ジャムリゾート サマーカップ2011 大会レポート

開催地:スキージャム勝山
レポート:廣川靖晃


 一週間にわたって秋雨前線が日本列島に停滞する中、気合で雨雲を吹き飛ばそうという選手達が
スキージャム勝山に集まりました。

<8日27日>
 大会前の段階ではあまり期待できない予報でしたが、いざ現地についてみると青空が広がっています。
フォローとなる東風予報も白山がブロックしコンディションは上々。
 選手達は時間通りに受付を済ませ、すぐにテイクに上がりました。テイクに上がって直ぐは雲低がテイクレベルで低いものの昼に向けて雲低が上がれば、十分タスクは出来そうです。しかし、気温減率の良さからかテイク前にはどんどん雲が広がり、見る見るオーバーキャストして行きます。
 それでも堀校長のウインドダミーは、日射が無いなか、しっかり上昇して雲低に到達。
雲低は+100m程と低いもののタスクは出来そうです。

「これは行ける!」

直ぐにタスクが発表され、選手達に緊張が走ります。
 しかし、テイク前は完全にオーバーキャスト。ウインドダミーが上がったとは言え30分は経過し現在リフトがあるかは分かりません。しり込みする選手が多い中、腕に覚えのあるナショナルリガー達は臆する事無くウインドオープンと同時にテイクオフ。弱いリフトを技術でつかんで少しづつ上昇していきます。それを見て他の選手達も続々テイクオフ。グライダー数が増えるとリフトの位置も分かりやすくなり、ほとんどの選手が雲低に付けてスタートを待ちました。
 スタート後も雲低は上がりませんが、リフトはしっかりあります。先頭集団は、雲低に付けながらどんどん先へ先へと進んでいきました。
 しかし、12時過ぎにドラマが待っていました。さっきまではあったリフトが消滅。
ほとんどの選手がランディングを余儀なくされる中、生き残った高杉選手がN2リーグで一位となりました。
 その後は一気にコンディションが好転しリフライトの選手達は続々ゴール。チャレンジリーグは、ベストタイミングでリフライトした大賀選手が一位となりました。
 夕方からは、長島氏による気象に関するベーシックセミナー。そして、バーベキューパーティーと続き、予想外に良いコンディションの中、大会が出来た選手達は大いに盛り上がりました。


<8日28日>
 大会二日目の朝はオーバーキャスト。雲低はテイクオフレベルより高いものの日射はありません。
それでも、タスクはやれると信じて選手達は朝早くから受付に並びました。
 選手達の祈りが通じたのか、テイクに上がるころには雲は取れ、日射が降り注いでいます。雲はポコポコと浮かび、雲低は昨日より数百メートルは高そうです。
 テイクでタスクコミッティー達は、最高のコンディションを想定し、N2リーグでは昨日より10km程タスクを伸ばして、一斉スタートのゴールレースを発表。
 ウインドオープンも早められ、選手達は続々テイクオフしていきます。11時30分のスタート前には、すべての選手が1400mの雲低に取り付き大きくガグリング。その様子はまるでワールドカップの様でした。
 スタート後は当然の様にスピードレース。トップグループの選手達は踏めるだけアクセルを踏み込んで次ぎのパイロンへと突き進んで行きます。
 結果は、コンペ機でのオブザーバー参加の稲見選手が一位。N2リーグではまたもや高杉選手が一位。チャレンジリーグでは、昨日トップだった大賀選手が二位以下に10分以上の差を付けて一位。
 総合では、N2リーグ高杉選手、チャレンジリーグ大賀選手は二日とも一位の完全優勝となりました。

二日間とも最高のコンディションで大会を行うことが出来、大満足のジャムリゾート・サマーカップ2011となりました。


8月25日 大会5日目

今日も朝から快晴の朝です。
発表されたタスクは90.4km、Goal to Race.

スタートまでの待機は雲底に選手がひしめき合います。

そしてスタート時刻が来ると選手は一斉にグライドしていきます。
海外選手のスピードに圧倒されながらも今日こそはゴールしなければと必死に飛ばします。

やや低くなって上げ遅れる場面がありましたが4本目にしてようやくGoal。
ゴールライン

そしてJPA選手たち全員ゴール出来ました!
翼ゴール
正木選手ゴール


全員ゴール!!

僕にとって初めてのヨーロッパフライト、断崖絶壁、様々な地形、ハイスピードな海外選手、ほんとに貴重な経験をさせてもらっています!

大会はあと2日、いい飛びをして気持ちよく帰国したいです!!


