白馬八方尾根Japan Cup(PNL/N2L) 大会レポート

レポート:前堀善斗

昨年残念ながら10月に八方尾根で行なう大会としては初めての不成立となってしまい、今年は必ず成立!とスタッフ一同、強い想いで望んだ今回の大会。
前日は久しぶりの快晴でコンディションも上々。
立山のレポートで藤野さんが書いていた不吉な言葉が頭をよぎります。
「前日が良いと本番はダメ・・・。」
予報も土曜日は雨、日曜日は曇り。それでも成立を信じて可能性を探り続けます。

大会1日目

予報通りの雨。
まずはスタッフミーティングからスタートです。日中は雨も止んで、雲底さえ上がれば飛べるようになる予報です。



8時から選手受付を開始して、晴れていればテイクオフで行なう予定の開会式でしたが、残念ながら雨なのでスクール3Fで行ないました。
競技委員長から諸々説明があり、タスクに向けて選手も準備万端。
JPA競技事業部(藤野氏)からGPSに関してブログでも説明があった内容に関してお話をしていただきました。

雨は比較的早くに止んだものの雲底が上がるまでにはまだしばらくかかりそうです。
ということで、朝早くからお集まりいただいた選手&スタッフにちょっと早めの昼食にカレーです。


ここは女性陣大活躍!!
普段見ることのないような大きな鍋いっぱいに作られた大量のカレーがものすごく食欲をそそる匂いを漂わせます。
美味しくカレーをいただき終わった頃にちょうど雲底も上がり始めテイクオフが見えてきそう!
ブリーフィングをして、選手&スタッフともにテイクオフへ移動開始です。
大会用のテイクオフまで雲底が上がるのは難しいと考え、ゴンドラ山頂駅横の通常テイクオフを使用することに。
雲底が上がるにつれてどんどん青空が広がりコンディションは好転。



タスクが発表されN2は13:15、ナショナルは13:40にゲートオープン
しかし、太陽が西に傾き始めると山側の雲で日射がどんどんなくなっていってしまいました。


好転した時間が遅すぎて、結局コンディションは続かず夕方に。
さらなる好転を期待してテイクオフ待機していた選手達もわずかな可能性にかけて次々と飛び出して行きますが撃沈。



穏やかなフライトとなってしまいました。残念ながら初日のタスクは不成立。
2日目は予報も良くなってきているので、期待!!
夕方からはレセプションパーティー(交流会)。
毎年バイキング形式でセルフで取りに来ていただいていたのですが、なんだかガツガツ競争して取り合う感があったので今年は変えてみました。おかず中心のお弁当に豚汁、炭焼き焼き鳥。確実な量が割り当てられてるので焦らずのんびりマイペースで交流会を楽しんでいただけます(という予想^_^;)。
皆さんいかがだったでしょうか?



交流会後半は今年大会と一緒にツアーをしているバンド演奏。




バンド名は『向藤 薫(むこうふじ かおる)』!!
昭和~平成のJ-POPや洋楽までこなすマルチバンド(^^)パラグライダー用に替え歌だってやっちゃいます!!
楽しい余興の時間ありがとうございました

大会2日目

予報に無い雨。雨音に起こされて愕然とした方も多かったでしょう。
雨が止んだあともなかなか上がらない雲底、霧雨小雨。
スタッフとタスクコミッティーは大会用のテイクオフまで車で上がり、様々な可能性に備えますが、どうも雲底がすぐには上がりそうにないので大会用テイクオフの使用は諦めて、通常テイクオフ(ゴンドラ山頂駅横)からの可能性に絞ることに。
その通常テイクオフも11時を過ぎてもまだ霧雨。しかし、最後まで諦めない!!その気持ちが通じました!!!
急速に晴れ間が広がり、12時にはコンディションは好転。
コンディションが続く時間は短いと考え、タスクはN2が15km、ナショナルが25.1kmのショートタスク。


N2のウィンドオープンは12:30、デパーチャーオープンが13:00。
ナショナルのウィンドオープンは12:45、デパーチャーオープンが13:15。
南東向きのエリアである八方尾根としてはかなり遅い時間からのスタート。


