2012 栂池ジャパンカップ レポート

2012年N2L日本グランプリそしてPCL第4戦となる「2012栂池ジャパンカップ」が長野県栂池高原スキー場で開催されました。連日サーマルトップは3000m越え情報が飛びかうこの季節ですが、ここ白馬エリアも絶好のコンディションが期待されます。残雪が残る雄大な北アルプスをバックに熱い戦いが繰り広げられました!

6月2日(土)
快晴の朝です。薄い高層雲がかかっているものの、8時には稜線にはサーマル雲が形成され、対流が活発なことを示しています。7:30の受付後、選手は予定通りゴンドラでテイクオフへGo!

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気象予報では、昼から高層雲が広がり、日射量は少なくなりサーマルトップも下がってくるとのこと。それでも、タスクコミッティは、小谷エリアから岩岳まで大きく回ることは可能と判断。N2Lでは岩岳山頂を入れるかどうかで悩みましたが、手前の阿弥陀山頂を使った38kmのサーキットタスクを発表。N2L日本グランプリにふさわしいタスクです。
そして、PCLはサーマル活動が活発な、ゴンドラ主稜線を前後に移動する22.8㎞が決定。

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始め下層のサーマルが抜けきらず、テイクオフ前に選手が集まり緊迫したシーンはありましたが、N2Lのデパーチャースタートタイム11:10にはすっかりブレーク!サーマルトップは2000mを軽く凌駕し、ガンガンのスピードレースが展開されました。

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時間ぴったりにスタートし、先行したのは吉田選手。藤野、隅、岩沢選手が追う形でレースは展開します。小谷~栂池エリアまでは稜線上に雲が続き、一度雲底に着くと後は如何に回さずにスピードを出すかの勝負になったようです。タスク中盤からはトップ争いに絶好調の植田選手も加わりさらにスピードは上がります。

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そして、トップ争いは最後のファイナルグライドまでもつれます。低くファイナルに入った植田選手をやや高く隅選手も追走!最終パイロンのゴンドラ山麓駅を取り、最後は鐘の丘ゲレンデを越えてゴールです。ゴールから見ている後藤実行委員長が、思わず忠告の無線を入れてしまうほどの低さで丘を越えゴール!植田選手はトップゴールを死守したのです!その後9秒遅れで隅選手もゴール。見ている方も手に汗握る、熱いバトルでした!!隅選手はもちろんN2クラストップです。

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チャレンジリーグも熱かった・・・。レース中盤12時には、サーマルトップは2500mに達し、上げすぎた選手のゼッケンが確認できないほどに・・・。どの選手がトップかわかりにくい状況でしたが、最終パイロン付近をウロウロと迷走する選手発見!GPSトラブルかなと思いきや、岩崎選手ではありませんか!どうやら早くゴールにたどり着きそうだったため、時間稼ぎをしている様子。ノミナルタイムの45分よりも早くゴールしてしまうと、全体の点数が下がってしまうことを考慮しているのでしょう。ノミナルタイムを意識して調整する余裕を見せるものの、その心は他の選手には残念ながら通じることなかったようです・・・。その下を西原選手が遠慮なく、ぶっちぎりのゴール!33分の最速タイムをたたき出したのです!さらに、横田、中村、大西選手も快速ゴール!そして、46分でゴールした岩崎選手は5位に甘んじたのでした・・・。

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その後、N2L、PCLともに続々とゴールメイク!初めてゴールする方もいたようです。ゴールは当然盛り上がります。最終的にN2Lは27名、PCL12名がゴールされました。おめでとうございました。N2L日本グランプリも成立確定です。ゴールでは笑顔がいっぱいです。

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夕方には宮田講師でベーシックセミナーが開催されました。お題は「局地風を読む」。初めてのエリアを飛ぶ際にエリア内の風だけに目がいっていませんか。エリアの立地場所、周辺地形からもっと大きな風のシステムを理解すると、より安全に効率良くフライトすることができます。タスクの戦略を立てるにも必要!今後のフライトに役に立ててください。

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セミナーの後は、お待たせしました懇親会です。タケノコ汁や地元名産の蕎麦など心温まるもてなしに本当に感謝です。乾杯のあいさつはN2L今日のトップゴール!「1000点男のシンちゃん」こと植田選手。今日はゴール者も多かったタスクだけに懇親会は盛り上がりました。明日も飛べそうな予報のため皆さん飲みすぎないように、余力を残しました。

6月3日(日)
雲の切れ間に朝日が眩しい。予報に反して今日も良さそうです。予定通り受付後選手はゴンドラでテイクオフへ移動開始。テイクオフ周辺は発達した積雲に覆われていますが、ところどころ青空も見えます。大気は不安定に見えますが、この雲の発達が止まり、エリア全体がオーバーキャストしてくれれば・・・。競技ができるチャンスは有る!

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少ない可能性ではありますが、タスクコミッティは低い高度を回るタスクを発表。N2Lは35.2km、PCLは21.9kmです。エリア全体が曇り、穏やかになったタイミングでN2Lからウインドオープン。

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しかし、2人目の選手がテイクオフした後、ぽつぽつと雨が降り始めてウインドクローズ。やはり、発達しきった積雲は周辺に雨を落とし始めました。しばらく様子は見たものの、レーダーアメダスには次々と積雲の影が映る様になってきています。タスクが可能なほどの上昇風の発生が雨雲を成長させることは明らか、残念ですが競技のキャンセルが決定されました。

2日目は不成立でしたが、初日の素晴らしいタスク成立しただけに、選手の皆さんは納得の下山となりました。下山後は選手を暖かいうどんのサービスがされ、閉会式までのんびり待ちます。

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結果、昨日の成績が総合成績となりました。2012年N2L日本グランプリ者は隅選手です。今年は絶好調で、PNL初戦の朝霧でも準優勝!今年は世界にもチャレンジする予定だとか!目が離せられません。準優勝は立山の藤野選手、3位は吉田選手でした。

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女子優勝は宇都宮の吉原選手。そして準優勝はうれしい初ゴールも決めた吉川選手。表彰台での涙は感動的でした。3位は大賀選手。昨年のPCL女子チャンピオンはN2Lでも絶好調です。EN-C以下クラスではCooの多田選手が優勝!準優勝は宇都宮の谷田校長。3位はTAKの大賀選手。女性陣の活躍でチーム戦優勝は「とちおとめ」圧倒的な強さでした。

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チャレンジリーグ優勝は京都の西原選手。準優勝はTAKの横田選手。3位も京都の中村選手です。女子優勝はもちろん中村選手。2位は幻の優勝…岩崎選手。3位はスカイトライの小野選手。EN-B以下クラスはCooの酒井選手が初優勝。チーム戦はCooパラフレンズ。皆さんおめでとうございました。

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この素晴らしい栂池エリアで大会を主催していただいた栂池パラグライダースクールの後藤校長をはじめ、クラブ員の皆様本当にありがとうございました。また今回は、JMB中部、Coo、今井浜からもスタッフが駆けつけお手伝いいただき、ありがとうございました。

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選手の皆さんも素晴らしいフライトで恩返しできたのではないでしょうか。また来年もこの季節、栂池の空で会えることをお待ちしています。