いよいよ本番です。昨日まではなかったシートとゲートが作られ、各自良いポジションでセット、緊張感が漂います。最初のタスクなので慎重に時間をかけてブリーフィングが進んでいきます。本流は北東風の裏からの風ですがブローが入る中、13時30分ゲートオープン、エアースタート14時30分、71kmのタスクが決定しました。JPAチームは全員でミーティングを行い、ミスがないよう確認しあい、お互いの健闘を祈りました。
エアースタートまでの時間テイクオフ上空で待機となるのですが、雲底2400mほどで雲中飛行と空中接触に気をつけなければなりません。エアースタートになると、実に50機以上はいるでしょうか、一目散にファーストターンポイントへ向かいます。リターンの上げ直しではリーサイドになることが多く、ターンポイントやサーマルの見切り方、ここの戦略でいくつものグループに分かれて行きます。
もっとも遠い北東側のターンポイントのリターン後にサーマルをうまく乗り継いだグループがトップ集団となって、テイクオフ上空で残る2つのターンポイントの後パムッカレゴールを目指します。テイクオフ上空で早く上げ、見切りがよかった選手がそのままトップでゴールとなりました。
JPAチームは8位宮田、24位大澤で930点以上を獲得しました。まず大切なファーストタスクを全員無事で飛び終えました。
公式練習日とレセプションがある今朝、長嶋、植田、高杉の三名も到着し、JPA8人がそろいました。トルコでの再会のあいさつも程々に、早速公式練習へと準備を進めました。1700mテイクオフにはPWC選手およそ135人がそろいました。レジェンドや各地で開催されたPWCの勝者、オーラを秘めた有名選手がずらりと揃い、これぞスーパーファイナルらしい雰囲気となりました。選手たちはテイクオフを所狭しと広げ、グライダー調整に余念がありません。
13時を回りいつものサーマルタイムとなり、選手のテンションが上がっていきます。しかし、風がなかなか良くなりません。基本は追い風で、タイミングを見て弱いサイドでテイクオフするしかありません。かなり難しいコンディションなので、700mテイクオフへと場所を移動するのですが、場所を変えてもサイドが強めに吹いています。難しいコンディションですが扇澤と植田がフライトをしてエリアの感触を確かめました。
夕方からはレセプションです。受付とGPSダウンロードを終え、石灰棚をバックに綺麗に整った会場での開会式です。トルコの民族舞踊と花火、料理で温かいおもてなしを受けました。
明日から本番です。どうぞよろしくお願いいたします。
12時頃、1700mのテイクオフに到着。そこには昨日までのロシアンオープンとはがらりと雰囲気が違って、スーパーファイナリストが大勢いました。まだ全員ではないですが、半数以上のメンバーがいました。グライダーも新しいものが目立ちます。やはり今のはやりはツーラインで、どこのメーカーも、競ってツーラインのニューモデルを出してきて、各メーカーのツーラインニューグライダーが勢ぞろいです。
13時を過ぎて全員テイクオフ。PWCの前日とはいえ、いろいろなグライダーと一緒になり競技さながらのフライトを行えました。その中でハーネスやアクセル、トリムといった調整を行いました。今日の調整フライトで各選手も最高のパフォーマンスを出せるよういろいろと変化させてくると思います。
PWCスーパーファイナル特有の雰囲気にのみこまれることなく、JPAチームの調整はどんどん良くなってきています。また、まだ到着していない長嶋、植田、高杉も明日合流します。明日の公式練習日のフライトが楽しみです。
扇澤・宮田・大澤・水沼・増子の5人は、17日に日本を発って一足先に現地入りしました。パムッカレへの直行便はないのでイスタンブールに一泊して、18日、二日がかりで現地に到着しました。
出発するときの日本よりも暑く、日差しも強く、そして乾燥しています。低いほうの700mのテイクオフからフライトをしましたがウエアは夏使用で大丈夫です。サーマルは12時頃から出始め、裏にある高い台地の上に出ることが出来れば渋いサーマルから激しいサーマルへとコンディションが変わりました。雲はできることなく逆転層まででサーマルトップは2500m以上でした。
ロシアンオープンが開催されており、コンペモードの選手たちと一 緒に飛ぶことができました。5時間もフライトできて調整が順調に進んでいます。
19日は高い1700mのテイクオフからのフライトです。一時間ほどバスに揺られて到着し、やはりサーマルは12時頃から出始め1時ごろから良くなります。今日はロシアンオープン最終日で、今日も選手たちと一緒にフライトすることが出来ました。PWC選手も増えてきているようで、新しいグライダーが目立っていました。
上昇率は7を超えることもたびたびあり、サーマルトップは3000mを超えました。乾燥しているので雲はありませんが、山の地形を見てサーマルをイメージしてフライトします。激しいサーマルもあり、その中で長いトランジットをすると少しの揺れが大きくロスを伴うことになります。そのためハーネスやラインの調整をさらに行う日本チームでした。
プロローグ
2010年PWCのスーパーファイナルはトルコ、パムッカレで行われます。世界遺産で知られる石灰棚や古代遺跡があるこの場所で、フライトできるだけでも感動です。
JPAからスーパーファイナルのセレクションメンバーは扇澤、宮田、長嶋、大澤、水沼、の昨年参加したメンバーに加えて、植田信吾、高杉信吾、増子知美の合計8人です。スーパーファイナルに出られることを大変うれしく思うとともに、スーパーファイナルへ出れる環境を作っていただきました競技事業部様や大会関係者様、選手やパイロットの皆さまに感謝の感でいっぱいです。本当にありがとうございます。
ここパムッカレは上空から見ると平坦なのですが、起伏がある地形です。石灰棚があるくらいで地面全体が白く乾燥しています。ランディング付近の標高は300~400mでテイクオフは700mと、そのテイクオフの後ろにある高い台地の上にある1700mの2か所あります。高いテイクオフは低いテイクオフは逆転層に覆われていることが多く非常に渋いコンディションとなるのですが、高いテイクオフからですとサーマルトップが3000mを超えるバンバンのコンディションとなります。
PWCスーパーファイナルの名にふさわしい難しいテクニカルのタスクからロングタスクまで、さまざまなタスクが組まれるでしょう。私たち8人は、持っているすべての力を出せるよう、集中して望みたいと思います。どうぞ皆様の温かいご声援をよろしくお願いいたします。