選手育成基金対象 青木翼選手 PWCスペイン報告

自分にとって初めてのヨーロッパ、そしてフライト、また新しい経験ができると楽しみでした。

青木翼

無事現地入り、競技前日からフライトしエリアの地形を実際の目で確認しましたが異様な地形に驚かされました。
断崖絶壁や深い谷、一面茶色い大地、強烈なコンディションになるのは明らかでした。
そんな中でもやってやる!!というモチベーションを持ち競技に望んだのですが…

いざ競技が始まってみると海外選手の速さに圧倒される毎日でした。
初日はスタートに遅れて慌ててしまい、あっという間にランディング。
その後もモタモタして気づくと一人旅。

茶色い大地や複雑な地形にも翻弄され迷いの飛びばかり。
ゴールできたのも一本だけです。
応援してくれたみんなに申し訳ない気持ちになってしまいました。

しかし、これが今の自分の実力と受け止め前を向いていかないといけません。
日本ではこんな経験はできないと思うのでこの事をバネにして飛んで行きたいです。

選手育成基金を使わさせて頂くのは今回で2度目になります。
こういった制度はとても助けになります。
サポートありがとうございました。
また、この制度を利用する若手選手が次々と出てくる事を願っています。
以下大会レポートです。

このPWCスペインはアジェールというエリアで開催された訳ですが事前の情報からとても成立の確率が良いと聞かされていました。
過去、僕の参戦する長期の大会は全て2本成立のみという確率の悪さだっただけにとても期待していました。
ハードなエリアで連日のロングタスク、自分の体力・集中力はどのぐらい持つのか試す良い機会でもありました。

DSCN2034.jpg

<練習日>
無事現地入り練習日から絶好のフライト日和となりました。
事前にGoogle Earthを使ってイメージは膨らませていましたがやはり百聞は一見にしかず、フライトしてエリア内の地形を確認しました。
剥き出しの岩肌、断崖絶壁、深い谷、日本にはない地形はとても新鮮でした。
しかし、ここでもし…というネガティブな部分も過ぎってしまいかなり慎重に飛んでいたようにも思います。
この日は3時間ほどフライトしエリア内を周遊、良いウォーミングアップとなりました。

DSCN2053.jpg

<Task1>
勢い良くテイクオフしたもののスタートから遅れてしましました。
集団に遅れてはいけないとの焦りからくるミスでした。
バンバンで低くても上がるだろうと走るものの予想外にエリアの外は渋くおおきくスタック。
その後少しのフライト距離でランディングしてしまいました。
こういったミスを相変わらず繰り返してしまっています。
スタートに遅れた事も反省点ですがこういった場面での冷静な判断する精神力が自分には必要です。
<Task2>
カステホンというエリアに飛んでいくクロカンタスクでした。
この日はとても活発でスタック無しで順調に駒を進めていました。
しかしゴール15kmほど手前でゴールの地形が良くわかりません。
GPSでは+600mで届く表示が出ていたので矢印に向かって進みました。
が、その方向は非常に荒れた空域で一気に高度ロス、結局5km手前にランディングを余儀なくされました。
直前にゴールが変わりゴールの地形を理解しきれず飛んでしまったのが失敗です。
また、初見でも飛べる判断力を身に付けなければいけません。

<Task3>
ちょっとした判断ミスや上げ遅れであっという間に置いていかれてしまいます。
一人で飛ぶ場面が多くなり良いリズムで飛べません。
遅いせいでコンディションも変わり風が強さを増してしまいます。
強風からサーマルもちぎれ上手く上げれずランディングしてしましました。

<Task4>
ようやくゴール。
後半はやはり一人で飛ぶ事になってしましましたが…。
少しずつ遅れていき焦りそうにもなりましたが初日と同じミスはしないように言い聞かせ絶対にゴールするという気持ちが良かったのかもしれません。
こういうゴールを繰り返せば徐々に集団に付いていけるようになるのでしょうか?

