2014 CooSpringCup


レポート 宮田 歩
3月のCooXCカップに続き、XCシーズン真っ盛りの茨城県エアパークCooにおいてN2L初戦、PCL第2戦となるCooSpringCupが開催されました。2週間前には120kmのXC女子記録も更新され、選手の皆さんも大きな期待をもってエントリーです。さあビックタスクなるか!?

4月12日(土)
この時期には珍しく、上空に強い寒気を伴った前線が通過。高気圧に覆われているものの、上空の北西風が強い予報です。それでも、宇都宮から筑波エリアにかけては、日光連山にブロックされた風の弱いエリアが、いつもの様に午前中は居座ってくれそうです。


選手の皆さんには、Coo特製の朝食でお出迎えです。はるばる遠方から訪問の選手には本当にありがたいサービスです。朝からパワー充電完了!受付が終了したら、気合を入れてテイクオフへGO!


タスクコミッティは、これしかないというショートタスクを決定!N2Lは北へ5kmの燕山を取った後、思い切って八郷盆地内へこぼれ、真家と難台山を往復。そして新しいゴールとなる井上ゴールへ!28.6km。PCLは西テイクオフ前を前後に往復する18.3km。


上空の寒気のおかげか10:00には西斜面でもソアリングが可能。ダミーがテイクオフレベルでステイしていることが確認されたところでN2Lからウンドオープン!選手は次々にテイクオフしていきます。続いてPCLもオープン!


春特有のサーマルブローの合間を縫ってテイクオフしていきますが、皆さん苦労しています。テイクオフディレクターの岡田さんが千手観音のように鮮やかな手さばきで選手を送り出します。しかし、選手の皆さん岡田さんの手を借りなくても出られるように練習しましょうね。


N2Lレースを引っ張るのは地元Coo宮内選手と立山の中島選手!上がらない燕山に見切りをつけ、風の淀んでいる八郷盆地側へこぼれ、難台山南斜面で何とか上げ始めました。それを確認した選手はすかさず追走します。



真家⇔難台山の往復は、やはり鬼門!上げると上空の北西風に阻まれ、なかなか難台山が取れません。中には逆転層を突き抜け2500mまで上げた選手もいましたが、上げれば上がるほど北西は強くこれは大変です。何とか難台山をクリアーした選手は、八郷盆地東側の採石場へ!荒れた強いサーマルでしたが、しっかり上がり、平野部へGO! ゴール手前友部町からは素晴らしいサーマルが上がっていて、ファイナルグライドは上がりながらゴール。中盤厳しいコンディションでしたが、12名の選手が見事ゴールを決めました!ゴールではCooクラブ員の井上さんがお手製の肉まんを振舞っていただきました。うれしー!美味しーい!井上さんありがとうございました。



PCLはやや強めの西風で、サーマルは崩れ難しいコンディションとなってしまいました。そんな中、KPS中島選手と八方尾根岡野選手が13kmを飛んで1,2位。西側でのタスクは難しいですね。



帰着された選手には、Cooキッチン部のお手製中華でパーティ!巨大鉄板で焼かれた餃子は大好評でした。いつもおいしい手料理ありがとうございます。明日へのパワー蓄積です。


4月13日(日)
完全に高気圧圏となり、今日は風も弱く南風。絶好のXC気象予報が出ました!N2Lは北へ82kmの横岡へストレートゴール!PCLもエリア内を回って、北へ13kmの平沢ゴールのミニXCタスク。そうはいってもPCLとしては27kmのビックタスクです。予報は十分良いのですが、ビックタスクだけに選手はドキドキワクワク。しっかりと注意点が確認され、さあウインドオープン!



まずはPCL選手からテイクオフです。東斜面は10:00すでにコンディションは整っており、テイクオフした選手から次々と上昇。順調にパイロンを回っていきます。続いてN2L選手もテイクオフ。今日はストレートゴールなので慌てず、スタートです。



エリアから離脱する燕山上空において、既にサーマルトップが2500mを超えています!しかも上空も風は弱く、北に向けても40㎞/hは出ます。これは順調です。本来最初の鬼門となる高峰周辺においては、さらにサーマルトップは2800mへ。あげきって横岡ゴール方向を見ると、さらに高い積雲がランダムに形成されています。これは凄い!


