)が発表されました。


10:00PCL選手からウインドオープン。時折テイクオフ前がオーバーキャストするタイミングで風はフォローとなりましたが、選手は次々とテイクオフしていきます。いつもはゴンドラ尾根上でスタート前のガーグルが形成されるのですが、今日は背後で発達した積雲で大きく影・・・。いきなり渋くなってしまいますが、ランディングの周期的に日照が出るタイミングで何とか復活!沖にできたガーグルから選手はスタートしていきます。



N2Lの最初のターンポインとは小谷エリアのアルプス第10リフト山頂駅。小谷エリアの日照は十分。皆さん2500mのクラウドベースまで上げ切り、悠々と栂池エリアへ戻ってきます。しかし、栂池エリアは今だ完全オーバーキャスト・・・。北アルプス雪渓から吹き降ろす西風は強い下降気流を作り出し、あっと今に高度を損失してしまいます。


PCL選手もスタート前にランディング上空で稼いだ高度を、あっと今に使い切ってしまい無念のランディング・・・。オーバーキャストしているところあれば、晴れているところが周辺にあります。生き残った選手は何とか晴れ間にしがみ付き、雲が移動するのを待ち続けます。中には対岸の岩戸山に取り付く選手もいて、普段飛ばないところにパラグライダーが飛んでいるのを見るのも不思議。


13:00を過ぎ、やっとエリア上空の雲がばらけ始めコンディションは好転。リフライトの選手が2700mのクラウドベースをゲットし、さあこれから!!っというところで、心配されていた北風がバレーウインドとして進入してしまいました。冷たい北風がトリガーとなり、一瞬サーマルは活発になるものの、あと続きはせず選手はランディングを余儀なくされていきます。



こんな厳しい状況でゴール者はいませんでしたが、我慢のフライトで距離を伸ばした星田選手が27.3km飛んでN2Lダントツトップ。PCLはスタート前に唯一2500mのクラウドベースをゲットしていた船津選手がトップ!船津選手は八方尾根がホームエリアの若干16歳です。JPA最年少優勝記録となりました。将来が期待されます。ぜひ世界を目指してほしいです。



N2Lは星田真一選手の優勝!続いて準優勝も星田さつき選手!夫婦コンペティターとしてお二人は絶好調です。そして、注目すべきは4位入賞の関口選手。EN-C以下クラス優勝はもちろんですがN2クラスでも素晴らしい成績を残されました。



盛り上がっているPCL、立山の覇者吉田選手は2位。KPS中島さんは3位。今回は船津選手の若手パワーが優っていたようです。女子優勝の関根睦選手はPCL総合でも5位入賞と頭角を見せてきました。今年のPCLはだれが勝つか全くわからなくなりましたね。チャンスは全員にある。後半戦が楽しみです。



来年も、この6月初めに栂池ジャパンカップは開催していただけることとなりました。また皆様の挑戦をお待ちしております。最後に後藤校長をはじめ、栂池クラブ、スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。また来年も楽しい大会をお願いします。ありがとうございました。




2014立山らいちょうバレーカップ

競技委員:藤野 光一

 今年から5月開催となった「立山らいちょうバレーカップ」ですが、過去を紐解くと5月の大型連休中に開催されていたのです。立山エリアでは1989年から大会が開催されており、スキー場の名称が変わるまでは「立山ゴンドラカップ」として開催されていました。また、それ以外にも「立山マスターズカップ」、「立山ロッジカップ」、「立山オータムカップ」などと年に数回開催されていた時期もあり、実行委員長である関沢校長が発した「伝統の一戦」と言う表現も、あながち間違いではないと言えるでしょう。
 今年はナショナルリーグ41名、チャレンジリーグ31名、総勢72名の選手が春の立山に集っての大会開催となりました。


2014 All Japan in 白鷹


レポート 実行委員長 植木 亨

5月3日、
風が強い予報でしたが午前中は飛べそうな風に。開会式は山頂で行う予定にしてとりあえず移動してもらいました。テイクオフは南西の風が安定して1m吹いているし、雲の動きなどからまだ強まる様子なしと判断、大会はキャンセル。開会式は降りてからに変更して、希望者のみフライダウン、ほとんどの選手が飛びました。白鷹が初めての選手に飛んでもらえて良かったです。開会式のころから天気予報とおりの強風が夜まで吹いていました。
5時から歓迎パーティーを開催、今年も焼きたてピザや、地元の白鷹町の手打ちそばなどで盛り上がりました。



5月4日
朝から快晴、天気予報から午後競技出来ると判断選手スタッフみなさんで朝ごはんを食べてテイクオフに移動、ゆっくり準備を行い、タイミングをまちました。12時から風が弱まり、2時過ぎから競技が始まりました。
ナショナルクラスは米沢ゴール、チャレンジクラスは、エリア内三角2週の後荒砥ゴールになりました。遅い競技になかなか上げ切れない苦しいフライトになりました。ゴールは、三名。



5月5日
曇り空ですがわずかな陽射しがあり競技出来ることを期待して山頂まで移動、直ぐにタスクが決まり競技スタート、予想外の南東の風にサーマルは弱く流されて行きます。テイクオフも風が不安定になり大会はキャンセルになりました、
12時から閉会式を行い、入賞者には、サクランボを用意しました。また、米沢ゴールされた上位三名にはシャンパンファイトが行なわれました。



今年念願の米沢ゴールが出来てスタッフ一同喜んでいます。また来年お願いします。     
 トントンとんび、植木。