N2ナショナルの順にどんどんテイクオフしていきます。




あっという間にたくさんのパラグライダーで八方の空が彩られました。



しかし、デパーチャーオープンの頃、一気に渋くなり多くの選手がメインLDにランディング。しかし、まだリフライトのチャンスが残っているのでテイクオフに上がって行きリフライト。その時間を乗り越えたトップ選手たちは雲底が低い中、ジワジワと駒を進めていきます。
晴れてきた時間が遅く、なかなかコンディションが続かず、渋い渋いレース。
しかしさすがの扇澤選手、2位以下を大きく引き離しナショナルで唯一のゴール!
N2では田村選手がダントツで唯一のゴール!それぞれ1名ずつがゴールでタスクは文句なしに成立です!


ナショナル 扇澤選手
N2 田村選手
おめでとうございます!!そして、ありがとうございます!!!


今年は無事に表彰式を行う事が出来ました♪







N2女子の部は残念ながら同率順位でしたので表彰は無しとなりました。

選手&スタッフの皆様ありがとうございました!
来年もよろしくお願いします!!
来年はBIGなタスクが成立しますように!


ジャム勝サマーカップ2016 大会レポート

レポート:鈴村 恵司

「鰻と梅干し」、「天ぷらと西瓜」、『西向きエリアに近づく台風の南東風』、いずれも良い組合せとは言い難い。ジャム勝サマーカップ2016は、そんな環境の中の開催となった。
それでも過去の“実績”から参加選手の期待は大きかった。そして結論から言えば、さすがに二日目はキャンセルであったが、初日は良いコンディションのもと、チャレンジリーグはPCL日本グランプリが成立、ゴール者2名。N2リーグもゴール者多数の手応えのあるレースが出来た。トリッキーな天気予報に強い“実績”を持つジャム勝エリアの面目躍如と言ったところだ。


【1日目】
とは言うものの、ジェネラルブリーフィング段階の天候は曇り。どうなることやらという雰囲気。コンディションが良くなる前提で組んだタスクもこのまま曇りが続けば変更か、「出来るよ、きっと」と「やっぱり難しいのか」が朝から行ったり来たりという状況が待ち受けていた。



ところが、11時45分を過ぎに薄日が射すと様子見で出てステイしていたウインドダミーがゲインし始め、どんどん上昇してゆく。両リーグのテイクオフ順は、N2リーグ先行としウインドウオープン時刻とデパーチャオープン時刻は以下。(チャレンジリーグは一旦設定した時刻を良好なコンディション故に最終的に15分早めました。)両リーグ共にゴールレースだ。



■初日タスク内容




ウインドウオープン時刻にはこだわらず時刻前のテイクオフも認めた。N2リーグの大半の選手がデパーチャオープン時刻を高い高度で向かえることが出来、一斉スタートは壮観なものとなった。
チャレンジリーグは出る判断にまよう選手もあり、また立ち上がるサーマルがテイクオフを時々フォローぎみにすることもありでテイクオフはやや停滞した。テイクオフ回りがオーバーキャスト状態になりリフトが弱まり、上がりきらずにランディングしてしまう選手も出てしまう。デパーチャオープン時刻に望んだ高度でスタート出来た選手は多くなかった。随時スタートする選手もレース進行に苦労した様子だった。
最短距離25kmのレースを1時間+αでN2選手達は駆け抜けた。トップの星田選手は13時50分にゴール。ゴール時刻が遅れるほど渋くなるコンディション戦うことになり、ファーストフライトの最終ゴール者の樋口選手は14時25分でゴール。おそらく終盤はがまんのフライトが続いた。
チャレンジリーグの選手にとってはゴールに近づく段階でコンディションの低下に会い、フライト距離は稼いだもののゴールならずの選手が多く出た。14時過ぎには南風成分が強まりリフトが流され位置が掴みにくくなったのだ。上げても北方向に流されターンポイント間の移動で高度が落ちやすい。ゴールしたN2選手がランディングしてリフトに位置が掴み難くなったことも大きかった。空中のグライダーがどんどん少なくなってゆく中、横井選手と早川選手の2名のみが絡みあいながら耐えた。14時10分過ぎからの約20分を凌いだ両選手はゴールメイク出来た。リフライトでゴールを決めたN2リーグの河野選手と清水選手はこのPCL選手2名が粘るリフトを使ってリフライトテイクオフ直後の条件を凌いでいる。