N2L最終組が高峰へ到達するころには、早いPCL選手が次々と平沢ゴールに到達していくのが見えます。トップゴールしたのは地元Coo北島選手!続いて第1戦のチャンプ池内選手。同じ青キノコチームの林選手と桜井選手も続いてゴール!絶好調山岸選手、そしてJPA最年少選手16歳の船津選手も見事ゴール!ビックタスクを9名もの方がゴールされました。


さて、ほっと一安心しながら、N2L選手はさらに駒を進めます。N2Lをリードしたのは今日も立山リーダーこと中島選手とダブル吉田選手。続いてTask1女子トップの岡本ヒロコ選手。素晴らしいコンディションでしたが、あんまりとばすと筑波XCでは禁物です。そしてやはり南風を追い越してしまいトップ集団は50kmの馬頭町周辺へ撃沈・・・。


烏山を超えると、予想通り那珂川に沿って進入した南東風と栃木県平野部をふく南風が作り出すコンバージェンスラインが南北に形成されていました。クラウドベースはすでに3000mを凌駕しています!!2つあった雲の列は那珂川東側の山岳コースと西側平野部コース。正木選手は西の平野、藤川選手は山コース。オープンクラスの2人がレースをけん引します。今日はハンググライダーのオープンディスタンス大会も開催されていて、どんどん先行してくれるため良くリフト帯がわかります。

過去、経験したことのないようなスーパーコンディションを楽しみながら、レースは続きます。そんな中、最後尾から低い高度を直線的に攻めるグライダーがありました。宇都宮の吉川朋子選手です。先行している選手がコースを迂回しながら雲まで上げているのは気にせず、まっすぐフルスピード!中盤グループはあっといまに追い抜かれ、そして、見えなくなっていきました。



横岡ゴール周辺は14:30ごろから南東風が到達。地表に吹いていた北西風とぶつかり素晴らしい上昇風帯となっていました。クラウドベースは3500mを超えています!!トップゴールした正木選手、続いて藤川選手も楽々ゴール。ゴールライン上空で高度は何と2700m。ところが、ほぼ同時間、はるか低くゴールカットする青いグライダーがいます!!最終スタートの吉川選手は驚異の追い上げを見せていたのです。本人は体調が悪く早く降りたかったそうですが、とにかく凄い!3時間23分のぶっちぎりのタイムでタスクトップを飾りました。


16:00のタスクストップまでスーパーコンディションは続き、後発グループも続々と横岡へ到達です。みなさん高すぎてゴールスタッフからゼッケンが見えないほど・・。筑波XCは初めてだった、立山関口選手、バーズ河野選手、SSA松尾選手もゴール手前まで飛べて大満足。4時間を超えるフライトにみなさんよく頑張りました。


82kmのビックタスクでしたが、20名もの大量ゴール!ほとんどの方がXC自己最高記録だったそうです。ゴール車のマイクロバスは選手で満杯。みなさんの笑顔も満杯です。おめでとうございました。



遠いゴールのため20:30から閉会式スタート。PCL選手の皆様、本当にお待たせしました。N2L総合優勝は2日間見事ゴールを決めたウイングキッス朝霧の大塚選手!女子優勝はTask2総合トップの吉川選手が逆転!PCL総合優勝は池内選手が初戦に続き2連覇!女子優勝はこちらも絶好調山岸里子選手です。入賞された皆様、おめでとうございました。


伝説のスーパーコンディションで幕を閉じたCooSpringカップでしたが、選手の皆さんには大満足いただけたことでしょう。朝早く朝食サービスから、ツリーラン回収、そして遅くまでの運転。スタッフの皆さん本当にと疲れ様でした。こんな素晴らしい大会となったことを本当に感謝です。

次回の大会は5月3日から山形県白鷹エリアで開催です。春の素晴らしいコンディションでお会いしましょう。目指せ米沢ゴール!        レポート 宮田 歩



2014PNL第2戦 CooXCカップ

春の北関東平野でのクロスカントリータスクが期待されるCOOクロカンカップは、春分の日を含む3連休に3名の海外招待選手が出場する中盛況に開催されました。 2014シーズンのJPAナショナルリーグ第2戦(グランプリ対象大会)、チャレンジリーグ第1戦が併催されたこの大会には全国各地から大勢のパイロットが集まり、ビッグタスクの期待感がうかがえます。しかし季節外れの強い寒気が上空に停滞し風が強くなる予報の中、タスクコミッティーは2日目に絶妙なタスクを設定し、両リーグともにデイクオリティーの高い、成績優秀選手にとって満足のいくレース展開ができたようです。それでは両リーグともに、いろいろなドラマが繰り広げられたようですので、簡単にレポートさせていただきます。 レポート(扇澤 郁)



