9月20日トレーニングディ

12時頃、1700mのテイクオフに到着。そこには昨日までのロシアンオープンとはがらりと雰囲気が違って、スーパーファイナリストが大勢いました。まだ全員ではないですが、半数以上のメンバーがいました。グライダーも新しいものが目立ちます。やはり今のはやりはツーラインで、どこのメーカーも、競ってツーラインのニューモデルを出してきて、各メーカーのツーラインニューグライダーが勢ぞろいです。


13時を過ぎて全員テイクオフ。PWCの前日とはいえ、いろいろなグライダーと一緒になり競技さながらのフライトを行えました。その中でハーネスやアクセル、トリムといった調整を行いました。今日の調整フライトで各選手も最高のパフォーマンスを出せるよういろいろと変化させてくると思います。


PWCスーパーファイナル特有の雰囲気にのみこまれることなく、JPAチームの調整はどんどん良くなってきています。また、まだ到着していない長嶋、植田、高杉も明日合流します。明日の公式練習日のフライトが楽しみです。


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9月18日・19日 トレーニングディ

扇澤・宮田・大澤・水沼・増子の5人は、17日に日本を発って一足先に現地入りしました。パムッカレへの直行便はないのでイスタンブールに一泊して、18日、二日がかりで現地に到着しました。


出発するときの日本よりも暑く、日差しも強く、そして乾燥しています。低いほうの700mのテイクオフからフライトをしましたがウエアは夏使用で大丈夫です。サーマルは12時頃から出始め、裏にある高い台地の上に出ることが出来れば渋いサーマルから激しいサーマルへとコンディションが変わりました。雲はできることなく逆転層まででサーマルトップは2500m以上でした。


ロシアンオープンが開催されており、コンペモードの選手たちと一 緒に飛ぶことができました。5時間もフライトできて調整が順調に進んでいます。


19日は高い1700mのテイクオフからのフライトです。一時間ほどバスに揺られて到着し、やはりサーマルは12時頃から出始め1時ごろから良くなります。今日はロシアンオープン最終日で、今日も選手たちと一緒にフライトすることが出来ました。PWC選手も増えてきているようで、新しいグライダーが目立っていました。


上昇率は7を超えることもたびたびあり、サーマルトップは3000mを超えました。乾燥しているので雲はありませんが、山の地形を見てサーマルをイメージしてフライトします。激しいサーマルもあり、その中で長いトランジットをすると少しの揺れが大きくロスを伴うことになります。そのためハーネスやラインの調整をさらに行う日本チームでした。


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2010PWCスーパーファイナルinトルコ

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プロローグ





2010年PWCのスーパーファイナルはトルコ、パムッカレで行われます。世界遺産で知られる石灰棚や古代遺跡があるこの場所で、フライトできるだけでも感動です。


JPAからスーパーファイナルのセレクションメンバーは扇澤、宮田、長嶋、大澤、水沼、の昨年参加したメンバーに加えて、植田信吾、高杉信吾、増子知美の合計8人です。スーパーファイナルに出られることを大変うれしく思うとともに、スーパーファイナルへ出れる環境を作っていただきました競技事業部様や大会関係者様、選手やパイロットの皆さまに感謝の感でいっぱいです。本当にありがとうございます。


ここパムッカレは上空から見ると平坦なのですが、起伏がある地形です。石灰棚があるくらいで地面全体が白く乾燥しています。ランディング付近の標高は300~400mでテイクオフは700mと、そのテイクオフの後ろにある高い台地の上にある1700mの2か所あります。高いテイクオフは低いテイクオフは逆転層に覆われていることが多く非常に渋いコンディションとなるのですが、高いテイクオフからですとサーマルトップが3000mを超えるバンバンのコンディションとなります。


PWCスーパーファイナルの名にふさわしい難しいテクニカルのタスクからロングタスクまで、さまざまなタスクが組まれるでしょう。私たち8人は、持っているすべての力を出せるよう、集中して望みたいと思います。どうぞ皆様の温かいご声援をよろしくお願いいたします。


2010年 JPA選手育成基金 プレPWCアメリカ参戦報告 廣川靖晃選手

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8月30日から9月5日まで、アメリカのアイダホ州にあるサンバレーで開催されたプレワールドカップに参戦してきました。


 大会7日間の期間中、なかかなか天候に恵まれず成立タスクは2本となりました。しかし、タスクはそれぞれ74km、108kmのロングタスクが成立し、アメリカの広大な大地の上を長時間に渡ってフライトし両タスク共にゴールする事が出来ました。


 初めての海外大会で、単独での参加だっため参加前には不安でいっぱいでしたが、スタッフや参加選手たちは皆フレンドリーで、英語のわからない私を親切にサポートしてくれて、現地についてからは、不安なくレースに集中する事が出来ました。


