四国三郎ジャパンカップ2015


                           レポート   宮田 歩

2015年JPAナショナルリーグもいよいよ最終戦。前回、八方尾根から持ち越しとなったグランプリ対象大会ともなります。2015年間ランキングも10本目が成立すると5本計上と大きく変動してきます。注目の最終戦が始まります。



21日(土)大会1日目
例によって前日の練習日は、北風ベースのベストコンディション・・・。雲が多め予報で心配されていましたが、快晴の朝を迎えました。早かった7時の受付開始後、選手はあっという間にテイクオフへ。8時には本部からの全員移動が完了しました。







10時からテイクオフで開会式。三頭山エリアを管理されている、美馬スポーツ協会長逢坂さんのあいさつからスタート。そして四国電力担当者様からご注意をいただきました。地元のご協力があって開催できる競技会に本当に感謝です。






テイクオフレベルより下層に吹く強めの東風、1200mと低めのクラウドベースを考慮して37.7㎞のこのエリアにしてはショートタスクが決定しました。





11:30のスタートタイムで集団は奥のモーターランド上空、もみじ温泉東尾根と2手に分かれましたが、ほぼ全員が同時にスタート!B15から2000mのシリンダーをカットした後、断続的に強いサーマルを発生はさせますが、通称「紅葉おろし」と恐れられる強い乱気流が起こる紅葉温泉上空を通過しなくてはなりません。





トップ集団はしっかり上げきり、やはり香川県との県境となる奥をトランジット開始。テイクオフ上空まで戻ってきたところで集団は分散していきます。最も北側コースを選択したのは三頭山エリアをよく知る地元稲見選手。扇澤選手、廣川選手は三頭山アンテナから、その他の選手は真ん中のダイレクトに!B74から5㎞と大きく設定されたシリンダーは、カットするポイントの選択肢を広げてくれます。さあどこが正解だったのか?




真ん中、三頭山からアタックした組は、吉野川に沿って入り込んだバレーウインドの影響を受けた荒れたサーマルで、5㎞シリンダー手前にある尾根がいつものようには上がりません。それに対し北の奥を攻めた稲見選手は東風の影響を受けず、スタックなしでシリンダーをカット!そして高く戻ることに成功。単独抜け出します。




ここでセカンド集団は2手に分かれます。稲見選手を追走するように高杉選手、藤野選手。同じコースでは追いつけないと判断した宮田、廣川選手は強いサーマルを期待し紅葉温泉方向へ。後方から追いかけるメリットを生かし、良いコースを選んだセカンド集団は、稲見選手をB72のリターンでついにキャッチ!最終パイロンB21を取った後に三頭山南斜面で最後の勝負となりました。

ここでやや高かった高杉選手はファイナルグライドヘ最初に離脱!勝負に出ます。しかし、これは届くか怪しいぞ!宮田、稲見選手はもう少し高度を上げてGPSは+170mとの表示。後方から最大スピードで追走します。



やはり、高杉選手はタイミング悪く「紅葉おろし」に捕まりドンドン高度をロスしていきます。しかし、さすがPNLランキングリーディングパイロットは、迷わずゴールへこぼれてアタックを続けていきます。そして、ゴール手前5kmからは東風の吹き上がり空域まで飛び込み、見事トップゴールを死守!1分30秒遅れで宮田、続いて稲見選手がゴールカット。リーディングポイントで稲見選手は2位。



その後も続々と選手はゴールへ飛び込んできます。9位を争った隅選手はギリギリの高度でシリンダーをカットした後、フォローでランディング!ゴールを沸かせました。総勢26名のタスコンプリートとなり、タフだったフライトを称え合い盛り上がりました。





女子トップは唯一ゴールを決めた星田さつき選手。2位だった麻生選手、ゴール手前5㎞に惜しくも届かず。しかし、ランディング後は地元のおじさんのオモテナシを受け、さらには本部まで送っていただきご満悦でした。地元の方との関わりも、大会の楽しみの一つですね。

