四国三郎ジャパンカップ2017


四国三郎ジャパンカップ2017 大会レポート
            大会実行委員長 SkyTECフライングアカデミー 宮田 歩

2017年JPAナショナルリーグ最終戦となる「四国三郎ジャパンカップ2017」。今年も美馬スポーツ協会の協力をいただき、徳島県美馬市三頭山エリアにおいて開催です。今回は2017年ナショナルリーググランプリ対象大会でもあり、最終戦リーグランキングにも大きく影響するこの大会が注目されます。全国から45名の選手が集まりました。




11月10日(金)
公式練習日。大会準備と練習に多くの方が本部となる四国三郎の郷に集合。午前中は本部の設営。午後からは三頭山テイクオフの設営を行い、その後選手には練習フライトとなりました。高気圧に覆われ、安定した大気のせいで穏やかにフライトすることができ、選手には良い肩慣らしになりました。準備は万端、明日からの本番に備えることができました。





11月11日(土)
大会初日。早朝に寒冷前線が通過した時雨の朝です。この季節の、寒冷前線通過後は終日風が強く、主催者は安全に競技フライトができないと判断、残念ですが、朝の受付で競技中止が発表。そして、大会本部で開会式とブリーフィングが行われました。

開会式では四国電力から送電線への注意をいただきました。そして恒例となった選手全員での「送電線注意ヨシ!」指差し確認ヨシ。十分注意します。ありがとうございました。

開会式後は明日の北風予報に備え、初めての方対象に水の丸エリア見学ツアーが行われました。選手だけでなく、ドライバースタッフの皆さんも道を覚えてていただき明日に備えます。





11月12日(日)
西から移動性高気圧に覆われ晴れ予報。上空には寒気が入り込みサーマル活動も期待できます。三頭山テイクオフレベルも北風予報に、予定通り水の丸テイクオフへ移動となりました。





1500m近くの雲は多めでしたが、西から晴れ間が広がってきています。タスクコミッティはグランプリ成立を意識した51Kmのタスクを設定。吉野川を東西に往復するオーソドックスなタスクですが、吉野川両岸を使ったコース選択ができるように大きなシリンダー設定となっています。






11:00のウインドオープンと共に選手は次々とテイクオフ。上空の雲底で待機し、11:45空中で一斉にスタート!吉野川を一気に横断していきます。集団は紅葉温泉尾根から、三頭山テイクオフまでいくつかの集団に分かれましたが、最初に南斜面で上げきったのはセオリー通り紅葉温泉だったようです。




トップ集団を引っ張るのは立山の藤野選手、扇澤選手。そして浜名湖の中村選手。1500mのクラウドベースまで上げきった選手は、香川県との県境付近に形成された上空の北風によるコンバージェンスのってさらにスピードを上げていきます。

13時を過ぎても心配されていた高層雲は現れず、先頭集団もスタックすることなくゴールまで進めそうです。こうなるとファイナルグライド勝負になりそうです。大会本部ではライブトラッキングでこの様子を観戦。さあ誰が最初に走り出すのか!?十分な高度を獲得している様子ですが、牽制しているのか!?ヤキモキしましたが、やはりこの人扇澤選手がファイナルグライドヘ!続いて藤野選手。トップ集団の選手も追従します。

十分な高度でグライドしているため、ゴールカットは確実。こうなるとフルスピードで飛ぶ扇澤選手に誰も追いつくことはできません。1時間45分でゴールカット!2位藤野選手に2分もの差をつけ余裕のトップゴール飾りました。その後も続々とゴール者は続き、最終となった片桐選手は3時間28分と素晴らしい粘りのフライトで36名目のゴールを飾りました。





1本タスクのみでありましたが、2017年ナショナルリーググランプリも見事成立。グランプリチャンピオンはベテランの扇澤選手。2位は藤野選手。3位はPNL初表彰台となった星田選手。女子チャンピオンは総合成績でも10位に入った宇都宮の吉川朋子選手でした。多くのゴール者で2017年シーズンも笑顔で締めくくることができました。皆さんおめでとうございました。






2017ナショナルリーグランキングも確定です。2017年リーグチャンピオンは広島の高杉選手。女子リーグチャンピオンはやっぱり吉川朋子選手。悪天候で成立本数が少なかったシーズンでしたが、やはり強いパイロットは勝つ!流石ですおめでとうございました。2018年は打倒2人のチャンピオンです。皆さん頑張ってください!




