開催地:山形県白鷹町白鷹スカイパーク
主催:トントンとんびPGスクール
レポート:吉田 功
<プロローグ>
安比オープンカップに続き東北で行われる白鷹オープンカップ、昨年は5月のゴールデンウィークに開催した白鷹では二日ともゴール者続出!すばらしい大会となりました。
今年のナショナルリーグ、オールジャパン白鷹は三日間不成立と残念な結果となってしまいました。そんな悔しさもありナショナルの上位メンバーも参加してくれ,、このチャレンジリーグ白鷹では71名の選手にエントリーしていただきました。
<7月31日(土)>
白鷹では毎大会お世話になっている「まぁどんな会」の朝食で白鷹大会は始まります。

初日の天候は曇り、日差しも少し差し込みますが雲低も低く厚い雲と強い西風が止みそうにありません。選手は受付後、テイクオフに上がらず食堂で開会式が行われました。ブリーフィング後、ベーシックセミナーが行われ、講師の長島さんによる「気象講座」、選手の皆さんは真剣に聞いていました。

続いてワールドカップに出場した宮田歩さん、村上恭子さんの大会報告をしてもらいました。アメリカワールドカップに出場した宮田さんは、1日だけ風が強くて飛べない日以外は毎日100kmを越すビックタスクが組まれたそうです(帰ってくるのも大変です)。ダストデビル(サーマル)を見て高度を獲得するなどサーマルトリガー(熱上昇発生場)が見えるなんて流石アメリカです!選手育成基金でイタリアワールドカップに出場した村上選手はイタリアでの経験をこれから生かしていきたい、ワールドカップは楽しかったと話してくれました。
風もやや落ちた12時前に選手はテイクオフへ、まだ西風強くウェイティング、そんな中、ナショナル上位陣の長島さん、正木さん、松原さんにダミーフライトとをしていただきました(皆さん選手なのにありがとうございました)。ダミーフライトしてくれた3人がテイクオフに上がってしばらくしてオープンクラスのタスクが発表され13時50分ウィンドオープン、オープンクラスのほとんどの選手がテイクオフしましたがコンペ機でも対地速度が一ケタになるほどの強風に、その後、風速がさらに上がってしまいタスクストップ!飛んだ選手は全員無事ランディング、チャレンジクラスはキャンセルとなってしまいました。

<8月1日(日)>
まだ雲が多めの朝、まずは腹ごしらえ「まぁどんな会」の朝食で選手達はパワー充電!ヤル気がでます!受付後テイクオフへ、昨日よりは風が収まるも3~4m、南風と西風が強くなるのを警戒してオープン、チャレンジとも北方面にはパイロンを取らない南西側だけを使ったトライアングルタスクが組まれました。

10時40分チャレンジクラスウィンドオープン、15.2kmのテイクオフを起点に小さいトライアングルタスク、時間を開けて12時15分オープンクラスウィンドオープン、22.7kmのチャレンジより一回り大きいタスクで スタート!レースは山のリッジとサーマルを使って展開、風の強弱がありランディングする選手が続出、諦めずリフライトした選手も山から離れたパイロンを取りに走った先にサーマルが無く遭えなく撃沈する。そんなコンディションの中、世界の長島選手は粘りの飛びを見せるもゴールには届かず、オープンクラスはゴール者なし!チャレンジは野村和宏選手が唯一ゴール!難しいコンディションでしたがゴール者がでたのはなによりうれしいことです!
結果
オープンクラス総合 1位 長島信一選手 2位 窪島和明選手 3位三輪茂之選手
チャレンジクラス総合 1位 野村和宏選手 2位 宮手裕子選手 2位宇野登茂子選手
でした。


