| 大会レポート
ナショナルリーグ第1戦第7回JPA PG カップ in 富士山 レポート
開催地 : 静岡県富士宮市猪之頭フライトエリア及び朝霧高原
リポート : テクニカルデリゲート 松原正幸
<プロローグ>
今年で7回をむかえたJPA PG カップin 富士山。
この季節、「猪之頭エリア以上に飛べる場所は日本にナシ」と断言できるほど、フライト確率、抜群のコンディションはご承知の通り。初回開催から連続成立を誇る大会だ。
雄大にそびえる霊峰富士を望むフライトは、日本人だけにとどまらず、世界各国のフライヤーが憧れる場所でもある。
時期、場所ともに最高レベルにある大会だけに、参加選手たちの期待度も高い。
成立するのが当たり前と思われているふしもある。大寒波や強烈な冬型にならない限りはという条件付きではあるのだが・・・。
2月第一週、広域に亘り降雪があった。猪之頭においても10年に一度というほどの降雪量。昨年に引き続いて使用する西富士テイクオフは雪に覆われてしまった。そしてテイクオフへの道路も、樹木が雪の重さに耐え切れず、ぽっきりと折れ、所どころ道を塞ぐ。また人の手では簡単に動かすことのできない大きさの落石と、開催間近にこの試練。連続成立を誇る大会に立ち込める暗雲。だがそこは大会実行委員長の中川氏の素早い対応で、アクセスは確保されてオールグリーン。飛べれば大会史上初?の真っ白なスノーテイクオフ。「雪があってもサーマルはでるからっ」と実行委員長の言葉通り、雪化粧した猪之頭エリアのコンディションは上々。あとは当日の良い天気をお祈りするだけ。
<2010年2月6日>
昨年同様「富士山YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジ」に大会本部を設置。続々と集まる選手たちは旧交を温める。
予報では、きつめの冬型の気圧配置。競技は難しいかもしれないが、可能性はゼロではない。予想された北風の流入もまだないということで、エリア麓にあるウイングキッスのクラブハウスへ移動。ウェイティング時間を利用しての開会式が行われる。
ほどなく、予報どおり爆風が吹きすさぶ。こういう予報はハズレて欲しいものなのだが。
北日本、東日本を中心とした冬型の気圧配置は、5000m上空にマイナス45度以下の強烈な寒気をともなって、日本海側には暴風雪や高波をもたらした。駿河湾を望む猪之頭エリアにおいてもその影響を真ともに受けることになる。
時折吹きすさぶ突風は、クラブハウスを揺るがすほど。11時45分にキャンセルを発表。
富士山YMCAグローバル・エコ・ヴィレッジへ戻って、温かいカレーうどんのサービス。選手は舌鼓をうつ。
<2010年2月7日>
天気予報では、日本海側にある高気圧が急激に南下するとのこと。本当なの?と目を疑うほどの急展開は、大会成立を願うみんなにとっては嬉しいニュース。
だがしかし、昨日から比べれば幾分か和らいだ爆風も、飛べるほどには収まっていない。
わずかな可能性に賭け、11時までウェイティング。その間、扇澤氏による世界動向に関する報告や、競技事業部による選手育成基金に関する選手へのヒアリングが行われた。
「まさかねぇ、けど予報だからねぇ」疑ってはいたものの、高気圧の張り出しにちょっぴり期待をしただけに、カッガリ気分。北海道東沖にある低気圧は停滞。強い冬型の気圧配置は依然として変わらず。残念ながら第一戦はキャンセルとなってしまった。
美味しい水団サービスの後、閉会式。大会賞品をくじ引きで分配し、富士山をバックに記念撮影、解散となった。
年々向上する機体性能をうけ、芝川リターンのロングタスクが用意されていただけに不成立は残念。来年こそはビックタスク成立を期待したい。
最後に、西富士友の会、怪鳥倶楽部、大会運営スタッフの皆様、そして参加された選手の皆様、お疲れ様でした。そしてありがとうございます。どうぞ来年も宜しくお願いいたします。