■試合の流れのまとめ



〈アルバムの選手テイクオフの状況はこちら〉

以下、N2リーグ選手のテイクオフ。
前方の一番手テイクオフの薬師寺選手を追ってテイクする中島選手
トップを取った星田選手、ファーストフライトでラストゴール者の樋口選手



続いてチャレンジリーグ選手のテイクオフ。
日本グランプリ覇者のゼッケン538 横井選手、13時07分のテイクオフ。(すいません、お姿を撮れていませんでした。)
準優勝のゼッケン524 袴田選手は12時55分のテイクオフ。共にゴールデン4でした。


テイクオフ前に立ち上がる選手のガーグルと、南風が強まりテイクオフ北側に流されたガーグルの様子


◆ウェルカムパーティ
タスク成立と言っても順位はついてしまう。良い結果、悪い結果、悲喜交々ではあるのだが、試合が出来たことだけでも嬉しい。若いスタッフもテーブルに同席して恒例のバーベキューパーティーは、旨く行ったこと、行かなかったこと、非常に会話の弾むものとなった。(ように感じました。)
(アルバムのパーティの様子はこちら)

【二日目】


午後過ぎに雨の予報あり。晴天予報の午前中に短めのタスクを、と選手、スタッフ全員で準備を進めた。しかし朝から晴れたことが大気の動きを活発化し南風が強い。エリアとしては横風で飛びにくいコンディション。ウインドダミーはゲインするものの北に流されランディングに戻るのに四苦八苦。12時過ぎてもコンディションは変わらず残忍ながらのキャンセルとなった。
また、キャンセル後もテイクオフに残った選手がフリーフライト。結果として、とても競技が行えるものでは無いことを証明したフライトとなった。
(アルバムの二日目の様子はこちら)

ともあれ、2016年も見事(無事?)ジャム勝サマーカップは成立。チャレンジリーグ日本グランプリも成立。2本タスクともとはいかなかったが、飛べたこと、大会成立したことを喜びましょう。
2016チャレンジリーグ日本グランプリは横井選手が奪取、女子グランプリウイナーは高瀬選手。去年の獅子吼大会での日本グランプリからの二連覇。N2リーグの勝者は星田選手。こちらは今年のN2リーグ獅子吼大会からの二連勝。表彰された選手の皆さんは以下です。おめでとうございます。


◆N2リーグ総合表彰者(得点がわかるように初日成績表でのせます。)



◆N2リーグ女子表彰者



◆チャレンジリーグ総合表彰者



◆チャレンジリーグ女子表彰者(3位まで)



さて来年も9月第一週(9月2、3日)に開催だそうです。例年通り「福井県立大パラグライダー部そりゃーず」の若い面々がスタッフとして選手をお迎えしてくれるでしょう。関東方面からはちょっと遠いジャム勝エリアですが新東名が豊田まで延び、渋滞が全くなくたったことで、東海環状道+東海北陸道+一般道なら東京から車で6時間ぐらいで来られます(確かに近くはないですけどね)。

今年も成立性の高さを示したジャム勝サマーカップ。2017大会で皆さんにお会い出来ればと思います。よろしくお願い致します。


第35回デサントバードマンカップ獅子吼2016

リポート:扇沢 郁

第35回目となるデサントバードマンカップは夏の獅子吼高原らしい好天と素晴らしい風に恵まれ、混戦模様のチャレンジリーグの今後の展望を、そして2016JPA N2リーグ グランプリチャンピオンを決めるのにふさわしいタスクがコミッティーから発表されました。

両日ともに場の風は北風、クラウドベースは1000m前後、午前10時30分から終日サーマル活動は活発で、獅子吼特有の強い海風の侵入、午後には沖のサーマルが活発になるなど、コンディションを読み切ることでゴールタイムを縮めることができるテクニカルなアウトアンドリターンタスクが展開されました。N2クラス25.7kmのタスク1が11時30分にゲートオープン。