<Task5>
最後のタスクです。
この日のスタートは大会中一番良く決まり幸先良いと思っていました。
しかし風が強く空域も荒れていてアクセルが踏めません。
トップ選手たちはその中でもガンガン踏んで行きどんどん離されていきます。
こういった状況でもハイスピードを維持する技術には驚かされました。
結局、強風に捕まって高度ロスしランディングする事になってしましました。

大会全体を通して感じたことは世界大会のレベルの高さです。
正直、もう少し飛べると思っていた自分が全然ダメだった。
旋回技術、グライド技術、グライダーコントロール、コースラインの読み、見切り・判断力、とにかく全てにおいて足りません。
今回の大会は自分にとってショックな事が多かったですが良い刺激になりました。
世界の壁は思っている以上に高くこのままじゃ勝負にすら参加できない事がわかりました。
これからはここで経験した事を生かしていかなければいけません。
どうしたらこういった選手達と飛べるようになるのか、勝負できるようになるのかを考えながらこれからの大会に臨んでいこうと思います。

自分の人生にとって初めてのヨーロッパということで経験も不足しています。
これからは定期的にヨーロッパに飛びに行けるような環境作りをしてもっと海外に慣れるような努力もしていきたいです。


選手育成基金対象 正木選手 PWCスペイン報告

今回JPA選手育成基金を利用させて頂き、スペインのアジェールで開催されたワールドカップの最終戦に挑戦させて頂きました。

正木晋

今回のエリアのアジェールはバルセロナから北西に160km位の場所にあり、過去2回のワールドカップとスペイン選手権が開催されているスペインでも有数のエリアです。また、この時期はフライト確立も良く、実際に大会は6タスク中5本も成立する恵まれた大会となりました。

 タスクの内容はテイクオフから20km続く岩壁を使い、その後北側の平野部と山岳部を組み合わせたタスクが組まれました。距離はサンダーストームの予報が出ているので短いタスクにしようと言う時でも85km位で、ほとんどのタスクは100km前後が組まれ、最長では132kmという、連日良いタスクが組まれました。

 肝心の結果ですが、初のヨーロッパ遠征はこてんぱんにやられたといった感じです。正直かなりへこんでいます。
ですが、今回トップパイロット達と一緒に飛ぶことで自分との違いを直接肌で感じることが出来て多くのことを学びました。
 
 彼らのフライトは本当に早くて上手いのですが、決して私たちが出来ないようなフライトばかりしている訳ではありません。やはりベースとなっているのは基本的な飛行技術、フライトルート、レース戦略のセオリーです。これらの事をどのレグでもミスすることなく確実に行ってレースをこなしている様に感じました。また、フライト中の集中力が高く、サーマリングの際も少しでももリフトの強い所を絶えず探していて、気を抜いているとすぐに置いてきぼりを食らってしまいます。
それと比べると私は少し遅れをとると、追いつかねばと焦りが出てターンポイントに向けて最短距離を飛行することばかりして、遠回りでも沈下の少ない効率の良いルートの選択が出来ずに、結果的に高度が低くなり大事なところでスタックしてしまう事が有りました。多分国内のレースでも同じような事をしているのですが、レグ間が短いので致命的な差になりませんでしたが、今回のように長いとその差がはっきりと表れてしまい大変苦しい思いをしました。
 そして、彼らはそのような基本がしっかりと出来ているからこそ、困難な状況を迎えてもチャレンジして局面を打開する自信に繋がっているのだと感じました。

 今回は思うような結果は出せずに悔しい思いをしましたが、それ以上に色々な事を感じとり多くの課題を見つけました。
  そして、これから自分がどのような選手に成りたいかという事もはっきり見つかったような気がします。
 トップパイロットは若手ばかりでなく、私よりも年配の選手も多くいます。それをおもうと、もっともっと頑張れる気がし、これからもどんどん世界にチャレンジしていこうという気持ちが高まりました。

 最後に、多くの方々のご支援によりこのような貴重な経験をさせて頂いたことに、深く感謝致します。これからもこの経験を活かし、自分の目標に向かって進み続けようと思います。本当にありがとうございました。

 


2012年PNL日本グランプリ予備大会について

9月17,18,19日 立山で開催された日本グランプリは悪天候によりグランプリとしては残念ながら成立することができませんでした。

JPA日本グランプリ規定により、10月8,9,10日に開催されるPNL第8戦白馬八方尾根JapanCupを大会を2011年PNL日本グランプリの予備大会とします。

この大会で2012年PWCセレクションレターが獲得できます!
皆さんの参加お待ちしております。

目指せ日本チャンピオン!


