PWCアメリカ Task4

やっぱり今日も快晴の朝です。体も乾燥した気候に慣れてきたのか、調子が出てきました。


今日のタスクは何と158kmのビックトライアングル!毎日タスクが大きくなっています。しかも今日は思いっきり向かい風を飛ぶ、難易度を高めたコースとなりました。


今日の宮田はとにかく先行することを意識したアタッカーに徹してみました。集団を最初に離脱し、+5m/s以下のサーマルは無視!ひたすら強いサーマルにあたるまで攻めます。


コースは大きく2手に分かれました。宮田組は風上側、その他大勢は高く風下側から。雲ができなかった風上組はかなり苦戦しますが、風上のアドバンテージを生かし、2ndターンポイントはさきにゲット!しかし3rdターンポイントまではやはり、北風強風に阻まれます。上げては流されを繰り返し、何とか3rdターンポイントまで駒を進めますが、周辺は大きく影に覆われサーマルの気配はなさそう・・・。突撃パイロットが距離伸ばしで突っ込んでいるのを見て、宮田は大きく平野部へ後退。晴れているところで雲底から仕掛ける作戦に変更。数名のパイロットと大きく迂回して何とか3rdターンポイントをゲットしたのはすでに19:00を回ったところでした。すでに7時間近くフライトしておりサーマル活動もほぼ終了。さあどうする!?ゴールまではまだ35kmもあります。とにかくゴールに向けて距離を伸ばそう!そんな時、奇跡が起こったのです。


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夕方の発達しきった積雲が、ポツポツと雨を降らし始めたました。雨は同時に冷たい気流を地表に落とします。この冷たい気流がガストフロントとなり本流の風とぶつかり、新たな上昇気流が生みだしたのです。宮田はこの奇跡の上昇風で一気に雲底まで達し、さあファイナルグライドへ突入です。


時間は19:30。20:00のゴールクローズまで残り30分と距離は30kmです。頭の中でざっと計算すると対地速度60km/hで飛べれば30分でぎりぎりゴールできるはず!とにかくフルアクセルでグライド開始です。ファイナルグライドのコースはコロンビア川が作り出した大きな渓谷の上です。夕方はこう言った谷の上空で安定した上昇気流を作り出しますが、まさに教科書通り!弱い向かい風でしたが、素晴らしく穏やかなリフト帯を60km/hで至福のグライディングです。時計を見ると、うーんギリギリ!とにかく時間との闘いです。2kmのタイムシリンダーをカットしたのは19:57:30。のこり2kmを2分で飛ばなくては!さらに踏み続けます。さあどうだ!


ゴールカットしたのは20:00:15!ちょっと間に合わず、結果380mのショートと判定されてしまいました。


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それでも今日は2位です。奇跡にも助けられました。総合4位へ浮上です。


PWCアメリカ Task3

今朝はChelanに来て初めての曇りの空です。曇りといっても高層雲が張っているだけで、雨の心配はありません。昼から晴れてきて今日も絶好のコンディションとなるそうです。いつものようにテイクオフへGo!


発表されたタスクは128kmのトライアングルタスクです。128kmといってもターンポイント3つでシリンダー半径は5km!さすがタスクもシリンダーもアメリカンサイズです。


今日はスタートでいきなり波乱が!テイクオフはいつものようにダストデビルをかわしながらテイクオフするのですが、風向きが安定せず、フォローになるタイミングが長かったことからスタートタイムに間に合わない選手がいたようです。


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もちろん全員がスタートライン上で待つことはできず、ぴったり3000mのクラウドベースからスタートしたのは南アフリカのアンドレだけでした。


アンドレは先行逃げ切りタイプのまさにレジェンドタイプの選手です。コンディションは3600mまで上がる絶好のコンディションとなり、誰もアンドレを止められそうにない状況でレースは展開します。


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しかし、最終レグでTAROこと小林が猛チャージ!最後はゴールライン手前でアンドレをパス!見事ファーストゴールを決めてくれました。さすがPWCアジアチャンピオンです。宮田は6位でフィニッシュ。TAROに参りました。


宮田総合で6位に浮上。小林も7位です。この調子で後半戦も攻めます。


PWCアメリカ Task2

今朝も眩しいくらいの快晴の朝です。天気予報は風が弱く、サーマルトップは3500m予報。ここChelanでBESTコンディションとなりました。


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発表されたのは何と120kmのトライアングルタスク!FAIの記録を意識したタスクだそうです。風が弱いとはいえ、最後のレグは必ず向かい風となるため、簡単ではありません!とにかく前に出て果敢にアタックするのみ!スタート前からサーマルトップは3600mを超え、雲底は寒い!地平線は遠くかすんでいますが、地球が丸く見えます。そしていよいよスタートです。