タスク2

レポート:正木 晋


今日も朝から快晴です。
良いタスクが出来そうです。

しかし、テイクオフに上がると東風が強く難しいコンディションです。
そんな中、発表された東方向へ行く110kmのタスクが発表されました。
気象の予想ではエリア付近の風が上空まで南西の風に変わると言う事で決められたタスクです。
ですが、ダミーが出るものの東風は収まらず高度も上がりません。
しばしのウェティングの後タスクの変更が発表されました。
スタートは初日と同じ場所でその後、初日の鬼門であった山の裏のポイントB30を取り東へ15km行き、その後西へ25km戻りゴールはその後は46km北上しスペインでも有名なエリアのカステホンです。

13:30のゲートオープンで14:30のエアースタートです。
テイクオフの風は強いもののゲートオープンされると選手は次々とテイクオフしていきます。
サーマルは今日も渋めでスタートまで我慢のフライトが強いられます。

14:30のスタートになると選手は一斉にスタートを切ります。
そして初日の鬼門でもあった山の裏のターンポイントへ向かいます。
今日は皆慎重になりアジェールの山から離れません。
そんな中しびれを切らした何名かの選手がアタックをします。
その様子を伺い他の選手も一斉に動き出します。
今日は初日よりもコンデションは活発で高い高度で先へ進めます。
そして鬼門のポイントもクリアして東へ向かいます。

大澤選手


その後、皆低くなったもののまた強烈なサーマルに当たり東のパイロンもクリアし西へ戻ります。
西のパイロンを取ってからトップ集団はスピードアップしゴールのカステホンを目指します。

岩山


トップは2時間31分という驚くスピードで113kmのタスクをメイクしました。

JPAチームも今日は大澤、伊藤、正木の3名がゴールしました。
IMGP0850.jpg




JPA選手もアジェールのコンディションにも慣れてきて良い展開でレースが出来てきています。


8月22日 大会2日目

レポート:青木 翼


朝からやや雲の多い朝でした。

朝一、フライトをしようと早朝からテイクオフに上がってみましたが強風。
無理してフライトせずに下山しました。


定刻になって選手一同テイクオフに上がりますが雲はさらに増えています。
上空はかなり強風のようでタスクは早々にキャンセル、雨もパラつきました。


JPAチームは午後から食材の買出し、今回宿でお世話になっている地元インストラクター、ジョルディーさんと食事をして過ごしました。
jジョルディー

休息はばっちり、明日以降のタスクに期待です。


8月21日 大会初日

レポート:大澤 行英

天候は良く、風も弱そうです。
主催者は大きなタスクをやると朝から張りきっています。
朝の集合時間が告げられることはなかったですが、大体10時ごろに集まって、大型バスが到着して、そして全員がテイクオフへ・・・。

テイクオフの風はやや強めでしたが、132kmのレーストゥゴールが組まれました。
ゲートオープン13時00分エアースタート時間14時00分。
最初はテイクオフの南のスタートシリンダーに入り次に北上。
Torempのまちに向かい、東へ38km、また西のTorempに戻って今度は東に20kmの町をとって北へゴールです。

JPAチーム大澤、伊藤、正木、青木の4名はゲートオープンとともに全員テイクオフ。
最初のサーマルは渋く2200mまでしか上がらず、エアースタートまでの1時間がとても長く感じました。
アクセルと踏むことなく探り合いです。
しかし、いざエアースタート時刻になるとスピーディーに展開していきます。

task1

最初の難関はTorempの町でサーマルがなく低い位置で我慢のセンタリングです。
弱いサーマルにしびれを切らしてしまわぬように我慢の時間です。

しかし、青木と正木は無念のランディング。

なんとか第一関門を切り抜けた大澤と伊藤は東へ38kmの先へと向かいます。
その山の途中には切り立った岸壁やキノコのように立っている岩があり、サーマルもその見た目通りの強烈です。その上風が吹き抜けている場所にはまらないように注意が必要です。
一番東のターンポイントを取った後は比較的サーマルが続いており、残り50kmからトップ争いのデッドヒートが始まります。
今までのフライトでもアクセルを踏んで足が疲れているのに、さらに2段目、3段目と踏みこんで、足の疲れとアクセル使用中に潰さないためのコントロールで疲労しているはずですが、最後の力を出し切ります。

1位はYassenで断トツの速さを見せました。
大澤は3時間26分でゴールし34位、伊藤選手は健闘しましたが95kmを超えたところでタスククローズタイムとなってしまいました。

大澤選手Goal

全員ゴールしたかったですが、2名のレスキューを投げた選手がいたほどサーマルが激しかったので、まず無事に終えることができてよかったと言えるでしょう。
いい経験できましたので次のタスクでは調子を上げていきますので、どうぞ皆様の温かいご声援をよろしくお願いいたします。