来年も最終戦のドラマがある、この四国三郎ジャパンカップは11月に開催予定です。皆さんの挑戦をお待ちしております。



最後に、ご協力いただきました美馬市、美馬スポーツ協会、VANスカイスポーツ、そして遠くからお集まりいただき、お手伝いいただいたスタッフの皆さまに、本当に感謝いたします。ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。


高嶺カップ2017

レポート 競技委員長 鈴村恵司
photo 鈴村、高木さん、稲見さん、堀田さん


「来年はナショナルリーグを少し離れたゴールを使って開催します。」と一年前のパーティーで発表してから、ゴール場所の確保やら、それなりの準備をして期待感を持って望んだ大会初日は悲しいかな朝から雨。翌日も雨予報で、大会成立の可能性は極めて低く、ましてや5月以来、良いコンディションに恵まれず、長野県南部の平谷村高嶺山エリアにまでめぐってきた日本グランプリの成立は絶望的な状況となっていた。
そして、日程の両日ともに雨でタスクキャンセルとなる残念な結果で大会が終わった。

【大会初日】

どの天気予報を信じるかはあるものの、10時ぐらいに雨はやみ、その後は終日くもりというイメージでの進行を考えていた。テイクオフで待ち、ちょっとでもソアラブルになればチャレンジリーグは試合が出来ないかとは、極めて淡い期待である。しかし、大会本部での開会式、ゼネラルブリーフィング、そして唐突に始まった選手ミーティングを終えても雨は降りやまなかった。本日のタスクはキャンセル。温泉や観光地やレジャー施設に思い思いに選手は流れていった。10月の中旬にも関わらず秋雨前線が停滞。平日を含めた1年を通してのフライト確率はともかく、少なくともナショナルリーグ開催日と天候は今年はアンマッチだ。


大会本部から新野ゴールまでの道のり


残念ながら使えなかったゴール


まぁこれは大会レポートで語る内容ではないのだが、午後には6名のパイロットがフリーフライトしている。12時過ぎに雨がやみ、雲におおわれていた高嶺山のテイクオフが1時ごろに見え始め有志のパイロットが2名入山。買い物、食事を終えて帰路にあった選手3名をテイクオフ移動のすれ違い様にキャッチ。その動きを見て大会本部からハイクでテイクオフまで移動した選手1名が中層にたゆたう雲の上を通り抜けランディングに向かうフライトを行った。


【ウエルカムパーティー】
パーティーはいつも通り。本部の平谷スキー場で、主催者手ずからの鶏の燻製と鍋。天候もありエントリー者全員が集まったわけではないが、それなりに、にぎやかに行われた。不定期ながら高頻度の一部選手による演奏会もカラオケ的に行われ場を盛り上げた。


二日目】
二日目の朝も雨。予報ではやむことはなさそう。早々にタスクキャンセル。賞品で準備したリンゴの箱をあけ、参加賞として選手に分配した。
これにて大会終了。次は四国で最終戦でお会いしましょう。



2017白馬八方尾根Japan Cup

レポート:スカイブルー八方尾根パラグライダースクール



2017年9月30日-10月1日に開催した「白馬八方尾根Japan Cup」天候にも恵まれ無事に成立しました!!(パラグライダーの大会は競技ができないような天気だと不成立となってしまうのです。)

お近くの方から遠方の方までたくさんの選手の方にご参加いただきありがとうございました!!
そして、スタッフとしてご協力いただいた皆様ありがとうございました!!
地域・索道の方々にもご協力いただきありがとうございました!!