スタートの12時15分急に渋くなったコンディションの中、高さをキープして抜け出したのは、昨年ここ獅子吼でチャンピオンとなったJMB立山チームC選手宣誓を行った藤野選手の後輩、虎井選手。虎井選手は平均時速18㎞/hでそのまま逃げ切りこの日ダントツトップ。2位の小森さちよ選手3位の中島義正選手、以下16名のゴール者に大きく差をつけ終了。チャレンジクラスのゲートは全体が渋くなりはじめた12時20分。その中をしぶとく高さをキープしスタートを切ったバーズの岸選手が平均時速17㎞/hとN2リーグ並みの速さでダントツゴール。チャレンジリーグも16名の選手がゴールを決めタスク2を迎えます。

タスクコミッティーはチャンピオンの称号にふさわしい昨日よりも長くテクニカルな29,2㎞のタスクをセット。チャレンジリーグは左右に大きくアウトアンドリターンをこなすスタンダードタスクが組まれ、10時30分のゲートオープン。チャレンジクラスではサーマル活動が乏しい中、午前中のサーマルに上手く乗り切ってひときわ高くスタートを切った今年絶好調の小田選手がそのまま独走態勢を崩さず23名の大量ゴール者を抑え平均時速17㎞/hでぶっちぎりのゴール。N2クラスは、強い北風の侵入に気付かず梨笠山パイロンを低く攻めた虎井選手がボムアウトで戦線離脱。混戦模様の展開から31名のゴール者が出たこの日を制したのは、昨日3位の中島選手、2位の小森選手に10分の差をつけ平均時速22㎞/hと飛ばしに飛ばした星田選手でした。

今回は賞金レースということもあり、気になる総合成績でしたが、チャレンジリーグを制したのは初日トップの岸選手を20ポイント差で制した小田選手。小田選手はリーグ戦総合成績で500点満点となり、食堂選手を交わしてトップに返り咲きました。3位には獅子吼で好調な岸選手が食い込みますます興味深い展開となってきました。女子は総合6位に食い込んだ楠瀬選手を抑え総合5位の石川選手が初参戦初優勝を決めました。

そして、混戦模様のN2クラスを制したのは地元の小森選手、勝ちたかった中島選手を抑えた星田選手。栄えあるグランプリンチャンピオンに輝きました。女子グランプリはもちろん小森選手。小森選手は今年のナショナルリーググランプリも制しており、グランプリ2冠の快挙です。入賞した選手の皆様おめでとうございました。


N2リーグ N2クラス総合 1~6位

N2リーグ N2クラス総合 1~6位

N2リーグ 女子の部 1~6位

N2リーグ 女子の部 1~6位


N2リーグ 日本グランプリチャンピオン

N2リーグ 日本グランプリチャンピオン


N2リーグ 日本グランプリチャンピオン 女子

N2リーグ 日本グランプリチャンピオン 女子


チャレンジリーグ 総合 1~6位

チャレンジリーグ 総合 1~6位

チャレンジリーグ 女子 1~6位

チャレンジリーグ 女子 1~6位





2016 立山らいちょうバレーカップ

リポート:藤野光一

「前日が良いと本番はダメ・・・」。

昔から語られる「大会あるある」ですが、結論から言ってしまえば今回も 

当たってるなぁ

と言うことになってしまいました。

2016立山らいちょうバレーカップは、6月4日・5日の2日間で開催されました。ナショナルリーグ59名、チャレンジリーグ28名、総勢87名の選手が富山県立山エリアに集ったのでした。

大会1日目

天気は良いものの風が悪い。立山エリアは南風の強い朝を迎えました。
7時30分から始まった選手受付は滞りなく進みますが、テイクオフに移動するムードではありません。通常ならば、受付を済ませた選手から順次ゴンドラに乗車して極楽坂テイクオフへ移動し、開会式もテイクオフで行われるのですが、今回は大会本部前で開会式が行われることになりました。