(大会初日)
 全国各地から集まってきたパイロットたちは、朝早くから準備をしてくれたキッチンスタッフからの暖かい朝食サービスで、長旅の疲れをいやしました。野外は冷たい風が吹き、ショップ内で行われた開会式では昨年のグランプリチャンピオン藤川稔選手、小森さちよ選手から優勝カップの返還式が行われグランプリ大会の雰囲気が盛り上がります。その後、競技委員長の辻強からタスクキャンセルが発表され、予定されていた招待選手からのセミナーが開催されました。


デニスコルテラ(フランスチャンピオン3回、コルテラデザインのオーナー)からは、パラグライダーでのスピードTOフライ(マクレディーリング理論)理論を、セールプレーンやハンググライダーとの性能差を踏まえながら、大変わかりやすい図解と例題で紹介されました。シモン(フランスチャンピオン3回、ニビウクのテストパイロット)からは、若くしてフランスチャンピオンにるまでの過程で何が大切だったかなど非常に興味深い内容の話が聞けました。さたに、シモンからはパラグライダーを安定して飛ばせる方法、デニスからは実際にシミュレーターに乗った状態でパラグライダーを安定して飛ばせるための実践練習が行われ、選手の皆様は今まで考えてもみなかった積極的な飛び方をイメージして明日予想されるタスクに備えることになりました。



(大会2日目)
 朝から快晴。風予報は徐々に西風が強くなるとのことで選手は8時のシャトルに乗り込み西テイクオフへ移動しました。サーマル予報は南西風と北西風のコンバージェンスが常陸太田方向に伸びるとのことでナショナルリーグはターンポイントが2つのエラップスタイムレース、チャレンジリーグは湾内を回るスタンダードなタスクが組まれました。
 10時20分にナショナルリーグのゲートが開き、選手は次々と快晴の空に舞い上がっていきます。10時50分のデパーチャーオープン時間には10名ほどの先頭集団が、少し遅れてさらに10名ほどの集団がスタートを切ったようです。先行組はコンバージェンスが形成されるのをじっくり待ちながらゆっくりコマを進めます。後発組の選手は先行した選手の動きを観察しながら最速タイム狙いの速度重視のフライト。お昼過ぎにはしっかりとしたコンバージェンスラインが掲載され、昨日のセミナーで学習した通りにアクセルを踏みながら翼を安定させゴールを目指します。アップダウンの厳しいコンディションの中、ゴール手前のシンクにはまり残念ながらゴールラインを切ることができなかった選手も含めてこの日は少しでも速くゴールラインをカットするために頑張ったレースとなりました。総勢40名に上るゴール者を出したファーストタスクはクロカンタスクではありましたがしっかりとしたスピードレースでグランプリ大会にふさわしいものとなりました。ゴールに真っ先に到達したのは先頭集団から抜け出した京都バーズパラグライダースクールの校長大沢選手と浜名湖パラグライダースクールの校長青木選手。若き校長たちが頑張ったレースとなりました。
 チャレンジリーグは湾内で行われ、風が強くなりタスクストップとなるまで6名の選手がゴールする良いレースとなったようです。トップゴールは昨年大会初参戦で初優勝かと思われた(GPSのトラッグログが取れていなかった)池内選手がリベンジ達成です。





夕方には、ポーランドからの招待選手フィリップが行っているアドベンチャーフライトの紹介があり、パキスタンカラコルムで取られた絶景ムービーを見ながらゆっくり夜が更けていきました。


(大会3日目)
 天気予報では1500mの風が強く吹きタスクを行うには難しいコンディションでしたが、観天望気でのかすかな望みにかけてタスクが発表されました。昨日同様久慈川方面へのクロカンタスクでしたが早めのゲートオープン。しかし、数名が上空へ飛び立ったところで強いガストがテイクオフへ吹き込むようになり、競技委員長からは安全策を取りタスクキャンセルのコール。残念ながら今年のCOOクロカンカップはこの時点で終了となりました。




4月12,13日はN2L1戦、PCL第2戦となるCooスプリングカップが開催されます。N2L,PCLですが、南風となると、それぞれXCタスクを用意しております。

ぜひ春のXCフライトを楽しんでください。スタッフ一同お待ちしております!