11月22日(日)
曇り予報に反して青空が見える朝。今日もやれるぞ!選手は気合十分でテイクオフへGO!ところがテイクオフから望む吉野川バレーにはガッチリ逆転層が見えます。これは渋そうです。タスクコミッティは25㎞のミニマムタスクを決定。何とか成立を目指し最大限の準備で待ちます。





周期的に覆われる高層雲になかなか地表温度は上がりません。しかしウインドオープンタイムの10:45ごろには一時的に青空が!オープンタイムと共に扇澤選手から続々とテイクオフしていきます。三頭山南斜面はテイクオフレベルまでは上がるものの、なかなか逆転層はブレークしません。40機近いグライダーが弱いサーマルにしがみ付き、逆転層のブレークするのを待ち続けます。







空中待機するパラグライダーは、まるで生簀の中にいる鮪のようです。接触しないように旋回は続きます。鮪は泳ぎ続けないと死んでしまうらしいですが、これはパラグライダーも同じ。しかし、無情にも次の高層雲が日照を遮り、サーマル勝度は徐々に弱まっていきます。高度が低い選手から、順番に美馬橋LDへこぼれていきます。そんな状況で、三頭山南斜面に見切りをつけ、エリアを熟知している高木選手は数名引き連れスタートシリンダーへトランジット開始します。リフライトを狙い美馬橋LDへ向かう選手と、スタートシリンダーへ勝負をかける選手に分かれましたが、宮田、西尾選手、吉田選手の3選手は三頭山南斜面でサーマル活動の好転を待ちつづけます。狙うは主稜線に形成された積雲ですが・・・。




そして下層の吉野川にバレーウインドが進入したことがトリガーになったのか、やっと下層からサーマルが押しあがるようになったのです。三頭山で待ち続けた3名は、待ってましたと県境の主稜線を目指し、テイクオフ北側コースへトランジット開始。この頃、リフライト組も飛び始め、勝負は一度リセットされた様子。

リフライト組の只野選手、大塚選手は低く、最短距離を直線的に狙っていきます。生き残った宮田は慌てずB15からのリターンも奥から高く戻り、B21をゲット。徐々に厚くなる高層雲よりも先にゴールできるのか!?



14時を過ぎ、頼みの綱だった三頭山南斜面、紅葉温泉のサーマルも終了に近づき、最後は距離伸ばしに・・・。2回目のB15を取った数名のパイロットも残念ながらランディング。ゴール者は無しに終わりました。5㎞のミニマム距離を越えた選手は多くいたため、この時点でグランプリは成立です。しかし、このタスクは何点つくのでしょうか?

トップは17㎞を飛んだ宮田。22名の選手がミニマム5㎞をクリアーしています。トップは188点。少ない点数でしたが、2日間の総合成績は大きく変動することとなりました。

成績が確定した夕方には、無情にも眩しいほどの太陽が・・・。この晴れ間がもう少し早かったら。渋い条件の中、全力を尽くした選手でしたが、誰しもがそう感じたはずです。その分、明日も奇跡の成立があるかもしれない。そんな思いで、最終日に向け闘志を燃やすのでした。

11月23日(月)
しっとりとした曇りの朝。雨は降っていませんが、雨雲レーダーでは11時に雨が降ってくる予報。残念ですが、8時の時点でキャンセルが発表されました。9時からは閉会式と表彰式がスタート。




結果は2日目に粘りのフライトで距離を伸ばした宮田選手が逆転優勝。今季4勝目を飾りました。併せて2015年PNLグランプリチャンピオンにも決定です。2位は初日トップだった高杉選手。3位はリフライトで頑張った只野選手。4位は僅差でした2015年N2Lチャンピオンの藤野選手。5位は3ライナー機で大健闘の大塚選手。6位に地元の稲見選手。女子優勝は星田さつき選手。2位は麻生選手。3位は吉川選手。








2015年PNLランキングも確定しました。2015年PNL総合ランキング優勝は高杉選手。競技会でしか飛ぶ時間がないにもかかわらず、この成績は本当に凄い!強い!女子優勝は吉川選手。恒例となった涙の表彰台に、皆さん感動をいただきました。年間チャンピオン!おめでとうございます。










2016年は1月16,17日に開催される「第13回JPAパラグライダーカップ in 富士山」からスタートです。2016年PNLグランプリ対象大会でもあります。皆さんの参戦をお待ちしております!



