ついに、プレワールドカップ大会本番です。朝から気合を入れてエリアに向かいました。
エリアに着くと快晴。良い感じです。エリアには、一時間以上早くついてしまって、誰もいません。装備のチェックをしたり、無線機やGPSを取り付けたりしていたらそれなりに時間がたって、午前9時のゴンドラの営業時間ちかくになったら続々とパイロットが集まってきました。
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まずは、ゴンドラにのって、その次にリフトに乗り換えてテイクオフに向かいます。
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リフトで一緒になった、メラニさん。PWCで日本の八方、富士に行ったと言っていました。
テイクに着くとフォロー気味。ですが天気は良くて、時折ダストデビルがぐるぐる廻っていました。昨日に増して寒いですが、今日は冬の朝霧用の冬装備。テイクオフでは十分耐えられます。4000m 5000mまで上がるとどうなるのかは全く分かりません。朝霧だって3000m以上まで上がったことはありません。
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テイクについてしばらくしたら、ブリーフィングスタート。
スタート時間やタスクも発表されました。
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タスクは、テイクオフの2kmシリンダーのイグジットスタートで、
まっすぐゴールに向かうというシンプルタスク。GPSにセットする必要すらありません。雲底が低いので距離は31kmと短いです。
テイクオフは、ゴンドラの終着駅から50m程下ったところ。斜面が急で重たいザックを担いで降りるのは辛いです。ここが既に高所の為、ちょっと歩いたり登ったりすると息が切れます。
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いよいよ、オープンと思っていたら、どんどん雲が発達してきて、日射がなくなってしまいました。15分置きに、15分延長する旨が発表されて、一時間半ほど経ったところでタスクキャンセル。
その頃には、雹がバラバラと降りだして、寒さ倍増。それでも、みなさん飛ぶようでグライダーを広げだしています。
私もザックを担いで斜面を登る自信が無いのでグライダーを広げました。しかし、風は無風か微フォロー。うまい人はうまいのですが、下手な人も結構いて、しかもコンペ機に乗ってたりするので何回もやり直しててものすごく時間がかかります。明日からのテイクオフの順番は相当気をつけないと大変なことになりそうです。
フライトは、雹の降りしきる中ぶっ飛び。顔が痛かったです。
私はアクセルを踏みしめて、降ってないと思われる方へまっすぐかっ飛んで行って、
普通に高度処理。標高差があるので15分ほど楽しめました。
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昼は、メキシコ料理のレストランに誘ってもらいました。このところ、サンドイッチやらハンバーガが多かったので、ご飯がとっても美味しかったです。その後は、気が抜けたのか、時差ぼけのせいか、猛烈に眠くなってきたので、観光する気にはなれずホテルに帰って昼寝。
起きたら夜の8時でした。
明日は、今日よりは予報が良いのでレースが出来そう。
頑張ります。
今日は、公式練習日。現地でフライトです。
しかし、予報は雨。現地の天気予報は何を見て良いのかよくわからないので、去年飛行機の免許を取りに来た時に見ていた、航空気象情報のサイト を見ることにしました。
ここで、各空港のMETER(現在)やTAF(予報)を見ると気温・露点温度・風向・風速・雲量・雲低高度などがわかります。また、大きな空港では上空の風向、風速、気温について、実況や予報をしています。飛行機でクロカンのフライトプランを立てるときには、ここの情報と機首方向と機速で、何時に何処を通過して何が見えるのかなどを、毎回、計算してプランに書き込んでいました。
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だめかなとは思いつつも、まだ雨は降っていないので、大会本部へ車を走らせました。本部へ着くと数名がいてドアを開けるとすぐにみんなで話しかけてくれました。みんなとってもフレンドリーです。日本から来て、英語が不自由な件を伝えると、分かるまで一生懸命説明してくれました。
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しばらくすると、何人かパイロットが集まってきて、ランディングに行って上に上がると言うことになりました。テイクは、ランディングからすぐのところにゴンドラがあって、車に乗る必要がありません。
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テイクに上がると、ものすごく寒くて凍えそうです。冬装備が必要でした。 如何にも渋そうだし、寒いし、さっさと降りようと、すぐに用意して飛びました。それでも、標高差があるので、頑張って降ろしても15分ぐらいかかりました。下に降りると、雲に切れ間が出てきて、日が射して来ました。日に当たると温かいです。
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この暖かさに騙されて、またもや上着を持たずに上がってしまいました。しかし、やっぱり上は寒いです。しかも今度は風が強い。たまに飛ぶ人もいるものの、ほとんどの人は飛ばずにウエイティグだったり、ザックを担ぎなおしてリフトで降りていっています。
