2012PNL日本グランプリ CooXCカップ

春のXCベストシーズンに開催されるCooXCカップが今年も開催されました。今年は2012年PNL日本グランプリ対象大会となり開催日数も4日間!JPA日本チャンピオンを目指して、また思いっきりXCフライトを楽しみたいと多くの選手が集まっていただきました。

3月17日(土)

大会初日、周期的に訪れる低気圧により、残念ながら雨。しかし、選手は早くから皆さん集まってきてくれています。パタゴニアのセールスプログラムの土屋様が、春の新作の発表をショップ内で行なっています。パタゴニアファンが多いパラグライダーパイロットは、皆さん手に取って試着出来ました

パタゴニア① パタゴニア②

開会式が行なわれました。今回、Cooクロスカントリーカップは日本グランプリ大会でもあるので、昨年の日本グランプリカップの返還式も行ないました。

グランプリトロフィー 小幡

日本グランプリ総合に小幡洋三選手。シリアルに小林宙選手。女子は水沼典子選手です。優勝カップを返還していただき、かわりに記念のトロフィーが手渡されました。

そして、朝霧の大会の表彰も行われました。女子優勝 水沼典子選手、総合優勝 植田信吾選手、チームの優勝は、瀬戸内少年飛行団とノリコトソノタツの2チームが同点優勝。

朝霧総合 朝霧女子

開会式と表彰式の後は、ドームテントではチャレンジの選手への大会のベーシックセミナーや選手ミィーテイングが行なわれました。

チャレンジ① チャレンジ②

午前中のセミナーを終えて、用意した炊き込みご飯とトン汁を選手には食べていただきました。美味しいと評判でした。

トン汁① トン汁②

3月18日(日)

昨日たっぷり降った雨で、朝からなかなか雲が取れません。競技をする条件にならないので、タスクはキャンセル。残念です。フリーフライトになりました。

ブリーフィング① 曇り

お昼に選手懇親会を行ないました。お昼からは、ウエルカム軽食サービス。今日はピザ、ミネストローネ、サラダ、ビールとおつまみです。ピザパーティの始まりです。窯で焼くピザ、美味しかったでしょうか?

ピザ① ピザ②
ピザ③ ピザ④

3月19日(月)

低気圧は昨晩通過し朝から快晴。上空に残った寒気の影響で北西強く、まずは待機となりました。ドームテント内でじっくり気象ブリーフィングとなりました。午後には冬型の気圧配置は急激に緩むため、西エリアでの遅い時間でもタスクは可能とのインフォメーションに選手は焦らずモチベーションをキープ。

雲 桜と犬

ウェイティング時間を利用し、チャレンジリーグ選手へエリアの攻略法セミナーが開かれました。西ランディングから西エリアを見学ツアーに出たころから、コンディションは急変・・・。北西とに風のコンバージェンスが見事に形成され、ダミーが一気に上がり始めたのです。早速、ナショナルリーグ選手からテイクオフへGO!

しかし、全選手がテイクオフに到着した12:00ごろには西風成分押しあがり、コンバージェンスは北上・・・。風は強まり選手は、一度下山し暖かいカレーライスをいただき仕切り直し。15:00に再びテイクオフに上がり最後のチャンスにかけます。

カレー③ カレー
カレー② カレー④

風速はやや落ちたものの、まだ間欠的に吹き上がるブローは強く、時間も遅いためタスクはキャンセル、フリーフライトとなりました。

宮内 フリーフライト

上空に残る寒気のおかげで、16:00を過ぎてもサーマルトップは1700m。風は北東風まで変化し、夕暮れまで続く、スーパーアーベントコンディションとなってしまいました。

岩崎 多田

タスクは成立しなかったが、やっと飛べて選手もほっとしたことでしょう。明日のXCタスクに期待されます。

3月20日(火

大会最終日。ついに筑波らしいXCコンディションとなりました。早朝からフリーフライトの京都からのBirdsメンバーがソアリングを始めています。受付が済んだ選手から続々と東テイクオフへ移動し、9:30には全員の選手が集合完了となりました。

集合 子供

ところが、選手の準備が終了するころには西風が・・・。テイクオフ前で上がっていたダミーはどんどん東へシフトしていきます。東テイクオフはフォロー風(西風)になるタイミングが長くなりタスクコミッティを悩ませます。