ファイナル 朝霧 2015

レポート 競技委員長 岡田 直久

11月14日(土)
今季のN2、チャレンジリーグ最終戦「ファイナル朝霧」。朝からの雨にもかかわらず、時間には続々と選手がチェックイン。今日のタスクは早々とキャンセルとなりましたが、開会式が井之頭区民館で行われました。木の香りたっぷりの井之頭区民館は非常に居心地よく、ジェネラルブリーフィング、競技事業部からのお知らせ、宮田チャンピオンによる朝霧攻略法とお昼すぎまで色々なことができました。




ジェネラルブリーフィングでは、明日はフライトできそうということを念頭に、朝霧のローカルルールが細かく説明されました。競技事業部からは来年のスケジュール、ルール改定、そしてこの朝霧大会から運用されるライブトラッキングのコンペティションモードに関して競技事業部の藤野さんから丁寧な解説をいただきました。とどめは、こうすれば明日勝てる!というおなじみのエリア攻略法がグーグルアースをふんだんに使いわかりやすく行われました。信じるか信じないかはあなた次第です?!競技事業部のみなさん、ありがとうございました。




お昼でいったん解散となり、選手は富士急ハイランドや海の幸を食べに、それぞれに雨の朝霧を満喫されたようです。そんななか、競技事業部の鈴村さんは夜のパーティーのネタを入念に仕込んでいました。お疲れ様です!

そして18時から予定通りウェルカムパーティー。最終戦恒例の「なんとか王」の発表、リーグ戦の総括が行われました。好評のまかいの牧場のバイキングに舌鼓を打ちながら、鈴村さんのプレゼンテーションを楽しみました。パワーポイントを使いこなしたプレゼンはお見事そのもの、スクリーンを見入る選手の笑顔も印象的でした。N2、チャレンジリーグらしく非常にアットホームに時間ぎりぎりまでパーティーを楽しみました。選手はお酒もそこそこに明日のタスクに備えることとしました。












11月15日(日)
今日も雨の音で起こされることとなりました。ただ、これは想定内、お昼前には雨も上がり、タスクが行える可能性があります。そんな期待を胸に受付を済ませた選手のみなさんは井之頭区民館で待機。雨雲レーダーとのにらめっこはしばらく続きましたが、予報どおり10時過ぎには雨も上がりました。あとは稜線が開くのを祈るばかりです。



いっとき、日差しも注ぎ、これをきっかけにテイクオフに上がることにしました。が、しかし到着したテイクオフはマイナスイオンたっぷりのミストシャワー。自然の恵みを受け、すぐに撤収。ここで今日のキャンセルが決定。と同時に今季の年間ランキングが決定しました。




N2リーグでは途中からダントツの首位をひた走った藤野選手(JMB立山)がこの朝霧の大会を待たずして優勝を決めました。女子では総合でも6位入賞をした河野選手(バーズ)が優勝です。そしてデッドヒートの続いたチャレンジリーグは2位の田村選手(スカイパーク宇都宮)を僅差で抑えた平松選手(エアパークCOO)が優勝、女子では高瀬選手(スカイ獅子吼)がぶっちぎりの優勝を飾りました。みなさま、おめでとうございます。











秋の好コンディションを期待してセットされたファイナル朝霧でしたが、今回ばかりは天気に見放されてしまいました。とはいえ、選手、スタッフのみなさまのおかげで、飛べないながらも盛り上がった2日間となりました。ありがとうございました。来年もここ朝霧でN2リーグ第一戦が行われます。

来年も盛り上がっていきましょう!