私は、数名がぶっ飛んでいったのを確認してちょっと下がったところからテイクオフ。風は強いですが、悪い場所に行かなければなんとか飛べる感じです。私もまっすぐランディングに向かおうと思ったのですが、向かっている途中でサーマルヒット。強力なサーマルで一気に1000mほどゲインして雲底が近ずいてきます。高度は3500m。寒いです。
雲底へ近づくと何処でも上がってしまいますが、空はほとんど雲で逃げ場がありません。雲の切れ間を探して、青いところでしばらく飛んでいました。誰か上がってくるだろうと待っていたのですが、ぶっ飛んでいくグライダーは数機見えるものの誰もあがってきません。ますます風が強くなって嫌な予感がしだしたので、シンクを探して2000m近く高度処理。スパイラルのせいか、酸素不足のせいか、降りた後はしばらくフラフラしました。
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その後はみんな飛ばないようで、仲良くなったパイロットが昼飯に誘ってくれました。昼飯にでかいピザを食べました。言葉は不自由な物の拙い英語で話をするのが楽しかったです。
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その後は、夕方5時から、パイロットミーティング。まずは、書類を書いたり、GPSにウェイポイントを入れてもらったりしました。ここでも、何を話しているのかさっぱり分かりませんでしたが、
親切なアメリカ人達がよってたかって教えてくれて助かりました。アメリカ人はみんなフレンドリーで話かけて来てくれるし、とても親切です。酸素ボンベを持っている人も3割ぐらいいて、でかいタンクから酸素を詰めていました。
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セーフティコミッティの人に、必要かどうか聞いてみましたが、高いし必須では無いから要らない
よとのことでした。ハイになってきたら、高度を落とせと言っていました。ちなみに、6-7万円ぐらいするそうです。ちょっと欲しかったけど試しに買ってみる気にはなりませんでした。
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ブリーフィングの内容がさっぱりわからなかったので、終わってからまた親切そうな人に聞きなおしていたら、遅くなってしまって晩飯はサブウェイのサンドイッチ。
もうちょっとまともなものが食べたかったのですが、仕方がありません。
いよいよ明日からレース本番。
楽しみです。
ついに、プレワールドカップ参戦のためアメリカに向けて出発です。朝、近所の駅まで送ってもらって、ローカル線→新幹線→成田エクスプレスと乗り換えて成田空港へ向かいました。ザック + トランク + 手荷物(PC等)と大きな荷物が多いので移動が大変かと思ったのですが、大変なのはローカル線から新幹線に乗り換えた掛川駅だけで、品川駅の乗換や、成田空港へついてからはそれほど大変ではありませんでした。今まで電車でザックを抱えて移動したことが無いので不安でしたが、新幹線で席を二席使ってしまってちょっと迷惑だったぐらいでそれほど問題はありませんでした。成田エクスプレスは、荷物置きばが最初から用意されているので快適です。
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成田にはちょっと早くついてしまったので、最後の日本食にと天丼セットを食べました。とっても美味しかったです。
成田からは、サンフランシスコで乗り換えてボイジーというアイダホ州の空港へ向かいます。サンフランシスコでは、入国審査と荷物のチェックがあるので一旦荷物を受け取ってもう一回預けなおしました。もう一度ちょっと小型の飛行機に乗り換えてボイジー空港へ行きました。
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ボイジ空港周辺は見渡す限りの砂漠or草原で真平らです。それでも積雲がポコポコあるので、場所によってサーマルがあるのでしょう。
ボイジーで荷物を受け取っていると、他にも数名パラグライダーを持った人達がいて、サンバレーに行くのかと話しかけて来ました。あいさつして、明日会いましょうと言ってレンタカーのカウンターに向かいました。レンタカーは日本にいるときにネットで予約してあったのでスムーズでした。車は、シボレーのSUVでかくて快適です。私の本田のSUVより安定感があって乗りやすかったです。
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アメリカのフリーウェイは140km/hぐらいで皆さんかっ飛ばしていくので大きめの車が安心です。しかし、長時間のフライトの疲れで眠くて休憩を挟みながら走っていたら250km程の距離に4時間ほどかかってしまいました。途中はしょっぱなからマクドナルドに行ってしまいました。今日の晩飯はこれでよしとしました。サンバレーになんとか着いたのは、現地時間の19時。でもまだ明るかったです。
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スーパーを見つけてちょっと買い物をして、ホテルにチェックイン。ホテルは、大きなリゾートホテルなので、部屋は広くてとても快適。これでゆっくり寝て明日からのフライトに備えようと思います。
8月30日~9月5日にて、開催されるプレワールドカップ アメリカに、
廣川靖晃選手(浜名湖パラグライダースクール所属)が参加します。
競技事業部にて協議の上、選手育成基金を適用し、渡航費等を援助させていただくこととなりました。
来シーズンのワールドカップ参戦権を是非とも獲得して帰ってきてほしいところです。廣川選手の活躍に乞うご期待です!