 日本では決して経験できない、地形、気象、高度の中を飛ぶ事が出来、本当によい経験をつむ事ができました。特に高度についてはテイクオフの高度が2700mと高く酸素が薄いためちょっと用意したり、ザックを担いて歩くだけで息苦しくなるような環境で集中力を保つのが大変でした。テイクオフすれば当然さらに高度を上げる事になり、常に呼吸を意識して飛ぶという日本ではありえない経験が出来ました。上空では集中力を保つために、水分補給などと合わせて、深く呼吸して酸素をしっかり取り入れるように心がけました。


 フライトに関しては日本での練習通り満足の行くフライトが出来ました。トップ選手にはかないませんでしたが、現在の自分の持っている能力は全て出しきってレースを行うことが出来たと満足しています。


 参加選手に関しても、ワールドレベルの選手が多数出場しており、彼らと一緒に飛ぶことはとても刺激になりました。センタリングからトランジットへ移行するタイミングの見極め、フライトコースの選定、サーマルポイントの発見など、彼らは私にはない高い能力を持ってフライトを組み立てていました。上位選手達のフライトを間近に見ることで自分には何が足りないのか、これから何が必要なのか、把握することが出来て今後の課題とする事が出来ました。


 選手は、日本から単独で参加している私にとてもフレンドリーに接してくれて、地上でも沢山コミュニケーションを取ることが出来て色々な情報交換をすることが出来ました。もっと英語を話すことが出来ればさらに楽しく過ごすことが出来たんだろうと思うと私の英語力のなさが残念でした。


 今回の大会に参加によって非常に大きなスキルアップが実感できました。これは、大会当日の経験はもちろんの事、参加するために準備したり練習したり考えたり、大会前にこーちしてもらったりと言った大会前後の経験にるものと思います。


 選手育成基金のよって、今回の機会を頂いたJPAの皆さんには感謝でいっぱいです。今回の経験をたくさんの人に伝えて、パラグライダー競技全体のレベルアップが出来ればと思っています。ありがとうございました。


2010年JPA選手育成基金 PWCイタリア参戦報告 村上恭子選手

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7月3日から10日で開催されたイタリアワールドカップの参戦報告をさせて頂きます。


大会期間中あまり天候に恵まれず、タスクとしては2本しかできませんでしたが、初めてのヨーロッパでの大会は、参加選手、地形、運営方法等いろいろなものが日本の大会とは違っていて戸惑うこともありましたが、とても勉強になりました。


人気のヨーロッパラウンドだけあって参加選手のレベルも非常に高い上に、私自身の判断の遅さ、上げの遅さ、トランジットの遅さ等もあり、競技中はあっという間に最後尾になってしまいました。ゴールメイクするためにはやはり集団で飛ぶ必要があり、集団で飛ぶにはスタートを高く正確に切ること、スピードtoフライが出来ること、常に自分のグライダーの性能を理解し、自分の判断で飛ぶことが必要だと感じました。普通に考えると当然ながら出来ていなければいけないことですが、なぜこれらのことに今まで真剣に取組んでこなかったのかと自分自身に疑問を持つほどでした。


そして地形ですが、初めてのエリアというだけでもドキドキするのですが、木がなかったり岩盤が見えていたりすると、さらにドキドキして「こりゃ落ちたら怪我するなぁ」と意識せずにはいられず、ついついブレークコードを抑えすぎたり、自分の悪い癖がさらに強調されてしまい、さらに上手く飛べませんでした。


大会の主催者も、基本的には選手それぞれの自己責任でという意識が強く、日本ではテイクオフスタッフが沢山いて前から順番にテイクオフしていきますが、イタリアでは選手おのおのが前に人が居ようが自分の判断で好きなタイミングでテイクオフしていきますし、練習日やタスクキャンセル後のフリーフライトで入下山をチェックすることもありません。まして、大会期間中もレポートバックはするものの入山のチェックをすることはありませんでした。そんな環境の中で飛んでいる人たちと、いつも誰かに見守られながら飛んでいる環境では、きっとメンタルの強さが違ってくるだろうなと思いました。


日本では経験できないような地形で飛ぶにはやはり海外に行かないと経験できませんが、日本でも技術や戦略や自立心を身につける環境はいっぱいあることを改めて認識したので、こつこつ練習して大きく成長していきたいです。


最後になりましたが、イタリアでは、扇澤さん、水沼さん、大澤さんに面倒を見ていただき、また色々な練習のヒントも教えていただき、この経験が何倍も良い経験になったような気がします。本当にありがとうございました。そして、JPA選手育成基金により、このような貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。


いっぱい練習して、また行きたいです。