高嶺カップ2015

レポート 鈴村 恵司

長野県の最南端、愛知県との県境に近い平谷村で行われている高嶺カップ(たかねと呼称します。)。今年は2本のタスクが成立した。今年は、“ユダン”と“ガマン”の2つの言葉で象徴される大会となった。

【一日目】
前日の日中発表の予報は朝から雨、良くても午後曇り。夕方の更新で晴れに変わった予報もあったが、移動中で情報を得ず、重い気分で集まってきた選手も多かったろう。「受付はゆっくりするとして、あんな山奥のエリアで何して時間を潰そうか」という気分の選手達を出迎えたのは晴天の朝だった。ユダン禁物である。


だからと言って、タスク成立が保証されているわけではない。南西風を基本とする高嶺山エリアに対して、朝の天気予報は東風強め。いささか苦手な風向だ。フリーフライトなら問題ないが、競技となるとちょっとタスクが組みにくい。東風ではLD付近のリフトが発生しにくいことが多く、タスク距離が伸ばせる高嶺山山頂WPも使いにくい。ここは北西方向にあり、強い東風に捕まるとLDに届かなくなる可能性もあるからだ。


TOに上がり開会式、ジェネラルブリーフィング。雲の形は確かに東風。しかしTOに吹き付ける風は“いつもの高嶺”の西風。タスクを起案する競技委員長(私です。)、それを吟味するコミッティ、悩ましい気象条件の中、西風ベースを想定するものの万一の東風への急変にも構えるといったタスクを、N2、チャレンジにそれぞれ設定した。N2が実質19.1km、チャレンジは実質12.5kmの距離である。


■チャレンジリーグTASK1 シリンダ半径400m
D21→B04(start600m)→B04→B25→D22→B04→B25→D22→B04→B25→D22→A42→B18→B26→B09→A42(ESS500m)→A42



■N2リーグ TASK1 ※(  )内;シリンダー半径
D21→B04(ESS600m)→B04(400m)→B02(400m)→B28(600m)→B04(400m)→B02(400m)→B28(600m)→B04(400m)→B02(400m)→B28(600m)→B04(400m)→B02(400m)→B28(600m)→B12(1500m)→B18(400m)→B04(400m)→B09(400m)→A42(ESS500m)→A42(400m)



ウィンドダミーが順調に上昇し、10時45分にはウインドウオープン。11時30分デパーチャーオープンのゴールレースが開始された。
腕に自信を持つ選手からテイクオフ。その選手達を待っていたのは“激シブ”のコンディション。雲に日射が遮られた時間帯もあり、谷底深くまで沈んでしまいLDに戻らされる選手も出た。それでも12時過ぎ当たりまでガマン出来た選手には、の上限高度の上がったサーマルや、
雲底につけると沈まずに移動できる条件が与えられた。




N2の藤野選手が12:30にゴール。チャレンジの芦田選手はそれに先んじて12:22にゴールしている。ウインドオープンとほぼ同時にテイクオフした藤野選手はそれなりのガマンのフライト。一方、芦田選手はあまりガマンせずにスイスイとタスクをこなすことが出来たのではないか。(間違っていたらごめんなさい。)
N2リーグは9名がゴール。オープンクラスを含めると14名。大会としてはまずまずの結果。チャレンジリーグは二位の飯塚選手までの2名がゴール者で少なめの結果。3位の岩瀬選手、最終WPの20m手前でナビバリオが通過音を(なぜか)出してしまったそうで無念のノーゴール。
チャレンジリーグの選手がN2リーグ選手に比べれば経験値が低いのは仕方ないところ。今日のようなタスクで競技することで、待つべきところは待ち、移動はキープハイといった、渋い条件でのタスクのこなし方を学んでゆけばもっとゴール者は増えるはず。