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<戦歴>
2009年 JPA PCL デサントバードマンカップチャレンジクラス 優勝
2009年 JPA PCL 高嶺カップチャレンジクラス 優勝
2010年 JPA PCL COOスプリングカップ シリアルクラス優勝
2010年 JPA PCL デサントバードマンカップ シリアルクラス優勝
<大会参加への意気込み>
三年ほど前から浜名湖パラグライダースクールでパラグライダーを初め、去年からJPAの大会に参加しています。大会に参加するようになって、普段のフライトも常に課題を持って飛ぶように成り、自分の成長をヒシヒシと感じられるようになって充実した毎日を過ごせるように成りました。
しかし、大会ではどんなに頑張っても追いつけない先輩たちが沢山いて「どうしたら彼らに追いつけるのだろうか?彼らと私の違いはなんなんだろう?」といつも悩んでいました。
そんな折、去年の中国、韓国のPWCに参加したメンバーや今年のイタリア・アメリカのPWCに参加したメンバー達の、スキルアップ・モチベーションの高さを目の当たりにして驚きました。
選手育成基金のお声を掛けて頂いた時、「これだ!私も行かなければならない。」と参加を決意しました。大会では吸収できるものは全て吸収しスキルアップにつなげていきたいと思っています。
開催地:山形県白鷹町白鷹スカイパーク
主催:トントンとんびPGスクール
レポート:吉田 功
<プロローグ>
安比オープンカップに続き東北で行われる白鷹オープンカップ、昨年は5月のゴールデンウィークに開催した白鷹では二日ともゴール者続出!すばらしい大会となりました。
今年のナショナルリーグ、オールジャパン白鷹は三日間不成立と残念な結果となってしまいました。そんな悔しさもありナショナルの上位メンバーも参加してくれ,、このチャレンジリーグ白鷹では71名の選手にエントリーしていただきました。
<7月31日(土)>
白鷹では毎大会お世話になっている「まぁどんな会」の朝食で白鷹大会は始まります。
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初日の天候は曇り、日差しも少し差し込みますが雲低も低く厚い雲と強い西風が止みそうにありません。選手は受付後、テイクオフに上がらず食堂で開会式が行われました。ブリーフィング後、ベーシックセミナーが行われ、講師の長島さんによる「気象講座」、選手の皆さんは真剣に聞いていました。
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続いてワールドカップに出場した宮田歩さん、村上恭子さんの大会報告をしてもらいました。アメリカワールドカップに出場した宮田さんは、1日だけ風が強くて飛べない日以外は毎日100kmを越すビックタスクが組まれたそうです(帰ってくるのも大変です)。ダストデビル(サーマル)を見て高度を獲得するなどサーマルトリガー(熱上昇発生場)が見えるなんて流石アメリカです!選手育成基金でイタリアワールドカップに出場した村上選手はイタリアでの経験をこれから生かしていきたい、ワールドカップは楽しかったと話してくれました。
風もやや落ちた12時前に選手はテイクオフへ、まだ西風強くウェイティング、そんな中、ナショナル上位陣の長島さん、正木さん、松原さんにダミーフライトとをしていただきました(皆さん選手なのにありがとうございました)。ダミーフライトしてくれた3人がテイクオフに上がってしばらくしてオープンクラスのタスクが発表され13時50分ウィンドオープン、オープンクラスのほとんどの選手がテイクオフしましたがコンペ機でも対地速度が一ケタになるほどの強風に、その後、風速がさらに上がってしまいタスクストップ!飛んだ選手は全員無事ランディング、チャレンジクラスはキャンセルとなってしまいました。
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<8月1日(日)>
まだ雲が多めの朝、まずは腹ごしらえ「まぁどんな会」の朝食で選手達はパワー充電!ヤル気がでます!受付後テイクオフへ、昨日よりは風が収まるも3~4m、南風と西風が強くなるのを警戒してオープン、チャレンジとも北方面にはパイロンを取らない南西側だけを使ったトライアングルタスクが組まれました。
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10時40分チャレンジクラスウィンドオープン、15.2kmのテイクオフを起点に小さいトライアングルタスク、時間を開けて12時15分オープンクラスウィンドオープン、22.7kmのチャレンジより一回り大きいタスクで スタート!レースは山のリッジとサーマルを使って展開、風の強弱がありランディングする選手が続出、諦めずリフライトした選手も山から離れたパイロンを取りに走った先にサーマルが無く遭えなく撃沈する。そんなコンディションの中、世界の長島選手は粘りの飛びを見せるもゴールには届かず、オープンクラスはゴール者なし!チャレンジは野村和宏選手が唯一ゴール!難しいコンディションでしたがゴール者がでたのはなによりうれしいことです!
結果
オープンクラス総合 1位 長島信一選手 2位 窪島和明選手 3位三輪茂之選手
チャレンジクラス総合 1位 野村和宏選手 2位 宮手裕子選手 2位宇野登茂子選手
でした。
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