ジャムリゾート サマーカップ2011 大会レポート

開催地:スキージャム勝山
レポート:廣川靖晃


 一週間にわたって秋雨前線が日本列島に停滞する中、気合で雨雲を吹き飛ばそうという選手達が
スキージャム勝山に集まりました。

<8日27日>
 大会前の段階ではあまり期待できない予報でしたが、いざ現地についてみると青空が広がっています。
フォローとなる東風予報も白山がブロックしコンディションは上々。
 選手達は時間通りに受付を済ませ、すぐにテイクに上がりました。テイクに上がって直ぐは雲低がテイクレベルで低いものの昼に向けて雲低が上がれば、十分タスクは出来そうです。しかし、気温減率の良さからかテイク前にはどんどん雲が広がり、見る見るオーバーキャストして行きます。
 それでも堀校長のウインドダミーは、日射が無いなか、しっかり上昇して雲低に到達。
雲低は+100m程と低いもののタスクは出来そうです。

「これは行ける!」

直ぐにタスクが発表され、選手達に緊張が走ります。
 しかし、テイク前は完全にオーバーキャスト。ウインドダミーが上がったとは言え30分は経過し現在リフトがあるかは分かりません。しり込みする選手が多い中、腕に覚えのあるナショナルリガー達は臆する事無くウインドオープンと同時にテイクオフ。弱いリフトを技術でつかんで少しづつ上昇していきます。それを見て他の選手達も続々テイクオフ。グライダー数が増えるとリフトの位置も分かりやすくなり、ほとんどの選手が雲低に付けてスタートを待ちました。
 スタート後も雲低は上がりませんが、リフトはしっかりあります。先頭集団は、雲低に付けながらどんどん先へ先へと進んでいきました。
 しかし、12時過ぎにドラマが待っていました。さっきまではあったリフトが消滅。
ほとんどの選手がランディングを余儀なくされる中、生き残った高杉選手がN2リーグで一位となりました。
 その後は一気にコンディションが好転しリフライトの選手達は続々ゴール。チャレンジリーグは、ベストタイミングでリフライトした大賀選手が一位となりました。
 夕方からは、長島氏による気象に関するベーシックセミナー。そして、バーベキューパーティーと続き、予想外に良いコンディションの中、大会が出来た選手達は大いに盛り上がりました。


<8日28日>
 大会二日目の朝はオーバーキャスト。雲低はテイクオフレベルより高いものの日射はありません。
それでも、タスクはやれると信じて選手達は朝早くから受付に並びました。
 選手達の祈りが通じたのか、テイクに上がるころには雲は取れ、日射が降り注いでいます。雲はポコポコと浮かび、雲低は昨日より数百メートルは高そうです。
 テイクでタスクコミッティー達は、最高のコンディションを想定し、N2リーグでは昨日より10km程タスクを伸ばして、一斉スタートのゴールレースを発表。
 ウインドオープンも早められ、選手達は続々テイクオフしていきます。11時30分のスタート前には、すべての選手が1400mの雲低に取り付き大きくガグリング。その様子はまるでワールドカップの様でした。
 スタート後は当然の様にスピードレース。トップグループの選手達は踏めるだけアクセルを踏み込んで次ぎのパイロンへと突き進んで行きます。
 結果は、コンペ機でのオブザーバー参加の稲見選手が一位。N2リーグではまたもや高杉選手が一位。チャレンジリーグでは、昨日トップだった大賀選手が二位以下に10分以上の差を付けて一位。
 総合では、N2リーグ高杉選手、チャレンジリーグ大賀選手は二日とも一位の完全優勝となりました。

二日間とも最高のコンディションで大会を行うことが出来、大満足のジャムリゾート・サマーカップ2011となりました。


立山らいちょうバレーカップ速報

立山らいちょうバレーカップ

順位です。
入賞されたみなさんおめでとうございます。

ナショナルリーグ
総合
1位 小幡 洋三選手
2位 廣川 靖晃選手
3位 増子 友美選手
4位 稲見 祐二選手
5位 伊藤 博之選手
6位 岩沢 広喜選手
N総合

シリアル
1位 高橋 苗月選手
2位 清水 博司選手
3位 藤川 裕美選手
4位 松原 正幸選手
5位 山本 雅史選手
6位 佐藤 辰美選手
Nシリアル

女子の部
1位 増子 友美選手
2位 高橋 苗月選手
3位 藤川 裕美選手
3位 水沼 典子選手
N女子

チーム戦
1位 スカイダンシング
2位 碧きWingKIds
3位 ノリコトソノタ
Nチーム

チャレンジリーグ
総合
1位 西条 広啓選手
2位 大賀 靖子選手
3位 杉岡 洋選手
4位 有田 康司選手
5位 熊副 孝二郎選手
6位 矢野 寛選手
C総合

女子の部
1位 大賀 靖子選手
2位 岩崎 聖子選手
3位 熊谷 郁子選手
C女子

チーム戦
1位 丹波惣菜店
2位 元祖丹波惣菜店
C総合