試合の展開に戻る。時間の経過とともにテイクオフ側の雲が力強さを増した。リフライトの選手達が、「一本目はガマンのフライトだったけど、このままスイスイ、ゴールできるんじゃないか」とユダンし始めたころ、LD側でフライトしている選手から“雨がちょっと降ってます”の連絡が入る。気が付くとLD上空の雲は黒味を帯びており、この後、雨が止む様子はない。少し雨が強く成りかけたところでタスクペンディングを競技委員長が宣言。まだ雨のない高嶺側でフライトしていた選手はトップランしたり、やむなく雨の強まったLDへ向かった。グライダーの速度をできるだけ高くキープし、無駄なブレーク操作を行わない。LD直前のフレアは充分気を付け行い、滑り込むか走り抜ける。結果として、インシデント発生は抑えることが出来た。高度を下げたいのにスパイラル(の終了時点のフレア)も翼端折りも失速につながるから禁止。雨中飛行を強いられた選手はさぞやガマンのフライトであったろう。
雨雲レーダを1時過ぎに確認し、近辺に雨雲は無かった。雨雲の進入予報も4時過ぎとなっていた。ヒョウも降っていたとの選手のレポートもあった。休息な寒気の進入が雨をもたらせたのであって予測は不可能であったのかも知れないが、ダメと思っていたタスクが成立したことに、競技委員長は、ちょっとユダンしていたのではと言われてもしかたない。すいません。
【TASK1リザルトはこちら】


パーティでガマンした人はいなかったと思う。実行委員長のJMB中部とんびいず校長の片桐さんの手製の鳥の燻製を頬張りながら鍋を囲む楽しいパーティとなった。ガマンの量が多いほど会話は弾むものでしょう。
【パーティの様子はこちら】


【二日目】
小雨は夜半まで続いていたが、深夜3:00時には満点の星空に変わっていたそうな。ちなみに隣村の阿智村浪合地区は日本一星空観察に適した場所だそうです。
朝は雲のない真っ青な空。北風予報が気になるものの、今日は“いつもの高嶺”になることは間違いなかった。但し、“いつもの高嶺”には、それに慣れていない選手への落とし穴が含まれていた。
昨日は遠慮した高嶺山頂側のWPを使って、N2、チャレンジで長短はあるものの高嶺側3周、LD側2周の“三角パイロン“タスクを設定。の予定であったが、タスクコミッティから「良いコンディション予報なら長く飛べるタスクをやりたい。」との申し入れがあり、N2はLD側2周を1周+高嶺山頂側までのリターンに変更した。N2リーグは実質29.5kmのロングタスク、チャレンジリーグは、高嶺側3周、LD側2周のコンセプトを維持した18km強のタスクとなった。


■N2リーグ TASK2 ※(  )内;シリンダー半径
D21→B02(SS600m)→B02(400m)→B23(1000m)→B16(1200m)→B12(1500m)→B23(1000m)→B16(1200m)→B12(1500m)→B23(1000m)→B16(1200m)→B12(1500m)→B18(400m)→B04(400m)→B12(1500m)→B18(400m)→ B16(1200m)→A42(ESS500m)→ A42(400)



■チャレンジリーグ TASK2 シリンダー半径400m
D21→B04 (START600m)→B04→B03→B02→B04→B03→B02 →B04→B03→B02→B04→B20→B18→B26→B20→B18→B26→A42 (ESS600m)→A42



