ファイナル in 朝霧 2022
大会レポート
競技委員長 藤野光一
2022年のJPA競技会最後となるのは、チャレンジリーグの「ファイナル in 朝霧 2022」。
これまではN2リーグ、チャレンジリーグの最終戦として開催されていた本大会ですが、今年のルール改正によりN2リーグが廃止されたためチャレンジリーグ単独での開催となりました。
チャレンジリーグのトップを走る大久保選手は480点とダントツのポイントで、2位の堀井選手との差は66.9ポイント。最終戦を待たずにリーグトップを決めてしまった状況ではありますが、2位以降のランキングは変動の可能性が十分あるため、来年に向けた大事な1戦になるであろう今大会でした。
DAY1
朝から曇りがちなお天気ですが、徐々に雲も取れて晴れ間も多くなってくる予報。所々薄日の指す朝霧高原でしたが、最終戦にはチャレンジリーグ10名、オープン参加選手が2名の12名が集まりました。
受付を済ませてテイクオフへ移動すると、富士宮を含む山間部の一部は昨日の夕方雨が降ったようで、それが天気の回復を遅らせているような湿った空気が感じられました。
テイクオフで開会式の後ブリーフィングを行います。条件の回復を待ちながら、タスクコミッティーにはタスクを検討してもらい、あとは時間を決定するのみ・・・と言う段取りで初日は進めることになりました。
曇りの中でも徐々にコンディションは整ってきます。とはいえ、諸手を挙げて喜べるような状態ではなく、「何とかレースができるだろう」と言う希望的観測も多分に含まれたもの。空中に居る他の機体も上がり始め、タイミングを見計らってタスクと時間を決定します。しかし、一旦発表されたタスクは雲低の低さを警戒して一部修正され、15.1Kmのレースとなりました。
スタート時間を空中で待つ選手に異変が・・・。全体の高度が徐々に落ちていき、ほとんどの選手が突然おそった中だるみに成す術なくランディングを余儀なくされてしまいました。そんな中でも脅威の粘りを見せたのがNo.509堀井選手。空中にいた選手全員が降りたと思われましたが、選手ではただ一人厳しい時間を乗り越えて次のタイミングまで生き残りました。
リフライトを重ねる選手たちでしたが、暑さを増す高層雲に日射も遮られるような状況なだけに、レースを開始することはおろか、上昇して移動することもままなりません。僅かなタイミングを活かしてスタートし、レースを進めたオープン参加のNo.121佐野選手も、B29を取って帰ったものの上げ直せずに降りてしまいます。
結果、佐野選手だけがレースを開始したものの、他の選手はスタートすらできないままと言う厳しい結果となり、TASK1は不成立となりました。
本部では寒くなってしまった身体を温めるために軽食サービスが行われました。温かいおでんであったまりましたね。
DAY2
大会2日目は昨日とは違い日差しが眩しい朝を迎えました。
泣いても笑ってもこれで今シーズン最後です。
今日は昼過ぎから雲が多くなりお天気は下り坂の予報。早めの展開が必要です。
タスクコミッティーは、そのような状況から最終戦の最終タスクに相応しいチャレンジングな21Kmのタスクが提示されました。時間も10時にウィンドウオープン、11時にスタートと早めの展開を予想してのセッティングです。
10時になり、選手は次々とテイクオフして行きます。
しかし、日差しがあっても上がらない。今日も前途多難な日となりそうです。
強烈な逆転層は1100m付近にあって、そこから上の世界に入り込むのを頑なに拒んでいる様でした。昨日に続き、今日もリフライトを余儀なくされた選手。しかし、それはそれで楽しむことも忘れていないのがチャレンジリーグ選手の素晴らしいところ。いつの間にかレースから本数勝負へと切り替わったようです(笑)。
リフライトを3本。そんな選手が多い中、結局のところ逆転層を突き抜けることは叶わず、誰もスタートすら出来ないまま空域は暑い雲に覆われてしまい、事実上競技は終了してしましました。と同時に、2022年のチャレンジリーグも終了となりました。
誰も予想できなかったまさか!の2日間不成立。
逆転のシナリオを描いて、1ポイントでも多く取って来年につなげようとしてくれた選手もいたはずですが、お天気だけはどうしようもありませんね。
そのような結果で、ファイナルin朝霧は幕を閉じたのでした。
チャレンジリーグ年間表彰
チャレンジリーグ総合
チャレンジリーグ総合でチャンピオンに輝いたのは、リーグ序盤から飛ばしてトップを維持し続けたNo.507大久保昌俊選手でした。おめでとうございます。
優勝 No.507 大久保昌俊 NIVIUK ARTIK6
準優勝 No.509 堀井 重雄 OZONE SWIFT5
第3位 No.519 相原 晃二 DUDEK OPTIC2LIGHT
第4位 No.506 吉田 正行 NIVIUK ARTIK6
第5位 No.508 庄司 圭介 NIVIUK HOOK5
第6位 No.505 菊池 勝彦 ADVANCE SIGMA11
チャレンジリーグ女子
チャレンジリーグ女子チャンピオンは、昨年に引き続きNo.510梶原薫選手となりました。おめでとうございます。
優勝 No.510 梶原 薫 ADVANCE XI
2022年のチャレンジリーグも無事に終了することができました。参加いただきました選手のみなさま、大会主催者のみなさまやスタッフ、関係者のみなさま、本当にありがとうございました。
来年も、楽しく参加できるチャレンジリーグの大会を開催したいと思います。ぜひ、2023年シーズンもたくさんの選手の参加と、関係各所のみなさまのご協力をお願いして、2022年シーズン終了のご挨拶といたします。
ありがとうございました。
JPA競技事業部
藤野光一