立山パラグライダースクール関沢校長の挨拶から始まり、北陸電力様による高圧送電線の注意事項が説明され、岡田競技委員長によるジェネラルブリーフィングへと移り、開会式は滞りなく終了しますが風はまだ南が強い・・・。そこで選手は本部前でウェイティングに入りました。
待つこと2時間弱でしょうか。ようやく風も弱まってテイクオフへ移動することになりますが、それでも不安定な状況には変わりありませんでした。





ナショナルリーグからの競技開始を想定してタスクコミッティーも準備をします。その間に選手にはLiveTrack用のスマートフォンが配付されます。JPAでは、選手の安全管理と競技フライトの興味喚起を含めて各大会毎にレースの模様をLiveTrackで見ることが出来ます。大会に参加できなかった方や今後大会参加を考えている方には、ぜひ一度LiveTrackで観戦してみてほしいですね。

ダミーの様子を見るものの不安定な状況は大きく変化することがなく、安全に競技をすることは難しいと判断しキャンセルとなりました。

競技はキャンセルとなり残念でしたが、その後は懇親会で大いに盛り上がりました。







昨年に引き続き、今年も出ました生バンド!!
只野選手、藤野選手に加えて扇澤選手もベースで参加。とても楽しい時間を過ごせました。







2日目

2日目の朝は時折薄日が差す天気で、選手受付前の早朝からフリーフライトもできているようです。
風は北。雲低は稜線付近で低いものの、気温が上昇すれば競技成立に期待が持てます。
今日は受付後8時からゴンドラでテイクオフへ移動です。



気象データでは昼以降に日照も回復してくるというものなので、それを期待してチャレンジリーグから競技開始の予定で、チャレンジリーグの選手には広いテイクオフに機体を広げて準備してもらいます。
しかし、雲低は稜線付近を境に一進一退を繰り返します。
ナショナルの選手(希望者)には、12時までテイクオフに戻ってくるという条件でフリーフライトをしてもらいました。それによってエリア内の状況もよくわかり、チャレンジリーグのタスクも決定し競技を行うことになりました。




11時20分ウィンドウオープン。11時50分に一斉スタートで選手は次々とテイクオフ。
選手全員がテイクオフした頃から上昇は弱まり、雲低も徐々に下がってきてしまいました。スタート時間までの1分1分が選手にはもの凄く長く感じられたことでしょうね。



何とか生き残った選手たちが競技を開始しますが、ミニマム距離を飛ぶことすら難しい状況となってしまい競技の成立が危ぶまれましたが、そんな中でも2名の選手がミニマム距離の3Kmを超えて辛くもチャレンジリーグは成立となりました。

一方、ナショナルリーグはタスクを決めてセッティングを行ったものの、予想以上に吹き込んだ湿った北東風と発達した雲により雨までぱらつく始末。それでも我慢強く好転を期待しましたが、競技は不可能と判断して無念のキャンセルとなりました。

チャレンジリーグはリザルト上全員が同点で1位となりましたが、その中でもミニマムを超えた江連選手と大久保選手に賞品が授与されました。お二人ともおめでとうございます。そして、お疲れ様でした。



2009年から連続で成立してきた立山らいちょうバレーカップ。とりわけ5月に開催時期が変更になった2014年からは全日程で競技ができていたのですが、今年は残念な結果となりました。自然相手の競技ですからこんなこともあります。

参加いただいた選手のみなさん、本当にお疲れ様でした。また、いつも大会を支えてくださるスタッフの皆さんもありがとうございました。

来年は、良いコンディションに恵まれますように!!