例によって渋い中、10時30分ウインドウオープン。ゴールレースのデパーチャオープン時刻は最終的に11時30分に設定された。
昨日タスクトップの藤野選手が、何のてらいもなく先陣を切ってテイクオフ。じわじわとそれに続く選手達といった様相。残念ながら耐え切れずにLD向かう選手もいる中、11時30分直前にはコンディションも上がりTO前にガーグルが出来、ゴールレースが展開された。
本日のタスクの要、LD方面から高嶺山頂側へのリターンを奇しくも最初に行ったのは、ゼッケン312 の和田選手であった。レーススタート前の渋い時間帯に高度を失いLDに向かったところLD側のリフトで高度を稼ぎ、高嶺側まで戻ったのだ。こうなれば今日のN2タスクの成立は間違いない。あとはゴール者がどれぐらい多くなるかは風がどこまで強くなってしまうかに依存する。
バレーウインド。高嶺山エリアは北西方向から南東方向、南南西方向から北北東方向の2つ谷が平谷村を中心に十字路のように交差している。尾根より高い位置では影響はないが、風の強まりとともに十字路をバレーウインドが駆け抜けるのが、風が強い時の“いつもの高嶺”だ。局所的に流速が上がった空域は当然、気圧が下がり、強いシンク帯となる。LD側で高度を稼いでも直線的に高嶺側に向かうとバレーウインドの上を長く通過し、高度を失うことになる。バレーウインドに捕まりながら高嶺リターンをあきらめLDに戻った選手も少なからずいた。ただこれは選手のユダンとは言えないだろう。かと言って単なる不運だったですませてしまうのはもったいない。先行する選手がどんなコースをとっているのかの観察できなかったのか、なぜその選手がそのコースを選んだかの分析は行えたか、知識や経験を高めてゆくチャンスでもある。


さて終盤、強まる西風に、主催者側のガマンが始まる。
チャレンジリーグの選手はもう高嶺側にはいない。N2のLDからのリターン組がTO前で低く、強い風にピッチアップしながらあえいでいる。レベル3とは言えないまでも気楽に見ていられるグライダー挙動ではない。こういった時、はたで見ているよりやってる選手の方が冷静で余裕がある。それが判っているから、タスクストップはかけずに見守るしかない。ガマン、ガマン。
2時を過ぎた辺りでサーマルの挙動も少し穏やかになり、風が強いながらもリターン組を安心して見ていられるようになった。

今日もN2トップは藤野選手。今日は1時間16分弱。扇澤選手をして、「藤野にしてやられた」と言わしめたフライトだったようです。チャレンジは飯塚選手が1時間を切り59分のタイムでトップとなった。1000点満点を得て、二日間総合で芦田選手を抜き大会優勝となった。タスク2のゴール者数はN2が13名、チャレンジは4名。
N2の7位、9~13位は女性フライヤーが占めた。女子トップの7位は地元の利も活きたか、田前(英)選手。9~12位の河野、片貝、麻生、小川の4選手はLDからのリターンの段階から集団でデッドヒート。連続してゴールメイクした。11位の河野選手は、一度LD側からの高嶺リターンを仕掛けてバレーに捕まり、ぎりぎりでLDに戻り、再び上げ直してリターンの末のゴールであった。最後のゴール者、星田(苗)選手は、この集団から約30分遅れでのゴールとなったがリードアウトポイントが高く、10位となっている。ゴールレースの場合、トップのフライト時間に対して長くなりすぎるとタイム得点はつかなくなる。しかし、レースをどれぐらいまで先行したかの得点であるリードアウト得点は、一旦、得られれば消えることがない。星田(苗)選手はおそらく、序盤はトップグループ付近でレースを進め、それが成績に活きた。それを上回るリードアウト得点の片貝選手。4位の中村選手と同一得点である。最後は遅れたものの、きっと途中までは4~5位あたりでレースをしていたと想像される。この人、前回の白馬八方からのN2参戦のようです。八方はキャンセルで結果は出ていないが、今後の活躍に期待といったところ。
【TASK2 リザルトはこちら】


二日間総合での大会としての勝者は、N2リーグは藤野選手、チャレンジリーグは二日目で逆転した飯塚選手となった。N2の中村選手、オープンを含めても5位の好成績。扇澤選手のグライダーはともかく、周りの選手の中がEN-D或いはフルコンペ仕様の中、EN-Cグライダーで検討。そして女性、麻生選手、片貝選手が5位、6位に入っている。





「来年、大会が開催できたら、また参加して下さい。」実行委員長の片桐さんの閉会式での挨拶の言葉。去年も同じようなコメントだった。事前準備、対外交渉、スタッフ集め、大会を開くのは大変だ。そして、今年もスタッフでサポートして下さったJMB中部とんびいずのメンバーにも感謝したい。
とはいうものの、来年も同時期に開催されることが決まったようです。選手の皆様、来年も参加のほど、よろしくお願い致します。



2015年PNLグランプリは最終戦四国三郎へ!


