今朝はChelanに来て初めての曇りの空です。曇りといっても高層雲が張っているだけで、雨の心配はありません。昼から晴れてきて今日も絶好のコンディションとなるそうです。いつものようにテイクオフへGo!
発表されたタスクは128kmのトライアングルタスクです。128kmといってもターンポイント3つでシリンダー半径は5km!さすがタスクもシリンダーもアメリカンサイズです。
今日はスタートでいきなり波乱が!テイクオフはいつものようにダストデビルをかわしながらテイクオフするのですが、風向きが安定せず、フォローになるタイミングが長かったことからスタートタイムに間に合わない選手がいたようです。
もちろん全員がスタートライン上で待つことはできず、ぴったり3000mのクラウドベースからスタートしたのは南アフリカのアンドレだけでした。
アンドレは先行逃げ切りタイプのまさにレジェンドタイプの選手です。コンディションは3600mまで上がる絶好のコンディションとなり、誰もアンドレを止められそうにない状況でレースは展開します。
しかし、最終レグでTAROこと小林が猛チャージ!最後はゴールライン手前でアンドレをパス!見事ファーストゴールを決めてくれました。さすがPWCアジアチャンピオンです。宮田は6位でフィニッシュ。TAROに参りました。
宮田総合で6位に浮上。小林も7位です。この調子で後半戦も攻めます。
今朝も眩しいくらいの快晴の朝です。天気予報は風が弱く、サーマルトップは3500m予報。ここChelanでBESTコンディションとなりました。
発表されたのは何と120kmのトライアングルタスク!FAIの記録を意識したタスクだそうです。風が弱いとはいえ、最後のレグは必ず向かい風となるため、簡単ではありません!とにかく前に出て果敢にアタックするのみ!スタート前からサーマルトップは3600mを超え、雲底は寒い!地平線は遠くかすんでいますが、地球が丸く見えます。そしていよいよスタートです。
今日のサーマルは昨日までとは全くパワーが違いました。昨日が+5m/sで結構強いと感心していると、今日は出ました!何と+10m/s平均で気持ち良く上昇していきます。バリオ音は聞いたこともないような連続音でアナログゲージは真っ白です。(+10を超えると白くなります!)このサーマルは外してはまずいとしがみ付いているとアッと今に3600mまで押し上げてくれます。
今日も良いポジッションをキープしながらレースは進み、そして宮田ラストターンポイントで勝負に出ます。3kmのシリンダーを最短でカットしようと大きく西回りコースを選択したら生憎の下降気流にはまって高度を大きくロスしてスタック・・・。このミスを挽回できず、トップから8分遅れの12位でフィニッシュ。120kmトライアングルタスクでしたが約3時間で飛んだことになります。さすがアメリカスケールがでかい。
中井さんも7時間頑張りゴール手前まで来ましたが、19:00のランディングクローズで無念の終了の97km。あとワンサーマルでした。明日も良さそうです。
いよいよ大会スタートです。早朝から強く吹くChelan湖からの冷たい風でしたが、これは山からの吹きおろし風によるものでノーマル。テイクオフへ上がるとすでに風は弱くなりつつあり予報通り今日も良さそうです。
コンディションの好転とともにテイクオフには「ダスティー!」の声が連呼されます。これはダストデビルが発生したときに、注意として発せられるダストデビルの愛称です。「ダスティー!」聞こえはかわいいですが、ものすごい轟音と砂埃を巻き上げ通り過ぎていきます。サーマルのパワーを感じます。(実はみんなサーマルの中で入っているのですよ。)
タスクはジグザグと風下へ流すだけの簡単なタスク。でも距離は97,4kmです。初めの平野部台地でののっかりにうまくいけばあとはガンガン行くだけです!
宮田は前半からよいポジションを保ちながら飛ぶことができ、勝負のファイナルグライドまでもつれます。強いリフト帯のなかでのアクセル勝負でしたが、目の前でイギリスのオグデンが潰れ落ちていくのを見て、ややひるんでしまいました。それでも6位でフィニッシュ。
ゴールした16時頃はサーマル活動もピークに達し、ゴール周辺はダストデビルの巣のような状態になっていました。なかなか下ろせず苦労しましたが、何とか無事にランディングできました。
まずまずのスタートとなりました。毎日できそうです。この調子で攻めます。
しかし、大会前日の公式練習日がBESTコンディションとなるのはなぜなのでしょうか?前回のPWC白馬でもそうでしたが、今回も例外なくスーパーコンディションとなりました。
昨日までの強い西風も収まり、クラウドベースは何と3300m!地表では30度を軽く超える灼熱ため、薄着で飛んでしまい雲底ではずいぶん寒い思いをするはめとなりました。明日からの本番はきっちり着て飛ばねば!
まずは、懸念されていた東平野部への台地乗りへアタックです。テイクオフから12kmのコロンビア川越えの先は、長年の浸食によってできた河岸段丘です。確かに渋い・・。弱いサーマルを引っかけながら台地へ乗っかるとそこはパラダイス!完全に空気の層が違うのでしょう。対流は活発でいたるところでダストデビルが上がっていて強烈なサーマルを示してくれます。
そのうち上空には積雲が形成され、下はダストデビル、上は雲という2段構えの分かり易いサーマルを乗り継ぐことができるようになりました。こうなれば3000mのクラウドベースにつけると平野部を何処までも飛んで行けそうな錯覚に陥ってしまいます。
とりあえず夕方のレジストレーションに間に合うように30km先のMensfield集落まで飛んで帰ってくることにしました。風が弱く、雲底3300mもあれば60kmのアウトアンドリターンもあっという間です。2時間ほどフライトでしたが最高のシュミレーションとなりました。1グライド20km近くのビックトランジットとなると最近のパラグライダーの滑空比の良さが如実に感じられます。本当によく飛ぶ!そして地球はでっかい!
いよいよ明日から本番です。雨が降る気配すらないここChelanでは長丁場の体力勝負となることは必至!思いっきり攻めます。
2010PWCアメリカステージは、マリナーズで有名なシアトルから内陸東に200km入ったところに位置する「Chelan」で開催されます。大河コロンビア川の支流にあるChelan湖のほとりにあり、夏のバカンスで賑わう一級リゾート地としても有名です。
テイクオフはChelanの町そばにある丘のような山で海抜1100m。コロンビア川側のランディングとの高度差は900mもあります。しかし、このエリアはテイクオフから離れ、東側の平野部へ飛び出すXCタスクが多く、台地である平野部の海抜は900mもあるので大変です。
つまり、テイクオフで上げると、まずはコロンビア川谷を越えて平野部台地に乗ることから始めなくてはなりません。トリッキーなコンディションだとここでランディングしてしまうパイロットも多いそうです。気をつけなくては・・・。雄大なコロンビア川を眺めながら越え、平野部へ出ていくのは圧巻で、日本では決して経験できないでしょう。
さらに平野部で度肝を抜かれるのが、ダストデビル(ミニ竜巻)です。噂には聞いていましたが、これほど多く見られるとは思いませんでした。不思議なのは恐ろしいといより、サーマルが豊富でいいねえぐらいにしか感じないことです。恐るべしアメリカ大陸!
ノーマルコンディションで雲底高度は3000mを軽く超えるそうです。楽しみです。
日本からは宮田、中井さん、小林taroが参戦です。ご期待ください。