南西風は強くなることが心配されることから、タスクコミッティはストレートに黒羽ゴールの67kmのシンプルなタスクを発表!約半分の選手はすでに上がり始めている西テイクオフへ移動。両方のテイクオフから一斉に選手はテイクオフしていきます。

伊藤 清水
ヨコ堀 愛

エリア周辺は1200mと予報よりも低いサーマルトップに、先頭集団はなかなかスタートできません。それでも最初にスタートしたのは、高杉、植田、稲見、榎本、片桐選手。低い高度を乗り継ぎ果敢に北上を始めます。セカンド集団は雨引き鉄塔を経由し、西よりコースで高峰へ。スタートを最後まで遅らせた集団はツバメからまっすぐ高峰へ。コースが分かれます。

原ちゃん ガーグル②
空中 ガーグル

高峰を越えるとサーマルトップは1500mを越えるようになりましたが、上空は北西風が強くなかなか北上出来ません・・・。それでも先頭集団を引っ張ったのは稲見選手。風上となる茂木変電所西コースを単独攻めますが、烏山手前の37㎞地点に無念のランディング。高杉、植田選手は茂木上空2000mまで上げきり、やや東寄りを確実に烏山に入っていきます。

セカンド集団にもドラマが!上空の西風を避けるべく、茂木から風上西コースを選んだ宮田選手は撃沈。大澤選手は大きく東へコース変更、集団に合流します。そして、那珂川が90度向きを変える通称「ドッグレック」でコンバージェンスに乗り2000mまで上昇!今日は東コースが正解だったようです。

先頭集団は未だ北西風が残るゴールへ!向かい風を果敢に攻め切り、ファーストゴールを決めたのは高杉選手!2番目は植田選手。PNL朝霧に続き絶好調のWシンちゃんコンビ!

高杉ゴール 植田ゴール

セカンド集団は最後にまたもドラマが・・・。ゴール手前から15㎞から松原、大澤、正木(3本飛んだ)選手がファイナルグライド勝負をはじめてしまった。そして、やはり強い北西風につかまり、周辺のパイロットを引き連れて10㎞手前に撃沈。これは厳しいかと思われたが・・・。

セカンド集団を低く引っ張った若手、青木翼選手が残り10㎞の低いところから見事生き残り、その上に宮内、伊藤、清水選手がかぶさり、最後のサーマルで上がり始めます。
4人は確実にゴールかと思われたが、先走った伊藤選手はゴール数キロ手前にランディング。残り3名は確実に見事ゴールを決めたのです。

青木ゴール 清水ゴール
宮内ゴール

最後のゴールは16:30!!!通常のXCフライトでは考えられないほどの難しいコンディションを、5時間を超えるフライトで乗り越えた選手はすごい!普段のフリーXCフライトでは決して味わうことができないフライトに、至福のゴールだったのではないでしょうか。

チャレンジリーグは西エリア内を回る12㎞のタスクとなりました。南風が強くなる前に以下に回りきれるかがポイントとなりましたが、良いタイミングで一気に回りきった地元Cooの横堀紀子選手が30分のダントツの速さでゴール!2位はBirdsの高地選手。3位はCooの岩崎選手。6名の選手がゴールを決めました。おめでとうございました!

チャレンジゴール 石原ゴール
チャレンジ表彰台 チャレンジ集合
寅井 

リーディングポイント無のエラップスタイムレースだったため、後発スタートの清水貴代子選手が2位!もちろん女子優勝です。3位は大和にシンちゃんこと植田選手。4位は浜名湖の若手青木翼選手。5位は地元Cooの宮内選手。皆さんおめでとうございます。

総合 女子総合
チーム戦 全員集合

2012PNLグランプリとしても成立することができました。今回のタスクポイントは1.1倍されPNLリーグランキングに計上されます。2012年チャンピオンは高杉慎吾選手です。おめでとうございました。

高杉 貴代子

4日間の長期間、早朝の朝食から夜遅くの選手回収まで、スタッフの皆様本当にお疲れ様でした。2013年もXCカップ開催をよろしくお願いします。