八方尾根で開催された2015PNLグランプリは残念ながら不成立でしたが、最終戦となる四国三郎ジャパンカップへタイトルが持ち越しとなりました。

グランプリ対象大会は、ランキング計上ポイントが1.1倍となります。現在4本計上となっている2015PNLランキングも、あと一本成立で合計5本計上となります。これで、最終戦で大きく順位に影響が出てくること必至。目が離せられません。

昨年は3日間素晴らしいタスクが成立しています。レポートはこちらから。
http://jpa-pg.jp/10compe/entry-3936.html

11月末という一年で最もサーマル活動が弱くなるこの時期にも、強いサーマルコンディションとなる吉野川三頭山エリア!今年は、高度差1000mの水の丸エリアも使用したタスクを用意して、皆さんの参加をお待ちしております。


白馬八方尾根JapanCup(PNL、N2L)

レポート:前堀 善斗

爆弾低気圧が北海道沖に移動したものの、強い西風が残る予報の週末。
6:30のスタッフミーティングで幕開け。



初日の朝、天気は快晴!北アルプスが綺麗に見える最高のロケーション。
少しの高層雲があるだけで中層以下はブルーなので見た目では強い西風の影響が分かり難いコンディション。

標高1650m地点に設置してある風速計の数値を参考に空域の風を予測。時折上空の強い西風の影響が出ているのでフライト可否の判断が難しく、競技委員長は頭を悩ませます。



8:00には標高の高い大会用テイクオフからのフライトは難しいと判断し、ゴンドラ山頂駅横の通常のテイクオフを使用する事を決定。その上でできる限りのタスクを考え準備を進めます。


しかし、急激に西風が影響し危険なコンディションになる可能性が高いことを考え、タスクキャンセル。

しばらくはフライトできそうなので、希望者はフリーフライトとなりました。




1600m付近に強固な逆転層があり、その逆転層が上空の西風をブロックしてくれているようでした。




結果的に逆転層はブレイクせず、終日フライト可能なコンディションが続きましたが、今までエリア管理してきた中でもこのような条件で日中フライトできたことは無かったので初めての経験です。

残念ながらタスクはキャンセルでしたが、最高のロケーションの中フリーフライトしていただくことができて良かったです。

大会本部では扇澤氏がGin Glidersのブースを設置してくれ、製品を見たり触れたりしながら食事班からカレーライスの振る舞いです。夕方には予定より少し早めにレセプションパーティーが行われました。




2日目も変わらず強い北西風予報ですが、1日目の事を考えると十分に可能性がありました。
しかし、雲底が低く1600mにある大会用テイクオフの使用は無理と判断し、ゴンドラ山頂駅横テイクオフへ移動。

コミッティー達は、低い雲にブロックされているもののいつ影響してくるか分からない上空の北西風と強く入ってくる予報のバレーウィンドのことを考えた上での最良のタスクを考えます。

日射はあるので雲底さえ上がればタスクはできる!そう考えタスクを発表し、残るはウィンドオープン時間を発表するだけの状態でスタンバイ。



残念ながら13:30頃テイクオフからの視界が確保できそうな頃には北西の影響が混ざった乱れたバレーウィンドが流入し、タスクキャンセルとなりました。

テイクオフでの雲中ウェイティングで冷えてしまった選手・スタッフ達には大会本部で温かいうどんの振る舞いです。



閉会式では昨年のグランプリチャンピオンの返還式を行ない、グランプリ大会は四国三郎へ持ち越しとなりました。




秋の八方での大会では初めての不成立となってしまいましたが、たくさんの選手に参加して頂きありがとうございました。



スタッフとしてご協力いただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。
そして、来年もまたよろしくお願いします!!