そして、今大会には大塚製薬様よりカロリーメイトゼリーソイジョイを選手の皆様にご提供いただきました。ありがとうございます!!
パラグライダーに行動食は必需品!かさ張らず、必要な栄養素を摂取することができるので、行動食&携帯食にピッタリ!!
担当の営業の方がわざわざテイクオフまで来てご挨拶してくださいました。




今年も多くの方のご参加・ご協力のもとで大会を成功させることができました。
また来年も継続して開催していきますので今後ともよろしくお願いいたします。

大会1日目

雲ひとつない秋晴れの空が選手の皆様を迎えてくれました!



一昨年は不成立、去年は渋~いコンディションでなんとか1本成立、、、とコンディションに恵まれない年が続いていますので今年こそは!!と気合が入ります。

しかし、木曜日からの強烈な寒気の影響が残り、予報は西風強風。しかも空気が乾燥していて低いところには雲が出来ないので風の流れが読みにくい。
いつ影響が出てくるか分からない上空の西風を警戒しながらも着々とゲートオープンに向けて準備をすすめていきます。



競技委員長とタスクコミッティーでしっかりと状況を話し合いながら成立に向けてタスクを考え、ナショナル・N2ともにショートタスクで短期決戦の西風対策!



ナショナル 25km



N2 18km

テイクオフは朝から東より(アゲンスト)の風がしっかりと吹いています。しかし、少し上空や北側の谷は西風が影響してきているようです。フライトしているダミー達のグライダーも空域によっては時折怪しい動きをしているものの、現状ではフライトできると判断しN2が11:20、ナショナルが11:30にウィンドオープン!!



(写真はダミー達のテイクオフ)

N2リーグを先に、そしてナショナルリーグの選手達も続々とテイクオフしていきます。
空域はやはり西風の影響で荒れ気味。しかし、しっかりと上昇気流があり、デパーチャーオープン(スタート)時間がくると選手達は一斉に動き出します。

ナショナルリーグの先頭集団が二つ目のターンポイント月夜棚方面に向かってグライドしていったころ、飛んでいた選手達全体がどんどん上がりだし、選手達からセーフティーに関する無線が入りだします。

「レベル3!!」

のコールが入り、競技委員長の判断でタスクストップ。ナショナルリーグのスタートから12分後でした。

さすが大会選手達は全員問題なくセーフティーランディング。

N2リーグはJPAのローカルルール適用によって、タスクストップの時間までの距離によって成績が出ましたが、ナショナルリーグはスタート後のフライト時間がタスクストップの規定に満たないためキャンセルとなってしましました。

フライト終了後は大会本部にてカレーの振る舞いで選手達を迎えます。

そして夕方には、ちょっとした食事と飲み物を用意して親睦会です。



残念ながらタスクストップ(ナショナルはキャンセル)となってしまいましたが、まずは最高の景色の中、白馬八方尾根の空を選手の皆さんにフライトしていただくことができて良かったです。そして、2日目はかなり期待できる予報!!

大会2日目

予報どおり、2日目も雲ひとつない秋晴れ!!今日も雄大な北アルプスが歓迎してくれているようでした!



上空の西風もかなり落ち着きフライトにはまったく問題ない程度。
しかし、この日の懸念材料は2つ。中層から下層の南風が強く吹く予報&昼前から急激に高層雲が張りだしてくる。

しかし、大丈夫だろうと思っていたもうひとつの敵が手強かった。対流はあまり活発ではなく逆転層がなかなかブレイクしない。イメージしていた時間よりもだいぶ遅れて、ようやく上がりだしたダミーたちも1800mがやっとの渋いコンディション。

状況と2つの懸念材料を考え、ナショナルリーグのタスクは当初考えていた62kmのビッグタスクを少し短く調整。N2リーグは南北への移動距離が短いのでそのままで。



ナショナル 53km



N2 30km

N2が11:00、ナショナルが11:20にウィンドオープンし、選手達は続々とテイクオフ!!