2013 四国三郎ジャパンカップ レポート

2013四国三郎ジャパンカップ
                      レポート 大会実行委員長 宮田 歩

2013年PNL最終戦となる四国三郎ジャパンカップが徳島県美馬市三頭山エリアで開催です。11月という1年で最もサーマル活動が弱くなるこの時期ですが、ここ三頭山エリアは、紅葉した落ち葉が巻き上がり強烈なサーマルが発生することで知られています。


大会前までのPNLランキングは藤川選手、高杉選手、只野選手の上位3名の点差は僅差!!この大会で2013年チャンピオンが決定することになります。今回は移動性高気圧に覆われ、安定した天候が期待できるだけに主催者も安心。さて、果たして栄冠は誰の手に!?


11月23日 Day1
上空には寒気を伴った北西風が残り、下層のエリア内は風が弱い!と三頭山ではベストコンディションが期待できます。快晴の朝!受付前から選手のみなさんは気合十分です。


今回は、周辺スクールからバーズ,TAKJMBコスモス。そして遠く山形から植木校長率いるとんとんトンビPGSが応援に駆け付けていただきました。スタッフも混成チームですが、チームワーク良く選手の皆様を受け入れる体制を整えます。


開会式には、四国電力から注意喚起の説明をいただきました。パラグライダー競技会も地元の理解と協力なしには成功しません。本当に感謝です。ありがとうございます。


上空に広がった、寒気の雲の影響もあり、ダミーも順調に上昇。タスクコミッティは吉野川南斜面を大きく往復し、四国三郎の里ゴールの49㎞(実距離)のレースを決定しました。

ウインドオープンとともに選手は次々とテイクオフしていきますが、コンディションの好転とともに、テイクオフの風は不安定に。時折フォローになる風の中、何とか選手全員無事テイクオフ。



スタートから先頭グループを引っ張るのは、X-alpsパイロット只野選手とPrePWCインドネシアチャンピオンの廣川選手。集団が2人を追いかける形でレースは進みます。


予想外に強かった上空の西風は選手の西進を阻みますが、しっかりあげ切り北側の山を回った選手は確実にタスクをクリアーしていきます。そして最終パイロンのB19鶏舎でトップ集団は一度リセットされたように見えました。残り、四国三郎の里へのファイナルグライドは、力いっぱい西風のアゲンストです!さあどうなる!?


サーマルが上がりきる前に、離脱!真っ直ぐゴールに向かったのは廣川選手。やはり向かい風に阻まれどんどん高度を損失していきます。これは厳しそう・・・。その後方から只野選手が追いかけますが、北寄りの風に変化した風向きを感じ、すかさずコースをさらに平野部に変更します。北寄りの風は山際では吹き降ろしますが、平野部で再び上昇風帯を作り出します。その上昇帯に乗り上げサーフィンのようにグライドさせた只野選手は見事ファーストゴール!後続の選手も同じく平野部コースで次々とゴールしていきます。この日のゴールは6名!廣川選手は無念の500mショート・・・。でも素晴らしいアタックでした。

11月24日 Day2
今日も快晴の朝です。昨晩の放射冷却から吉野川にはしっかり逆転層が形成され、ブレークするには時間がかかりそうです。

短いサーマルタイムを考慮し、33㎞のミニマムタスクが設定されました。今日のゴールは三頭山から西へ12㎞に位置する三三エリアランディングです。コンディションが整う前にウインドオープンとなるため、エラップスタイムレースが選択されました。


ダミーもギリギリステイのコンディションに皆さんテイクオフを躊躇していましたが、廣川選手、小森選手が上げ始めたのを見て、選手は一斉にゲートへ押し寄せます!安定した東風のため今日のテイクオフはスムーズに。


デパーチャーオープンとともにスタートしたのは、TASK1の覇者只野選手。その後を廣川選手、中村選手、長島選手が追う形。下層の東風を如何に攻略し、東にあるB21三角点をクリアーするかがポイントとなりました。