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今日のサーマルは昨日までとは全くパワーが違いました。昨日が+5m/sで結構強いと感心していると、今日は出ました!何と+10m/s平均で気持ち良く上昇していきます。バリオ音は聞いたこともないような連続音でアナログゲージは真っ白です。(+10を超えると白くなります!)このサーマルは外してはまずいとしがみ付いているとアッと今に3600mまで押し上げてくれます。


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今日も良いポジッションをキープしながらレースは進み、そして宮田ラストターンポイントで勝負に出ます。3kmのシリンダーを最短でカットしようと大きく西回りコースを選択したら生憎の下降気流にはまって高度を大きくロスしてスタック・・・。このミスを挽回できず、トップから8分遅れの12位でフィニッシュ。120kmトライアングルタスクでしたが約3時間で飛んだことになります。さすがアメリカスケールがでかい。


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中井さんも7時間頑張りゴール手前まで来ましたが、19:00のランディングクローズで無念の終了の97km。あとワンサーマルでした。明日も良さそうです。


PWCアメリカ Task1

いよいよ大会スタートです。早朝から強く吹くChelan湖からの冷たい風でしたが、これは山からの吹きおろし風によるものでノーマル。テイクオフへ上がるとすでに風は弱くなりつつあり予報通り今日も良さそうです。


コンディションの好転とともにテイクオフには「ダスティー!」の声が連呼されます。これはダストデビルが発生したときに、注意として発せられるダストデビルの愛称です。「ダスティー!」聞こえはかわいいですが、ものすごい轟音と砂埃を巻き上げ通り過ぎていきます。サーマルのパワーを感じます。(実はみんなサーマルの中で入っているのですよ。)


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タスクはジグザグと風下へ流すだけの簡単なタスク。でも距離は97,4kmです。初めの平野部台地でののっかりにうまくいけばあとはガンガン行くだけです!


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宮田は前半からよいポジションを保ちながら飛ぶことができ、勝負のファイナルグライドまでもつれます。強いリフト帯のなかでのアクセル勝負でしたが、目の前でイギリスのオグデンが潰れ落ちていくのを見て、ややひるんでしまいました。それでも6位でフィニッシュ。


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ゴールした16時頃はサーマル活動もピークに達し、ゴール周辺はダストデビルの巣のような状態になっていました。なかなか下ろせず苦労しましたが、何とか無事にランディングできました。



まずまずのスタートとなりました。毎日できそうです。この調子で攻めます。


PWCアメリカ 公式練習日

しかし、大会前日の公式練習日がBESTコンディションとなるのはなぜなのでしょうか?前回のPWC白馬でもそうでしたが、今回も例外なくスーパーコンディションとなりました。


昨日までの強い西風も収まり、クラウドベースは何と3300m!地表では30度を軽く超える灼熱ため、薄着で飛んでしまい雲底ではずいぶん寒い思いをするはめとなりました。明日からの本番はきっちり着て飛ばねば!


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まずは、懸念されていた東平野部への台地乗りへアタックです。テイクオフから12kmのコロンビア川越えの先は、長年の浸食によってできた河岸段丘です。確かに渋い・・。弱いサーマルを引っかけながら台地へ乗っかるとそこはパラダイス!完全に空気の層が違うのでしょう。対流は活発でいたるところでダストデビルが上がっていて強烈なサーマルを示してくれます。


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そのうち上空には積雲が形成され、下はダストデビル、上は雲という2段構えの分かり易いサーマルを乗り継ぐことができるようになりました。こうなれば3000mのクラウドベースにつけると平野部を何処までも飛んで行けそうな錯覚に陥ってしまいます。


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とりあえず夕方のレジストレーションに間に合うように30km先のMensfield集落まで飛んで帰ってくることにしました。風が弱く、雲底3300mもあれば60kmのアウトアンドリターンもあっという間です。2時間ほどフライトでしたが最高のシュミレーションとなりました。1グライド20km近くのビックトランジットとなると最近のパラグライダーの滑空比の良さが如実に感じられます。本当によく飛ぶ!そして地球はでっかい!


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いよいよ明日から本番です。雨が降る気配すらないここChelanでは長丁場の体力勝負となることは必至!思いっきり攻めます。