しかし、サーマルトップの高度は1900m以上は上がらず、あまり高度がとれずに上昇と下降を繰り返す、スタートまで苦しい空中待機となりました。

11:30になるとN2の選手達はスタートパイロンに向かって移動を開始!まずはエリア内のタスクを順調にこなしていきます。

12:00になりナショナルの選手達もようやくスタート!栂池に向かって一斉にグライドを開始します。しかし、積雲が無いので対流の様子は目には見えず、とりあえず行くしかない!
各々様々なイメージを膨らませながら上昇気流を探し、ヒットしたのは岩岳山頂よりも少し北側。下層の南風が強くなり始め、岩岳のサーマルはかなり乱れていましたが、ナショナルの選手達はどんどん高度稼いで栂池へと移動していきます。

1つ目の懸念材料「南風が強くなる」が現実になり、栂池は下層の南風が強くなかなか素直には上昇できない。しかし、ある程度高度を上げるとそれほど風は強くない。栂池で下から見ていた人たちは、あまりにも風が強いのできっと選手達は八方方面には戻れずに降りてしまうだろう、と思っていたそうです。
しかし、そこはさすがのナショナルリーガー達。うまく上昇気流をつなぎ、ほとんどの選手がリターン!

そして、ここから2つめの懸念材料「高層雲」。どんどん広がって、あっという間に曇り空(涙)

急激にコンディションは渋くなり、徐々に生き残りレースの様相に。
八方でふるい落とされ、五竜でふるい落とされ、さのさかでふるい落とされ、、、そんな中、高層が張り出すのを見てうまくペースアップしていった高杉選手と隅選手だけがさのさかから八方へリターン!そして高杉選手はそのまま2度目のさのさか方面へ!しかし、ここまで。高層雲ですっかり穏やかになってしまったコンディションになすすべなくランディング。



残念ながらゴール者は無し。

N2リーグもゴール到達前に高層雲に阻まれてしまいゴールならず!

悔しいですがしょうがない。。。
しかし、選手達には久しぶりに白馬八方尾根らしいタスクにチャレンジしていただくことが出来て良かったです!

大会本部では暖かいうどんでフライト後の選手の皆様をお出迎え!

結果の集計もスムーズにいき、暗くなる前には閉会式&表彰式を終えることが出来ました。

今年のトロフィーもオーダーメイドのステンドグラスのランプトロフィー!!



製作:kirakira glass.

入賞された方々おめでとうございます!!



N2リーグ女子



N2リーグ総合



N2リーグチーム



ナショナルリーグ女子



ナショナルリーグ総合



ナショナルリーグチーム

入賞者一覧

『N2リーグ』

総合

優勝 芦田選手
2位 池長選手
3位 小田選手
4位 中井選手
5位 千葉選手
6位 食堂選手
6位 小川選手

女子

優勝 千葉選手
2位 小川選手
3位 山岸選手

チーム

優勝 丹那グローリーズ
2位 西日本連盟
3位 本家Comta会

『ナショナルリーグ』

総合

優勝 高杉選手
2位 隅選手
3位 伊澤選手
4位 桜井選手
4位 前堀選手
6位 関根選手

女子

優勝 吉川選手
2位 片貝選手
3位 河野選手
4位 吉原選手
5位 小森選手
6位 星田選手

チーム

優勝 チームZ
2位 OZ3’s(オジサンズ)
3位 とちおとめ

『N2リーグ 成績表』

総合
http://jpa-pg.jp/11event/2017compe/pnl06hakuba/report/result/n2l/n2l07total.htm
女子
http://jpa-pg.jp/11event/2017compe/pnl06hakuba/report/result/n2l/n2l07total_women.htm
チーム戦
http://jpa-pg.jp/themes/jpa/11event/2017compe/pnl06hakuba/report/result/n2l/n2l07_team2.pdf

『ナショナルリーグ 成績表』

総合
http://jpa-pg.jp/11event/2017compe/pnl06hakuba/report/result/pnl/pnl06total.htm
女子
http://jpa-pg.jp/11event/2017compe/pnl06hakuba/report/result/pnl/pnl06total_women.htm
チーム戦
http://jpa-pg.jp/themes/jpa/11event/2017compe/pnl06hakuba/report/result/pnl/pnl06_team2.pdf

