| 大会レポート
しらたかラ・フランスカップ2022
レポート 競技事業部:藤野光一
今年も白鷹エリアで3回目の競技会。毎年6月の「さくらんぼカップ」、7月の「紅花カップ」、そして9月の「ラ・フランスカップ」と開催し続けてくれる主催者には感謝の言葉しかありません。
今回の大会では、非常に勢力の強い台風14号の影響が危惧される中、3連休を使って何とか良い競技ができれば…と臨みましたが、結論から言ってしまえばそれは叶うことはありませんでした。お天気ばかりはどうしようもありませんが、選手のみなさんには頑張っていただきました。
DAY1
3連休の天気予報は台風14号の影響もあって、なかなか定まりません。
そんな中でも初日の17日は比較的希望の持てる晴れマーク予報。選手のみなさんも言葉には出しませんが「今日」と言う日に期待をしているのが伝わってきます。
テイクオフで開会式や各種ブリーフィングの後、タスクコミッティーの提案でタスクの意図やタスク立案に至った気象条件や様々な環境における根拠などが説明され、選手から広く意見を聞くと言うデスカッションを試みました。
JPAの競技会では、事前にWEBのアンケートでタスクコミッティーを選手により投票して選出していますが、ここ最近は大体同じ顔触れになることが多い。逆に言えば、選出される選手の信頼が高いことを表していますが、できれば多くの選手にコミッティーを経験して欲しいと言う思いがあるのも事実。大袈裟ですが、育成の意味も含めて今後取り入れていきたいと感じた試みでした。
そして発表されたタスクはナショナルリーグが40Kmほどの距離で、最近のタスクではスタンダードとなった長井ダムを使った置賜盆地アウトアンドリターン。チャレンジリーグは東風を考慮して、なるべく山側をとばないようにTPをチョイスして組んだ15Kmのコースに決まりました。
ただ東風の流入が思いのほか強く、また、ダミーの状況を見てもファーストサーマルで上げるのが非常にトリッキーな状況を考慮し、しばらくウェイティングとなりました。
テイクオフ前は回り込んで入ってくる東風の影響を受けてかなり荒れており、細心の注意が必要な状況でしたが、12時15分にナショナルリーグのウィンドウをオープン、一斉スタート時間は13時となりました。
チャレンジリーグはもう少し様子を見ることになりました。
空域全体は東風の影響を大きく受け、いつものサーマルポイントでは上げることが出来ません。選手はテイクオフすると真っすぐに沖へグライドし、ランディングすら後方に見る位置からサーマルをヒットして何とか上げて行きます。しかし、沖の最上川付近では南風が卓越しており、サーマルは北へ大きく流されてしまいます。今日のタスクは相当厳しいものとなりそうです。
テイクオフも東風に翻弄されて難しいものとなっていました。普段なら何の問題もないはずのライズアップが、安定な風のせいでテイクオフに苦労する選手が多かったですね。
テイクオフも東風に翻弄されて難しいものとなっていました。普段なら何の問題もないはずのライズアップが、安定な風のせいでテイクオフに苦労する選手が多かったですね。
レースは一本松で高度を上げることに成功した選手が先行してスタートしました。タスクを引っ張ったのは10関根順選手。それを追うのが209菊池浄選手。風が強いと見て西山を使ったルートを選択するも、思いのほか西山は働いておらず関根選手はランディングしてしまいます。この2人をしっかり観察していたセカンド集団を形成した121佐野選手、34福田選手、23中田選手が高度を活かして追随。その後方には地元の36松田選手、106千葉選手ら女子選手に加え、201三澤選手が続きます。
菊池選手は西山の懐には入らず、やや盆地寄りのすそ野を上手くグライド。弱いサーマルを何とか乗り継ぎ距離を伸ばしますが、長井ダムは遠かったようです。
後続の選手たちも追いすがりますが、西山が働いていない以上距離を伸ばすのは難しかったようでした。
結果、209菊池選手が17Kmを飛び初日トップ、10Km以上フライトした選手は菊池選手を含め36針生選手、23中田選手の3名でした。
一方、チャレンジリーグの競技は危険と判断してキャンセルとなりました。
DAY2
大会2日目は、午前中こそ飛べそうなコンディションでしたが午後からは風も強まって雨の可能性もあるため、コミッティーと協議し両リーグともにキャンセルとなりました。ただ、昨日フライトできていないチャレンジリーグの選手には、せめてフライトだけでもしてもらおうと午前中はフリーフライトとなりました。
また、明日19日も台風14号の影響がさらに強まり、競技に適さない気象条件になるとの判断から、非常に残念ではありましたが、大会自体を2日目で終了することが決断されました。
その結果、初日の成績でナショナルリーグのみの成立となりました。
表彰
ナショナルリーグ総合
優勝 No.209 菊池 浄 NIVIUK ICEPEAK EVOX
準優勝 No.35 針生 清志 OZONE ZENO
第3位 No.23 中田 靖之 NIVIUK ARTIK5
第4位 No.121 佐野 邦夫 GINGLIDERS BONANZA2
第5位 No.36 松田 京子 NIVIUK ARTIK6
第6位 No.106 千葉 恵 NIVIUK IKUMA2
ナショナルリーグ女子
優勝 No.36 松田 京子 NIVIUK ARTIK6
準優勝 No.106 千葉 恵 NIVIUK IKUMA2
第3位 No.25 岩崎 聖子 NIVIUK KLIMBER2P
第3位 No.32 関根 睦 OZONE ZEOLITE GT
第3位 No.48 柏倉 恵美 BGD CURE2
第3位 No.105 江草 幸子 ADVANCE SIGMA10
第3位 No.117 山岸 里子 GINGLIDERS BONANZA2
ナショナルリーグチーム戦
優勝 白鷹ウイングス(松田、針生、伊藤、柏倉、阿部)
準優勝 とちおとこ(関根、福田)
第3位 チームカンフー(菊池、貝田)
ナショナルリーグ認証機クラス
優勝 No.23 中田 靖之 NIVIUK ARTIK5
準優勝 No.121 佐野 邦夫 GINGLIDERS BONANZA2
第3位 No.36 松田 京子 NIVIUK ARTIK6
ナショナルリーグ認証機クラス女子
優勝 No.36 松田 京子 NIVIUK ARTIK6
準優勝 No.106 千葉 恵 NIVIUK IKUMA2
第3位 No.48 柏倉 恵美 BGD CURE2
第3位 No.105 江草 幸子 ADVANCE SIGMA10
第3位 No.117 山岸 里子 GINGLIDERS BONANZA2
番外
コロナ禍で選手同士の交流も難しかった昨今ですが、山形県においてもこれまで自粛されていた「芋煮」イベントが各地で開催され、これまでの姿に戻りつつあることを感じることができました。大会主催者からも、来年は芋煮で盛り上がりたいとの話もありましたが、そのようになっていることを祈りたいと思います。
毎度毎度になりますが、JPA競技会にご尽力いただきました主催者、地元クラブや関係者のみなさまには御礼申し上げるとともに、今後ともご協力賜りますようお願い申し上げます。
また、参加いただきました選手のみなさまにも御礼申す上げます。今シーズンのリーグ戦は残すところ僅かとなりましたが、引き続き競技会への参加をお待ちしております。