今回JPA選手育成基金を利用させて頂き、スペインのアジェールで開催されたワールドカップの最終戦に挑戦させて頂きました。

今回のエリアのアジェールはバルセロナから北西に160km位の場所にあり、過去2回のワールドカップとスペイン選手権が開催されているスペインでも有数のエリアです。また、この時期はフライト確立も良く、実際に大会は6タスク中5本も成立する恵まれた大会となりました。
タスクの内容はテイクオフから20km続く岩壁を使い、その後北側の平野部と山岳部を組み合わせたタスクが組まれました。距離はサンダーストームの予報が出ているので短いタスクにしようと言う時でも85km位で、ほとんどのタスクは100km前後が組まれ、最長では132kmという、連日良いタスクが組まれました。
肝心の結果ですが、初のヨーロッパ遠征はこてんぱんにやられたといった感じです。正直かなりへこんでいます。
ですが、今回トップパイロット達と一緒に飛ぶことで自分との違いを直接肌で感じることが出来て多くのことを学びました。
彼らのフライトは本当に早くて上手いのですが、決して私たちが出来ないようなフライトばかりしている訳ではありません。やはりベースとなっているのは基本的な飛行技術、フライトルート、レース戦略のセオリーです。これらの事をどのレグでもミスすることなく確実に行ってレースをこなしている様に感じました。また、フライト中の集中力が高く、サーマリングの際も少しでももリフトの強い所を絶えず探していて、気を抜いているとすぐに置いてきぼりを食らってしまいます。
それと比べると私は少し遅れをとると、追いつかねばと焦りが出てターンポイントに向けて最短距離を飛行することばかりして、遠回りでも沈下の少ない効率の良いルートの選択が出来ずに、結果的に高度が低くなり大事なところでスタックしてしまう事が有りました。多分国内のレースでも同じような事をしているのですが、レグ間が短いので致命的な差になりませんでしたが、今回のように長いとその差がはっきりと表れてしまい大変苦しい思いをしました。
そして、彼らはそのような基本がしっかりと出来ているからこそ、困難な状況を迎えてもチャレンジして局面を打開する自信に繋がっているのだと感じました。
今回は思うような結果は出せずに悔しい思いをしましたが、それ以上に色々な事を感じとり多くの課題を見つけました。
そして、これから自分がどのような選手に成りたいかという事もはっきり見つかったような気がします。
トップパイロットは若手ばかりでなく、私よりも年配の選手も多くいます。それをおもうと、もっともっと頑張れる気がし、これからもどんどん世界にチャレンジしていこうという気持ちが高まりました。
最後に、多くの方々のご支援によりこのような貴重な経験をさせて頂いたことに、深く感謝致します。これからもこの経験を活かし、自分の目標に向かって進み続けようと思います。本当にありがとうございました。
開催地:スキージャム勝山
レポート:廣川靖晃
一週間にわたって秋雨前線が日本列島に停滞する中、気合で雨雲を吹き飛ばそうという選手達が
スキージャム勝山に集まりました。
<8日27日>
大会前の段階ではあまり期待できない予報でしたが、いざ現地についてみると青空が広がっています。
フォローとなる東風予報も白山がブロックしコンディションは上々。
選手達は時間通りに受付を済ませ、すぐにテイクに上がりました。テイクに上がって直ぐは雲低がテイクレベルで低いものの昼に向けて雲低が上がれば、十分タスクは出来そうです。しかし、気温減率の良さからかテイク前にはどんどん雲が広がり、見る見るオーバーキャストして行きます。
それでも堀校長のウインドダミーは、日射が無いなか、しっかり上昇して雲低に到達。
雲低は+100m程と低いもののタスクは出来そうです。
「これは行ける!」
直ぐにタスクが発表され、選手達に緊張が走ります。
しかし、テイク前は完全にオーバーキャスト。ウインドダミーが上がったとは言え30分は経過し現在リフトがあるかは分かりません。しり込みする選手が多い中、腕に覚えのあるナショナルリガー達は臆する事無くウインドオープンと同時にテイクオフ。弱いリフトを技術でつかんで少しづつ上昇していきます。それを見て他の選手達も続々テイクオフ。グライダー数が増えるとリフトの位置も分かりやすくなり、ほとんどの選手が雲低に付けてスタートを待ちました。
スタート後も雲低は上がりませんが、リフトはしっかりあります。先頭集団は、雲低に付けながらどんどん先へ先へと進んでいきました。
しかし、12時過ぎにドラマが待っていました。さっきまではあったリフトが消滅。
ほとんどの選手がランディングを余儀なくされる中、生き残った高杉選手がN2リーグで一位となりました。
その後は一気にコンディションが好転しリフライトの選手達は続々ゴール。チャレンジリーグは、ベストタイミングでリフライトした大賀選手が一位となりました。
夕方からは、長島氏による気象に関するベーシックセミナー。そして、バーベキューパーティーと続き、予想外に良いコンディションの中、大会が出来た選手達は大いに盛り上がりました。
<8日28日>
大会二日目の朝はオーバーキャスト。雲低はテイクオフレベルより高いものの日射はありません。
それでも、タスクはやれると信じて選手達は朝早くから受付に並びました。
選手達の祈りが通じたのか、テイクに上がるころには雲は取れ、日射が降り注いでいます。雲はポコポコと浮かび、雲低は昨日より数百メートルは高そうです。
テイクでタスクコミッティー達は、最高のコンディションを想定し、N2リーグでは昨日より10km程タスクを伸ばして、一斉スタートのゴールレースを発表。
ウインドオープンも早められ、選手達は続々テイクオフしていきます。11時30分のスタート前には、すべての選手が1400mの雲低に取り付き大きくガグリング。その様子はまるでワールドカップの様でした。
スタート後は当然の様にスピードレース。トップグループの選手達は踏めるだけアクセルを踏み込んで次ぎのパイロンへと突き進んで行きます。
結果は、コンペ機でのオブザーバー参加の稲見選手が一位。N2リーグではまたもや高杉選手が一位。チャレンジリーグでは、昨日トップだった大賀選手が二位以下に10分以上の差を付けて一位。
総合では、N2リーグ高杉選手、チャレンジリーグ大賀選手は二日とも一位の完全優勝となりました。
二日間とも最高のコンディションで大会を行うことが出来、大満足のジャムリゾート・サマーカップ2011となりました。
レポート:青木 翼
朝からやや雲の多い朝でした。
朝一、フライトをしようと早朝からテイクオフに上がってみましたが強風。
無理してフライトせずに下山しました。
定刻になって選手一同テイクオフに上がりますが雲はさらに増えています。
上空はかなり強風のようでタスクは早々にキャンセル、雨もパラつきました。
JPAチームは午後から食材の買出し、今回宿でお世話になっている地元インストラクター、ジョルディーさんと食事をして過ごしました。

休息はばっちり、明日以降のタスクに期待です。