おまけ

お仲間の救出のため、表彰式に参加できなかった入賞者にも無事お渡しすることができました♪



N2優勝の芦田選手



写真左から

ナショナル女子3位 河野選手

N2優勝 芦田選手

N2チーム戦2位 西日本連合


しらたか ラ・フランスカップ

レポート 植木 亨(大会実行委員長)※加筆 鈴村(競技委員)
PHOTO 扇澤 郁

今回の「しらたか ラ・フランスカップ」は直前に台風の影響を受け、3日間の予定が初日1日のフライトで大会終了となりました。日本グランプリ成立しませんでした。残念。

【1日目】
2017年9月16日から18日、チャレンジリーグとナショナルリーグを山形県白鷹町の白鷹スカイパークで開催しました。前日入りの数名の選手は午後からフライトできました。初日の今日は気になる台風の影響も無く飛べると判断し、いつも通りの行動で、朝ご飯で始まり、受付、山頂へ移動、開会式、選手ブリーフィング、後はタスクが決まるのを待つだけです。



気になる天候は、朝は晴れていましたがだんだん雲が厚く立ち込めてきました。しかし11時ごろから次第に薄日が射し始めダミーもトップアウト。絶対的な高度は低いながらも雲につけて飛べるコンディションになり、予定競技時間を15分前倒ししてチャレンジリーグからウインドゥオープンしました。
タスクは、ナショナルクラス 45キロ(最短32キロ)、チャレンジクラス25キロ(最短17キロ)のタスクが組まれました。




北、西、南方向で3ヶ所あるテイクオフをフルに使い選手がテイクオフ、上げきれない選手がいる一方、雲まで着けタイミングを見てる選手もいる極端なレース展開になりました。降ってしまった選手達はあきらめず何度もリフライト。どうなることかと試合進行を見守る中、ゴールスタッフより「ナショナルリーグは扇沢選手、チャレンジリーグは西川選手、それぞれゴールしました」との無線報告が入りました。これにより大会成立が確実になりました。





試合後は、焼きたてピザがふるまわれました。リフライトも含めて一日動き続けた選手にこれはありがたいおもてなしでした。そして夜にはウェルカムパーティが白鷹スキーセンターで行われました。
乾杯のあと本日の成績発表と上位成績選手へのインタビュー、続いて参加選手自らによる生バンドで時間一杯まで盛り上がり、楽しい交流会になりました。今回は山形の秋の名物芋煮を食べていただきました。また、生ビールや お酒の差し入れを頂ましたありがとうございます。



【2日目】
朝から重たい雲に覆われ天気予報では午後から雨、風も強いとの事からタスクコミッティ、セーフティコミッティの選手達と話し合い今回の大会はここまでで終了とし、表彰式と閉会式を行い解散としました。
日本グランプリは9/30、10/1の「白馬八方尾根Japan Cup」に持ち越しとなりました。皆様の参加をお待ちしております。


PNL総合表彰


PNL女子表彰

PNLチーム戦表彰


PCL総合表彰


PCL女子表彰

PCLチーム戦


ジャム勝・サマーカップ 2017

レポート 鈴村恵司(大会競技委員長)


今年のジャム勝・サマーカップの成立は日本三霊山の一つで今年、開山1,300年を迎える白山のご利益次第となっていた。開催される週末に台風が本州東沖を北上する。本来ならドフォローとして流れ込む北東風(もちろんおそらく強風だ)をブロックして弱め、風向きを回り込みで北西に変えてくれるのではないか。期待を込めて祈った選手も多かったはず。
結果として一日目にN2リーグ、チャレンジリーグそれぞれにミニマム距離を越えた選手が3名づつ出て見事(?)成立となった。欲を言えばキリがない。ご利益(ごりやく)はあったと言って良いと思う。

【一日目】
◆競技
前日に現地のり込み組の選手は午後1時ぐらいまでは飛んだそうだ。その天気図は等圧線が込み入って東西にまたがるもので、大会初日の今日と似通っていた。いけるかも、期待が高まる。但し、朝の晴天から状況が変化し、だんだんテイクオフに雲がかかり始める。全体的に曇天。これが昨日との違いであった。


いつものようにテイクオフで開会式、ブリーフィングをすませ、タスクを決め、あとはウィンドゥオープンを待つだけまで漕ぎつけた。
「午後1時には北風が強くなる」の予測のもと、基本、東西を往復するウェイポイント(WP)を選び組んだタスクはN2で19km、チャレンジで15km(WP中心距離)。どれだけ早くウィンドオープンして選手が飛び続けられる時間帯を長く出来るかで成立か否かが決まる。