COOスプリングカップ2016 大会レポート


レポート:扇澤 郁

毎年この時期ビックタスクが期待できるCOOスプリングカップには、全国各地から90名近くのパイロットが集まり、4月9日(土曜)10日(日曜)の日程で開催されました。週末のみの大会ですがコンディショニングや事前調査を兼ねて前日入りした選手たちは、良好なサーマルコンディションで肩慣らしフライトを済ませ、天気予報の好転を期待した当日を迎えました。

大会1日目

 大会初日は予想以上の風が吹き、筑波山を覆ったレンズ雲の変化を興味深く眺めながらのウエイティング。タスクキャンセルの発表で明日に備えます。

大会2日目

2日目、天気予報よりもよさそうな朝を迎えた筑波山系の空からは、高曇りではありますが思いのほか暖かい日差しが感じとれ、気温減率しだいでソアリングが期待できそうでした。
COOの西テイクオフに集まった選手たちの関心は、朝から続々とテイクオフしていくパラグライダーの浮き具合に絞られます。次第に良くなっていくサーマルコンディションに大会関係者一同の期待度が高まり、そして10時30分競技委員長からは久慈川ゴールを目指すタスクが発表されました。
N2リーグ、ナショナルリーグともに45㎞先の久慈川ゴールを目指しますが、ナショナルリーグは花王栃木工場を経由しドッグレッグする興味深いものとなりました。

ナショナルリーグTask
N2リーグTask



N2リーグで真っ先にテイクオフしたのはサンライフ所属の千葉選手。それに続き若手筆頭でリーグ優勝を狙うオレンジレーシングの飯塚選手、N2リーグで復活した原選手、ホームエリアの平松選手など続々空中に飛び立ちます。ナショナルリーグの選手たちも、久々に表彰台に立ちたいウイングキッス朝霧所属の藤川選手を筆頭に、フラットランドに強い只野選手、連勝を狙う稲見選手が続きます。しかし、空中に出てみると「渋い」の一言。歯を食いしばりすぎて奥歯が痛くなるほどグループソアリングに集中し、選手たちは生き残りをかけかすかなサーマルにしがみつく展開となりました。




そんな中、N2リーグで真っ先にトップアウトした飯塚選手がスタート時刻11時30分に単独でスタートを切ります。飯塚選手は雨引鉄塔方向からドッグレッグして久慈川を狙う作戦でしたが、サーマルにヒットせずに撃沈。同じコースをたどったベテランの原選手はサーマルに乗り距離を伸ばし女子トップの距離を飛びます。この日のポイントでリーグ戦総合優勝争いを競う飯塚選手に8点差まで迫った田村選手は、スロースタートでしたが久慈川に向けたダイレクトなコース取りでこの日の最長距離を飛び、寒風山の佐々木選手、千葉選手の後発組が距離を伸ばすレースとなりました。



ナショナルリーグは藤川選手、只野選手がリードするトップグループがスタート時間ぴったりで雨引経由高峰山コースを狙います。しかしこのグループはまたもや弱いサーマルにしがみつく生き残りゲームを強いられます。50号線を過ぎた砕石場から発生するサーマルは下層の西風に流され花王工場を目指すルートから大きく外れていきます。ここで藤川選手が早めに見切ってコース上に戻ります。この動きに反応し高度を保ち追従した九州から参加の亀山選手が距離を伸ばしこの日2位。ナショナルリーグ女子トップを走る小森選手は燕鉄塔上空で1400mまで上昇し十分な高さを保っていましたが、只野選手とともにサーマルを追いかけすぎ残念な結果になりました。高杉選手はテイクオフ前をなかなか抜け出せず、NASA前にこぼれたところからのスタートでしたが、先頭グループの様子を見ながら笠間ロイヤルゴルフ場を経由する良いラインを通り高峰山のトップアウトに成功。さらに距離を伸ばしさすがの飛びでこの日最長不倒距離。女子総合は地元の利を生かし燕鉄塔からダイレクトにコースを取り、総合3位の前堀選手とともに距離を伸ばした高橋選手が初の栄冠に輝きました。





N2リーグ入賞者







ナショナルリーグ入賞者







天候が危ぶまれたCOOスプリングカップでしたが何とかタスクが成立し、ライブトラックシステム、リトリーブ方法などが構築できたよい大会だったと思います。来年はぜひ今年導入されたライブトラック24のトラッキングシステムの有用性が最大限に発揮されるビッグタスクが成立することを期待し、参加した選手は帰路に立ちました。
選手を代表し、素晴らしいオーガナイズをしていただいたエアーパークのスタッフの皆様、特に回収班の皆様に感謝を申し上げます。