予報では朝から晴れでしたが、雲量は多め。風は弱く、フライトは問題なしです。テイクオフにて日照が出るのを待ちます。曇りながら気温減率はよく、ダミーはソアリングを開始。
10:40先にチャレンジクラスからスタート。15.1kmのエラップスタイムレースです。しかし、全員がテイクオフした後、コンディションは弱くなり、全員がランディング・・・。急いでリフライトに上がります。
12:10にはオープンクラスも22.6kmのエラップスタイムレースでスタート。高層雲は中々とれず、これまた全員がランディング。14:00には待望の晴れ間がやってきました。
先行するのはイタリア帰りの村上恭子選手。正木選手、松原選手も続きますが、10kmで無念のランディング。
後発組はコンディションが好転し、さらに距離を伸ばします。トップは長嶋選手。2位は窪島選手です。チャレンジは野村選手が見事ゴール!おめでとうございました。
詳しくは後日。
朝から強めの風が吹き込み、8時からの受付の後は長島さんのセミナーとPWCイタリア・アメリカの報告会が行われた。
お昼を済ませ、13時からテイクオフへの送迎を開始。
オープンクラス 23km、チャレンジクラス 10km が組まれ13時50分オープンクラスからウィンドオープン。
序盤は大会常連組が引っ張る感じに見えたが、風速アップにより14時54分タスクストップ。
全員無事にランディングした。
結果は後ほど。
連日100kmを超えるタスクで、伝説になるほどの素晴らしい大会となったPWCChelanでしたが、総合優勝はJoshCorn、2位はUSAの若手Greece。3位は2010PWC アジアチャンピオンの小林Taro。宮田は僅差で4位。表彰台は逃しましたが、今回のテーマだった先行するフライトはSuperFinalへの手ごたえを掴むことができました。
詳しい結果はこちらから

9月のトルコが決勝戦です。ご期待ください。
世界中のBestエリアで開催されるワールドカップですが、今回のChelanも間違いなく世界有数のフラットランドフライトが可能なエリアでした。サーマルトップは4000m。タスク距離も平均100kmを軽く凌駕しており、しかもトライアングルタスクです。ヨーロッパラウンドに出てきませんが、アメリカエリアのトップ選手も参加した今大会のパイロットクオリティは非常に高いものに感じました。
参加するためのセレクションの厳しいヨーロッパラウンド比べ、参加しやすいアメリカラウンドは、日本人パイロットには最高にトレーニングになるステージでしょう。広大なアメリカ大陸にはまだまだ我々の知らない、素晴らしいエリアが多くあると聞きます。アメリカはでっかい!
8月末にはオクラホマ州のサンバレーでプレPWCが開催されます。雲底高度5000mを超えるスーパーコンディションのエリアです。若手選手には是非、チャレンジしていただきたいものです。
皆様ご声援ありがとうございました
ついに最終日です。もちろん快晴の朝です。昨日のミスで総合6位へ順位を落としてしまいましたが、まだ表彰台圏内です。あまり順位を気にせず思い切ってアタックします。
タスクは北東へ37kmのターンポイントを往復する77kmタスクです。コロンビア川を境に山岳と平野部にコースが分かれるますが、さてどちらが速いのか?選択肢のある面白いタスクです。強い勢力の高気圧圏に入り、コンディションは渋め、サーマルトップも2800mと低めでしかも荒れています。

トリッキーなコンディションを予想し、小林、宮田グループは平野部からのスタートを選択します。最初のターンポイントまでは追い風です。雲もなく渋めとはいえ平野部にはいつものダストデビルが確認できます。いつものペースで確実にサーマルをヒット!あっという間にターンポイントに到着!と思っていたら、何と山回りの大集団20機がすでにターンポイントを折り返しているではありませんか!
しかし、この後はゴールまで強い向かい風レグが待っています。ここは焦らず、高さを取って上空から一気にまくります。やっぱり最終日は勝負にでるしかない選手は果敢に低く攻めますが、ことごとく撃沈していくのが見えます。
宮田、Len(USA)、Ogden (UK)、Frank(Brazil)、Nate(USA)は集団から大きく抜きでることに成功!最終ターンポイントのテイクオフを目指します。今日の勝者はこの5人の中から決まりそうです!強いヘッドウインドの中、歯を食いしばってハイスピードをキープします。残り10kmで最後の勝負所がやってきました。

高度のやや高かったLen、宮田はコロンビア川西斜面コース。Ogden,Farnk,Nateは川の東側Chelan町の上を風下側から。強い南風で両者どんどん高度をロスしていきます。どちらが先に最後のリフトを掴めるか!横目にお互いを見ながら祈るようにグライディング。
西斜面コースはやや先行して行くLenが全くヒットしません。どうする!?宮田最短距離を諦め平野部へ後退・・・。Frank、Ogdenも低くなるもののスーパーマーケット駐車場で起死回生のサーマルをヒット!勝負ありました・・・。
最終パイロンをギリギリの高度でクリアーしたOgdenがトップゴール。2位はFrank。宮田は平野部を何とか上げ直したころには、TaskDeadlineの18:00となりゴールできず。3kmのショート。あと10分あれば・・・。最終日なので早め終了の時間設定でした。
ゴールに降り、装備を外した時には、さすがに倒れこんでしまいました。5時間半のフライトでゴールできなかった悔しさと素晴らしいコンディションだった今大会で燃え尽きた充実感とで変な感じでした。真っ白い灰になった気分です。