果たして11時過ぎには日射が届き始める。地元の腕利きのフライヤーには頑張って頂いた。まだまだリフト発生は予感の段階で出て頂き、粘りの飛びでおそらくエリアで最初に発生したサーマルで目線以上まで上げてくれた。お見事、もっとも効率的にウィンドゥオープン出来た、感謝。
11時30分にまずチャレンジリーグがウィンドゥオープン。苦しみながらも高度を稼いでいく。チャレンジリーグのデパーチャーオープン時刻は12時ジャスト。ありがちながら12時前後にコンディションが落ちスタートした選手は苦しむ結果に。



N2リーグは12時15分のスタート。しかしテイクオフにはまだ選手が残っていた。さらに12時20分過ぎには北東フォロー風が入り始め、テイクオフする選手の流れが悪くなる。12時30分すぎにはテイクはサイドフォロー。ランディング付近ではゲインしている選手はいるもののテイクオフ付近のWPを取りに戻ってくるのはとても困難となった。
12時39分にタスクストップ。列に並びつつテイク出来なかった選手や、沖で上げていた薬師寺選手と星田苗月選手には申し訳なかったが、この後のさらなる強風化の可能性に競技委員長の心が折れた。
結果としてミニマムを越えてタスクを成立して頂いた選手名を挙げておこう。
[チャレンジリーグ]
1位 ゼッケン561 荒金正之 選手
同率2位 ゼッケン523 藤原雅宏 選手 & ゼッケン535 西川慎治 選手
[N2リーグ]
同率1位 ゼッケン25 中村雅彦 選手、ゼッケン52 吉川朋子 選手、ゼッケン71 関根順

〈競技の様子はこちら〉

〈競技の様子その2〉

〈リザルトはこちらPCL〉

〈リザルトはこちらN2リーグ〉


◆ウエルカムパーティ
2日大会で一日だけ飛べるとしたら初日の方が良い。コンペ仲間との夜の楽しさがその日飛べたかどうかで全く変わるからだ。リザルトを見れば自分の成績に不満足な選手が圧倒的に多いはずであるのにみんな楽しそう。若い大会スタッフをバーベキューテーブルに招き入れ、選手間だけではく年齢差をこえた交流会となった。以前は大学生のスタッフ(福井県大パラグライダー部?“そりゃーず”の皆さん)とそれなりに年齢を重ねた選手の交流はややよそよそしかったように思う。でも今はなんだかとても楽し気に会話する。毎年のように参加する選手、4年間とは言え経験を後輩に継承する学生、初対面でもフランクに話が出来る土壌が育ったようだ。

〈パーティの様子はこちら〉


【二日目】
◆競技
予報は好転しているように見えた。西高東低から高気圧が東に流れて(いわゆる)緩んでゆく気圧配置。風予報も初日より全時間帯で1m/secほど低い。
しかし、結局、選手が飛ぶことは出来なかった。強い北東風の中、13時30分までテイクオフで待ちタスクキャンセル。初日の成績での表彰が決定した。


唯一、ふらっと訪問してきた扇澤さん(この人をどんな枕詞で紹介するのが適当なのかわかりません)が13時過ぎにテイクオフ。テイクオフ前の横風に振られはしたが、飛んでしまえばしっかり上げていた。とは言うもののランディングでは対地速度極小で降りたとたんに天気雨が降ってくるようなコンディションでのフライトであった。

〈こんな感じ〉


◆閉会式・表彰式
チャレンジ、N2の両リーグの各3名を表彰。余った賞品はくじ引きで分配した。これにて終了。選手は次の大会を目指すが、主催者、スタッフにとっては大会は一年に一回の出来事。また一年越しの願掛けが始まる。最後の集合写真で使われた掛け声、「来年は二日目も飛ぶぞ」が実現されることを祈ろう。選手の皆様、それではまた来年ご集合ください。よろしくお願い致します。

〈閉会式の様子もこちら〉