テイクオフよりも高い高度でのサーマルは活発。一方低いところは東風バレーウインドが強いと三頭山らしいコンディション。西方向の風下レグは真っ直ぐ行った方が早そうですが、一発低くなるとバレーウインドにつかまってしまいます。


只野選手は率いるトップ集団は、セオリー通りしっかり高度を稼ぎ山回りと迂回コース。時折、直線的にターンポイントを狙うグライダーも見えますが、果たして・・・。

終始リードした只野選手は、あっという間にさんさんゴールへ!そして後続グループも次々とゴールへファイナルグライドしていきます。最後まで粘りのとびで生き残った亀山選手も見事ゴール!総勢22名の大量ゴールで2013年PNLは締めくくられました。


タスク距離以上に難易度が高かったタスクでした。結果は只野選手1000点かと思われましたが、922点。これは、浜名湖の青木選手が1時間19分とトップより5分も速いタイムだったからです。青木選手の攻撃的なフライトはお見事!ブラジルでのPWCスーパーファイナルもこの調子で頑張ってください。3位はセカンドゴールと決めたTAK中村選手!水沼選手は女子唯一のゴールでした。ゴールした選手のみなさんおめでとうございます。


総合優勝は2日間ともにタスクトップ完全優勝となった只野選手。2位には藤川選手。3位は正木選手。女子は水沼が優勝!2位は吉川選手。3位は小森選手でした。そして、2013PNL 年間ランキングも決定。大接戦を制したのは今大会の覇者、只野選手。惜しくも2位は藤川選手。3位は高杉選手でした。女子は小森選手がうれしい初優勝!2位は水沼選手。3位は吉川選手です。入賞された皆さんおめでとうございました。


2013年四国三郎ジャパンカップは2日間成立し、2013最終戦にふさわしい素晴らしい大会となりました。大会を支えていただいたスタッフの皆さん、お疲れ様でした。来年も四国三郎ジャパンカップは続きます。選手の皆さん、また三頭山でお会いしましょう。

ありがとうございました。



宇都宮Open Cup 2013 レポート

宇都宮Open Cup 2013 レポート
実行委員長 水沼 典子
11月9日
週間天気予報も高気圧圏内でばっちり、前日までの天気予報でもばっちりな大会初日。選手の皆さんも全国からお集まりになり、受付開始~30分でほとんどの方が受付終了となりました。2013年最後のファイナルタスク。皆さんの楽しみにしていた気持ちが伝わってきます。


ところが…。選手全員がテイクオフに上がりきるころにはそれまで青空だった空が一面雲に覆われることに。しかし、これは一時的なものでまた青空になる、陽射しが少しでも出てくれればレースはできる、と信じて長いウェイティングがスタート。う~ん。地上の風もほとんど動きが無く対流が起きてこない感じ。


12時頃数名フライトするも穏やかにランディングに降りてきます。それでもときどき薄日が射すタイミングがあるとちょこっとソアリング。そんなタイミングがあればゴールできる、という期待をこめてN2は20.5㎞、チャレンジは12.8㎞のタスクが組まれ13:10ゲートオープン!そしてテイクオフした選手はわずかなリフトを求めて粘りますが、残念ながらミニマムをクリアーした選手はN2・チャレンジともおらずこの日は残念ながらまさかの不成立、となってしまいました。


大会成立間違いない天気予報だっただけに残念な気持ちが強くなってしまった今日のフライトでしたが、ランディング場では猪の丸焼き(!?)や水餃子などで冷えた体を温めてもらいました。


そして18時からのウェルカムパーティではファイナル恒例、競技事業部鈴村氏の力作、総移動距離王、総エントリー数王、などなどユニークな「○○王」の表彰が行われ、たくさんの方に表彰状が贈られ楽しい時間を過ごしました。


■11月10日
昨夜までフライトの可能性があることを信じておりましたが、朝起きてみると霧雨。そして時間とともに寒冷前線が接近してきて雨・風ともに強まる予報のため本日のタスクはキャンセル決定、9時30分から閉会式&年間の表彰式を行いました。


表彰式では宇都宮OPEN CUPで用意していた賞品を年間入賞者の皆様の副賞とさせていただきました。2013年のリーグ戦を戦ってきた入賞者の方々の笑顔を拝見すると、来年はぜひファイナルタスクを宇都宮で決めて、さらに良い笑顔で1年を締めくくっていただきたい、と強く思いました。また、チャレンジリーグの参戦者数はここにきて増加している、とのこと。きっとこれからのリーグ戦を盛り上げていってくれると思います。


今回は不成立となってしまった今大会ですが、成立を信じてご協力いただきましたスタッフの皆様、JPA関係者の皆様、いつも本当にどうもありがとうございます。
また来年からあらためて、連続大会成立記録更新に向けて皆様をお待ちしております!



高嶺カップ2013レポート

レポート:競技委員 鈴村恵司

フォトアルバムはこちら
【初 日】
世の中が自分の思い通りになるなんてこれっぽっちも思っちゃいないが、何もここまで悪い方向にならなくてもいいんじゃないか。10月19日の長野県南部に位置する平谷村に深夜から早朝にかけて集合した選手達の思いはこんなところか。一週間前には晴れ予報がだんだん曇りに変化して、最終的な当日の朝は小雨の状態。さてどうしたものか。
8時に受付が開始され、開会式、ジェネラルブリーフィングを大会本部の平谷スキー場で行い10時30分までウェイティング。何か当てがあったわけではない。むしろ雨雲の動きの予測では、13時過ぎないと雲が切れない予報であった。



ところが、10時を過ぎて雨が止んだと思ったら薄日もさしてきた。さて入山。選手は高嶺山のテイクオフへ移動を開始する。
テイクオフで待っていたのは強めの東風。フォロー気味のサイドの風でウインドダミーすら出せない状況である。
毎年恒例の大会開催とはなっていないがここ高嶺山での競技の歴史はそれなりにあり、当然、何回かは東風のコンディションで成立した経験もある。それをもとにしたタスクを想定して、南に下がった雨雲(あるいは高層雲)の影響が少なくなり、日射と気温上昇が期待できる午後を待つ。結論的には、このタスク想定はコンディションには合致しなかった。いつもの南東風よりもより東成分が強く、また、当たり前であるが予報にはなかった雨上がりで気象予報にあった1700mまでの雲底(?)は期待するのは間違っていたというところか。ちなみに、この高嶺山、テイクオフは標高1550m辺りとなる。

13時30分にN2からウインドオープン。南南東に向かう国道を越えてランディングに向かう尾根を南北に往復するタスク。東風なら尾根が風を受けるはず。しかし、テイクオフから南下した位置に設定したスタートパイオンを取ってテイクオフ側に戻ってこられたグライダーはいなかった。
むしろスタートパイロンとランディングの間の平谷村の盆地上で多くのグライダーがソアリングを行っていた。グライダーの動きから読み取れる風向きは、かなり北東よりと見える。ランディング周りでパイロン設定したら成立したかも。
それも14時30分すぎのランディング周りに小雨ありの連絡でジ・エンド。タスクストップ、ミニマム距離を飛んだ選手のいない状況では、実質キャンセルである。



ウェルカムパーティは盛り上がったようだ。スカイトライ、愛知県のパラグライダースクールの面々の活躍はフォトアルバムを参照あれ。
こちらになります。
パーティだけでなく、テイクオフのサポートを中心にスタッフ役も務めて下さった。静岡県の浜名湖パラグライダースクールにも協力頂けた。タイカイを開くということ、パラグライダーに係わるいろいろな人々が集う場を提供すること。マラソン大会のように、自転車大会のように、多くあることに越したことはない。その効果がすぐに表れるわけでないが地道な努力がその社会そのものを支てゆく。

【2日目】
朝から本格的な雨。当面止みそうもない天候予測情報。タスクキャンセル。高嶺カップ2013は不成立となった。チャレンジリーグの日本グランプリは次回の宇都宮オープンカップ2013へ持越しとなった。
今年、PWCおよびプレPWCで活躍中の廣川選手にセミナー形式で近況報告をお願いした。ここのところアジア地域でのプレPWCが活性化しているとのこと。ちょっと頑張ってみようかという思いを持った選手もいたかもしれない。
ジャンケン大会で賞品を分配して大会終了。今年も大詰め、次はファイナルイベントである。N2は今のところ4タスクしか成立していない。チャレンジもグランプリでタスク得点が1.1倍となる。年間順位は宇都宮大会の成績が大きく影響しそうだ。
では皆様、スカイパーク宇都宮でお会いしましょう。